こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
サーバーエンジニアは企業のITインフラを支え、ユーザーがITサービスを使えるようにする重要な仕事です。また、ITインフラの中核となるサーバーを主として扱い、サーバーの設計、構築、運用を行う仕事であり、必要不可欠な存在です。
しかし、未経験からサーバーエンジニアになった人の中では、サーバーエンジニアという職業が合わず、早期退職をする人もいます。また一部のネット上では「サーバーエンジニアはやめとけ」と言われることもあります。
今回は、サーバーエンジニアに興味を持つ方に、サーバーエンジニアがやめとけと言われるデメリットを説明しながら、その後の対策についても説明します。
未経験サーバーエンジニアが、やめとけと言われる理由とは
未経験から挑戦しやすく、将来性も高いサーバーエンジニアですが、「私には合わない」「向いていない」と考え、サーバーエンジニアをすぐ辞めて、転職する人もいます。
ここでは、サーバーエンジニアが、「すぐ辞めたい、転職したい」と考えた理由や、「やめとけ」と言われる理由を解説します。
まず、下記の図を見てください。「人間関係」以外の理由で、サーバーエンジニアを「やめたい」と考える人は、ほぼ下記の理由(「知識・スキル系」、「環境・働き方系」、「年収・将来性系」の3つ)に当てはまります。特に赤星や、赤枠の理由を挙げる方は非常に多いです。
ここからは、未経験サーバーエンジニアといった初級エンジニアがやめとけと言われる理由を、「知識・スキル系」、「環境・働き方系」、「年収・将来性系」の3つに分けて説明していきます。
サーバーエンジニアがやめとけと言われる理由①【知識・スキル系】
やめとけと言われる理由:【特に多い】知識・スキルの習得が難しい
サーバーエンジニアの仕事は幅広いため、学ぶ知識やスキルが広範囲かつ複雑です。未経験の場合、最初は基礎から学んでいきますが、サーバーエンジニアは、サーバー、OS、ネットワーク、セキュリティやクラウドサービスなど、多岐にわたる知識やスキルが必要とされるため、上級のエンジニアになるには多くの時間と労力が必要です。
また、実践的なスキルが学びにくいことも一つの理由です。サーバーエンジニアは座学だけでなく、実際に手を動かしてトラブルシューティングや設定を行い、実践的なスキルを身につけていく必要がありますが、知識がない中で、いきなり本番環境で仕事を任せてもらえることはほぼなく、スキルを積みにくい実状があります。
やめとけと言われる理由:【多い】IT学習が面白くない、継続学習がきつい
未経験者は、ITの基礎知識がないことも、大きなハードルになっていることも多いです。
最初は「なぜこの技術が必要か?」「どんな場面で使われるのか?」などがわからない中で、難しい技術を学習していく必要があります。技術は、すぐ理解できることばかりではないため、理解が進まない。結果、研修でつまづく、配属時につまづくなどをきっかけに、IT学習が面白くないと感じる人は多いです。
またサーバー系の技術は進化が早く、新しい技術やツールが次々と生まれるため、基本的な技術を学習した後も、新しい技術を継続して学習を続ける必要があり、継続学習にきつさを感じる人も多いです
やめとけと言われる理由:単純作業で、スキルが身につかない
勤務する会社や、配属先のプロジェクトにもよりますが、知識がない場合には、任される仕事は、ほぼ単純作業のみです。「単純作業ばかりで、スキルが身につかない」、「アルバイトでもできそうな仕事ばかり」というのは、監視業務といった、オペレーター系に、特に多い悩みです。
具体例としてシステムの監視、アラート対応など、毎日同じ単純作業を繰り返すことで技術的な成長が感じられず、スキルを身につけるためにエンジニアになったのに「全くスキルが身につかない」、「市場価値が上がらない」と考える方も多いです。
サーバーエンジニアがやめとけと言われる理由②【環境・働き方系】
やめとけと言われる理由:【特に多い】夜勤シフト
ITシステムやITサービスは24時間365日動いているため、保守や監視といった仕事に就いている場合は、夜勤を含めたシフト勤務があります。この夜勤シフトは、非常に多い退職理由であり、もっともやめとけと言われる理由かも知れません。
夜勤シフトがあることで、昼夜逆転の生活が続いて「体調が悪くなった」。土日休みではないことで「家族との時間が取りにくい」、「共働きのため、子育て時間の調整が難しい」といった声も多いです。
夜勤シフトは、日勤運用や構築など、上流工程にステップアップすれば解消されますが、夜勤シフトを乗り越え、日勤の仕事になる前に、エンジニアを辞めてしまう人も多いです。
やめとけと言われる理由:夜間作業・休日出勤
頻度に差はありますが、夜間作業や休日出勤も、サーバーエンジニアが負荷を感じ、やめとけと言われる理由の一つでしょう。
夜間作業は、夜に発生するシステム障害やトラブルを対処するタイミングで発生します。また休日出勤は、構築やシステムのアップデートなど、ユーザーへの影響を最小限に抑えるために発生します。
夜間作業や休日出勤については、その前後の日程で代休などが取得できかつ、退職理由としては少ないですが、夜間作業や休日出勤が絶対に無理な方は、サーバーエンジニアは厳しいといえるでしょう。
やめとけと言われる理由:緊急対応(トラブル対応)
サーバーエンジニアの仕事は、ハードウェアの故障やセキュリティインシデントなど、予期しないトラブルが発生します。
また予期しないシステムダウンや障害に対して、影響の拡大を防ぐために、すぐに復旧など対処を行う必要がありますので、急な緊急対応が必要となります。緊急対応時には、負荷を感じる方もおり、プレッシャーを感じる作業を避けたい方は、サーバーエンジニアはやめておいた方がよいかも知れません。
サーバーエンジニアがやめとけと言われる理由③【年収・将来性】
やめとけと言われる理由:【特に多い】年収が低い、上がらない
サーバーエンジニアの中でも、下流工程の監視などを専門とするエンジニア(オペレータ)の場合は、年収が低いかつ、なかなか年収が上がらないため、給与面で転職を考える人は非常に多いです。
オペレータの場合は、「給与が低くて、生活が楽にならない」、「先輩の給与を聞いて、給与がほとんど上がっていないことを知り、不安になった」などは、非常によく聞く話です。
サーバーエンジニアは、実力主義の世界であり、スキルが年収に直結します。例えばサーバーエンジニアのスキルに対しての年収モデルは、おおよそ下記になります。
ゆえにオペレータを卒業しないと、スキルが身につかず、年収が上がらないため、やめてしまう方は多いです。
やめとけと言われる理由:【特に多い】上流工程に行けない(案件ない、案件に塩漬け)
サーバーエンジニアとしてキャリアを積む中で、上流工程にキャリアアップできない(上流の案件がない、下流の案件に塩漬け状態)という状況のエンジニアは、非常に多いです。
上流工程にステップアップするには、手を動かしてスキルを習得し、資格取得を通じて知識を補うことで、上流工程に必要なスキルセットを身につけていく必要があります。
一方で、現在勤めている勤務先が「運用監視特化の会社」の場合もあり、運用監視特化の会社は、上流工程の案件がない、もしくは極めて限られているため、上流工程に関わる機会がないまま、スキルアップもできずに、オペレータとして案件に5年塩漬けとなることはよくある話です。
この状況を防ぎ回避するには、転職をする時に「運用監視特化の会社を避ける」、もしくは「転職してキャリアアップする」しかありません。
やめとけと言われる理由:【多い】将来が不安(スキルが身につかない)
運用監視特化の会社に勤務していると、単純作業ばかりで技術的な成長を感じず、「将来が不安」、「自分の市場価値が低下している気がする」と感じてしまう人も多いです。
オペレータは、高いスキルを求められる仕事に関わるのは難しく、また新しい技術に関わる機会もないため、仕事上でスキルアップや技術トレンドに関わるチャンスがほぼないといえます。
このような場合は、自己学習の時間を確保して、技術を学ぶ、資格取得を行うなどを行うことで、スキルアップとキャリアの安定性を確保していく必要があります。
サーバーエンジニアはやめとけ?2ch(5ch)にはどう書かれている?
2chにはサーバーエンジニアはどのように書かれているのでしょうか?
2chなので、半分事実、半分嘘だと考えた方がよいでしょうが、厳しく書き込みをされているのはサーバーエンジニアではなく、圧倒的に運用、保守、監視の「オペレータ」です。
下記は一部抜粋の内容です。
・オペレータは職場環境が劣悪すぎる、最底辺職種、人間も最底辺レベル
・オペレータは特になんのITスキルも身につかない
・ステップアップの転職をしようとも、アピールポイントがない
・オペなんて受け身の仕事なんだから、自走できない奴は抜け出せない
・客先常駐のITオペレータ、若者を使い捨ててる職種だね
【ITオペ】運用保守業務からの転職
実際、日勤運用や構築以上のサーバーエンジニアは、エンジニア自体をやめる人は多くありません。サーバーエンジニアをやめる人は「オペレータを卒業できなかった人」が大多数を占めると思います。
ここまでは、サーバーエンジニアが「やめとけ」と言われる理由・デメリットについて説明をしてきましたが、本当に「サーバーエンジニアはやめとけ」なのでしょうか?
どの職種にもデメリットがあればメリットもあるように、サーバーエンジニアにもデメリットがあれば、メリットもあります。
ここからは、サーバーエンジニアとしてのメリットも説明していきます。
本当にやめとけ?サーバーエンジニアの魅力・やりがい
サーバーエンジニアは企業や社会のITインフラを支える重要な役割があり、サーバーエンジニアの仕事には多くの魅力ややりがいもあります。
魅力ややりがいを感じるポイントは、人によって様々ですが、サーバーエンジニアという仕事に「魅力」や「やりがい」を感じている人の意見を集約すると、下記になります。
サーバーエンジニアの魅力やメリットについては、別記事ですが、「サーバーエンジニアは楽しい?魅力・メリット、向いている人の特徴とは」に記載しておりますので、興味があればあわせてお読みください。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴
一般的に、仕事は職種によって、求められるスキル、向いている性格などが異なりますが、サーバーエンジニアはどのような人が向いているのでしょうか?
ここではサーバーエンジニアに向いている人の特徴について、説明します。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴について、詳しくは別記事の「サーバーエンジニアに向いている人とは?向いていないときつい?向く性格やスキルなどを解説」に記載しておりますので、興味があればあわせてお読みください。