AWSエンジニアの年収相場と上げ方|資格・経験別レンジと脱SES戦略

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「AWSエンジニアって、どれくらい稼げるの?」
「資格を取ると、本当に年収は上がる?」
「経験者と未経験者では、どのくらい差がある?」

このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、AWSエンジニアの年収はインフラ職種の中でもトップクラスです。

AWSの導入企業が急増し、クラウド人材の需要は今も拡大中。経験・スキル・資格の組み合わせ次第で、年収800万円〜1,000万円超を目指せる現実的なキャリアになっています。

この記事では、以下について、最新の市場データとキャリア事例をもとに解説していきます。

■この記事でわかること:
・AWSエンジニア全体の平均年収【最新データ】
・資格・経験別のリアルな相場
・年収を上げるための3ステップ戦略

「未経験からAWSに挑戦したい方」も、「今の年収を上げたい経験者」も、ぜひ参考にしてください。

なお「AWSエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。年収だけでなく、仕事内容・資格・将来性などをまとめています。

AWSエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ

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この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

AWSエンジニアの平均年収【最新データ】

AWSエンジニアの年収は、クラウド需要の高まりとともに、年々上昇しています。

この章では、最新の統計データ(厚労省・Indeed・求人ボックス・Geekly)をもとに、AWSエンジニアの平均年収と市場トレンドをわかりやすく解説します。

主要データ(厚労省/Indeed/求人ボックス)比較表【2025年】

AWSエンジニアの年収は、公表のデータソースによって幅があります。

ここでは、公的統計・求人サイト・転職エージェントの4つの信頼データをもとに、最新の相場を整理していきます。

※各データは算出条件が異なるため、正確な比較よりも「年収帯の傾向」を把握する目的で参照するのが適切です。

出典対象職種平均年収(目安)更新時期備考
厚生労働省「job-tagシステムエンジニア(基盤系)約752万円2025年AWSを含むインフラ系エンジニア全体統計。公的データとして信頼性あり。
IndeedAWSエンジニア約695万円2025年10月AWS特化求人の平均値。求人数ベースで市場感を反映。
GeeklyAWSエンジニア約580万円2025年8月求人実績を基にした、AWSを含むクラウド全体の水準。
求人ボックスクラウドエンジニア約495万円2025年9月運用補助職も集計対象に含むため、やや低めに算出されやすい。

補足:求人ボックスデータの読み方
求人ボックスの平均年収(495万円)は、クラウド関連職全体を広く含むデータです。そのため、AWSを中心とした設計・構築系エンジニアの実勢より低めに出る傾向があります。

一方、IndeedやGeeklyのデータは「クラウド実務職」や「AWS特化求人」に基づいており、実際のAWSエンジニアの市場感をより正確に反映しているといえます。

まとめ:
各データを総合すると、AWSエンジニアの平均年収は、おおむね600万円前後〜700万円弱のレンジで推移しており、クラウドエンジニア全体(約500〜580万円)と比べても、やや高水準の職種といえます。

特に、設計・構築など上流工程を担う中堅層では、600〜700万円台を目指せるケースも増加中です。クラウド市場の拡大とともに、AWSスキルの需要と年収は今後も上昇傾向にあります。

インフラ系エンジニア(サーバー・NW)との年収差

AWSエンジニアは、従来のインフラ職(サーバー/ネットワーク)と比較しても、50〜150万円程度の年収差がつきやすい傾向があります。

職種平均年収(目安)備考
サーバーエンジニア約450〜550万円クラウド移行・仮想化対応の案件が増加中。構築経験があればクラウド領域への転換もしやすい。
ネットワークエンジニア約400〜500万円大規模ネットワークの設計・運用案件が多く、セキュリティなど新技術を扱う分野も増加している。
AWSエンジニア約600〜700万円台設計・構築・最適化スキルが評価対象となりやすい

AWSエンジニアは「運用担当者」ではなく、インフラ設計・クラウド移行・コスト最適化といった上流領域に関与するため、年収帯が1ランク上がるのが一般的です。

→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方まとめ

AWS市場拡大による上昇トレンド(クラウド全体との比較)

AWSは依然として世界・国内ともにクラウドシェアNo.1を維持しています。

そのため、AWSエンジニアの需要と年収相場は、クラウド市場全体の拡大とともに上昇しています。

■トレンドの背景:
・企業のオンプレミスからクラウドへの移行が加速
・マルチクラウド化(AWS・Azure・GCP)の進展
・セキュリティ・IaC・AI連携など、高度スキルの需要増加
・クラウド設計・運用・アーキテクト職の人材不足が慢性化

これらの要因により、AWSエンジニアは今後も需給ギャップによる年収上振れが続く職種と見込まれます。

また設計経験を持つ中堅層では、700〜800万円台を提示する求人が増えています。プロジェクトリードやアーキテクト職など、上流に関わるほどレンジが上がる傾向です。

→関連記事:クラウドエンジニアの年収は?【年代別・資格別・働き方別に解説】

経験・スキル別の年収レンジ【未経験〜上流】

AWSエンジニアといっても、IT未経験から学び始める人すでにIT業界で働いている人サーバー構築経験がある中堅層など、出発点はさまざまです。

ここでは、それぞれのレベルに応じたリアルな年収レンジと、ステップアップの目安を整理していきます。

IT未経験者のスタートレンジ(CLF/SAA取得者含む)

IT未経験からAWSエンジニアを目指す場合、最初に就くポジションはインフラ運用・監視系が中心です。この層の年収は、おおむね280〜380万円前後が目安になります。

ただし、AWS資格を取得しているかどうかで、スタートラインの見られ方が変わります。

■未経験者の資格評価の傾向:
CLF(クラウドプラクティショナー)
 →クラウドの基礎を理解している証明となり、「学習意欲が高い」と評価されやすい。
SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)
 → 一定のAWSスキルを学んでいることが伝わり、ポテンシャル採用でのチャンスが広がる。

資格を持っていれば、企業側も「実務未経験でも育成しやすい」と判断し、年収+20〜40万円前後のスタートになるケースもあります。

また、資格を通してAWSの仕組みを理解し、Linuxやネットワークの基礎スキルを深めたうえで、運用から構築・クラウド職へステップアップしていくのが一般的です。

→関連記事:未経験からAWSエンジニアになるには?資格・勉強法・転職ロードマップを解説

IT経験者(運用/開発)の年収レンジ

すでにIT業界で運用・開発業務に携わっている人は、基本スキルやシステム理解を活かしてAWS環境にに比較的適応しやすいと判断されます。

この層の平均年収レンジは、400〜550万円前後が目安です。

経験タイプ想定年収目安備考
IT運用・保守経験者約400〜500万円SAAを取得していれば、AWS構築補助や小規模案件に関われる可能性がある。
開発(アプリ・バックエンド)経験者約450〜550万円IaCやDevOpsの基礎を学ぶことで、クラウド関連業務に徐々に関わることができる。

SAA(設計・構築向け)やSOA(運用管理向け)といった資格を取得している場合、「クラウド基盤に理解がある」と評価され、構築フェーズを一部担当できるポジションが増えます。

また、インフラ構築や自動化スクリプトの経験がある人は、AWSスキルを伸ばすことで転職時に年収+30〜50万円前後の上昇を見込めるケースもあります。

ただし資格だけでは即戦力と見なされにくいため、「既存スキル+クラウド理解」をどのように示すかがポイントです。

→関連記事:AWSエンジニアに必要な資格は?選び方・難易度・年収への影響を徹底解説
→関連記事:AWSエンジニアの勉強法・ロードマップ

サーバー構築経験者の年収レンジ

すでにオンプレミスや仮想環境でサーバー構築経験がある人は、AWSスキルを組み合わせることで一気に市場価値が高まります。

この層の年収レンジは、500〜600万円前後が中心で、設計や要件定義に関わる場合は700万円前後の求人も現実的です。

経験タイプ想定年収目安備考
サーバー構築経験者約500〜600万円AWS設計・移行案件で評価されやすい。設計スキルがあれば700万円前後も視野に入る。
サーバー設計・リーダー経験者約600〜750万円SAP/DOPなど上位資格を取得すれば、アーキテクト職やマネジメント職も狙える。

AWS×サーバー設計スキルの組み合わせは、転職市場で最も需要が高い領域の一つです。

オンプレからクラウド移行が進む今、即戦力人材として+100万円前後のオファーが提示されるケースもあります。

→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|工程別・年代別で比較

まとめ:経験レベル別・AWSエンジニアの想定年収

経験タイプ想定年収目安キャリアの方向性
IT未経験者約280〜380万円CLF・SAAで基礎固め。Linuxやネットワークを学び、運用→構築へ。
IT経験者(運用/開発)約400〜550万円SAA取得でAWS構築案件へ。既存スキル+クラウド理解で評価アップ。
サーバー構築経験者約500〜600万円(設計で〜700万円台)設計スキルで上流・マネジメントへ。転職で+100万円も現実的。

AWSエンジニアの年収は、「資格」だけでなく、どのフェーズに関わるか・どこまでスキルを転用できるかによって大きく変わります。

自分の経験をAWSにどう結びつけるかが、年収アップの分岐点です。

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資格別に見る年収インパクト

AWS認定資格は、単なる知識の証明ではなく、「どのレベルの業務まで任せられるか」を判断する指標として機能します。

資格の種類によって、携われる業務範囲・評価レンジ・キャリアの上限が大きく変わります。

ここでは、それぞれの資格がもたらす「実務・評価・年収」への影響を整理していきます。

CLFの基礎的価値(スタートラインの証明)

AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)は、AWSの全体像を体系的に理解するための入門資格です。

取得は必須ではありませんが、クラウド初心者が「概念を整理し、転職準備を整える」うえで有効なステップにもなります。

■CLFの価値:
学習意欲の証明:自発的に専門知識を学んでいる姿勢を示せる。
スクリーニング突破:特に未経験採用では、CLFの有無が書類通過の判断材料ことも。
基礎固め:SAAやSAPなど、上位資格の学習効率を高める。

CLFは、転職期間を広げることがあり、これからSAAなどの上位資格に進む際の土台になります。

ただし、直接的な年収アップにはつながりにくく、CLFをスキップして、直接SAAに挑戦する人も多い傾向です。

SAAで一段上がる理由(転職市場での評価)

AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)は、AWSエンジニアとしての評価を一段引き上げる資格です。

AWS設計・構築の知識を実務レベルで証明でき、インフラ/開発いずれの出身者にも価値があります。

■SAAの価値:
戦力認定のきっかけ:「クラウド案件に関われる層」として一段評価が上がる
案件単価の上昇:運用・保守中心から、小規模構築案件といった参画が可能になる。
・転職市場での信頼性向上:「AWS設計・運用知識あり」と評価され、年収・ポジションともに上振れやすい。

SAAは、AWSキャリアを「実務レベル」に引き上げる第一関門です。

未経験者は運用職や構築フェーズ、経験者は設計工程へと進みやすくなります。

なお、SAA資格のみで500万円以上の年収を目指すには、少なくとも2〜3年程度の実務経験が求められることが多いです。

SAP・DOP・SCSなど上位資格によるキャリア天井拡張

AWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP)やDevOps Engineer Professional(DOP)、Security Specialty(SCS)などの上位資格は、キャリアの「天井」を押し上げる武器です。

これらの資格は、実務スキルを持つ中堅層〜上級エンジニアが設計・マネジメント・コンサルティング領域へ進む際の証明になります。

■上位資格の年収傾向:
・SAP/DOP保有者:600〜900万円台が中心
・コンサルティング企業・外資では1,000万円超の事例
・「資格単体」ではなく、役職・役割とセットで収入が上がる

SAPやDOPは、外資系・クラウドベンダー・SIerの最上流工程を目指すうえで有効です。

特にSAPは、3~5年以上の設計経験があるエンジニアが取得することで、最大の効果を発揮します。

上位資格は「資格を取ること」だけでなく、「どの経験層が取るか」で評価の伸び幅が変わります。

資格手当の実例(企業別の支給レンジ)

AWS資格は、企業によっては資格手当や報奨金の対象となります。

特にSAA・SAPは、評価や昇給に直接反映されやすい傾向があります。

資格月額手当の目安一時金(報奨金)の例備考
CLF〜3,000円〜2万円対象外の企業が多い
SAA5,000〜10,000円〜5万円継続評価に反映されやすい
SAP・DOP10,000〜30,000円5〜20万円外資・大手SIerで特に評価対象

手当金額も大事ですが、「どの資格が評価対象になっているか」が重要です。会社によっては、手当対象外の資格の場合もあります。

転職活動では、求人票や企業HPで資格手当制度も確認しておきましょう。

まとめ:資格は「キャリアを広げるためのツール」

AWS資格は、それ自体が年収を上げるものではありません。

しかし、資格によって携われる業務・役割が広がることが、結果として年収アップにつながります。

レベル主な資格キャリアのフェーズメリット
入門CLF基礎理解/未経験層学習姿勢・AWS基礎の証明
中級SAA設計・構築フェーズ実務範囲の拡張・評価上昇
上級SAP・DOP・SCS設計リード/専門職高報酬ポジション・上流参画

大切なのは「資格を目的にせず、キャリアの成長戦略にどう活かすか」です。

→関連記事:AWSエンジニアに必要な資格は?選び方・難易度・年収への影響を徹底解説

AWSエンジニアが年収を上げる方法【実践編】

AWSエンジニアの年収は、「資格」だけでは決まりません。

実際には、「日々の実務経験経験・スキル拡張・転職戦略」の3つが年収アップのキーポイントになります。

ここでは、実務の中で収入を伸ばすために必要な3つのアクションを、順を追って解説していきます。

実務経験でスキルを証明する(構築 → 設計 → マネジメント)

AWSエンジニアとして年収を上げる最も確実な方法は、実務経験を積み上げて担当範囲を広げることです。

特に評価されやすいのは、以下のようなステップアップです。

フェーズ主な担当業務年収アップのポイント
運用・保守監視・障害対応・権限管理AWSサービス理解を積む基礎期間
構築・設計補助インスタンス構築、ネットワーク設定、IaC導入実務経験をもとに構築スキルを証明できる
設計・マネジメントシステム設計、コスト最適化、チームリード責任範囲が拡大し、報酬テーブルが上昇

「どのフェーズで何を担当したか」を具体的に説明できることが、転職市場での評価を左右します。

実務経験が浅い場合でも、AWS無料枠やハンズオン環境を活用して、「構築できるエンジニア」としての実績を可視化していくことが重要です。

スキル拡張で差別化する(IaC・セキュリティ・英語力)

AWSの設計・構築スキルを身につけたあと、次に意識すべきは「スキルの横展開」です。

AWS単体の知識に留まらず、以下のようなスキルを組み合わせることで、市場価値が大きく高まります。

スキル主な技術・知識差別化ポイント
IaC(Infrastructure as Code)Terraform,、CloudFormation構築自動化スキルでDevOps系案件に参画しやすくなる
セキュリティ/ネットワークIAM、WAF、GuardDuty、VPN構築安全性を意識した設計ができるエンジニアは希少
英語力/ドキュメント理解AWS公式ドキュメント・フォーラム活用新機能への対応スピードが速く、上位層での評価が高い

AWSは日進月歩で進化しているため、**資格を取った後の“学び続ける力”**が最終的に収入差を生みます。

特にIaCとセキュリティは、SAA以降の成長フェーズにおける重要スキルです。構築から設計・運用自動化へと関われるようになると、案件単価が着実に上昇します。

転職戦略で年収100万円アップを狙う(市場価値の確認)

AWSにこれから携わりたい人、またはすでにAWSスキルを磨いている人にとって、重要なのは「多重下請け構造から抜け出し、上流へ進むキャリア設計」を意識することです。

同じスキルを持っていても、どの立ち位置で働くかによって、提示年収は大きく変わります。

① ピラミッド構造を理解しよう

日本のインフラ業界は、SIer・SESの多重下請け構造で成り立っています。

下層に行くほど単価が低く、AWSスキルを活かせる機会も限られるのが現実です。

「SIer・SESの多重下請け構造。下層ほど年収・スキル要求が低く、上層ほど責任・報酬が高い

図:SIer・SESの多重構造と年収・スキルの関係

② 「下請け構造を抜け出す」ことが年収アップの第一歩

AWSエンジニアの転職市場では、一段上の企業レイヤーに移ることで+50〜100万円の年収アップが起こるケースが非常に多いです。

ステップアップ例上昇幅の目安仕事の主な変化
4次請け → 2次請け(SES)+50〜120万円運用監視中心 → AWS構築補助フェーズへ
2次請け(SES) → SIer/受託企業+100〜150万円設計・リーダーに関与し、裁量が広がる
SIer → 自社サービス企業/クラウドベンダー同額〜+150万円自社環境の設計・改善・最適化を主導

このように、AWSスキルを活かせるポジションに移る=報酬テーブルが変わる構造が明確です。

SAA+2〜3年の実務経験があれば、SESからSIer・自社系企業への転職で、年収+100万円前後の上昇が現実的に見込めます。

③ 自分の「立ち位置」を正確に把握することがスタートライン

まずは、以下の3点を整理してみましょう。

■把握すべきポイント:
・今の企業が何次請けなのか
・案件で、どのフェーズ(運用/構築/設計)を担当しているか
・AWS構築や設計に、どの程度関われているか

これを可視化するだけで、「次に狙うべき層」が明確になります。

転職は「スキルアップ」ではなく、「立ち位置を一段上げる戦略」として考えることが大切です。

■年収アップのための行動例:
・今の案件構造を整理し、「一段、二段上の請け会社」を目指す転職を計画する
・AWSスキル(SAA・構築経験)を可視化し、上位層の求人に挑戦する
・自分の市場価値をキャリアアドバイザーに診断してもらい、報酬レンジを把握する

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年収が伸び悩む要注意キャリアパターン

AWSエンジニアとしての市場価値は、資格やスキルだけでなく、どんな環境で経験を積むかによって大きく変わります。

せっかく努力しても、選ぶ環境を誤ると「スキルが評価されず、年収が上がらない」というケースは少なくありません。

ここでは、特に注意すべき3つのパターンと回避策を紹介していきます。

資格だけが先行し、実務経験が伴わない

AWS認定資格は評価対象です。しかし、資格だけを持っていても、実務でどう使うかが説明できない状態では、採用担当者の評価は大きく上がりません。

「SAAを持っている=即戦力」という訳でなく、実環境での構築・運用経験が伴って初めて市場価値が高まります。

特に転職面接では、年収が高いポジションになるほど、「どんな構成で、どんな課題を解決したか」といった実例ベースの説明力が重要です。

資格だけで終わらせず、ハンズオン環境や業務内で、AWSを触る機会を積極的に作りましょう。

「資格=スタートライン」です。資格だけでなく、実務経験を通じて初めて大きな評価につながります。

成長に乏しい案件構造での停滞

SESや請負構造の多い現場では、案件単価が低く・工程も限定的なケースが多く見られます。

「監視・運用」などルーチンワーク中心の環境では、AWS構築や設計の経験を積む機会が限られ、スキル成長と報酬上昇のスピードが鈍化しがちです。

もちろんSES全体が悪いわけではありません。重要なのは、「どの工程まで任される案件か/自社社員比率が高いか」という点です。

この2点を見極めることで、「学べる現場」かどうかを判断できます。

■転職活動時のチェックポイント:
・AWS構築・設計のフェーズに関われるか?
・自社正社員が中核を担っているか?
・クラウド案件比率(AWS/GCP/Azure)を理解し、満足できる内容か?

SESから脱却し、設計〜構築まで任されるポジションに移ることで、年収アップのスピードは格段に上がります。

クラウド移行できない職場に留まるリスク

依然としてオンプレ中心の環境に留まっていると、同じ業務の継続によって、スキルの市場価値が年々下がるリスクがあります。

企業のインフラは急速にクラウド化が進んでおり、AWS・Azure・GCPといったクラウドスキルが「標準」になりつつあります。

そのため、オンプレ専門の運用・構築だけに留まると、「クラウド経験なし=市場価値がなかなか上がらない」という状況になりかねません。

■対策の方向性:
・オンプレ環境でも、AWS連携・ハイブリッド構成の経験を積む
・個人学習や検証環境で、AWSの実装を実践しておく
・次の転職では「クラウド移行プロジェクト」などをキーワードに探す

クラウド化は、今後も止まらない潮流と言えます。

「クラウドに携われる環境にも、少しずつ向かっていく」意識を持つことが、長期的に年収を伸ばすための第一歩です。

→関連記事:AWSエンジニアはやめとけ?落とし穴と後悔しないキャリア戦略

キャリアパス別に見る年収の上げ方

AWSエンジニアのキャリアは、現場の運用や構築から始まり、設計・アーキテクト・マネジメント/フリーランスといった複数のキャリアパスに発展できます。

また、どのルートを選ぶかによって、求められるスキル・役割・報酬レンジは大きく変化します。

ここでは、年収を上げながらキャリアを拡張していく代表的な3つのパターンを紹介していきます。

構築系→設計系→アーキテクトへの昇格ルート

AWSエンジニアの「王道ルート」が、構築→設計→アーキテクトへのステップアップです。

1〜2年目はサーバー・ネットワークの構築や運用を通じて、AWSサービス(EC2/VPC/S3など)の実装・運用を理解することが中心となります。

その後、要件定義や構成設計を担当できるようになると、プロジェクトの上流フェーズに関われるようになります。

アーキテクトレベルになると、「全体設計・コスト最適化・セキュリティ設計」や「チームリード/技術選定」などを担い、年収800万円〜1,000万円も現実的に見えてきます。

以下の図は、AWSエンジニアのキャリアステップとモデル年収をまとめたものです。

AWSエンジニアのキャリア×年収ピラミッド図。上に行くほど裁量・報酬・スキルが高まる

図:AWSエンジニアのキャリアと年収ピラミッド

このように、AWSエンジニアは「構築→設計→アーキテクト」とステップアップするほど、担う責任と報酬レンジが大きくなっていきます。

年収を上げるには、まず自分が「どの層にいるのか」を正確に把握することが重要です。

マネジメント職としてのキャリアアップ

AWSエンジニアとして構築・設計の経験を積んだ後、プロジェクトマネージャー(PM)やテクニカルリーダーとしてキャリアアップを目指す道があります。

マネジメント職は「技術を理解し、チームを動かす」ポジションです。

AWS構築スキルそのものよりも、要件定義・進行管理・品質管理・顧客折衝など、プロジェクト全体を俯瞰できるスキルが求められます。

報酬レンジは一般的に 年収800〜1,100万円前後です。

特に大手SIerでは、メンバー10名以上をまとめる中〜大規模プロジェクトのマネジメント経験が評価され、1,000万円を超えるケースも少なくありません。

■ステップアップのポイント:
・AWS資格(SAA・SAP)+設計経験を基盤に、管理スキルを磨く
・社内でリーダーやサブPMを経験し、実績を積む
・顧客折衝・提案スキルを磨くと、評価スピードが上がる

マネジメント職は「組織内で長期的に報酬を上げたい人」に適したキャリアです。責任は高まりますが、報酬も大幅アップが狙える職位です。

一方で、組織に属さず、AWSスキルを武器に「個人で働く」という選択肢もあります。

フリーランス・独立による報酬最大化

一方で、AWSスキルを武器にフリーランスとして独立する道も注目を集めています。

近年はクラウド構築や運用自動化(IaC、Terraformなど)の需要が急増し、フリーランスでも高単価案件を獲得しやすい環境が整ってきました。

フリーランスAWSエンジニアの案件単価は、月70〜100万円前後(年収換算で800〜1,200万円)が中心。

要件定義や設計・構築フェーズをリードできるスキルなどがあれば、継続契約で収入を安定化させることも可能です。

ただし、案件依存・収入変動リスクがあるため、「安定よりも収入上限や自由を取りにいく考え」の人に向いています。

フリーランスは「企業を出て、自分の市場価値を直接証明する働き方」であり、AWSスキルと実績を積んだ中堅層には、有力な年収上昇ルートの一つです。

また職種だけではなく、所属する企業タイプ(SIer/外資/自社サービス)によって、年収テーブルや評価基準は異なります。

次は、企業タイプ別に見る年収差と特徴を解説していきます。

外資・SIer・クラウドベンダー別の年収差と特徴

同じAWSエンジニアでも、所属する企業タイプによって報酬テーブルは大きく異なります。

企業タイプ主な業務内容年収の目安特徴
SES/受託企業運用〜構築補助400〜600万円前後案件によりAWS経験が左右されやすい
SIer(大手・中堅)設計・構築・検証600〜1,000万円前後上流設計や顧客折衝で評価が上がる
自社サービス企業全体設計・最適化550〜900万円前後技術選定・自社環境改善など裁量が大きい
外資・クラウドベンダーコンサル・アーキ設計900〜1,200万円以上英語力・提案力も求められるが報酬は高水準

外資系クラウドベンダー(AWS・Azure・GCP)は特に報酬レンジが高く、英語力+設計経験+資格(SAP・DOPなど)を揃えた層では、年収1,000万円を超える求人も珍しくありません。

このように、AWSエンジニアのキャリアは多様ですが、共通して言えるのは「どの層でどんな経験を積むか」で年収の伸び方が変わるという点です。

自分がどのルートを歩みたいかを明確にし、適切な環境へステップアップしていきましょう。

まとめ:AWSエンジニアは「資格+実務+戦略」で年収を最大化できる

AWSエンジニアの年収は、資格や経験だけでなく「どの環境でスキルを活かすか」によって大きく変わります。


資格で基礎を固め、実務で経験を積み、転職で適切なポジションにステップアップする。この3つを組み合わせることで、確実に報酬レンジを上げることができます。

■この記事のまとめ:
平均年収は600〜700万円台:クラウド全体の中でも高い水準
資格はキャリアの基盤になる:SAA・SAPで転職市場での評価が上がる
・実務+転職で伸ばす:構築→設計→アーキテクトへの昇格が年収アップの近道
・SES依存からの脱却が鍵:請負構造ではスキル・収入ともに頭打ちになる
・キャリアの多様化が進む:マネジメント職・フリーランス・外資で報酬レンジが広がる

AWS市場は拡大を続けています。

「今どんなスキルを持ち、次にどこへ進むべきか」を見極めることが、年収最大化への第一歩です。

最後に:キャリアの「今」と「次」を明確にしよう

AWSエンジニアとしてさらに上を目指すなら、自分のスキルがどの層で通用し、どんな年収レンジを狙えるかを明確にすることが重要です。

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関連記事:クラウドエンジニアとしてキャリアアップを目指す方へ

1. 職種を深く知る

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2. 学習・資格を深く知る

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3. キャリアと年収を知る

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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