こんにちは、ITインフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
転職や就職を考える際に、「採用されるために資格を取った方がいいのか?」と考える人は多いです。
どこでも活かせるIT系の資格取得を考えるなかで、一番簡単に取れる国家資格である「ITパスポート」の資格を検討される人も多いですが、では実際「ITパスポート」を取得した場合は、転職や就職で評価をされるのでしょうか?
ITパスポートの資格取得は、コストパフォーマンスは高いのでしょうか?
今回は、どんな人が、どんな職種を応募する際に、ITパスポートは評価に繋がるのか?
などを説明していきます。
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ITパスポートは、未経験エンジニア転職の評価にはならない
ITパスポートとは通称iパス(アイパス)で知られる「経済産業大臣が実施する、IT系の国家資格」です。
ITパスポートの試験に関して、概要や難易度を下記に説明します。
ITパスポートの試験概要:
・試験時間:120分
・試験問題数:100問
・試験点数:1000点満点で採点
・試験設問:
-ストラテジ系(経営全般):35問程度
-マネジメント系(IT管理):20問程度
-テクノロジ系(IT技術):45問程度
・合格率:50%前後程度
ITパスポートの難易度:
国家資格というと、「評価が高いのでは?」、「どこでも通用するのでは?」と思ってしまうかも知れませんが、ITパスポートはIT系国家資格の中では一番難易度が低く、易しい資格であり、ほとんどの人が独学のみで取得する資格です。
真面目に勉強をすれば、1週間程度で取得する人が多いでしょう。
通常の試験対策は過去問の丸暗記は危険とも言われますが、ITパスポートは過去問の丸暗記(Webの無料問題集のみを解き続け)で合格する人が多い資格です。
おすすめのITパスポートWeb問題集はこちら→ITパスポート試験ドットコム
ITパスポートで身につく知識
ITパスポートで身につく知識は、「浅く広く」、「社会人として、ITの一般利用者として、基本的な知識」が身につくレベルと言えます。
では、ITパスポートを取得した場合、転職における優位性はどうでしょうか?
下記からはITパスポート転職の優位性を説明します。
ITパスポート転職の優位性は?
ITパスポートは国家資格ではありますが、転職優位性はあまり強くはありません。
ITパスポート取得を考える人は、未経験エンジニアか、未経験サポート・事務職希望の方が多いですが、なかなか評価には繋がりにくい資格です。
ただし、ITパスポートが転職に有利に働く場合もあります。
下記からは「ITパスポートが転職で評価されない場合」、「ITパスポートが転職で評価される場合」を説明していきます。
ITパスポートは、未経験エンジニア転職の評価にはならない
ITパスポートは国家資格ですが、IT業界の未経験転職で評価をもらうために取得を考えても、残念ながら、なかなか評価にはつながらないでしょう。
理由としては、下記2点となります。
・簡単に取得できるので、転職で評価されるほどの価値が無い
・対象がITを扱う一般ユーザー向けであり、エンジニア向けの資格ではない
そもそも、転職で有利になる資格というのは、「仕事に直結する知識が身に付く」資格です。
「仕事に直結する知識」を未経験で身につけるには、そこそこ絞られた範囲で勉強をしないと、勉強に使った時間に対して、効果が薄いでしょう。
例えば、英語を使った仕事をしたい人が、英語の勉強だけでなく、中国語、スペイン語と、浅く広く勉強しても、効果は薄いでしょう。
英語を使った仕事をしたい人は、基本的に「英語」に絞って勉強をすると思います。
ITパスポートは、簡単かつ、勉強の対象範囲が「ストラテジ系(経営全般)」、「マネジメント系(IT管理)」、「テクノロジ系(IT技術)」と、浅く広いのが特徴です。
もちろん、資格を取ることは悪い事ではなく、前向きな努力が必要である良い事ではありますが、あなたが目指す仕事に直結する勉強をしないと、効果が薄い(評価がもらえない)ということが言えます。
実際、IT業界で働く人で、ITパスポートを持っている人は相応いますが、転職時の履歴書に書かない人も多いです。
ITパスポートは、未経験IT転職の「IT業界への志望理由」の裏付けとしては有効
ただし、ITパスポートを取得する場合は、転職で直接評価をもらえる訳ではありませんが、「IT業界で働きたい」というIT業界への志望理由に説得力を持たせてくれます。
例えば、転職時に「なぜIT業界に興味を持ったのか(IT業界を志望したのか)?」といったIT業界への志望動機を聞かれる質問で、IT業界への志望理由に説得力がない返答しか出来ない場合、「IT業界でないとダメなのか?」といった質問を面接官からもらう可能性があります。
「IT業界への志望動機(なぜIT業界を志望したのか?)」の返答に苦しむ場合は、ITパスポートを取れば、「IT業界への興味があり、まずは最低限の知識を体系的に学ぶために、ITパスポートを取得しました。次はCCNAを取得しようと考えていて、現在勉強中です」ということも言えるはずです。
すると、「IT業界で働くために、口だけではなく、行動もしている」と面接官に受け取ってもらえるので、「IT業界で働きたい理由」に説得力は持たせることができるでしょう。
ゆえに、年来が若い人で、とりあえずIT業界で働きたい人には、少し有利になる資格でしょう。
ITパスポートは、未経験サポート業務に転職の場合は少し有利
ITパスポートは、未経験サポート業務(テクニカルサポート、ヘルプデスク、監視オペレタなど)の仕事につく場合は、少し有利になります。
理由としては、未経験サポート業務の場合は、専門的な知識があまり必要とされないためです(むしろ、どのような仕事につくかがわからないため、ITパスポートのような幅広い範囲の資格は多少有効になります)。
未経験で、とりあえずIT業界に入りたい(特にどんな仕事をしたいかがない、年収も気にしない)という場合は、ITパスポートを取れば、「IT業界に興味を持っているようだ」という評価にはなるので、ITパスポートの取得はありでしょう。
また、IT業界ではない会社や職場で「IT寄りの仕事」をする場合は、ITパスポートは少し役に立つでしょう。
ただし、エンジニア(ネットワークエンジニア、インフラエンジニア、プログラマーなど)を希望する場合には、転職時にはITパスポートはほぼ評価にならないでしょう(新卒であれば、ITパスポートは少しだけ評価をもらえるでしょう)。
本当に転職を考えるなら、ITパスポートのみでなく、プラスαが欲しい
IT業界に転職を考えてITパスポートを取る事は、無駄ではありませんが、転職時の評価は見込みにくいでしょう。
本当にIT業界に転職を考えるのであれば、ITパスポートのみでなく、プラスαの勉強が欲しいところです(プラスαの勉強をするのであれば、ITパスポートを取る必要はなくなりますが。。)。
ただし、プラスαの勉強をする時は、「IT業界のどのポジションに転職をしたいか?」を決めないと、勉強に必要な時間・労力に対して効果が薄いので、まずは「IT業界でどんな仕事をしたいのか?」を決める事をおすすめします。
未経験者がIT業界で選べる最初の仕事は、基本的に下記3つに絞られるでしょう。
① ITインフラ系(ネットワークエンジニア、インフラエンジニアなど)
② ITサポート系(テクニカルサポート、ヘルプデスクなど)
③ システム開発系(システムエンジニア、プログラマなど)
この3つの中から、一番あなたが興味を持てる仕事を選んでもよいでしょう。
また、この3つの中から興味が持てるものがある場合、プラスαの勉強としておすすめする内容を説明します。
① ITインフラ系(ネットワークエンジニア、インフラエンジニアなど)
⇒ITインフラ系の資格を取得することが一番の近道です。CCNAもしくはLPIC(LinuC)の資格取得が出来れば、転職での評価はもらえるでしょう。
② ITサポート系(テクニカルサポート、ヘルプデスクなど)
⇒ITパスポートのみでも問題ありませんが、その他Excelを中級レベルにして、ピボットテーブル、if関数、Vlookup関数、マクロなどを使えるようになるとよいでしょう。
③ システム開発系(システムエンジニア、プログラマなど)
⇒システム開発系を希望する場合は、自分でプログラミングを勉強して、何かアプリケーションを作ると良いでしょう。例えば、今の職場で営業をしているのであれば、営業で時間がかかっている業務(営業先選定など)を自動化するシステムでもよいですし、あなたが興味を持つWebアプリを、手を動かして作ってみると、転職での評価はもらえるでしょう(システム開発系は、プログラミングが出来ないと仕事にならないため、資格を取ってもほとんど評価には繋がりません)。
また、ITインフラ系(ネットワークエンジニア、インフラエンジニアなど)やITサポート系(テクニカルサポート、ヘルプデスクなど)で転職をお考えの際には、当社で転職支援も行っておりますので、お気軽にご相談頂けますと幸いです。
あわせて、ITインフラ系を希望される場合は、私どもでCCNA・LPICの無料取得支援&転職支援を行っておりますので、よろしければ、「CCNA・LPICの無料取得支援&転職支援」にご登録・ご相談頂けますと幸いです。
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