こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
サーバーエンジニアに興味を持つ人より「サーバーエンジニアは、プログラミングするのか?」と質問を受けることがありますが、サーバーエンジニアはプログラミングできなくても問題ありません(プログラミングができる人もいますし、できない人もいます)。
ただし、サーバーエンジニアの仕事を効率的にするためには、プログラミングを行うことが多く、プログラミングができるサーバーエンジニアは、エンジニアとしての市場価値が上がるため、プログラムを書けるサーバーエンジニアは近年非常に増えています。
本記事では、何にプログラミング言語を使い、どのような言語を学ぶべきかなどを説明します。
※サーバーエンジニアの仕事がよくわからない場合は、「サーバーエンジニアとはどんな仕事内容?わかりやすく解説」からお読みください。
プログラミングって何?
2020年から小学校でもプログラミング教育が必修となり、プログラミングが普及していますが、プログラミングとは何なのでしょうか?
プログラミングとは、「コンピュータプログラムを作ること」を指し、コーディングとも呼ばれます。
プログラムとは、「コンピュータに実行させたい処理を記述したもの」であり、よく聞く言語としては、「Java」や「Python」、「C」などがあるでしょう。
また、プログラムを使うと、どのようなこと(処理)ができるのでしょうか?基本的なプログラムの処理は「条件分岐(分岐処理)」と「繰り返し処理(反復処理)」です。
サーバーエンジニアがよく使うプログラムの「シェルスクリプト」を例として、プログラミングの処理を図で説明します。
上記図のように、「条件によって実行する内容を変えること(条件分岐)」や、「同じ処理を繰り返すこと(繰り返し処理)」で、プログラムによって自動処理をさせることができます。
サーバーエンジニアは、どんな時にプログラミング言語を使うの?
サーバーエンジニアの多くの仕事は、プログラミングを必要としません。ただしプログラミングができると、サーバーエンジニアの様々な仕事を効率化できるため、近年プログラミングは、増々重要なスキルとなってきています。
ただ、サーバーエジニアがプログラミングを使用する時は、どのような時があるのでしょうか?下記からは、サーバエンジニアがコードを書く、具体的な例や背景を説明します。
サーバーエンジニアのプログラミング:自動化による効率化
サーバーエンジニアの仕事であるハードウェアやソフトウェアなどのインフラ環境について、構築や運用管理をプログラミングにて自動化し、効率化することができます。
例えば、大量に同じサーバーを構築する際に、手作業で行うと多くの時間がかかり、ミスが発生する可能性も上がるため、プログラムで構築業務を自動化することができます。また、サーバーなどのメンテナンスにおいても、手作業で行うと多くの時間がかかるため、ツールを利用するなどの自動化を行い、効率化していきます。
サーバーエンジニアのプログラミング:クラウドサービスへの移行やカスタマイズ
オンプレミス環境からクラウド環境へ移行する際に、サーバー管理などのプロセスを自動化するなど、プログラミングを行うことでスムーズに解決できます。
また、クラウド環境では、既存のサービスがニーズにあわない場合があり、自分でプログラムを作って実装し、ニーズにあわせて作りたい環境を作り上げる必要もあり、クラウドサービスではプログラミングは非常に重宝するスキルであり、ほぼ必須に近しいスキルでもあります。
サーバーエンジニアのプログラミング:インフラのコード化(IaC)の普及
IaC(Infrastructure as Code)は、手動で行っていたインフラの構成をプログラミングで管理・自動化するやり方です。IaCによって、サーバーなどの設定をプログラムとして記述し、コードによって管理・自動化することができます。
このIaCという考え方は、深刻なエンジニア不足に伴い、人材を有効活用しながら効率化していくため、また管理コストを抑えていくために、重要なやり方となっています。このような背景から、サーバーエンジニアの中で、プログラミングが普及してきています。
サーバーエンジニアにおすすめのプログラミング言語
サーバーエンジニアとして市場価値を高めるためには、どのようなプログラミング言語を習得すべきか?を理解することも重要です。
というのも、プログラミング言語は、時代とともに流行り廃りがあります。サーバーエンジニアがよく使うプログラミング言語も(開発エンジニアほどではないですが)、多少の流行り廃りがあります(例として、昔はPerlなどという言語がサーバー系でよく使われていましたが、今は少ないです)。
下記に、現在よく使われ人気もある、サーバーエンジニアにおすすめのプログラミング言語を、5つ説明します(赤枠や赤星がついている言語は、特におすすめです)。
【基本】おすすめのプログラミング言語①:シェルスクリプト(Bash)
UNIX環境(LinuxやUNIX)で最初に学ぶべき言語は、シェルスクリプトです。
ツール作成などはもちろん、コマンドの自動実行やサーバー処理などで、シェルスクリプトを使う機会は多いため、シェルスクリプトの習得は基本となり、必須ともいえます。
また、最近のLinuxの市場拡大の勢いを考えると、Linuxの標準シェルによく利用されている「Bash」の習得が最もおすすめです。Linux環境を少し学んだ人は、「#!/bin/bash」の文字列を見たことがあるのではないでしょうか。
【基本】おすすめのプログラミング言語②:PowerShell
Windows環境の場合は、最初に学ぶべき言語は、PowerShellでしょう。
PowerShellはファイル操作などからWindows環境で少し複雑なツールを作る場合などに利用できます。
また現在のWindows環境ではPowerShellが標準となりますので、Windows環境のサーバーエンジニアは、PowerShellが必須ともいえます。
【スキルアップに有利】おすすめのプログラミング言語③:Python
スキルアップに有効な言語としておすすめしたいのは、インフラ系エンジニアに大人気の言語である、Pythonです。
Pythonはログ解析、データ処理など、幅広く利用できる汎用性高い言語であり、また、ライブラリの充実やクラウドサービスを利用する際にも有効といった所も魅力です。くわえて未経験でも習得しやすい言語というのも人気の理由です。
また、転職活動などでも、Pythonを学んでいると評価ポイントになることも多く、現時点でサーバーエンジニアのスキルアップに有効な言語は、汎用性高いPythonでしょう。
【スキルアップに有利】おすすめのプログラミング言語④:Ruby
Pythonと比べると人気は落ちますが、Pythonのように読み書きしやすいRubyもスキルアップに有効な言語です。
Rubyはサーバー構成管理ツールのChefなどで使用されており、Chefだとインフラの構成情報もRubyを使って管理ができ、サーバー環境の自動化や構成管理をスムーズにできるなどのメリットがあります。
【スキルアップに有利】おすすめのプログラミング言語⑤:Go
Pythonと比べると汎用性は落ちますが、Googleが開発した並行処理に強いGo言語も、スキルアップに有効な言語でしょう。
DockerやKubernetesなどのクラウドネイティブツールはGo言語で開発されており、コンテナ技術などにも使え、今後更なる伸びしろがあると考えられる言語です。
上記のような言語を学ぶと、サーバーエンジニアとしてのキャリアが広がり、市場価値を高めていける手段になります。
サーバーエンジニアは、がっつりコードを書けるレベルのスキルまでは求められませんが、制御文やファイルの読み書きくらいまでの基本的なスキルがあるとよいです。特に、同じチームにプログラムが得意な人がいると、重宝されます。
サーバーエンジニアとして市場価値を高めたい方は、一つの手段としてプログラミングを学ぶのも良いです。
サーバーエンジニアがプログラミングの資格を取るなら、Python がおすすめ
サーバーエンジニアが「プログラミングの資格」を取るなら、Python 3 エンジニア認定基礎試験がおすすめです(この一つの資格だけでも有効です)。
Python 3 エンジニア認定基礎試験は、インフラ系エンジニアに人気の資格でもあり、この資格はPythonの基本的文法や構文、関数、操作について学ぶことができ、Pythonの基礎知識も証明できるものです。
また、仕事でPythonを扱ったことがないエンジニアがよく取得する、独学でも挑戦しやすい資格でもありますので、プログラミングスキルも習得していきたいサーバーエンジニアは、一つ選択肢として考えてよいかと思います。
サーバーエンジニアとして市場価値を高めるための、その他のスキル
プログラミングスキルの習得は、サーバーエンジニアの市場価値を高める手段の一つではありますが、その他の手段は何があるのでしょうか?
もしかすると、プログラミングを学ぶ前に、抑えておくべきスキルがあるかも知れませんし、プログラミング以外のスキルを学ぶ方が有効な場合もあるでしょう。
ここでは、サーバーエンジニアの市場価値を高めるスキルについて、全体感を説明していきます。
詳しくは、別記事の「求められるスキルはこれ!サーバーエンジニアに必要なスキルセット・知識とは?」に記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。
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