こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
IT系国家資格で一番有名と言える資格は基本情報技術者試験ですが、基本情報技術者試験とはどのような試験であり、難易度や取得メリットなどはどの程度なのでしょうか?
今回は基本情報技術者試験について、難易度や就職・転職の有利度、出題範囲や勉強方法などについて説明します。
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験(Fundamental Information Technology Engineer Examination、 略号:FE)は「高度IT人材となるために必要な基本的知識」を身につけた事を証明する国家資格であり、IT業界においては一番有名な資格と言えるでしょう。
ITエンジニアとして就業する場合にはもちろんですが、情報系大学やIT専門学校で取得する事は非常に多く、また情報系の大学に推薦入学のために取得する事や、非IT企業の社員がIT知識習得のために取得する事もある資格であり、ITエンジニアになるにあたりベースとなる知識を習得するための資格と言えます。
また、ITエンジニアとして就業する人の取得資格として、一番高い割合を誇る資格とも思われる人気資格だと思います(年間の受験者人数は10万人超の年もあります)。
基本情報技術者試験の難易度は?
基本情報技術者試験は高度IT人材となるために必要な「基本的知識」が求められるため、出題範囲は広いですが、難易度としてはIT系の国家資格の中では、比較的易しい試験の位置づけとなるでしょう。
経済産業省が定めるITスキル標準(IT Skill Standard:略称ITSS)は、難易度をスキルレベル1(エントリークラス)~スキルレベル7(スーパーハイクラス)まで区分していますが、基本情報技術者試験の難易度はスキルレベル2(ミドルクラス)に位置します。
※スキルレベル2に位置づけられる他資格としては、国家資格の情報セキュリティマネジメント試験、ネットワーク系資格のCCNA、サーバー系資格のLPIC level2、データベース系資格のOracle Master Silver等があります。
スキルレベル2は「ミドルクラス」に位置づけされるため、難しく感じてしまう人も多いですが、ITエンジニアとしての就業経験がなくとも独学で十分に合格可能な難易度であり、合格率は約2-3割程度です(令和元年秋期の基本情報技術者試験合格率は、社会人29.6%、学生29.7%であり、社会人の中でもIT系企業勤務者の合格率は28.1%、非IT系企業勤務者の合格率は34.4%と公表されています)。
参考資料:情報処理技術者試験 統計資料
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/_index_toukei.html
また、過去最年少の試験合格者は、2019年度の春期試験においての9歳(小学4年生)となっています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45124260S9A520C1000000/
基本情報技術者試験は就職・転職に有利?取得メリットは?
基本情報技術者試験は応募企業にもよりますが、総じて「学生のIT業界就職においては、若干有利」と言えるでしょう。
もちろん就職は資格取得だけでは評価されにくい所はありますが、基本情報技術者試験は、理系大学生、IT系専門学校生は就職活動前に取得した方が良い資格であり、また文系大学生もIT業界を希望する場合には、評価されやすい資格と言えます(特に、IT専門学校生や高校生からの就職においては、基本情報技術者試験は取得しておいた方が良い資格だと思います)。
ただし、ITエンジニアとしての転職においては、有利になるとは言いにくいかも知れません(もちろん、基本情報技術者取得レベルの知識をほぼ必須としている求人は一定多いですが、転職においては実務経験がより重要となります)。
基本情報技術者試験の出題範囲と出題形式
基本情報技術者試験の出題範囲は広く、IT基礎知識を総合的に問われる内容となっており、大きく下記3分野から出題されます。
①テクノロジ系
・基礎理論(基礎理論、アルゴリズムとプログラミング)
・コンピュータシステム(コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア)
・技術要素(ヒューマンインタフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ)
・開発技術(システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
②マネジメント系
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント(サービスマネジメント、システム監査)
③ストラテジ系:
・システム戦略(システム戦略、システム企画)
・経営戦略(経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ)
・企業と法務(企業活動、法務)
また、出題形式としては、午前の部と午後の部で異なり、午前の部は四肢択一(問題数80問)、午後の部は選択肢回答(問題数11問)です。
基本情報技術者試験はITエンジニア経験者でも勉強ゼロでは合格は難しいため、基本情報技術者試験用の勉強を行う方が良いと思います。
基本情報技術者試験の日程、申し込みは?
基本情報技術者試験は、春期試験(4月第3日曜日予定)と秋期試験(10月第3日曜日予定)が、年に計2回実施となります(受験料は、消費税込みで5,700円です)。
年に2回と回数が少なく、また試験の申込期間は「試験日より2-3か月前」となりますので、受験を希望される場合には、早めに申込みを行い、早めに受験対策を行う方が良いかと思います。
また、試験の申し込みを忘れないために、試験の運営機関であるIPAのメールニュースに登録をする事もよいと思います。
IPAメールニュース
https://www.ipa.go.jp/about/mail/index.html
勉強時間や勉強方法は?参考書や過去問について
基本情報技術者試験の勉強時間は、人によって様々と言えます(早期に学習する人もいれば、時間がかかる人もいます)が、IT知識なしの場合は100-200時間ほどが目安となるかも知れません。
もちろんプログラミングにおいて何を選ぶか(C言語、Java、Python、アセンブラ、表計算ソフト)や、点数何点を目指すのか、などによって、必要となる勉強時間も異なってくると言えますが、総じて2-3か月程度の勉強期間を確保しておく方が好ましいかと思います。
また、初心者向けの勉強方法として、無料勉強サイトや過去問題集、本やアプリもありますので、あなた自身が勉強しやすいやり方で進めていくと良いかと思います(有名な勉強方法を下記に紹介します)。
勉強方法①:無料勉強サイト
基本情報技術者試験ドットコム
https://www.fe-siken.com/fekakomon.php
勉強方法②:過去問題集
情報処理推進機構(IPA)過去問題
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_mondai.html
勉強方法③:本
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和02年 (情報処理技術者試験)
勉強方法④:アプリ
【令和2年春対応】基本情報技術者試験
デベロッパ Maiji Saito
(補足)基本情報技術者試験とITパスポートの違いとは
基本情報技術者試験と比較検討されやすい資格として、同じ国家資格の「ITパスポート」があり、出題範囲の大項目も「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」と同じではありますが、違いは何でしょうか?
結論として、基本情報技術者試験とITパスポートの違いは、「難易度」と「取得で得られる評価」の2つが大きいと思います(ITパスポートのスキルレベルは1のエントリークラスであり、基本情報技術者試験のスキルレベルは2のミドルクラスです)。
また、ITパスポートは易しい資格であるため、就職や転職時などにおいても評価はほとんどないため、可能であれば最初から「基本情報技術者試験」を勉強される事が好ましいかも知れません(もちろん、一から勉強したい初心者の方は、ITパスポートを取得して、その後に基本情報技術者試験を受けるという流れも良いと思います)。
次に取得すべき資格は何がおすすめ?
基本情報技術者試験を取得した後に「次は何の資格を取得した方がよいか?」と聞かれる事もありますが、基本的には「どのようなエンジニアになりたいか?」、「どんな仕事をしたいのか?」によって、次に取得すべき資格は異なると思います。
例えば、プログラマ、システムエンジニアとして仕事をしていきたいであれば、次の資格としては「応用情報技術者試験」が一番スタンダードとも言えます(Oracle Master Silverも一つ有りなのかも知れませんが)。
また、インフラエンジニアとして仕事をしていきたい場合は、次の資格としてはネットワーク系のCCNAや、サーバー系のLPIC(LinuC)level1の方が、より好ましいと思います。
あわせて、ITコンサルタントの方向性を目指すのであれば、TOEICや簿記2級といった資格も有効になる事もありますし、セキュリティ系を目指すのであればCompTIA Security+や、CCNAも有効と言え、総じて言うと「目指す方向によって、次に取得すべき資格は異なる」と思いますので、「あなたがやりたい仕事に活かせる資格」を取得すべきだと思います。
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