LPIC(LinuC)は転職で有利?資格のメリットと注意点、成功戦略を解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

Linux資格の代表である「LPIC」や「LinuC」。インフラエンジニアを目指す多くの人が、一度は取得を検討したことがあるのではないでしょうか

一方で、「実務経験がないのに、資格だけとっても意味ない?」、「そもそもLPIC/LinuCって、転職で評価される?」、そんな疑問や不安から、一歩踏み出せずにいる人も多いと思います。

この記事では、LPICやLinuCが本当に転職で有利になるのか、求人市場の現状や資格のメリット、注意点などをわかりやすく説明していきます。

「資格の取り方」よりも「資格の活かし方」を、より詳しく知りたい人は、是非参考にしてください

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

LPICやLinuCが気になるのは、こんな人では?

Linux資格であるLPIC やLinuCが気になる人は、自分の将来やスキルに対して、何らかの「焦り」や「問題意識」を感じている人ではないでしょうか。

ここでは、LPIC(LinuC)が気になり、調べ始める典型的な3タイプを紹介します。もしかすると、あなたにも当てはまる部分があるかも知れません。

■LPIC/LinuC が気になる人の特徴:
・Linux経験が浅く、何から始めてよいかわからない
・未経験でインフラエンジニアに転職したい
・転職でアピールできる「武器」が欲しい

Linux経験が浅く、何から始めてよいかわからない

まず多いのは、「Linuxの基本を学びたいけど、どこから手を付けるべきかわからない」という人です。

「現場で少しLinuxコマンドを触ったことがある」、「触ったことがあるが、理解があいまい」、「GUIではない操作が苦手」というLinux初学者にとっては、LPICやLinuCは体系的が学習ができる資格試験です。

実際、LPIC Level1やLinuC レベル1の試験範囲には、以下のような基本が含まれています。

■LPIC/LinuC-1の主な試験範囲:
・Linuxのファイル構造とディレクトリの操作
・パーミッション・ユーザー管理
・プロセスやサービスの基本的な制御
・Linuxのインストール、パッケージの管理

つまり、LPICやLinuCを学ぶことで、「なんとなく動かせる」から「理論を理解して使いこなせる」へとレベルアップするための土台を固められると言えます。

資格学習を進めていく中で、自分が理解できていないことや実務の仕組みがクリアになっていく経験をする人も多く、Linuxに対する苦手意識を払拭する良いきっかけになります。

未経験でインフラエンジニアに転職したい

もう一つの典型例として、「IT未経験からインフラエンジニアを目指したい」という人も多いです。

インフラ系エンジニアは、アプリ開発エンジニアよりも参入ハードルが低いと言われますが、それでもまったくの未経験では、なかなか書類や面接が通りません。

そのため、「何かスキルの証明が欲しい」、「内定につなげたい」と考えたとき、目にとまりやすく、最初の選択肢となりやすいのが、LPICやLinuCといった資格です。

特に両試験ともに、レベル1試験は初学者向けに設計されているため、「独学しやすい(参考書、問題集などが豊富)」、「合格すると、履歴書に書ける(客観的なスキルの証明になる)」というメリットもあります。

もちろん、「資格がある=即戦力」とは見なされませんが、未経験転職においては「本気でエンジニアを目指し、学習する姿勢」や「ITへの関心・継続力」を企業に伝える武器として、非常に効果的です。

また、求人の中にも「LPIC Level1保有者歓迎」、「LinuC歓迎」と記載されたものがあり、応募条件を満たす武器にもなります。

転職でアピールできる「武器」が欲しい

IT業界で働いているけど、「自分に誇れるスキルがない」と考え、資格を探し始める人も少なくはありません。例として、以下のような人に多いです。

■転職でアピールする武器が欲しい人の特徴:
・ヘルプデスクや運用・監視業務が中心で、キャリアアップに不安がある
・今後のために「技術寄り」のスキルを身につけたい
・面接で話せるような「学習成果」がない

上記のような場合には、LPICやLinuCは「自分の学習成果とスキル」を証明できます。また、LPIC/LinuCは、採用企業の認知度も高いので、「どれくらいの知識レベルか」が判断しやすいとも言えます。

また、「資格を取るために●●時間勉強した」、「毎日●時間Ping-tや問題集を解いていた」といった努力は、「成長意欲」としても評価されます。

つまり、資格は知識だけでなく、あなたの学習姿勢や成長意欲も伝える「履歴書以上の武器」になると言えます。

LPIC/LinuCは転職でどれくらい評価される?

LPICやLinuCは、Linuxの知識を証明できるベンダーニュートラルな資格であり、インフラエンジニアを目指す人や、キャリアアップを考えている現役エンジニアの間でも、取得を検討する人は少なくありません。

では、実際にこの資格が転職市場でどれくらい評価されているのか?について、資格取得が有利に働く場面、そうでない場面、面接での活かし方などを、採用側・現場目線で解説します。

求人票に「LPIC歓迎」はよくあるが、必須ではない

LPIC(またはLinuC)は、求人票の条件欄に「歓迎資格」として記載されていることがあります。特に、以下のような求人で見かけることが多いです。

■LPIC(LinuC)歓迎の求人例:
・インフラ運用・保守・構築などのサーバー系エンジニア職
・Linux環境での実務経験が求められるポジション
・中小SIerやSES企業の未経験・若手採用枠


実際、「LPIC Level1 以上保有者 歓迎」、「LinuC歓迎」などの表記は多数の求人に存在しています。これは企業側が、応募者の知識レベルや学習意欲を見極める手段になっているとも言えます。

しかし「歓迎」される一方で「必須ではない」というのも事実です。ほとんどの求人は「資格がなくても可」としており、実務経験やヒューマンスキルなど、より重視される項目も存在します。

つまり、LPICやLinuCは「大きな加点要素」にはなるが「必須条件」ではないというのが、採用・現場でのリアルな評価です。

資格があるだけでは不十分?実務経験との関係

「資格を取得すれば、転職できる」というのは、半分正解ですが、半分誤解でもあります。特にインフラエンジニア業界では、「知識」よりも「実務経験や実践スキル」が強く求められる傾向です。

そのため、たとえLPICを取得していても、コマンド操作がスムーズにできなかったり、構成のイメージが全くわかない場合は、即戦力としては見なされません。

では資格が役に立たないのかというと、そんなこともありません。むしろ実務経験が浅いエンジニアや未経験者にとって、「やる気」や「継続力」をアピールする材料として、資格は非常に役立ちます

例えば、面接で聞かれやすい質問としては、技術的な内容のみでなく、「どうやって勉強しました?」、「どれくらいの期間で合格しました?」、「仕事ではどんな場面で活かせそうですか?」などがあります。

これらに対して自分の言葉で具体的に答えられれば、「ただの資格ホルダー」ではなく「成長意欲のある人材」として印象づけることができます

また、資格勉強の過程で構築した自宅ラボ環境や、Ping-t・黒本などで繰り返し問題演習を行った話なども、独学力の証明材料として有効です

面接ではどう評価される?アピールのコツ

LPICやLinuCを取得した後、実際の面接でどのように活かすかは非常に重要なポイントです。ただ「合格しました」と伝えるだけでは、せっかく取った資格のアピールが弱まってしまいます。

面接で評価されやすいアピール方法のポイントは、以下の3点です。

■転職活動での、LPIC/LinuCのアピールのコツ:
・「資格を通じて得た知識・経験」を具体的に話す
・「どのように学習したか」を詳しく伝える
・「資格を取得した後、どう活かしたいか」を語る

「資格を通じて得た知識・経験」を具体的に話す

資格取得をアピールするためには、現職での実務への関連性を強調し、即戦力につながることを示すのがコツです。例としては、以下のようなアピールです。

「LPIC Level1の勉強を通じて、ユーザー権限の設定やプロセス管理の基本を体系的に理解しました。現職ではあいまいだったLinuxの挙動についても、しっかり説明できるレベルになりました。」

「どのように学習したか」を詳しく伝える

どのように学習をしたかを詳しく語ることで、自己管理力や継続力が評価されやすくなります。例としては、以下のようなアピールです。

「1日1-2時間、Ping-tと書籍を使って約2ヶ月で取得しました。勉強時間の記録も残していて、特に進捗管理やモチベーションの維持に気を配りながら学習してきました」

「資格を取得した後、どう活かしたいか」を語る

資格を取得した後の活かし方を丁寧に語ることで、成長意欲や長期視点のキャリア形成が伝わりやすくなります。例としては、以下のようなアピールです。

「資格取得がゴールではないので、得た知識を活かしながら、今後はサーバー構築や自動化スクリプトにもチャレンジしていきたいと考えています。」

まとめ:資格は「入り口」、転職では「活かし方」が重要

LPICやLinuCは、転職市場において評価を得られる資格です。特に、未経験者や実務経験2年未満の方にとって、知識と成長意欲を示すことができる、重要な武器になります。

しかし、資格はあくまで「加点要素」であり、「資格だけで内定が取れる」と過信するのは危険です。

転職活動では、「資格」+「実務経験(または学習経験)」+「面接での伝え方」、この3つがそろってて初めて「評価される人材」として認識されます。

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資格取得のメリットとは?【採用・現場目線で解説】

インフラエンジニアを目指す人、またはすでに現場で働いている人の中には、「LPICやLinuCって、取る意味あるの?」、「資格よりも実務経験の方が大事では?」と考える人も多いのではないでしょうか。

確かに、インフラ業界では「現場での実力」が求められることが多く、資格だけでは評価されにくいことは事実です。そのため「資格は意味がない」いった声を聞くこともあるでしょう。

一方で、インフラエンジニアの転職支援や研修にも深く関わる当社から見ると、LPICやLinuCのようなLinux資格は、明確に「取る価値」があります特に未経験からの転職や、運用・監視業務からのステップアップでは、価値は計り知れません

ここでは、現場の採用担当やエンジニア育成に関わってきた立場から、資格取得の3つの具体的なメリットを説明していきます。

■資格取得の3つのメリット:
・学習範囲が体系的に整理されていて効率的
・独学でもスキルを証明できる
・構築やクラウド領域へのステップアップに役立つ

学習範囲が体系的に整理されていて効率的

ITインフラの学習を始めると、まずぶつかる壁として「情報がバラバラで、どこから手をつけるべきか分からない」があります。ネットには多数の教材や講座がありますが、断片的であり、初心者ほど迷いやすいのが現実です。

その中で、LPIC(またはLinuC)は、試験範囲が明確で、学習すべき内容が体系的に整理されているという大きなメリットがあります。例として、LPIC-1の出題範囲では、以下のような基礎知識が含まれています。

■LPIC-1の出題範囲例:
・Linuxの基本操作とファイル管理
・ユーザー・グループの権限管理
・プロセスの管理

・シェル、シェルスクリプトの操作
・ネットワーク基本設定、セキュリティ

上記について、順を追って学ぶことで、「Linuxを体系的に理解する力」が身につきます。バラバラな知識ではなく、「仕組みを理解した上で、使いこなせる」ようになっていきます。

実際に、多くの現役インフラエンジニアも、初学者時代にはLPICやLinuCで基礎を固めた人は多いです。また私自身も、LPICを勉強したことで、Linux環境の全体像がつながった経験があります。

学習効率を高めながら、本質的な理解を深めたい人に、非常に有効な学習方法です。

独学でもスキルを証明できる

インフラエンジニアの転職活動では「実務経験」がもっとも重視される傾向です。とはいえ、未経験者や経験が浅いエンジニアが、いきなり「実務力」を証明することは難しいです。

そこで役立つのが、資格という「客観的な証明」です。LPICやLinuCは「Linuxの基礎知識を体系的に学んでいる」ということを、誰にでも伝わる形で示すことができます。

また、独学で学んだ場合は、「自ら学習計画を立てられる」、「モチベーションを維持できる」、「継続して勉強できる」という評価にもつながり、これらはエンジニアとして現場で評価される資質でもあります。

実際の転職支援現場でも、「今まで内定が出なかったが、LPIC level1を取って、面接で努力を評価されて内定した」という事例は多数あります。資格単体で内定が決まる訳ではないですが、やる気の証明としての効果は非常に大きいです。

構築やクラウド領域へのステップアップに役立つ

「将来的に、サーバー構築やクラウドエンジニアに進みたい」、そんなキャリアパスを考えているなら、LPICやLinuCはその第一歩です。構築やクラウドの現場では、「Linuxの基礎知識」は、当たり前として求められます

クラウドでEC2インスタンスを立てたり、Ansibleなどで自動構成を組む際でも、「そもそもLinuxはどう動いているの?」、「ファイルはどこにある?サービスの起動方法は?」など、OS層の知識は欠かせません。

資格取得によってこれらを理解できていれば、次のようなステップアップがスムーズになります。

■資格取得後のステップアップ:
・オンプレ構築業務への挑戦
・クラウド資格(AWS、Azure、GCPなど)への発展
・自動化、IaC(Infrastructure as Code)分野への応用

たとえば、LPIC取得後にAWS認定ソリューションアーキテクトを学んだ方の多くが、「土台があるから理解が早かった」と話しています。

つまり、LPICやLinuCは「実務で使える力の入口」となり、構築・自動化・クラウドといった上流工程に進む足がかりになります。

まとめ:資格は「スキルの証明」となり、「将来への準備」にもなる

LPICやLinuCなどのLinux資格は、単なる知識の証明にとどまりません。未経験者にとっては「やる気の証明」、経験者にとっては「学習の再整理」に、キャリアチェンジでは「将来への準備」となります。

特に以下のような人には、資格取得がキャリアの転機になる可能性が高いです。

■資格取得がキャリアの転機になる人の特徴:
・今はルーティン業務ばかりで、スキルが伸びないと感じている
・そろそろ構築やクラウドの仕事にステップアップしたい
・応募書類でアピールできる「技術的な証拠」が欲しい

もし、少しでも上記に当てはまるなら、LPICやLinuCを通じて、「基礎力」と「成長意欲」を武器にしてみてはいかがでしょうか。

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LPICと他の資格を比較:CCNAやクラウド資格と、どう違う?

未経験からITインフラのキャリアを考える人にとって、「資格選び」は大きな悩み所です。「インフラエンジニアを目指すなら、LPICがいいの?、それともCCNA?、AWSも気になる、、」という人は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、LPIC(LinuC)、CCNA、クラウド資格(AWS/Azureなど)は、それぞれ「カバーする分野」と「学習の優先順位」が異なります。

ここでは、インフラ系の主要資格であるLPIC(LinuC)と、他資格との違いや相性、効果的な組み合わせ方までを現場目線で解説します。

CCNAとの違いと、優先度の考え方

まず比較されることの多いのが、LPIC(LinuC)とCCNA(Cisco Certified Network Associate)です。どちらも「インフラ系資格」ですが、得意とする分野が異なります。

資格主な学習範囲主な対象職種
LPIC / LinuCLinuxサーバーの操作・管理サーバーエンジニア・クラウドエンジニア
CCNAネットワーク・ルーティング・スイッチングネットワークエンジニア

まとめると、LPICは「OS(Linux)」に関する知識が中心です。一方で、CCNAは「ネットワーク構成・通信プロトコル」に特化した内容となっています。

LPICとCCNA、どちらを先に取るべき?

LPICとCCNAの取得順は、「自分の目指すキャリアにあわせて選ぶ」のがおすすめです。

■LPICとCCNA、どちらを先に取るべき?
・サーバーやクラウド分野で働きたい:LPICから取得
・ネットワーク設計や通信機器に関わりたい : CCNAから取得

特に未経験者の場合、実機不要で独学しやすいLPIC(LinuC)を先に学ぶことで、学習の土台を作りやすいという声も多くあります。

なお、どちらの資格も転職市場で一定の評価がありますが、求人数自体はCCNAの方がやや多めです(特にネットワーク寄りの職種の場合)。

AWSやAzureなどのクラウド資格との相性

近年、インフラ業界で急速に注目を集めているのが、AWSやAzureなどのクラウド資格です。その中でも特に人気が高いのが、以下の資格です:

■クラウド系の超人気資格:
・AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)
・Microsoft Azure Administrator(AZ-104)
・Google Cloud Associate Cloud Engineer


これらのクラウド資格は、いずれもクラウドインフラの基本操作・構成管理・セキュリティ設計などを問う内容になっています。

クラウド資格と、LPICとの相性はどうなの?

実は、LPIC(LinuC)はクラウド資格との相性がとても良いです。理由として、AWSやAzureの環境でも、LinuxサーバーがOSとして使われるケースが非常に多いためです。

例として、以下のような場合は、LPICやLinuCで学んだ知識が活かせます。

■LPIC / LinuC で学んだ知識が、クラウドで活かせる場面例:
・EC2インスタンスに、SSH接続して操作する
・ApacheやNginxなどのWebサーバーを構築する
・CLIベースでのパーミッション管理やログ確認を行う

「クラウドサービスが分かれば、なんでもできる」訳ではありません。クラウドの中身を理解していくには、Linuxやネットワークの基礎が欠かせません。

そのため、「LPIC / LinuC」→「クラウド資格」というステップアップは、非常に効率的かつ自然な学習ステップとなります。

資格を組み合わせると、キャリアの選択肢が広がる

LPICやCCNA、クラウド資格はどれか1つを選べば十分か?というと、一概にそうとは言いきれません。最も理想的なのは、資格を「組み合わせて」取得し、スキルの広がりと深さを両立することです。

例として、以下のようなキャリア戦略が考えられます。

LPIC+AWSのキャリア戦略

「LPIC+AWS」で、クラウド環境でも通用する、「OS+クラウド構成力」を証明できます。また、構築案件やクラウド移行案件に携わるチャンスが増えるキャリア戦略です。

LPIC+CCNA

「LPIC+CCNA」で、サーバー+ネットワークの基礎を押さえた「インフラ全般対応型」のスキルセットになります。未経験から、経験 1-2年目の若手エンジニアの転職にもっとも有効なキャリア戦略です。

複数資格を取得することで、「この人は広い視点を持っていて、成長意欲も高そうだ」と評価されやすくなります。

実際、私たちが支援した転職者の中でも、LPIC+CCNAの組み合わせで構築業務へキャリアチェンジできたケースや、AWS資格取得後に大手SIerから内定を勝ち取った例などは多数あります。

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LPICを活かして転職するには?【成功事例あり】

当社では求職者の転職支援を行う中で、多くの「LPIC/LinuC保有者の転職」を見てきました。その経験から、LPIC/LinuCは、転職を有利に進める「強力な武器」になるのは事実と言えます。

ただし、資格を取得しただけで転職がスムーズに進むとは限りません。重要なのは、「LPICをどう活用するか」です。ここでは転職時の、LPIC / LinuC の活用法について、説明していきます。

資格だけで受かる求人はある?

非常に多い質問として、「LPICを取っただけで、転職できる求人はありますか?」があります。結論から言うと、資格だけで受かる求人は存在しますが、数は限られています。資格を取っても、新卒採用のようにはなりません。

特に、インフラエンジニアの業界では、企業が求めるのは「実務経験・スキル」であることが多く、LPIC / LinuC を持っていても、即戦力として評価されるには不十分なケースもあります。

しかし、以下のような求人ではLPIC / LinuC 保有者が評価される可能性は、非常に高いです。

■LPIC / LinuC 保有者が評価される求人:
未経験者歓迎・育成前提のポテンシャル採用
資格を明記した求人(例:LPIC Level1以上 歓迎)
Linuxサーバーの監視・保守系ポジション

また、SES企業や中小SIerなどでは、資格保有が応募条件を満たす一つの基準になっていることもあります。

つまり、「LPICだけで転職できる求人」は確かにありますが、それを確実に勝ち取るためには、志望動機や学習の過程をしっかりアピールする必要があります。

LPIC保有者の転職成功例と年収目安

LPICを活かして転職した人の中には、合格難易度は高いですが、未経験からでも構築業務やクラウド領域に進んだケースもあります(特にクラウドは高難易度)。以下は実際の支援事例をもととしたモデルケースです。

転職成功例①:未経験からインフラ構築運用

年齢25歳
前職営業(3年)
取得資格LPIC-1+自宅ラボ学習
転職先中堅SIerでのサーバー構築補佐
年収330万円 → 360万円
内定ポイント資格+学習内容+将来への成長意欲をアピール。実務経験はないが、構築補佐として採用。

転職成功例②:未経験からクラウドエンジニア

年齢28歳
前職大学の講師(4年)
取得資格LPIC-1+自宅ラボ学習(Webサーバ構築+プログラミング)
転職先中堅SIerでのAWSクラウド構築運用
年収360万円 → 427万円
内定ポイント資格+自宅検証環境+プログラミング+高い論理思考力が「ポテンシャル採用」にマッチ。面接では、勉強の進め方や目的意識を丁寧に説明。

転職成功例③:未経験フリーターから自社の運用監視センターで、年収大幅アップ

年齢28歳
前職アルバイトで接客業(10年)
取得資格LPIC-1+自宅ラボ学習
転職先中堅SIerの自社運用監視センターでインフラ運用監視
年収100万円 → 400万円
内定ポイント資格+学習内容+将来への危機感と覚悟感、成長意欲をアピール。実務経験はないが、希望とする正社員+年収アップを実現。

年収の目安はどれくらい?

LPIC保持者の転職後年収は、経験や職種によって異なりますが、以下が一つの目安です。

経験レベル年収目安
未経験(資格のみ)330-380万円前後
運用経験あり+資格350-450万円前後
構築経験あり+資格420-600万円以上

LPICを取得しただけで一気に高年収になるわけではありませんが、確実にスタートラインを引き上げる材料になります。

スキル証明+志望動機に活かす方法

LPICやLinuCの資格を取った後、資格を最大限に活かすにはどうすればよいのでしょうか。ポイントは「スキルの証明」と「志望動機への落とし込み」です。以下にて詳しく説明していきます。

スキルの証明では「学習過程」も含めて話す

資格そのものも評価となりますが、資格を「どう学んだか」が評価される場面は非常に多いです。面接でよく聞かれる質問として、以下のようなものがあります。

■面接でよく聞かれる質問:
・どうやって勉強しましたか?
・難しかったですか?どこが難しかったですか?
・取得後、どう活かしていきたいですか?

ここで大切なのは、自分の言葉で「学習の過程」も含めて語れるかどうかです。

例として、「自宅に仮想環境を作って、コマンド操作を練習しました」、「Ping-tを毎日1-2時間、2ヶ月休まず継続して合格しました」、「勉強しながら、現場で必要なスキルの全体像が少しイメージできました」などがあります。

このような具体性のある説明は、「再現性高く、今後も成長してくれそう」という高い評価を得られやすいです。

志望動機にも落とし込むと、説得力が上がる

面接での志望動機でも、資格取得経験は大きな武器になります。おすすめの志望動機の落とし込み方として、「学習→資格→志望動機」が一貫していると、採用企業の納得度も高くなります

例として、「将来はクラウド構築にも関わりたいと考えています。そのために、まずLinuxの基礎から学ぼうと思い、LPIC Level1を取得しました。今後は構築フェーズで経験を積み、スキルを広げていきたいと考えています。」などがあります。

まとめ:LPIC/LinuCは「目的次第」で、転職に有利

LPIC(またはLinuC)は、Linuxのスキルを体系的に学べる有力な資格です。しかし、「資格を取っただけ」で転職が保証されるわけではないというのが現場の実状です。

一方で、裏を返せば、「正しい目的」と「適切な使い方」を意識すれば、LPICは非常に価値ある武器となります。

ここではあらためて、LPICの転職への有効性と、それを活かすための実践ポイント、そして今すぐ行動したい人向けのサポートについて整理します。

LPIC/LinuCは、キャリアの入り口として有効

まず大前提として、LPICやLinuCは転職市場で認知度が高く、「Linuxの基礎知識を持っている」ことの証明になります。

特に未経験者や、キャリアチェンジを目指す人にとっては、「自分が本気で学んでいること」や「体系的に知識を身につけたこと」を客観的にアピールできる大きな材料となります。

ただし注意したいのは、LPICはあくまで「エンジニアのキャリアの入り口」に過ぎないということです。採用現場で重視されるのは、以下のようなポイントです。

■採用側が知りたいポイント:
・どのように学習したか(姿勢)
・今後どのようにスキルを活かしたいか(ビジョン)
・実務経験があるか、または現場対応力があるか(即戦力性)

採用側が知りたいポイントにしっかり応えることができれば、LPIC/LinuCは「エンジニアとしての将来を切り拓くための第一歩」として、非常に有効なツールであることは間違いありません。

未経験の転職には、学習+転職支援がカギ

「LPIC/LinuCの取得だけでは、なかなか理想の転職が実現しない」というのは、よくあるつまづきポイントです。

LPIC/LinuCが有効な「キャリアの入り口」であることは確かですが、未経験からの転職を成功させるには、「資格学習」だけでは不十分であり、「適切な転職支援」が非常に重要です。

これは、私たちがこれまで数多くの求職者の方々を支援してきた中で、強く実感していることです。

学習: 資格+自宅環境での実践が強い

たとえば、LPICの勉強と並行して以下を行うと、実務に近いアピールが可能になります。これらは、面接で「●●をやってみました」と話せると、強いアピール材料になります。

■面接で強い、自宅環境での実践例:
・VirtualBoxやVMwareでLinux環境を構築
・ApacheなどのWebサーバーを立てて公開テスト
・cronやログ管理など、資格範囲外の設定練習

転職支援:転職支援を受けることで「ミスマッチ」を防げる

独学だけで転職活動を始めると、「どんな企業が自分に合うのか」や「どの求人に応募すべきか」が分からず、時間を無駄にしてしまうこともあります。

そこでおすすめなのは、インフラエンジニア専門の転職支援サービスを活用することです。

■インフラエンジニア専門の転職支援サービスを使うメリット:
・市場の最新動向とニーズ、求人を把握している
・LPIC/LinuCを最大限に活かすアピール方法を、一緒に考えてくれる
・LPIC/LinuC保有者を評価してくれる企業に絞って応募できる
・応募書類添削、面接対策、学習アドバイスまでサポートしてもらえる
・完全無料で利用可能

これらのメリットを最大限に活用することで、LPICやLinuCを、将来のキャリアを切り開く強力な武器に変え、理想のインフラエンジニアへのステップアップにつなげていくとよいでしょう。

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この記事を書いた人

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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