こんにちは、インフラ・クラウドエンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
クラウドエンジニアに興味はあるものの、転職や学習に踏み出す前に、将来の需要・収入・リスクを確認したい方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、クラウドエンジニアは今後も需要が見込まれ、将来性の高い職種です。
■この記事でわかること:
・クラウドエンジニアの需要が高い理由
・クラウド人材が不足・枯渇している理由
・AIで、クラウドエンジニアの仕事はなくならないか
・今後需要が見込めるクラウドエンジニアのスキル
この記事では、クラウドエンジニアの将来性について、転職市場の視点も交えながら分かりやすく解説していきます。
【結論】クラウドエンジニアの将来性は高く、需要も根強い
結論、クラウドエンジニアは今後も需要が見込まれ、将来性の高い職種です。
企業や行政のクラウド活用は拡大しており、さらにAI・データ活用などクラウドが使われる領域も広がっています。クラウドエンジニアの将来性を整理すると、以下のとおりです。
| 項目 | 将来性・今後の見通し |
| クラウド市場 | 企業・行政で利用が拡大 |
| エンジニア需要 | 実務経験を持つ人材を中心に高い需要が見込まれる |
| AIの影響 | 定型業務は自動化・効率化が進む |
| 今後の市場価値 | 設計・自動化・セキュリティなどのスキルがより重要になる |
| 未経験者 | 基礎→実務→クラウドの順で経験を積むことが重要 |
クラウド市場そのものが拡大する中、設計・構築・改善まで対応できるクラウドエンジニアは、今後も高い市場価値が期待できます。
クラウドエンジニアの需要が高い3つの理由
クラウドエンジニアの需要が高い理由として、企業や行政でクラウド利用が広がりかつ、AI・データ活用などの用途も拡大していることがあります。
ここでは、クラウドエンジニアの需要が高い理由を3つに分けて解説していきます。
① 企業のクラウド移行・DXが進んでいる
クラウドエンジニアの需要が高い大きな要因は、企業のクラウド利用の拡大です。
総務省「令和7年版 情報通信白書」に掲載されたIDC Japanの予測では、国内パブリッククラウドサービス市場は、2024年の約4.1兆円から2029年には約8.8兆円へ拡大すると予測されています。つまり、5年間で市場規模が2倍以上になる計算です。
クラウドを利用する企業が増えると、クラウドを設計・構築・運用するエンジニアも必要になります。また、導入後も運用・改善・セキュリティ対策などが続くため、クラウド利用の拡大は継続的な需要につながります。
※出典:総務省 令和7年情報通信白書
② 政府・公共分野でもクラウド活用が進んでいる
クラウド化は民間企業だけでなく、政府や公共分野でも進んでいます。
政府の情報システムでは、クラウド利用を第一候補として検討する「クラウド・バイ・デフォルト原則」が提示されており、行政でもクラウドが推進されています。
クラウドは、行政のITシステムも支える基盤の一つになっています。
③ AI・データ活用などクラウドの用途が広がっている
クラウドはWebサイトや業務システムばかりでなく、生成AI・データ分析・IoTなどを支える基盤としても広く利用されています。
例として、生成AIを企業システムへ組み込む場合も、データを保存・処理するIT基盤が必要です。また大量のデータを柔軟に処理できることから、データ分析・活用でも多くクラウドが利用されています。
AIはエンジニアの業務を一部自動化する一方で、新たなクラウド需要を生み出す側面もあります。
クラウドエンジニアが不足・枯渇していると言われる理由
クラウドエンジニアは「不足・枯渇している」とよく言われます。一方で、未経験からクラウドエンジニアを目指す人まで少ないわけではありません。
実際の転職市場で不足しているのは、クラウドやインフラの実務経験を持ち、設計・構築などを任せられるエンジニアです。
需要拡大の一方で、実務レベルのクラウドエンジニアは短期間で育成が難しく、ここに需要と供給のギャップが生まれていると言えます。
不足理由①: クラウドだけでなくインフラ全般の知識が必要
クラウドエンジニアは、AWS・Azure・Google Cloudの知識だけがあればよいわけではありません。
実際のシステムを設計・構築するには、Linux・ネットワーク・データベース・セキュリティなど、ITインフラ全般の知識が必要となり、求められる知識・スキルの範囲が広いのが特徴です。
例として、AWSのサービスを理解していても、LinuxやNWの仕組みが分からなければ、適切な設計や障害対応などは難しくなります。そのため、実務を任せられるクラウドエンジニアになるには一定の時間が必要です。
不足理由②: クラウドの土台となるインフラ経験者も不足している
クラウドエンジニアは、独立した領域の職種というよりも、サーバー・ネットワークなどのインフラ技術を土台としてクラウドへ領域を広げた職種でもあります。そのため、クラウド人材を増やすには、土台となるインフラ知識・経験を持った人材も必要です。
当社がインフラ・クラウドエンジニアの転職支援を行う中で、「未経験からクラウドエンジニアになりたい」と考える求職者側は多く、クラウドを目指す人そのものは少なくありません。
一方で、クラウドエンジニアを採用したい企業側は、クラウドもしくはインフラの実務経験を求めるケースが多く、クラウドの実務経験やクラウドへつながるインフラ経験を持った人材が不足しているというのが、転職支援現場で感じる実態です。
AIでクラウドエンジニアの仕事はなくなる?
結論、AIや自動化によって、クラウドエンジニアの仕事そのものがなくなる可能性は低いと考えられます。
ただし、定型的な作業は効率化されやすいのも事実です。クラウドエンジニアの役割は、「作業する」仕事から「設計・判断・改善する」仕事へ、今後変化していくと考えた方がよいでしょう。
| AI・自動化の影響を受けやすい業務 | AIで代替されにくい業務 |
| 手順に沿った設定・構築 | 要件に合わせたクラウド設計 |
| 監視・ログ分析などの一次対応 | セキュリティ・コスト・可用性の判断 |
| 定型的な障害対応 | 障害時の影響・対応方針の判断 |
| コード・資料の作成支援 | AIの生成物が適切か検証 |
特に「決められた手順どおりの作業」は、人が担当する範囲が縮小していく可能性があります。
一方で、クラウド実務では、性能・可用性・セキュリティ・コストなど複数の条件を考えながら、システムを設計・改善する必要もあります。こうした業務では、AIを活用しつつ、最終判断を行うエンジニアが必要です。
そのため、AIでクラウドエンジニアが不要になるというよりも、「作業するエンジニア」から「AIを活用して設計・判断できるエンジニア」へ、求められる役割が変わっていくと考える方が現実的と言えます。
今後需要が高まるクラウドエンジニアとは?
現在でも、設計・自動化・セキュリティなど、より高度な業務まで対応できるクラウドエンジニアは市場価値が非常に高いです。
さらに今後、AIや自動化の普及で定型作業が効率化されると、こうした「設計・判断・改善までできるエンジニア」の重要性は、さらに高まると考えられます。
| 市場価値がさらに高まる | 市場価値を高めにくい |
| 要件整理・設計までできる | 手順どおりの運用・監視のみ |
| IaCなどで構築・運用を自動化できる | 手作業での設定・構築が中心 |
| セキュリティまで考えて設計できる | クラウドの操作方法だけ知っている |
| AI・データ活用など新しい領域へ対応できる | 実務スキルを伸ばさない |
特に重要なのは「クラウドを操作できる」にとどまらず「クラウドを使って設計・改善できる」まで進むことです。これがクラウドエンジニアの市場価値を高める王道です。
クラウドエンジニアの将来性を高める3つのスキル
クラウドエンジニアとしてさらに市場価値を高めるなら、基本的なクラウド構築に加えて、「自動化やセキュリティ」といった専門スキルを伸ばすことが重要です。
① IaC・自動化:
Terraformなどを活用し、インフラの構築・運用をコード化・自動化できるスキルです。大規模な環境や継続的な変更にも対応しやすく、クラウドエンジニアの専門性を高められます。
② クラウドセキュリティ:
IAM・ネットワーク・暗号化など、クラウド環境のセキュリティに関する専門性です。クラウド利用が広がる中、セキュリティ領域に強みを持つことは、将来性を高める選択肢の一つです。
③ AI・コンテナ・SREなどの専門性:
さらに市場価値を高めるなら、AI・コンテナ・SREなど、自分のキャリアに合った専門領域へスキルを広げるのも有効です。
→関連記事:クラウドエンジニアのキャリアパス|職種一覧・年収・将来性
ただし、これらすべてを習得する必要はありません。「クラウド+得意分野を作る」と考えるのがポイントです。
また、クラウドエンジニアを目指すためのLinux・ネットワーク・AWSなどの基礎スキルや勉強方法については「クラウドエンジニアの勉強|未経験から実務へつなげる順番と学習」で解説しています。
クラウドエンジニアを目指すべき?キャリア判断のポイント
クラウドエンジニアをキャリアとして考える場合、「未経験から目指せる?」、「年収は上がる?」、「やめとけと言われるのはなぜ?」も気になるポイントです。ここでは、それぞれを簡潔に解説します。
① 未経験からクラウドエンジニアを目指せる?
未経験からでもクラウドエンジニアを目指すことは可能です。ただし、IT未経験からすぐにクラウドの設計・構築を任されることは稀です。
現実的には、Linux・ネットワークなどの基礎を身につけ、インフラの実務経験を積みながらクラウドへ進むのが王道となります。
未経験からクラウドエンジニアになる具体的な手順は、「未経験からクラウドエンジニアになるには?転職ロードマップ」で解説しています。
② クラウドエンジニアは高年収を目指せる?
クラウドエンジニアは、経験やスキルを高めることで、高年収を目指せる職種です。
特に、構築→設計・上流工程へ担当範囲を広げることが、年収を上げる王道です。さらに専門性や役割を高めれば、年収700万円以上や1,000万円を目指せるキャリアもあります。
年代・経験別の年収相場や年収を上げる方法は、「クラウドエンジニアの年収は?平均・年代別の相場と1000万円を目指す方法」で詳しく解説しています。
③ クラウドエンジニアは、なぜ「やめとけ」と言われる?
クラウドエンジニアは、継続的な学習が必要なことや、障害対応のプレッシャーなどから「やめとけ」、「きつい」と言われることもあります。
一方で、仕事に大変な面があることと、職種の将来性は別問題です。むしろ、仕事内容や職種の特徴が自分に合うかを含め、メリット・デメリットを理解したうえで判断することが重要です。
クラウドエンジニアのきつい部分やデメリットについては、「クラウドエンジニアはやめとけ?」で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1:クラウドエンジニアに向いている人は?
新しい技術を学ぶことに抵抗がなく、Linux・ネットワークなどの仕組みを理解したり、問題の原因を論理的に切り分けたりすることが好きな人に向いています。
また、クラウドは継続的に新しいサービスや機能が登場するため、一度覚えたら終わりではなく、必要に応じて学び続けられる人ほど適性があります。
Q2:クラウドエンジニアの仕事や転職は難しいですか?
クラウドエンジニアは、AWSといったクラウドサービスだけでなく、Linux・ネットワーク・セキュリティなど幅広い知識が必要になるため、特にIT未経験の場合、転職のハードルは低くなく、仕事でも幅広い知識が求められます。
一方で、クラウドエンジニアに魅力を感じるなら、簡単に諦める必要はありません。インフラの基礎→クラウド→構築→設計と一段ずつスキルを伸ばすことで、未経験からでも目指せます。
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性・未経験からのなり方
Q3:クラウドエンジニアになるには何から勉強すればいい?
未経験者であれば、まずはLinux・ネットワークなどITインフラの基礎を身につけることをおすすめします。
その後、AWSなどのクラウドを学び、ハンズオンで実際に環境を構築すると理解しやすくなります。
→関連記事:クラウドエンジニアの勉強法|未経験から実務へつなげる順番と学習ステップ
まとめ:クラウドエンジニアは今後も将来性の高い職種
企業や行政でクラウド活用が広がり、AI・データ活用などクラウドが使われる領域も拡大しています。一方で、AIや自動化によって定型業務は効率化され、クラウドエンジニアに求められる役割は変化していくでしょう。
今後さらに市場価値を高めるなら、以下のような経験・スキルを伸ばすことが重要です。
■この記事のまとめ:今後の市場価値を高めるポイント
・運用だけでなく、構築→設計へ担当工程を広げる
・IaCなどを活用して構築・運用を自動化する
・クラウドセキュリティなどの専門性を身につける
・AIなど新しい技術を活用できるようになる
将来性を高めるために重要なのは、「クラウドを操作できる」で止まらず、「クラウドを使って設計・改善できる」エンジニアへステップアップすることです。
クラウド市場が拡大する中で、こうしたスキル・経験を積み重ねることが、長期的な市場価値につながります。








