こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「CCNAって難しい?」
「独学で合格できる?」
「取ったら本当に転職に役立つの?」
ネットワークエンジニアを目指す方なら、誰もが一度は考える、CCNAに関する疑問です。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、世界的に高いシェアを誇るCisco社の認定資格であり、ITインフラエンジニアの登竜門として知られています。
取得すれば、ネットワークの基礎からセキュリティ・自動化まで幅広い知識を客観的に証明でき、未経験からの転職やキャリアアップにおいて、大きな武器となります。
この記事では、CCNAの概要から試験内容、難易度、具体的な勉強法、受験料や有効期限、転職メリット、年収への影響まで、知りたいことをすべて網羅的に解説します。
さらに、「CCNAは意味ない?」という疑問や、LPIC・AWSなど他資格との比較も徹底的にまとめました。
この記事を読めば、CCNAを取得すべきかどうかが明確になり、あなたのキャリア設計を具体的に描けるはずです。次のステップに進むための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
※この記事は、2024年8月20日にアップデートされた最新のCCNA(200-301)v1.1 の内容に基づいて解説しています。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・資格ロードマップ
CCNAとは?ネットワークエンジニア必須の登竜門資格
CCNAは、ネットワークエンジニアを目指す多くの人が、最初に挑戦する資格です。
シスコ技術者認定の中では基礎レベルに位置づけられ、未経験からでも取り組みやすく、キャリアの第一歩として評価されています。
CCNAの概要:シスコ技術者認定の全体像
CCNA(Cisco Certified Network Associate) は、世界最大のネットワーク機器ベンダーである Cisco Systems社 が提供する認定資格です。
Cisco社のルーターやスイッチは世界中の企業で利用されており、その市場シェアはトップクラスです。そのためCCNAは、Cisco製品に限らず「ネットワークの基礎力を世界基準で証明できる資格」として高く評価されています。
シスコ技術者認定は段階的な体系を持ち、初級の CCST(エントリー資格)、中級の CCNA(アソシエイト資格)、上級の CCNP(プロフェッショナル資格)、そして最難関の CCIE(エキスパート資格) へとステップアップできる構造になっています。
中でもCCNAは「やや易しい」レベルに位置づけられ、未経験者がネットワークエンジニアとしての第一歩を踏み出すための登竜門とされています。

図:シスコ技術者認定の全体像(CCST → CCNA → CCNP → CCIE)
CCNAは資格体系の中でも、駆け出しネットワークエンジニアに求められる知識を身につける段階として位置づけられています。
取得するとできること・証明できるスキル
CCNAを取得すると、以下のようなスキルや知識を客観的に証明できます。
■CCNAで証明できるスキル:
・ネットワーク基礎の理解
→TCP/IP、サブネット、ルーティング、スイッチングなどの基本を体系的に理解していることを示せます。
・Cisco機器の基本操作
→ルーターやスイッチを用いた設定作業を通じて、現場で役立つコマンドライン操作スキルを身につけていることを証明できます。
・セキュリティと運用の基礎
→ACL(アクセスコントロールリスト)、VPN、ネットワーク監視など、日常の運用で求められる知識をカバーできます。
・自動化やワイヤレスに対応する基礎力
→REST APIやJSONを用いたネットワーク自動化の基礎、SDNの概念、さらにWLANをはじめとするワイヤレスの基本知識を証明できます。
このように、CCNAは単なる資格試験ではなく、ネットワークエンジニアとして必要な知識とスキルを体系的に身につけるステップ です。
CCNA(200-301)v1.1試験の出題範囲と形式
CCNAは、ネットワーク基礎からセキュリティ・自動化まで幅広い知識を問う試験です。
最新バージョンである200-301 v1.1では、従来のルーティングやスイッチングに加え、クラウドやワイヤレス、REST APIをはじめとする自動化の分野も強化されています。
ここでは、その出題範囲と試験形式を整理していきます。
試験範囲(ネットワーク基礎〜セキュリティまで)
CCNA(200-301 v1.1)の出題範囲は、ネットワークエンジニアとして必須となる基礎知識から、セキュリティ・自動化に至るまで幅広くカバーしています。具体的には以下の領域が中心です。
分野 | 出題比重 | 主な学習内容 |
ネットワーク基礎 | 約20% | TCP/IP、OSI参照モデル、サブネット、IPv4/IPv6、ルーティングとスイッチングの基本 |
ネットワークアクセス | 約20% | VLAN、STP、EtherChannel、ワイヤレスLANの基礎 |
IPコネクティビティ | 約25% | スタティックルート、OSPF、デフォルトルート、ルーティングテーブルの確認 |
IPサービス | 約10% | NAT、DHCP、DNS、SNMP、Syslog など |
セキュリティ基礎 | 約15% | ACL、VPN、WPA/WPA2/WPA3、AAA(認証・認可・アカウンティング) |
自動化とプログラマビリティ | 約10% | REST API、JSON、SDNの概念、コントローラベースのネットワーク |
このようにCCNAは、単なる「ネットワーク入門資格」ではなく、現場で求められる幅広い知識を体系的に問う構成となっています。
※最新の試験範囲は Cisco公式シラバス(v1.1・英語) にて公開されています。
参考までに、旧バージョンの 日本語版(v1.0) も確認可能です。
試験形式(問題数/時間/CBT方式)
CCNAの試験形式は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
問題数 | およそ85問前後 (選択問題・ドラッグアンドドロップ・シミュレーション問題が混在) |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
合格ライン | 非公開(目安:正答率70%程度) |
シミュレーション問題(機器設定を行う形式)が含まれるため、単なる暗記だけではなく、実際にコマンドラインを操作するスキルも重要です。
試験日程と対応言語(随時受験・日本語対応)
CCNAは 通年で受験可能 です。試験会場はPearson VUEによって提供されており、希望する日時・場所を選んで受験できます。
項目 | 内容 |
試験日程 | 随時(全国のPearson VUEテストセンターで予約制) |
対応言語 | 日本語・英語に対応 |
受験方法 | 会場受験が基本。オンライン受験も可能 |
日本語版は用語の翻訳が独特な場合があるため、英語表記も並行して学習しておくと安心です。
補足:クラウド・ワイヤレス・自動化の出題比重傾向(参考)
※以下はCisco公式シラバスに基づきつつ、市販教材や受験者の声をもとに整理した学習目安です。正確な出題比率は公開されていないため、あくまで参考情報としてご覧ください。
分野 | 出題比重 | 学習内容の例 | 特徴 |
クラウド | ★☆☆(低め) | IaaS / PaaS / SaaS、オンプレとクラウド | 試験では概要理解が中心。 |
ワイヤレス | ★★☆(中程度) | WLAN構成(SSID)、WPA2 / WPA3、ルーター・スイッチとの連携 | 中小規模ネットワークでは必須。現場直結の知識が多く出題される。 |
自動化(REST API / JSON / SDN) | ★★☆(中程度) | REST APIの基本、JSONの読み方、SDNの概念、コントローラ型ネットワーク | 新試験の特徴。プログラミングではなく概念理解が中心。 |
出題トレンドとして、クラウドは軽めですが、ワイヤレスと自動化は出題が強化されている傾向です。
CCNAの難易度と合格に向けた具体的な勉強方法
CCNAは出題範囲が広いため、難易度は決して低くありません。しかし、正しい学習法を取れば未経験からでも十分に合格可能です。
特に ネットワーク基礎とIPコネクティビティ の比重が高いため、ここを重点的に学習することが合格のカギとなります。
ここでは合格率の目安や学習時間、効果的な勉強方法と教材を整理し、効率よく合格を目指すためのポイントを解説していきます。
合格率の目安と勉強時間の相場
CCNAの合格率はCiscoから公式には公開されていませんが、実際の体感では40〜50%前後といわれています。
学習時間の目安は、未経験者で200〜300時間程度、IT基礎知識がある人なら100〜200時間前後が一般的です。
試験範囲が広いため、効率的に学習を進めるには「重点分野(ネットワーク基礎・IPコネクティビティ)」に多めに時間を割くのがポイントです。
詳しくはこちら → CCNAの難易度・合格率・勉強時間まとめ
未経験者でも合格できる?
結論として、未経験からでも十分合格可能です。ただし、ネットワークの専門用語や仕組みに初めて触れる人は、学習ハードルが高く感じやすいでしょう。
■想定勉強時間:
・文系・異業種出身 → 200〜300時間の学習を想定
・ITサポートや運用経験あり → 100〜200時間で到達可能
・ネットワーク業務経験者 → 50〜80時間で合格レベルに到達可能
未経験の場合は、参考書の読み込みとPing-tや黒本での問題演習を繰り返すことで、十分に合格を狙えます。
おすすめ参考書・問題集(白本・Ping-t・黒本)
CCNAの学習では、市販の定番教材とオンライン問題集の組み合わせが効果的です。
■CCNAのおすすめ学習教材:
・白本(CCNAテキスト):試験範囲を大きくカバーしており、独学時には必須のテキスト
・Ping-t(オンライン問題集):豊富な問題と丁寧な解説、弱点克服に最適かつ必須問題集
・黒本(CCNA問題集):解説丁寧かつ的中率高め、Ping-tと併用すると安心
これらをバランスよく活用することで、知識の定着と試験慣れの両方を進められます。
詳しくはこちら → CCNAおすすめ参考書・問題集まとめ
オンライン講座・YouTubeの活用
独学を効率化するなら、動画教材の活用も有効です。テキストや問題集だけでは理解しにくい部分も、動画解説で視覚的に学ぶことで理解度が高まりやすくなります。
■オンライン講座:
・Udemy:
→世界的に利用されているオンライン学習プラットフォーム。CCNA対策講座も複数あり、体系的に学べるうえ、セール時には安価で受講可能な講座もあり。講師による実機デモや図解を交えた説明で、初心者でも理解しやすいのが特徴です。
・YouTube:
→無料で視聴できるCCNA解説動画が多数あります。基礎の導入や復習に最適で、独学者のモチベーション維持にも役立ちます。ただし、内容の正確性や網羅性に差があるため、信頼できる講師や評価の高いチャンネルを選ぶことが大切です。
動画講座について、詳しくはこちら → CCNAのおすすめ勉強サイトを、無料・有料別で解説
独学に不安があるなら!専門スクールの活用も
「一人では続けられるか不安」、「短期間で確実に合格したい」 という方には、専門スクールを活用する選択肢もあります。
■専門スクール:
・Cisco公式トレーニング
→Cisco社が提供する公式講座。費用は高額ですが、実機環境やラボ演習を通じて体系的に学べます。
・ITスクール
→CCNA取得に特化したスクールや、転職サポート付きの講座も存在します。
学習の進め方と配分のコツ(インプットと演習)
効率的に合格するためには、インプットとアウトプットのバランスが重要です。
■学習の進め方のコツ:
・インプット(知識習得)
→最初は白本で基礎を理解。特にネットワーク基礎・IPコネクティビティは丁寧に。
・アウトプット(演習)
→Ping-tや黒本を繰り返し、知識を定着。正答できなかった問題は必ず復習。
・仕上げ(シミュレーション対策)
→本試験ではシミュレーション問題が出題されるため、コマンドライン操作や設定の流れに慣れておくことが大切です。
この学習サイクルを守ることで、効率的に合格レベルへ到達できます。
教材の具体的な使い方など、どう勉強すべきか?を知りたい方は → 「【まとめ】CCNAの勉強法」に詳しくまとめています。あわせてお読みください。
CCNAの受験料と申し込み方法
CCNA試験を受ける際に気になるのが「受験料」と「申し込みの手順」です。
ここでは、2025年時点の最新料金と、試験に申し込む具体的な流れをわかりやすく解説します。
受験料の相場
CCNA(200-301)の受験料は、1回あたり46,860円(税込) です。
決して安い金額ではないため、受験前に十分な学習を進め、計画的に挑戦することが重要です。
また、Cisco認定試験の受験料は定期的に改定されることがあるため、受験前には必ずPearson VUEやCisco公式サイトで最新料金を確認してください。
試験申し込みの流れ
CCNA試験は、Pearson VUE(ピアソンVUE) を通じて、シスコトラッキングシステムより申し込みます。
■申し込みの流れ:
・シスコアカウントの作成
・Pearson VUEにログイン
・シスコトラッキングシステムから試験を予約
・受験料の支払い
手順詳細はこちら → CCNA試験の申し込み方法まとめ
CCNAはキャリアにどう役立つ?年収アップと転職の現実
CCNAは単なる資格にとどまらず、転職やキャリア形成に大きな影響を与える実践的な証明書です。
特に未経験からの転職で評価されやすく、さらに監視オペレーターからのキャリアアップや年収アップの事例も多数あります。
ここでは、資格取得によって得られる具体的なメリットや、実際の転職・収入面での違いを整理します。
未経験転職で有利になる理由
CCNAは、ネットワークの基礎力を客観的に証明できるため、未経験からインフラエンジニアを目指す人にとって大きな武器になります。
実際の求人票でも「応募条件:CCNAレベルの知識」と記載されるケースは多く、採用担当者に「最低限の基礎力がある」と伝えられるのが強みです。
特に第二新卒や異業種からの転職では、学習意欲やポテンシャルをアピールする材料として有効です。
監視オペレーターからのキャリアアップ事例
インフラ業界では「監視・運用」からキャリアをスタートする人が多く、CCNA取得が構築へのステップアップにつながる事例は少なくありません。
■キャリアアップ事例:
・ヘルプデスク → CCNA取得 → ネットワーク運用担当へ
→基本的な問い合わせ対応から、ルーター・スイッチ設定や障害対応に関われるようになり、年収も50万円アップ。
・監視オペレーター → CCNA取得 → ネットワーク構築補助へ
→夜勤中心の運用から日勤ベースの構築プロジェクトに参画し、キャリアの幅が広がる。
資格取得の過程で学んだコマンド操作やネットワーク設計の基礎は、現場でのスキルアップに直結します。
未経験や監視オペレーターからの転職については、「 CCNAが有利な理由、取得後の転職成功事例」に詳しく記載しています。あわせてお読みください。
資格取得者と未取得者の年収比較
未経験者の場合、CCNA取得の有無で、初年度の年収に50万円以上程度の差が出ることもあります。
理由は、資格があることで即戦力候補として採用されやすく、研修コストを削減できると企業に判断されるためです。
また、資格手当を支給する企業もあり、CCNAでは月数千円~1万円程度の手当が加算されるケースもあります。
→関連記事:CCNAを取ると、年収は上がる?年収アップのポイントも解説
経験者の年収アップの目安
すでにインフラエンジニアとして経験を積んでいる人がCCNAを取得すると、転職や役割拡大を通じて年収が上がるケース があります。
特に、運用中心の業務から設計・構築フェーズを担当できるようになれば、年収で30~50万円前後の上乗せは現実的な目安です。
さらに、転職を挟むことで評価が大きく変わり、50〜100万円の年収アップにつながるのはよくあるケースです。
関連記事:インフラエンジニアの年収相場まとめ【未経験〜経験者・年代別】
CCNAが今でも評価される背景(Cisco機器シェア・基礎力証明)
「クラウド時代にCCNAは意味がないのでは?」といった声もありますが、実際には今も高く評価されています。
■CCNAが評価される理由:
・Cisco機器は依然として世界シェアNo.1
・ネットワークの基礎知識(TCP/IPやルーティング)は、クラウド環境でも必須
・CCNAは「インフラ基盤を理解している証明」として、採用担当や現場エンジニアに広く認知されている
そのため、キャリアの入り口を開く基礎力の証明として今も重要な位置づけです。
関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス徹底解説
関連記事:インフラエンジニアの将来性はある?AI時代の需要・キャリアを徹底解説
CCNAは意味ないって本当?
ネット上では「CCNAは意味がない」、「取っても評価されない」といった意見を目にすることがあります。
確かに、資格を持っているだけで自動的に高待遇が得られるわけではありません。しかし、実際には CCNAは今でも十分に価値のある資格 です。
■CCNAが意味ないと言われる理由:
・昔より合格者が増えたため、希少性が下がった
・資格を持っていても、実務経験がないと即戦力とは見なされにくい
・クラウド時代になり、ネットワーク資格の存在感が薄れたと感じる人がいる
このような背景から「意味がない」という意見が出ています。一方で、CCNAは「意味ある」ことも多々あります。
実際に役立つ例を、以下にて説明していきます。
■CCNAが特に役立つ例:
・未経験からインフラエンジニアを目指す場合:学習意欲と基礎知識を示す有力な証明になる
・監視やヘルプデスクからキャリアアップする場合:構築業務や設計に関わるきっかけになる
・クラウド分野を目指す場合:TCP/IPやルーティングなどのネットワーク基礎はクラウド環境でも必須
・Cisco機器のシェアの高さ:国内外で依然として高いシェアを持つため、現場で使える知識として評価されやすい
結論として、CCNAは「資格だけでは意味がない」ものの、キャリアの入口を開く武器としての価値は、今も健在です。
重要なのは、資格取得をゴールにするのではなく、実務経験や次のステップ(CCNP・Linux・クラウド資格など)につなげることです。
CCNAの意味について、詳しく知りたい方は → CCNAは意味ない?役立つ?
CCNA取得後の次のステップ
CCNAを取得したら、それをゴールにせず、次のステップにつなげることが重要です。
ここでは、CCNA取得後にどんな学習やキャリア展開を目指すべきか、代表的なルートを整理していきます。
まずは実務で活かす
CCNAを取ることで 「実務でどう活かせるか」 を理解しておくと、キャリア形成がより現実的になります。例として、CCNAの知識は以下のような業務で役立ちます。
■CCNAを実務で活かす:
・ネットワーク機器(ルーター・スイッチ)の基本設定や障害切り分け
・ヘルプデスクや監視オペレーションでの、トラブル対応の理解度向上
・クラウドやサーバー環境と接続する際のネットワーク要件整理
CCNPへのステップアップ(ネットワーク上位資格)
ネットワークエンジニアとしてスキルをさらに磨きたいなら、CCNP(Cisco Certified Network Professional) が次の王道ステップです。
■CCNPへステップアップを目指す:
・OSPFやBGPなど、高度なルーティング
・マルチサイトネットワークの設計・運用
・トラブルシューティング力の強化
CCNPを取得すれば、設計・構築フェーズに深く関われるようになり、年収アップや上流工程へのキャリアアップが現実的になります。
クラウド資格(AWS・Azure)でキャリアの幅を広げる
近年はクラウド環境の普及により、AWSやAzureといったクラウド資格のニーズも高まっています。インフラエンジニア → クラウドエンジニアのキャリアは、近年王道とも言えるキャリアステップです。
ただし、CCNAから直接クラウドエンジニアに飛躍するのは難しく、まずはインフラエンジニアとして、Linux・ネットワーク基盤の理解を前提に学ぶことが大事です。
■クラウド資格でキャリアを広げる:
・AWS CLF(クラウドプラクティショナー):クラウドの基礎知識を証明
・AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト):インフラ設計力を証明
・Microsoft Azure Fundamentals:Azure環境の基礎理解
クラウド資格を組み合わせることで、「ネットワーク+クラウドに強いエンジニア」としてキャリアの選択肢が広がります。
関連記事→インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
関連記事→クラウドエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・向いている人を解説
転職・キャリアチェンジにどう活かすか
資格取得は目的ではなく手段です。キャリアアップや転職にどう活かすかが最大のポイントになります。
■キャリアプランでの活かし方:
・未経験 → 監視・運用 → 構築エンジニア
・ヘルプデスク → CCNA取得 → ネットワーク運用/構築へステップアップ
・経験者 → CCNPやクラウド資格を組み合わせて、年収アップ転職
CCNAを起点に、キャリアの選択肢を増やし、自分に合ったキャリアプランを描くことが重要です。
CCNAと他資格(LPIC・AWS・CCNP)の違い
CCNAを学ぶ際によく迷うのが、「他の資格とどう違うのか?」、「どちらから取るべきか?」という点です。
ここでは LPIC、AWS、CCNP と比較し、それぞれの特徴と学習順序の目安を整理します。
LPIC(LinuC含む)との比較(どちらから取るべきか)
CCNAはネットワーク分野、LPICはLinuxサーバー分野をカバーする資格です。どちらを先に学ぶべきかは、目指すキャリアの方向性によって変わります。
ネットワークエンジニア志望ならCCNA、サーバーやクラウド志向ならLPICを先に取ると効率的です。
■CCNA:
・ネットワークの登竜門資格。ルーティング、スイッチング、セキュリティを中心に学べる。
・ネットワークエンジニア志望 → CCNA優先
■LPIC/LinuC:
・Linuxサーバーの操作・管理を体系的に学べる。
・サーバー・クラウド志向 → LPIC優先
また、インフラ全般を幅広く押さえたい方は、CCNAとLPICの両方取得で相乗効果が見込めます。
詳しくはこちら → LPICとCCNAどちらから取るべきか
関連記事:【まとめ】LPICとは?資格の種類・難易度・勉強法まで徹底解説
AWSとの比較(クラウド志向ならAWS優先も)
現場では「ネットワーク基礎+サーバー理解+クラウド理解」の3つが求められることが多く、補完関係にあります。
■CCNA:
・オンプレ、ネットワークの基礎を体系的に理解できる。特に、ルーターやスイッチの設定、オンプレサーバーとの接続を含めたネットワーク基盤を学べる
■AWS(CLF・SAAなど):
・クラウド設計・運用に直結するスキルを証明できる。
クラウドエンジニアを目指す人で「オンプレの基礎を固めたい」ならCCNAから、スピード重視でクラウド職種に挑戦したいならAWSからのスタートも選択肢です。
関連記事 → LPIC・CCNA・AWSの学習順序まとめ
関連記事 → クラウドエンジニアへの勉強ロードマップとおすすめ資格
CCNPとの関係(上位資格との位置づけ)
ネットワークエンジニアとして長期的にキャリアを築きたい人にとっては、CCNA → CCNPが王道ルートです。
■CCNAとCCNP:
・CCNA:基礎力を証明する資格(エントリーレベル)
・CCNP:企業ネットワークの設計・構築を担えるスキルを証明(プロフェッショナルレベル)
CCNPは、企業のネットワークやデータセンターで利用されることが多い技術をカバーしており、より専門的なネットワーク関連知識を身につけることができます。
比較表まとめ
ここまで紹介したLPIC・AWS・CCNPとの違いを、一目で比較できるようにまとめました。
「自分はどの分野を優先して学ぶべきか」を考える際の参考にしてください。
資格 | 分野 | 難易度 | 学べる内容 | メリット | おすすめタイプ |
CCNA | ネットワーク基礎 | 中 | TCP/IP、ルーティング、セキュリティ、オンプレ機器の基本操作 | ネットワークの基礎を体系的に習得できる | ネットワークエンジニアを目指す人 |
LPIC -1 | Linuxサーバー | 低 | Linuxコマンド操作、サーバー運用 | サーバー・クラウドに必須のOS理解を証明 | サーバーエンジニア、クラウド志向の人 |
AWS SAA | クラウド | 中 | VPC、EC2、IAM、クラウド設計・運用 | クラウドエンジニア転職で強力な武器 | クラウド志向の人、スピード転職を狙う人 |
CCNP | ネットワーク上位 | 高 | OSPF、BGP、大規模ネットワーク設計 | 上位工程に直結する専門スキルを証明 | ネットワークを専門領域にしたい人 |
関連記事 → インフラエンジニアへの勉強ロードマップと学習順序
関連記事 → インフラエンジニアへの資格ロードマップ、順番
よくある質問まとめ
ここではCCNAでよくある質問をまとめました。
Q1:CCNAの有効期限は?
CCNAの有効期限は合格日から3年間です。
3年以内に再試験に合格するか、上位のCCNPを取得することで、資格を更新できます。
Q2:試験は自宅でも受けられますか?
はい、可能です。
Pearson VUEのオンライン受験(OnVUE)を利用すれば、自宅のPCから受験できます。ただし、事前の環境チェックが必要です。
Q3:CCNAに受験資格はありますか?
いいえ、ありません。
実務経験や学歴は問われず、誰でも受験できます。
Q4:不合格になった場合、再受験はできますか?
はい、可能です。
ただし、不合格後は待機期間があり、5日間は再受験ができません。
Q5:試験は日本語で受けられますか?
はい、可能です。
CCNA試験(200-301)は日本語に対応しており、英語と選択できます。
まとめ:CCNAはネットワークエンジニアを目指す最初の一歩
CCNAは、ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートするための登竜門資格です。
■CCNAを取得する意味:
・ネットワークの基礎を体系的に学べる
・転職やキャリアチェンジの武器になる
・CCNPやLinux、クラウド資格へのステップにもつながる
資格単体で年収や待遇が一気に変わるわけではありませんが、キャリアの選択肢を大きく広げるきっかけ になることは間違いありません。
学習の次のステップ(CCNP・クラウド資格へ)
資格取得は手段であり、ゴールではありません。
CCNA取得後は、ネットワークを専門的に極めたい人は CCNP を、クラウド志向の人は Linuxやサーバー知識+クラウド資格(AWS・Azure) を学ぶのが王道ルートです。
資格をうまく組み合わせることで、キャリアの幅は大きく広がります。
キャリアプランを最短で進める方法
「どの資格から始めるべきか?」、「CCNAを取ったら転職できるのか?」と悩む方は多いです。独学での学習やキャリアプランに不安がある場合は、専門家に相談するのが近道です。
私たちは、インフラエンジニア専門の転職エージェントとして、あなたのスキルや経験に合ったキャリアプラン設計から、資格取得後の転職支援まで一貫してサポートしています。
CCNA取得を検討中の方、転職活動を始めたい方は、ぜひ一度キャリア相談をしてみてください。
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あなたのスキルや状況に合わせた最適なキャリアプランをご提案します。
独学で学んでいる方も、これから学び始める方も歓迎です。
※在職中の方・未経験から挑戦したい方もお気軽にどうぞ