LPIC(LinuC)は転職・就職でどれくらい有利?意味ない人と、取るべき人を解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

LPIC(LinuC)は転職や就職に有利な資格として人気が高いですが、「エンジニアは、実務経験が重要(資格はいらない)」という声もあります。

資格取得は時間がかかりますし、無駄な努力は避けたい所でしょう。ゆえに、LPICを取るべきかで、悩む人も多いです。

では、LPICを取得した場合は、本当に転職や就職で有利になるのでしょうか?

結論としては、LPICが有利になる人と、有利にならない人がいます

それでは、LPICを取得すべき人はどんな人でしょうか?

今回は転職エージェントとして、LinuC(LPIC)という「資格」から見た転職市場を説明します。

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目次

LPIC(LinuC)が転職・就職で有利な理由

LPICを取得すると、転職や就職に有利になることは多いです。以下からはLPICが転職・就職で有利になる理由を解説します。

■LPIC(LinuC)が転職・就職で有利な理由:
・Linux知識を、体系的に習得している証明となる
・技術を学習する姿勢(やる気)を証明できる
・(未経験者)実務経験不足を、資格が補ってくれる

・(未経験者)エンジニア適性の証明が証明できる
・(未経験者)他応募者との差別化ができる

以下より、順番に説明していきます。

【実務経験者】LPIC(LinuC)が転職・就職で有利な理由

【実務経験者】LPICが転職・就職で有利な理由①:Linux知識を体系的に習得している証明となる

LPICはLinuxの知識を持っていることを証明する資格です。実務経験者にとってLPICの取得は、転職で大きなアドバンテージになります。理由は、Linux知識を体系的に習得している証明になるためです。

日々の業務でLinuxの操作や管理を行っていても、経験だけでは知識に偏りが発生してしまいます。

一方で、LPICを取得することで、Linuxの基本操作から、シェルスクリプト、ネットワークやセキュリティまで学ぶことができ、Linux全般についての知識が身についていることが証明できます。

また、LPICを持っていることで、インフラエンジニアに必要な「自学」や「継続してスキルアップをする姿勢」をアピールでき、転職においては企業からの評価が高まります

【実務経験者】LPICが転職・就職で有利な理由②:実務経験不足を、資格が補ってくれる

エンジニアは、資格よりも実務経験を重視されることが圧倒的に多いです。資格で得た知識が、そのまま現場で応用できるとは限りません。実際のプロジェクトでは、その場の状況に応じたスキルが求められます。

また、実務で必要とされるトラブルシューティングなどのスキルは、実務を通じて、多数のケースを経験して身につくものです。

ゆえに、実務経験が少ない人にとって、転職活動では「経験不足」が大きな障害になることも多いです。

しかし、LPICを取得することで、実務経験が少なくても、知識を証明する手段として役立ちます。実務経験は不足していても、「将来の伸びしろに期待」をしてもらえることも非常に多いです。

【未経験者】LPIC(LinuC)が転職・就職で有利な理由

【未経験者】LPICが転職・就職で有利な理由①:技術を学習する姿勢(やる気)を証明できる

未経験者がインフラエンジニアへの転職を目指す場合、実務経験がない分、企業に「技術を学ぶ姿勢」や「やる気」をアピールすることが重要です。そこで役立つのがLPICです。

LPICは、もっともやさしいLPIC-1でも、取得取得の学習には多くの時間と努力が求められます。ゆえに、資格を取得することで、「自発的に技術を学ぶ姿勢(やる気)」をアピールできます。

また、IT業界では新しい技術を学び続ける力が重視され、また一人で勝手に成長してくれるような人材が非常に評価されます。資格取得は、評価獲得の後押しをしてくれます

【未経験者】LPICが転職・就職で有利な理由②:エンジニア適性の証明ができる

また、エンジニア未経験の場合は、LPICを取得することで、エンジニア適性の証明ができます。

実務経験がない未経験者は、企業にスキルやエンジニア適性を証明することが難しいです。また企業は「エンジニアとして活躍してくれる人材」を採用したいため、活躍適性の有無を判断したいと考えています。

「資格取得=優秀なエンジニア」とはなりませんが、コツコツ学習し、技術をキャッチアップする姿勢をアピールでき、エンジニアとしての活躍適性を感じていただくことができます。

【未経験者】LPICが転職・就職で有利な理由③:(未経験者は)他応募者との差別化ができる

さらに、エンジニア未経験の場合は、LPICを取得することで、他応募者との差別化もできます。

また、インフラエンジニアは未経験者にも門戸は広いとはいえ、転職を目指す場合の競争は激しいです。特に近年、未経験からエンジニアを目指す人が増えているため、応募者同士の競争は厳しさを増しています。

ここで、LPICを取得していることで、無資格の応募者と比較して、差別化を図ることができます。資格を取ることで「成果を残している」ため、大きな差別化に繋がります。

LPIC(LinuC)が転職・就職で有利にならないケース

LPICは転職や就職で有利になる資格です。しかし、全ての人が有利になる訳ではありません。効果が得られない場合もあります。

ここでは、LPICが転職・就職で有利にならないケースについて、説明していきます。

■LPIC(LinuC)が、転職・就職で有利にならないケース
・Linuxを使用しない(他の資格やスキルが優先される)企業、求人への転職
・実務経験が重視される企業、求人への転職
・資格取得のみで終わってしまう(手を動かして学習しない)場合
・年齢が若くない場合

以下に、順番に説明していきます。

LPICが転職で有利にならないケース①:Linuxを使用しない企業、求人への転職

LPICはLinuxの知識を証明する資格です。ゆえに、Linuxを使用していない企業や、Windows環境を使っている求人では、LPICを取得していても、評価されないことがあります。

Windows環境を使用する求人では、より評価されるのはMicrosoft認定資格(Azureなど)です。Windows環境をメインとする求人では、転職で有利になるのは難しいでしょう。

LPICが転職で有利にならないケース②:実務経験が重視される企業、求人への転職

IT業界では、資格取得よりも実務経験が重視されることが非常に多いです。特に構築以上など、中級以上のポジション、即戦力スキルを求められる仕事では、資格を持っているだけでは不十分です。

実務経験を重視する企業では、資格よりも「何を、どこまでやってきたのか」といった即戦力のスキルや、プロジェクトを管理する経験です。実務経験が重視される企業では、LPICのような資格は有利になりにくいです。

LPICが転職で有利にならないケース③:資格取得のみで終わってしまう場合

LPICはLinux知識を証明する資格ですが、取得するだけでは十分とは言えません。資格取得の前後に、しっかり手を動かして学習し、得た知識を実際のプロジェクトで活かせるかが重要です。

資格は取得しても、手を動かして学習していない場合は、面接で見抜かれてしまうこともあります。実務に活かすための努力を怠ると、転職活動で有利にならないこともあるでしょう。

LPICが転職で有利にならないケース④:年齢が若くない場合

年齢が若ければ、ポテンシャルがあるとみなされ、採用されやすいです。しかし年齢が上がる程、資格よりも「即戦力としての実績」を期待されます

つまり、「資格」よりも「これまでのキャリア実績」や「プロジェクト管理力」が求められるでしょう。特に30代後半以降になると、その傾向がどんどん強くなっていきます

年齢が高い場合は、資格に加えて、これまでのキャリアで培った経験や実績をアピールすることが大事です。

また、以下からはLPIC level1、level2、level3の認定レベル別に、転職・就職の有利さを具体的に説明していきます。

LPIC(LinuC)level1が転職・就職で有利になる場合

ここからは、LPIC-1が転職・就職に有利になる人のケースを説明していきます。

LPIC-1を詳しく知りたい方は「【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明」をお読みください。

LPIC level1の場合①:未経験からの就職・転職に非常に有利

LPIC-1転職が有利になるのは、第一にエンジニア未経験者の転職・就職です。間違いなく有利といえます。

LPIC-1を取得していれば、Linuxの基礎知識があることが証明できます。また、「本を読んで勉強しています」というだけのアピールより、「資格を取得した」という具体的な成果を証明することが、他応募者との差別化に繋がります

また未経験の場合は、資格を持つことで、自信にもつながるでしょう。資格を取ることで自信につながり、自信をもって面接に臨むことができ、面接での印象もよくなることがあります。

更に、一部の企業では、未経験者の応募条件として「LPICなどの資格取得」を設けている会社もあります。このような会社は、年収が高い、キャリアアップしやすいなど、未経験からでも働きやすい優良企業であることが多いです。

未経験者がLPICを持っていることは、少し有利ではなく、かなり有利です。エンジニア未経験者の場合は、LPIC-1取得は絶対におすすめと言えます。

LPIC level1の場合②:運用監視から構築への転職にも有利

LinuC(LPIC)level1の資格は、運用監視オペレーターからインフラ構築業務にキャリアアップしたい人にも有利です。

キャリアアップ転職時には、「できないことを、できるようになるために、どんな努力をしてきたか」の証明が重要です。LPIC-1の取得は、努力の形跡として、アピール材料になるでしょう。

また、運用監視から構築への転職には、LPIC-1取得のみでなく、「手を動かして学習すること」も必要です。

手を動かして学習することで、構築業務へのステップアップが、よりやさしくなります。実際サーバ構築を目指す場合は、資格よりも、実践的なスキルを独学で磨くことが近道になることも多いです。

LPIC-1取得と、実践的な学習を組み合わせることで、転職で「インフラ構築までステップアップ」を狙うことは可能です。ただし、転職市場では他応募者と競争になることが多いため、LPIC-1のみでインフラ構築ポジションを勝ち取れない人も出てくるでしょう。

運用監視からインフラ構築まで、より確度高く転職でステップアップするには、LPIC-2まで取得した方がよいでしょう。

【補足】LPIC 101試験のみ、合格の場合はどうなの?

みなさんご存じの通り、LPIC-1を取得するためには、LPICの101試験と、102試験の両方に合格する必要があります。

未経験者の場合は、101試験のみでも、一定の評価対象となりますが、不十分と考える会社もあります。やはり102試験まで合格して、LPIC-1を取得しておいた方がよいでしょう。

101試験をクリアしているなら、半分以上の学習は終わっているはずです。もう少し学習を続けて、102試験まで合格を目指す方がよいでしょう。

LPIC(LinuC)level2、level3が、転職・就職で有利になる場合

LPIC level2が有利な場合:運用監視から構築への転職に有利

より確度高く、インフラ構築へのステップアップ転職を目指す場合は、LPIC-2までの取得がおすすめです。

LPIC-2は、LPIC-1よりも高度な知識やスキルを証明するため、構築業務への転職において、競争力を高めることができますLPIC-2は、運用監視から構築へのキャリアアップ転職に役立つ資格です。

LPIC level2、level3が有利な場合:リーダーや、クラウドエンジニアなどの転職に有利

LPIC level2や、level3を取得することで、人によってはプロジェクトリーダーとしてのステップアップも視野に入るタイミングになるでしょう。エンジニアの枠を超えて、チームリードをできるエンジニアを目指す頃合いとも言えます。

また、近年ITインフラの中では、クラウド技術を大きな市場となっており、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)などのクラウド環境での知識が求められています。

Linuxは、AWSなどのクラウドサービスにおいて基盤となっているため、LPIC level2、level3の知識はクラウド関連のポジションでも有利です。

LPIC(LinuC)で、年収はどれくらい上がる?

結論から言うと、LPIC-1を取得したからといって、すぐに年収が上がる訳ではありません。資格手当が支給されることがありますが、一般的には、LPIC-1は月3,000-5,000円程度、LPIC-2は月5,000-10,000円程度です。

ただし、未経験からインフラエンジニアになる場合は、資格取得の有無で年収は大きく変わります

未経験インフラエンジニアの平均年収は、おおよそ下記となります。

未経験インフラエンジニア転職後の、平均年収

実務経験年数平均年収傾向
なし(LPICなし)260-330万円未経験(資格なし)は、年収は低い傾向です。
なし(LPIC-1あり)330-400万円未経験(資格あり)は、資格なしよりも年収が高くなります。
1年-3年350-500万円構築以上の経験があると、年収が急に上がりやすくなります。
3年-5年380-650万円基本設計の経験、プロジェクトリーダー経験があると、年収が上昇します。

【経験別】インフラエンジニアの平均年収

インフラエンジニアにとって年収アップに重要なのは、「需要が高い経験を、どれだけ積んでいるか?です。需要が高いスキルを持つエンジニアになれば、年収は上がっていきます。

また、LPICを取得することで、構築や基本設計に携われるなど、キャリアアップの機会が広がります。キャリアアップによって、年収が大幅に上がる可能性があります

インフラエンジニアの年収は、スキルを基にして決定する傾向があり、モデル年収はおおよそ下記画像となります。

LPICと、他資格(CCNAやAWS)の複数取得は意味ある?

LPICと相性がよい資格として、CCNAやAWS資格があります。これらの複数取得は、非常に意味があります。

LPIC(サーバー資格)とCCNA(ネットワーク資格)、AWS(クラウド資格)は、それぞれ異なる技術分野をカバーしておりかつ、互いに関連性が高い分野です。

ゆえに、複数の資格を持つことで、転職やキャリアアップの大きな武器になり、結果として転職市場での競争力を高めることができます。ひいては、更なる年収アップにもつながります

■関連記事:3大資格のLPIC、CCNA、AWSはどれを取るべき?どれから?クラウドエンジニアへの近道資格

LPIC(LinuC)は、転職では意味ない、聞くけど、本当?

LPICは、転職では意味ない(メリットがない)という意見もあります。実際にLPICを取得しても意味ない人はいます。具体的には、下記に当てはまる人にとって、LPICは不要でしょう。

■LPICが不要な人の特徴
・既にインフラ構築の経験が豊富で、即戦力のスキルを持っている人
・Linuxを使わない、Windows環境で仕事をしている人

・応用情報技術者試験や、Azure 104などの他資格を既に取得している人

インフラエンジニアは、資格の有無よりも、実務経験の有無が重要です。特にインフラの構築経験の有無が、評価の大きな分かれ目です。

ゆえに、既にインフラ構築経験が豊富であり、基本設計まで携わっている方には、LPICは不要でしょう。また、Windows環境で仕事をする人、LPICの代用となる資格(応用情報技術者試験など)をお持ちの方も、LPICは不要です。

ただし、勤める会社によっては、LPICを取得しないと、インフラ構築に携われない人も多いでしょう。また転職をしても、LPICを取得しないと、インフラ構築に携われない人も多いです。

LPICは、キャリアアップのチャンスをつかむ資格です。また、インフラエンジニアは、キャリアアップが年収アップにつながります。キャリアアップを求める人にとって、LPICは価値ある資格です。

■関連記事:LPIC(LinuC)が意味ないと言われる5つの理由、メリットや、取るべき人を解説

LPICとLinuCは、どっちを取るべき?

LPICとLinuCは、どちらもLinux技術者認定資格です。認定元は異なりますが、試験内容はほぼ同じ、難易度や評価においても、ほぼ変わりません。ゆえに、どっちが良いかは悩ましい選択でしょう。

ただし、LPICには「LPICだけの特徴」があり、LinuCには「LinuCだけの特徴」があります。以下より、両資格の特徴別に、「LPICに向いている人」、「LinuCに向いている人」を説明します。

■LPICだけの特徴:
・最高峰の資格は、LPIC level3(ITSSレベル3)

・知名度が非常に高い
・試験の運営歴が長いため、信頼性が高い
・対象がグローバルで、国際標準の資格

■LPICに向いている人:
・Linuxは、ITSSレベル3相当の資格で十分であり、Linux以外の技術も、早く学びたい人

・知名度の高さがあることで、企業からの評価も安定していると、安心感を感じる人
・試験の運営歴の長さ、国際標準資格に魅力を感じ、特にグローバル環境や外資系での就業を視野に入れる人

■LinuCだけの特徴:
・最高峰の資格は、LinuC システムアーキテクト(ITSSレベル不明、3-4程度になると想定)
・日本市場に特化した資格
・学ぶ内容は、仮想化環境が少し多い

■LinuCに向いている人:
・Linuxにおいて、ITSSレベル3以上の資格取得を検討している人
・日本市場でのキャリアを重視し、日本市場のみに完全特化させたい人
・仮想技術に興味があり、仮想化環境を多めに学びたい人

LPICとLinuCの詳しい違いを知りたい方は、「LPIC とLinuC、どっちを取るべきかがわかる! 違いを徹底比較、解説」をお読みください。

さいごに

LPICは、インフラエンジニアとして未経験からの就職・転職を目指す方や、運用監視から構築業務へステップアップしたい場合に非常に有効な資格です。コスパも高く、効率的にキャリアを進めるための武器となります。

しかし、さらに上位のポジションや大手企業でのステップアップを目指す場合は、実務経験を積むことが重要です。資格だけでは難しく、現場での経験が評価されます。

また、上位企業や高度な業務に挑戦する際には、年齢も重要な要素となります。

若い方が、プロジェクトへの参加や、優良企業への転職が比較的スムーズに進みます。資格取得のメリットを享受するためには、若いタイミングで資格を取得し、ステップアップしていくことをおすすめします。

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