【Linuxコマンド一覧】LPIC level1に出る、初心者向け基本まとめ 

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

Linuxを学び始めたばかりの人や、仕事で少しずつ触れ始めた人にとって、「どのコマンドを覚えればよいかわからない」、「コマンドがごちゃごちゃになってきた」と感じることは多いのではないでしょうか。

特に、オプションの大文字・小文字の違いや、-(ハイフン)の有無などは、ごちゃごちゃになりやすい所です。しっかり整理しないと、ミスにつながってしまうこともあるでしょう。

ここでは、膨大なLinuxコマンドの中から、「LPIC level1」の試験範囲の中で頻出する、必要なコマンドを、一覧にして厳選しながら整理し、わかりやすく解説していきます。

本記事で記載しているコマンドを学べば、現在の試験バージョンである「LPIC level1 Version 5.0」におけるコマンドは十分と言えます。

LPIC level1を受験前の最終確認をしたい人から、Linuxコマンドを網羅的に学びたい人、復習したい人は、ぜひ参考にしてください。また、この記事を見返したい人は、ページをブックマークしてください。

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目次

【Linuxコマンド一覧】LPIC 101試験範囲

課題101:システムアーキテクチャ

システムアーキテクチャ関連のコマンドは、CPUやメモリ、カーネルなどの情報確認に役立つコマンドであり、サーバー管理に必要となります。

Linuxコマンド一覧(システムアーキテクチャ)

カテゴリコマンド説明主なオプション・サブコマンド・使用例
カーネルモジュール管理modprobeカーネルモジュールの追加・削除を行う(依存関係も自動解決)modprobe snd_hda_intel
lsmod現在ロードされているカーネルモジュールを一覧表示lsmod
ハードウェア情報の確認lspciPCIバスに接続されたデバイスの一覧を表示(グラボ、NICなど)lspci
lsusbUSBデバイスの一覧を表示lsusb
システムログの確認dmesgカーネルログを表示(起動直後の情報やドライバ初期化の記録など)dmesg
journalctlsystemdベースのログ管理ツール。すべてのログを確認できるjournalctl -k:
カーネルのバッファを表示
サービス・システム管理shutdownシステムをシャットダウン、または再起動する-h:
シャットダウンする

-r:
再起動する
systemctlsystemdサービスの制御・管理を行うenable:
自動起動を有効にするdisable:
自動起動を無効にする
start:
サービスを開始する
restart:
サービスを再起動する
stop:
サービスを停止する
ユーザー通知wallログイン中のすべてのユーザーにメッセージを一斉送信wall

課題102:Linuxのインストールとパッケージ管理

Linuxコマンド一覧(パッケージ管理)

パッケージ管理コマンドは、ソフトウェアのインストール・更新・削除に必要です。Debian系では、aptやdpkg、Red Hat系ではyumやrpmが使われます。

特にDebian系とRed Hat系の違いが、ごちゃこちゃになりやすい所ですので、しっかり整理しましょう。

カテゴリコマンド説明主なオプション・サブコマンド
共有ライブラリの確認ldd実行ファイルが依存している共有ライブラリ(.so)を表示
パッケージ操作(Debian系)dpkgDebian系パッケージ(.deb)の操作(インストール/削除/情報)-i:
インストールする
-r:
設定ファイルを残してアンインストール
-P:
設定ファイルも含めてアンインストール
aptパッケージ管理update:
パッケージリスト更新
upgrade:
アップグレードする
install:
インストールする
remove:
設定ファイルを残して削除する
purge:
設定ファイルも含めて削除する
depends:
依存関係を表示する
apt-getパッケージのインストール/更新/削除install:
インストールする
update:
データベースを更新
upgrade:
アップグレードする
dist-upgrade:
システムを最新にする
remove:
削除する
apt-cacheパッケージの情報を検索・表示(依存関係の確認など)search キーワード:
パッケージを検索する
show パッケージ名:
パッケージの情報表示
depends パッケージ名:
依存関係を表示する
パッケージ操作(RedHat系)rpmRedHat系パッケージ(.rpm)の操作(インストール/照会)
アンインストールは、-eに注意
-i:
インストールする
-U:
アップグレードする(なければインストール)

-F:
アップグレードする

-e:
アンインストールする
yumRedHat系のパッケージ管理コマンド(依存関係も解決)install:
インストールする
remove:
アンインストールする
check-update:
アップデート対象のリストを表示する
update:
アップデートする
パッケージ操作
(SUSE系)
zypperSUSE系のパッケージ管理コマンドinstall:
インストールする
remove:
アンインストールする
update:
アップデートする
dist-upgrade
ディストリビューションをアップグレードする

課題103:GNUとUnixコマンド

ここでは、テキスト処理や、ファイル・ディレクトリの操作、プロセスの管理などを実行するコマンドです。シンプルで覚えやすいコマンドが多いですが、覚える量は多いとも言えます。

Linuxコマンド一覧(テキスト出力・システム情報・圧縮・解凍)

Linuxには、テキストの出力やファイルの表示、システム情報の確認、ファイルの圧縮・解凍に利用するコマンドも数多くあります。

カテゴリコマンド説明
テキスト出力・環境変数echo文字列を標準出力に表示する
env現在の環境変数を表示する
export環境変数を設定して子プロセスに引き継ぐ
setシェル変数や関数を設定・表示する
unset環境変数や関数を削除する
pwd現在の作業ディレクトリを表示する
typeコマンドの種類(組込み、関数、ファイル)を表示
whichコマンドのパスを表示する
ヘルプ・システム情報manコマンドのマニュアルページを表示する(-k:キーワードに一部一致のマニュアル表示、-f:キーワードに完全一致のマニュアル表示)
※セクション番号 5:設定ファイル、8:システム管理コマンド
aproposmanページの内容を検索する
unameシステム情報を表示する
historyコマンド履歴を表示する
圧縮・解凍zcatgzip圧縮ファイルを標準出力に展開
bzcatbzip2圧縮ファイルを標準出力に展開
xzcatxz圧縮ファイルを標準出力に展開
gzipファイルをgzip形式で圧縮(-d:ファイルを展開する)
gunzipgzipファイルを展開
bzip2ファイルをbzip2形式で圧縮(-d:ファイルを展開する)
bunzip2bzip2ファイルを展開
xzファイルをxz形式で圧縮(-d:ファイルを展開する)
unxzxzファイルを展開

Linuxコマンド一覧(テキスト処理)

テキスト処理のコマンドは、データ加工やログ解析、スクリプト処理など、幅広い用途で利用されます。日常的なシステム管理などに欠かせない存在と言えるでしょう。

カテゴリコマンド説明
テキスト処理catファイル内容を表示・連結する
cutファイルの特定の列や文字を抽出する(-d 区切り文字:区切り文字を指定、-f:抽出するフィールドを指定)
headファイルの先頭部分を表示する
less長いファイルをページ単位で閲覧する
md5sumMD5ハッシュを計算する
sha256sumSHA-256ハッシュを計算する
sha512sumSHA-512ハッシュを計算する
nl行番号付きでファイル内容を表示する
odバイナリを8進数や16進数で表示する(-o:8進数で表示、-x:16進数で表示)
pasteファイルを列単位で結合する
sedテキストの置換・抽出・加工を行う(d:削除、s:置換、y:文字を変換、gスイッチ:すべて置換
sortテキストを並び替える
splitファイルを分割する
tailファイルの末尾を表示する(tail -f:リアルタイム表示
tr文字の置換・削除を行う
uniq重複行を削除・カウントする
wc行数・単語数・バイト数をカウントする
tee標準出力とファイルに同時に出力する
xargs標準入力をコマンド引数に変換して渡す
grep正規表現でパターン検索を行う(-i:大文字小文字を区別せず検索、-v:マッチしない行を表示、-E:拡張正規表現で検索、-F:文字列で検索)
egrep拡張正規表現で検索する(grep -Eと同じ)
fgrep固定文字列で検索する(grep -Fと同じ)

Linuxコマンド一覧(ファイル・ディレクトリの操作)

ファイルやディレクトリの操作は、Linux作業の基本とも言えます。Linuxの基礎として、確実に習得しておきたい分野です。

カテゴリコマンド説明主なオプション・フラグ
ファイルの操作cpファイルやディレクトリをコピーする-r(-R):
ディレクトリをコピー

-f:
上書きする
-i:
上書きしてよいか確認
findファイルやディレクトリを検索する-name ファイル名:
ファイル名で検索
-atime 日時:
最終アクセス日時で検索
-mtime 日時:
最終更新時刻で検索
-perm アクセス権:
アクセス権で検索
-user ユーザー名:
ユーザー名で検索
-type ファイルの種類:
ファイルの種類で検索する
(f:ファイル、l:シンボリックリンク、d:ディレクトリ)
mkdir新しいディレクトリを作成する-p:
親ディレクトリも作成
-m:
アクセス権を指定してディレクトリ作成
mvファイルを移動、ファイル名を変更する-f:
上書きする
-i:
上書きしてよいか確認
lsファイル・ディレクトリ一覧を表示する-l:
詳細情報を表示
rmファイルを削除する-r(-R):
ディレクトリごと削除

-f:
削除する
-i:
削除してよいか確認
rmdir空のディレクトリを削除する-p:
親ディレクトリから削除
touch空ファイルの作成やタイムスタンプ更新-t:
タイムスタンプを変更
-a:
アクセス時刻を変更
-m:
修正時刻を変更
tarアーカイブ作成・展開を行う-c:
アーカイブを作成する
-x:
ファイルを展開する
-t:
内容を確認する
-z:
gzipによる圧縮・展開
-j:
bzip2による圧縮・展開
-J:
xzによる圧縮・展開
-v:
詳細情報を表示
cpioファイルのアーカイブ作成・展開-i:
アーカイブからファイルを展開(コピーイン)
-o:
アーカイブを作成する(コピーアウト)
ddブロック単位でデータをコピーif=入力ファイル:
入力ファイルを指定する
of=出力ファイル:
出力ファイルを指定する

カテゴリ別 Linuxコマンド一覧(プロセス管理)

プロセス管理では、システム上で実行中のプログラムを、監視や制御するコマンドが多くあります。プロセス管理のコマンドを使いこなすことで、安定した運用作業の役に立つでしょう。

また、psコマンドのオプションは、-(ハイフン)有と、-(ハイフン)無しがありますので、こちらもごちゃこちゃにならないように気を付けましょう。

カテゴリコマンド説明主なオプション・シグナル
プロセス管理bgジョブをバックグラウンドで再開する
fgジョブをフォアグラウンドで再開する
jobs現在のジョブを一覧表示する
killプロセスにシグナルを送って終了させるHUP(1):ハングアップ
INT(2):割り込み
KILL(9):強制終了
TERM(15)終了(デフォルト)
nohupログアウト後もプロセスを継続させる
ps現在のプロセス一覧を表示する(-有と、-無のオプションがあることに注意a:
他のユーザープロセスも表示
f:
親子関係をツリー状に表示
u:
ユーザー名も表示
x:
制御端末のないデーモンなどのプロセスも表示
-e:
すべてのプロセスを表示
-l:
詳細な情報を表示
-p PID:
特定のPIDのプロセス情報のみ表示
topリアルタイムでプロセス状況を監視する
pgrep名前でプロセスIDを検索する
pkill名前でプロセスを終了させる
killall指定名のプロセスをすべて終了する
watchコマンドを定期的に実行して表示
nice実行時に優先度を設定する
renice実行中プロセスの優先度を変更する

課題104:デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準

Linuxでは、デバイス管理やファイルシステムの操作から、階層構造を理解することも重要です。これらのコマンドと構造の理解は、安定したLinux運用を行うベースになっていきます。

Linuxコマンド一覧(ディスク・パーティション・ファイルシステム)

カテゴリコマンド説明
パーティション管理fdiskMBR形式のディスクにパーティションを作成・削除・表示する
gdiskGPT形式のディスクに対応したパーティション編集ツール(fdiskのGPT版)
ファイルシステム作成mkfs指定されたファイルシステムを作成する(ext4など)
スワップ領域の作成mkswap指定したパーティションやファイルに、スワップ領域を作成する

Linuxコマンド一覧(ファイルシステム管理・確認・修復)

Linuxのファイルシステム管理では、作成や状況確認、修復などの重要な操作ができます。これらのコマンドを使いこなすことで、システム障害時の対応や保守といった作業のベースになるでしょう。

また、duコマンドとdfコマンドも、ごちゃごちゃにならないよう、違いを整理しましょう。

カテゴリコマンド説明主なオプション
ディスク使用量の確認du指定したディレクトリやファイルのディスク使用量を表示-a:
ディレクトリ以外のファイルについても表示
-c:
全ての容量の合計を表示
-k:
容量をKBで表示
-m:
容量をMBで表示
-s:
指定したファイルやディレクトリの合計を表示
-S:
サブディレクトリを含めずに集計
df各ファイルシステムのディスク使用状況(空き容量など)を表示-k:
容量をKBで表示
-m:
容量をMBで表示-i:
iノードの使用状況表示
ファイルシステムのチェックfsck汎用ファイルシステムの整合性チェックツール。自動で、e2fsckや、xfs_repairなどを呼び出す-t:
ファイルシステムの種類指定
-a:
自動的にファイルを修復
-r:
対話的にファイルを修復
ext系のfs作成mke2fsext2/ext3/ext4ファイルシステムを新たに作成する-t:
ファイルシステムの種類指定
-j:
ext3ファイルシステム作成
-c:
不良ブロック検査
ext系のfsチェックe2fsckext2/ext3/ext4ファイルシステムの整合性を確認・修復-p:
全ての不良ブロックを修復
-y:
問い合わせに「Yes」で回答
-n:
問い合わせに「No」で回答
ext系のチューニングtune2fsext系ファイルシステムの設定(マウント間隔・チェック周期など)を変更-c 回数:
チェックなしマウントの最大回数を指定
-i 時間:
チェックする最大の時間間隔を指定
-j:
ext2を、ext3ファイルシステムに変換
Btrfsmkfs.btrfsBtrfsファイルシステムの作成
XFS修復xfs_repairXFSファイルシステムのチェック・修復
XFS最適化xfs_fsrXFSファイルシステムの断片化を最適化(デフラグ)
XFSデバッグxfs_dbXFSファイルシステムの構造を詳細に調査・編集できるデバッグツール

Linuxコマンド一覧(マウント・デバイス情報)

カテゴリコマンド説明主なオプション
マウント操作mountデバイスやファイルシステムを指定のディレクトリにマウントする-a:
/etc/fstab記述のファイルシステムを全てマウント
-t ファイルシステム名:
ファイルシステム種類を指定
-o:
マウントオプションを指定
umountマウントされたファイルシステムをアンマウントする-a:
/etc/mtab記述のファイルシステムを全てアンマウント
-t:
指定した種類のファイルシステムだけをアンマウント
デバイス情報の確認blkidブロックデバイスのUUIDやファイルシステムタイプなどを表示
lsblkブロックデバイスとマウントポイントの構造をツリー表示する

Linuxコマンド一覧(パーミッション・所有者・リンク管理)

カテゴリコマンド説明備考
パーミッション設定chmodファイルやディレクトリのアクセス権限(モード)を変更するchmod 755 file.txtや chmod u+x script.shなどで使用
デフォルト権限設定umask新規作成ファイル・ディレクトリのデフォルト権限を制御するumask 022 → デフォルトで755(dir)や644(file)になる
所有者の変更chownファイルやディレクトリの所有者・所有グループを変更する
グループの変更chgrp所属グループのみを変更する(所有者はそのまま)
リンク作成lnファイルやディレクトリにリンク(ハード/シンボリック)を作成するln file1 file2(ハードリンク)
ln -s dir linkdir(シンボリックリンク
パーミッション確認lsファイルの詳細情報(所有者・パーミッション)を確認できるls -lで確認
例:-rwxr-xr– 形式の出力

Linuxコマンド一覧(ファイル・コマンド検索)

カテゴリコマンド説明
ファイル検索(実体スキャン)findファイル名・属性・更新日時などの条件でファイルをリアルタイムに検索する
ファイル検索(データベース)locateあらかじめ作られたデータベースから高速にファイル名を検索する
データベース更新updatedblocateコマンド用のファイル名データベースを更新する
コマンド検索which実行ファイルのパスを表示(環境変数 $PATHにあるもの
typeコマンドの種類(組込みか、関数か、実行ファイルか)を表示
whereis実行ファイル・ソース・マニュアルの場所をまとめて表示

ここまでが、LPIC 101試験の試験範囲です。101試験に合格できれば、LPIC level1の勉強は、半分を超えているでしょう。

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【Linuxコマンド一覧】LPIC 102試験範囲

課題105:シェル、スクリプト

Linuxでは、シェルとスクリプトに関連するコマンドを利用することで、自動化や効率化が可能になります。シェル環境のカスタマイズや、簡単なスクリプトのカスタマイズを学んでいきます。

Linuxコマンド一覧(シェル環境・変数・関数・エイリアス)

カテゴリコマンド説明
スクリプト読み込みsource指定したファイルを現在のシェル環境に読み込んで実行する
環境変数表示env現在の環境変数を一覧表示する
環境変数の設定export変数を環境変数として定義し、子プロセスでも有効にする
シェル変数・関数の設定setシェル変数やシェルの動作オプションを表示・設定する
シェル変数・関数の削除unset指定したシェル変数や関数を削除する
関数の定義functionシェル関数を定義するためのキーワード
エイリアスの設定aliasコマンドに別名を付けて登録する

Linuxコマンド一覧(シェルスクリプト:条件分岐・ループ・制御構文)

カテゴリコマンド/構文説明使用例・備考
ループ制御(繰り返し)forリスト・配列などを対象に繰り返し処理を行う構文for 変数名 in 値リスト
do
 実行文
done
ループ制御(条件式)while条件が真の間繰り返すループ構文while 条件文
do
 実行文
done
条件判定test条件式を評価するコマンド(test 条件 で利用するが、[条件]でも利用可)-f:
ファイルがあれば真
-d:
ディレクトリがあれば真
-nt :
時刻が新しいと真
-ot :
時刻が古いと真
-eq:
数値が同じなら真
-ge:
数値が大きいか、同じなら真
-gt:
数値が大きければ真
-le:
数値が小さいか、同じなら真
-lt:
数値が小さいと真
-ne:
数値が同じでなければ真
条件分岐if条件式の結果に応じて、処理を分岐するif 条件式
then
 実行文1
else
 実行文2
fi
条件分岐case条件式の結果に応じて、処理を分岐する(複数に分岐する時用)case 式 in
 値1)
  実行文1;;
 値2)
  実行文2;;
esac
入力受け取りreadユーザー入力や標準入力を受け取って変数に代入
連続数値表示seq指定された範囲の連続した数値列を出力する

課題106:ユーザーインターフェースとデスクトップ

Linuxのユーザーインターフェースとデスクトップでは、GUI操作やアクセス制御を学びます。覚えるコマンドは多くはありません。その分、LPIC-1試験では、X11の理解などが重要と言えるでしょう。

Linuxコマンド一覧(X Window System のアクセス制御)

カテゴリコマンド説明主なオプション
Xサーバーのアクセス制御xhostXサーバーへの接続を許可・拒否するホストを設定する+ホスト名:
指定したホストを、Xサーバー接続許可
-ホスト名:
指定したホストを、Xサーバー接続非許可
X認証管理xauthXサーバーの接続に必要な認証情報を管理する

課題107:管理タスク

管理タスクでは、ユーザー、グループアカウント管理から、ジョブスケジューリング、ローカリゼーション関連のコマンドを学んでいきます。

Linuxコマンドカテゴリ別一覧(ユーザー・グループ・パスワード管理)

パスワードロック、アンロックもごちゃごちゃになりやすい所です。passwdコマンドと、usermodコマンドでパスワードロック・アンロックができますが、オプションが大文字と小文字で異なるため、注意しましょう。

カテゴリコマンド説明主なオプション
パスワード管理passwdユーザーのパスワードを設定・変更する-l:
パスワードをロックする
-u:
パスワードロックを解除する
アカウント有効期限管理chageユーザーアカウントのパスワード有効期限や、警告日数を設定・確認する-l:
パスワード、アカウントの有効期限を表示
-m 最低日数:
パスワード変更間隔の最低日数を設定
-M 最大日数:
パスワードの最大有効期限日数を設定
-W 日数:
パスワード有効期限切れの警告を、何日前に始めるか設定
-l 日数:
パスワードの有効期限後から、アカウントロックまでの日数を設定
ユーザー追加useradd新しいユーザーアカウントを作成する-d パス:
ホームディレクトリを指定
-g グループ名:
プライマリグループを指定
-G グループ名:
プライマリグループ以外のグループを指定
-s パス:
デフォルトシェルを指定
ユーザー削除userdel既存のユーザーアカウントを削除する-r:
ホームディレクトリも削除する
ユーザー情報変更usermod既存ユーザーの属性(グループ・ホームなど)を変更する-L:
パスワードをロックする
-U:
パスワードロックを解除する
グループ追加groupadd新しいグループを作成する
グループ削除groupdel既存のグループを削除する
グループ情報変更groupmodグループ名の変更や、GIDの変更を行う
ユーザー・グループ情報参照getent /etc/passwdや、/etc/group などのデータベース情報を取得する

Linuxコマンド一覧(ジョブスケジューラ・サービス管理)

カテゴリコマンド説明主なオプション
定期的なジョブのスケジュールcrontabユーザーごとに設定できる、定期的な処理実行スケジュールの管理ツール-e:
crontabファイルを編集する
一時的なジョブの登録at指定した1回限りの時刻にコマンドを実行-dジョブ(-rジョブ):
ジョブを削除する
-l:
予約中のジョブを表示する
atジョブの確認atq登録済みの atジョブ一覧を表示at -lと同じ
atジョブの削除atrmatで登録したジョブを、ジョブIDで削除するat -dと同じ
サービス管理(systemd)systemctlsystemdベースのサービスや、ユニットの起動・停止・状態確認を行う
一時的なサービス実行systemd-run一時的なコマンドを、systemdユニットとして実行

Linuxコマンドカテゴリ別一覧(日付・時刻・タイムゾーン・文字コード)

カテゴリコマンド説明主なオプション
タイムゾーン選択tzselect対話形式でシステムのタイムゾーン設定を、確認・変更候補を表示
時刻管理timedatectlsystemdベースでの時刻・タイムゾーン設定・NTP設定を管理する
日時の表示date現在の日時を表示、または指定形式で日時を表示・設定する
ロケール確認locale現在のロケール設定を確認する-a:
設定可能なロケールを表示
文字コード変換iconvテキストファイルの文字コードを変換(例:UTF-8 ↔ Shift_JIS)-f:
変換前の文字コードを指定
-t:
変換後の文字コードを指定
-l:
文字コードを表示

課題108:必須システムサービス

必須システムサービス分野においては、主に時刻の管理やログ、メール・プリンタ関連を学んでいきます。必須システムサービスは、とてもシンプルですので、覚えやすいでしょう。

Linuxコマンド一覧(時刻・NTP・ハードウェアクロック)

カテゴリコマンド説明主なオプション
システム時刻管理timedatectlsystemd環境でのシステム時刻・タイムゾーン・NTP設定の管理
システム時刻確認・設定date現在の日時を表示・設定する
ハードウェアクロック管理hwclockハードウェアクロックの確認・設定-r:
ハードウェアクロックを表示
-w:
システムクロックをハードウェアクロックに設定
-s:
ハードウェアクロックをシステムクロックに設定
NTP操作・管理ntpdNTPデーモン(Network Time Protocol)
ntpdate指定したNTPサーバと即時に時刻同期する
chronycchronyd用のNTP同期状態の確認・操作コマンド

Linuxコマンド一覧(ログ記録・管理・systemdログ操作)

カテゴリコマンド説明主なオプション
ログ管理loggerシステムログに記録する
logrotateログファイルを 、日付・サイズ・回数などでローテーション(分割保存)する
ログ管理(systemd)journalctlsystemd-journaldに記録されたログを、時系列・フィルタ付きで表示-f:
ログの末尾を表示
-k:
カーネルメッセージを表示
systemd-catsystemdのログ(journal)に送信する

Linuxコマンド一覧(メール送信・エイリアス・キュー管理)

カテゴリコマンド説明
エイリアス更新newaliases/etc/aliasesファイルに設定された メールエイリアスをデータベースに反映
メール送信・確認mailCLIから メールを送信・受信・閲覧 するためのコマンド
メールキュー確認mailq送信待ちのメールキュー(PostfixやSendmailのキュー)を表示する

Linuxコマンド一覧(印刷管理)

カテゴリコマンド説明主なオプション
印刷ジョブの送信lpr指定したファイルを印刷キューに送る(印刷指示を出す)-#部数:
印刷部数を指定
-Pプリンタ名:
プリンタを指定
印刷ジョブの削除lprm印刷待ちのジョブをキャンセルする-Pプリンタ名:
プリンタを指定
印刷ジョブの確認lpqプリンタのキューにあるジョブの一覧を表示する-Pプリンタ名:
プリンタを指定

課題109:ネットワークの基礎

ネットワークの基礎では、インターネットプロトコルの基礎から、ネットワーク構成、トラブルシューティング、DNS関連を学んでいきます。

ネットワークはコマンドも大事ですが、ネットワークの概念を理解することがもっとも大事です。OSI参照モデルやTCP/IP、IPアドレスなどから、代表的なポート番号まで、ネットワークの基本を理解していきましょう。

Linuxコマンド一覧(ネットワーク・ホスト名管理)

カテゴリコマンド説明
ネットワーク管理nmcliNetworkManagerの CLIツール。インタフェースの制御や接続設定が可能
ホスト名管理hostnamectlsystemd環境でのホスト名の確認・設定
ネットワーク制御ifupインタフェースを有効化
ifdownインタフェースを無効化

Linuxコマンド一覧(ネットワーク設定・調査・接続確認)

カテゴリコマンド説明主なオプション・サブコマンド
ネットワーク設定・確認ipインタフェース・ルーティング・アドレスなどを設定・表示(操作対象は、link:データリンク層、addr:IPアドレス、route;ルーティングテーブルで指定)show:
表示する
add:
設定する
ifconfigipコマンドの旧版。インタフェース確認・設定
ルーティング設定routeルーティング確認・追加・削除
ホスト名確認・変更hostnameシステムの現在のホスト名を表示・一時変更
ポート・ソケット確認(旧)netstatコンピュータの通信状況を確認。ssの旧版-a:
すべてのソケット情報を表示
-p:
PIDとプロセス名を表示
-r:
ルーティングテーブルを表示
-t:
TCPポートを表示
-u:
UDPポートを表示
ポート・ソケット確認(新)ssnetstatの後継。TCP/UDPの接続状況を高速に確認
疎通確認(IPv4)ping対象ホストにICMPパケットを送り、ネットワークの疎通確認
-c:
パケットの送信回数
-i:
パケットの送信間隔
疎通確認(IPv6)ping6pingのIPv6版-c:
パケットの送信回数
-i:
パケットの送信間隔
経路追跡(IPv4)tracerouteパケットが目的地までに通過するルーターを確認
経路追跡(IPv6)traceroute6IPv6用の traceroute
経路追跡(IPv4)tracepath権限不要で経路追跡できる、traceroute の簡易版
経路追跡(IPv6)tracepath6tracepathのIPv6版
ポート接続テストnetcat(nc)任意のポートへのTCP/UDP接続テスト、データ送受信、リッスンも可能-l:
ポートをリッスンする
-p ポート:
ポート番号を指定する
-u:
UDPを利用する

Linuxコマンド一覧(DNS)

カテゴリコマンド説明
DNS名前解決hostホスト名 ⇔ IPアドレスの簡易DNS問い合わせ(逆引き・正引き両対応)
digDNS問い合わせを詳細に解析可能なツール(複数レコードやTTL確認も可能)
名前サービス問い合わせgetent/etc/nsswitch.confに従い、ローカル or ネットワーク経由で情報取得

課題110:セキュリティ

セキュリティ分野では、セキュリティ管理タスクやホストのセキュリティ、暗号化関連を学んでいきます。

Linuxコマンド一覧(ユーザー・プロセス・ネットワーク・権限など)

カテゴリコマンド説明
ユーザー管理passwdパスワード変更。root権限で他ユーザーのパスワード変更も可能
chageユーザーのパスワード有効期限・変更期限などを管理
usermodユーザーの情報(所属グループ・シェルなど)を変更
権限管理sudo一時的に管理者権限でコマンドを実行、/etc/sudoersに設定が必要
su他のユーザーにスイッチする
ユーザー情報確認whoログイン中のユーザーを表示
wログイン中のユーザー + 実行中のコマンドやCPU使用率を表示
ログイン履歴last過去のログイン履歴を表示
プロセスとリソースulimitプロセスごとのファイル数・メモリ等の制限を確認・設定
ファイル検索findディレクトリを再帰的に探索し、条件に合うファイルを検索
ファイル使用者確認fuserファイルやポートを使用中のプロセスを表示
lsofファイルを開いているプロセス一覧を表示
ネットワーク調査netstat接続・ポート・ルーティング情報を確認(旧方式)
nmap外部ホストに対するポートスキャンツール(セキュリティ診断用)

Linuxコマンド一覧(SSH接続・鍵管理・暗号化)

カテゴリコマンド説明
SSH接続(リモート操作)sshSSHプロトコルを使ってリモートマシンへ接続
SSH鍵ペア作成ssh-keygenSSHで使用する公開鍵・秘密鍵のペアを作成
SSHエージェント起動ssh-agentSSH鍵を一時的に記憶する「エージェント(デーモン)」を起動
SSH鍵の登録ssh-addSSH秘密鍵を ssh-agentに登録してパスワード入力を省略
暗号化・署名(GPG)gpgファイルの暗号化・復号、署名・検証を行うPGP互換のコマンド

よくある質問

ここでは、Linuxコマンドを学ぶ人、またはLPIC level1試験を学習中の人に、よくある質問を説明していきます。

LPIC level1の出題範囲のコマンドは、これだけで十分ですか?

この記事で紹介しているコマンドのみで十分です。しかし、コマンドに紐づくオプションは、頻出項目を中心に、厳選して選んでいるため、試験前にはもう少し広くオプションを覚えるとより安心です。

また、それぞれのオプションや、ファイルのパスも覚えながら、パイプやリダイレクト、viエディタ、正規表現、ネットワークやセキュリティの理解などがあれば、LPIC level1は十分にカバーできます。

もし不安になるようであれば、LPIの公式サイトの出題範囲である「LPIC-1 Exam 101 and 102 Objectives」をあわせてお読みください。

■関連記事;【独学でも合格!】LPIC level1の効率的な勉強方法、参考書、勉強時間などを説明

LinuC レベル1の学習にも使えますか?

LinuC レベル1の学習にも使えます。LPIC-1とLinuC-1は、どちらもLinuxの基礎知識を問う資格であるため、試験範囲の大部分が共通しています。

しかし、LinuC-1では、LPIC-1試験範囲外のコマンド(virsh、docker、iptablesなど)もあるため、LinuC-1の学習では、完全に十分とは言えません。LinuC-1の勉強に使う場合は、少し追加で学ぶ必要があります。

ただし、LPIC-1とLinuC-1の試験において、理解を求められるコマンドは、9割方かぶっています。LinuC-1の学習においても、決してムダにはなりません。基礎固めに有効と言えます。

■関連記事:【独学でも合格!】LinuC レベル1の効率的な勉強方法を徹底解説 

コマンドを効率的に覚える方法はありますか?

もっとも効果的な覚え方は「実際に手を動かして学ぶこと」です。仮想環境などで実際にコマンドを入力し、思い通りの結果になるのか、などを確認することを繰り返しましょう。

また、コマンドや、オプションをしっかり調べたい場合は、manコマンドで調べると、更に効率よく学ぶことができます。少しずつ触れていく習慣を作ることができれば、尚よいでしょう。

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オプションを効率的に覚える方法はありますか?

各コマンドに紐づくオプションを効率的に覚えるには、「コマンドの意味」を理解した上で、「なぜこのオプションがあるのか、使うのか」、「どのような効果があるのか」を理解して実践することがおすすめです。

また、manコマンドを使って、コマンドを調べると、オプションの略語を調べることもできます

例として、コピーをする「cpコマンド」であれば、「-f(force:強制上書き)」、「-i(interactive:相互に対話で、上書きしてよいか問い合わせる)」などです。

オプションを英語で覚えていくと、定着度が高くなります。また、自分で調べていくと、さらに知識が定着するでしょう。

実際のLinux環境でコマンドを試すには、どうすればよいですか?

「仮想環境(VirtualBox+Ubuntuなど)」、「クラウドサービス(AWSなど)」、「エミュレータ」のいずれかを利用することがおすすめです。

仮想環境では、VirtualBoxやVMwareなどの仮想化ソフトウェアを使って、UbuntuなどのLinuxディストリビューションをインストールするのが一般的です。

クラウドサービスでは、AWSの無料枠を使って、EC2を利用してLinuxサーバーを立てることもできます。「仮想環境」もしくは「クラウドサービス」がもっともおすすめです。

しかし、仮想環境やクラウドを使って、自分でLinux環境を構築するのが難しいようであれば、ブラウザ上でLinuxコマンドを試せる、エミュレータでも最初は問題ありません。

Linuxコマンドを試せるエミュレータは、JSLinuxが簡単に試せることができ、おすすめです。

さいごに

ここでは、LPIC level1の試験で出題される、主要なLinuxコマンドを網羅的に説明してきましたが、これらのコマンドは、試験合格のみでなく、実際のLinux環境を操作する上で役立つ基礎知識にもなります。

また、「コマンドを覚える」だけでなく、「理解して使える」ことが大事です。

今回紹介したコマンドを、実際にLinux環境(仮想環境でも可)で試しながら、頻出コマンド(ls、cp、chmod、grepなど)から手を動かして覚えていくとよいでしょう。

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