社内SE(情報システム部門)とは

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概要

・社内SEとは
・社内SEの仕事内容とは
・社内SEの年収とは
・社内SEに求められるスキル・人物像とは
・社内SEを目指す方へ

社内SEとは

社内SE(情報システム部門)とは、システムインテグレータがクライアントのシステムを作り上げるのに対して、在籍をする自社の売上向上・業務効率化を目的に、システムを構築していく立場になります。
会社の規模により社内SEの担当する業務内容に違いはありますが、基本的には、社内でアプリケーションの開発やインフラ構築をする機会は少なく、システムの企画や発注先のベンダーの選定・管理、システム導入後の保守・運用業務のマネジメントを担当する割合が高いのが特徴になり、そのため社内SEは、技術よりもマネジメント力やコミュニケーション・折衝能力が求められる職種でもあります。

社内SEは、エンジニアに非常に人気のある職種である一方、業務を外部にアウトソーシングするケースやクラウド化等により社内SEの人員を減らす企業も多く、ここ数年求人は減少傾向にあり、採用倍率が高い職種でもあります。

社内SEの仕事内容とは

社内SEの業務内容は、大手企業の情報システム部門、中小企業の情報システムによって業務内容に大きな幅が出てきます。
数十名~数百名の社員を抱える大手情報システム部門では、アプリケーション・インフラそれぞれが部署ごとに分かれており、自分のスキルに応じて専門的な業務を担当する形になります。

※アプリ運用・保守、インフラ運用、ヘルプデスクは外部に委託するケースが多く、一般的にはシステム企画・ベンダー管理等の業務が多くなる傾向にあります。

中小企業での情報システム(情報システム担当が数名規模)になりますと、アプリケーションからインフラ、ITサポートまで全般的に対応をする必要があり、会社の規模によって業務内容の幅が変わってくる傾向にあります。
また、中にはPCの発注やコピー機の修理をするなど、総務が担当する業務を兼務する社内SEの方もいらっしゃいます。

そのため、下記業務内容がどの企業の社内SEの業務に当てはまるわけではありませんが、一般的な社内SEの業務内容になりますので、参考までにご覧ください。

◆IT戦略・システム企画
経営戦略を支えるためのシステムの企画立案・要件定義を行う作業。
各部門のユーザーにヒアリングを行い、業務プロセスの改善のシステムを作るために、現状の課題の洗い出しや、システムにおける解決策を検討します。

◆基幹システム構築・運用・保守
業務知識と社内ユーザーの要望を基にしたシステムの改善提案・再構築、あるいは既存システムの保守・運用業務を行います。
システムの構築業務に関しては、外部のベンダー・SIerに委託をするケースがほとんどになりますので、ベンダーを管理・コントロールすることや、既存のシステムの運用・保守業務の割合が高くなります。

◆インフラ構築・運用・保守
サービス向上の為の新技術・製品の導入検討やネットワーク、サーバー運用・監視・障害対応を行います。
他にも、セキュリティ対策やデータ保全体制の強化、クライアントPCまで含めたインフラの全体的の対応が求められます。最近では在宅勤務可能な職場環境を整えるためのクラウドサービスの導入等が増えている傾向にあります。

◆サポート・ヘルプデスク
社内のユーザーに対して日常的なITサポート、ツールやシステム導入時のPCセットアップを実施。ソ
フトウェアやPC等の資産管理、ユーザー管理、FAQ作成。ACCESS、EXCEL等を使ったデータの提供なども業務に含まれます。
最近ではサポート系の業務を外部のアウトソーシング企業に外部委託をするケースも増えており、自社の社員で対応するケースは少なっている印象がございます。

社内SEの年収とは

社内SEの年収は、会社の規模や利益率、また残業時間の有無や福利厚生等によっても年収が大きく変動をするため、一概にまとめることが難しいところではございます。
特に本業の利益が高い業界(製造業・金融機関等)は社内SEの年収も高い傾向にありますが、利益が低い(流通系・サービス業、その他中小企業)企業での社内SEの年収は、IT業界のエンジニアよりも低くなる傾向が見られます。

下記年収はおおよその目安としての金額になりますが、社内SEの年収の相場としてお考えください。

◆大手企業の情報システム部門 
・CTOクラス(技術役員) 約1000万~1500万円
・マネージャークラス 約650万円~1000万円
・リーダークラス 約550万円~700万円
・メンバークラス 約350万円~500万円程度

◆中堅・中小企業の情報システム部門での社内SE
・マネージャークラス(部長級)約600万~800万円
・リーダークラス(課長級)約450~550万円
・メンバークラス 約300万円~400万円程度

社内SEに求められるスキル、人物像とは

社内SEの仕事内容の欄でも記載を致しましたが、会社の規模によって社内SEの業務内容は変わってくるため、業務内容によって求められるものが変わってきますが、大企業の社内SEの場合は、ネットワーク・サーバ等のインフラエンジニア専門の業務になる可能性がございますので、
WAN、LAN等ネットワーク構築・設計・運用経験やルーター、スイッチング製品等の知識・実用経験、サーバ構築・設計・運用経験。Windows、UNIX等サーバー設定・運用経験等を幅広く求めてくる傾向があり、運用・監視経験のみでは経験不足となり、上流工程の経験は必須になります。

また、最近の社内SEの中途採用の傾向としてシステムを外部に発注する際に、ベンダーが提案してきたシステムが技術的・金銭的にも正しいものかを判断することができるだけの経験を社内SEに求めるようになっており、クライアントへ提案・見積もり等のプロジェクトマネジメントの豊富な経験をされている方を求める傾向も強くなっている印象がございます。

社内SEを目指す方へ

社内SEは、システムを発注する側でもあるため、多くのエンジニアが希望をする職種の一つでございます。
勤務地が一定になることや発注する側でもあるという心理的な負担が軽減することが人気の職種の理由ではありますが、その反面で将来のキャリアパスは狭いなどデメリットもあることを忘れてはいけません。

基本的に開発等の技術的な業務は、外部のシステム会社が担当をしますので、技術の専門的なキャリアパスが社内SEには存在せず、部署のマネジメントに進む以外のキャリアを形成しづらい環境になります。

また、社内SE経験者の転職理由で一番多いのが、他のメンバーと業務内容に大きな差がなく、評価をされづらい(=年収が上がらないこと)やマネジメントポディションに空きがなく、当面出世ができないというものです。
他にも中小企業の社内SE経験者の場合は、IT以外の総務等の業務を兼務することもあり、エンジニアとしてのスキル低下に不安を覚えるケースや経営陣がIT投資に否定的な会社の社内SEの場合には、最適なシステムが導入できないことに対してストレスを感じる方もいらっしゃいました。

このあたりもしっかりと意識したうえで、本当に社内SEのキャリアがいいのかを考えた上で
社内SEのキャリアを歩んでいくのかを判断する必要はあるかと思います。

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