こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
今回は、IT系の職業訓練についてお話をします。
私どもは、関東圏内の複数のIT系職業訓練校にて、ネットワーク・インフラエンジニアのキャリア形成についての講師から、就職・転職サポートまでを行っていますが、
IT系の職業訓練に関しても、良いと思う職業訓練校もあれば、危険だなと思う職業訓練校もあると感じています。
また、IT系の職業訓練は、有効な人には有効ですが、不要な人にとっては不要だと考えています。
あなたがIT系の職業訓練に通うかどうか、で悩んでいるようであれば、この記事を一度読んでみてください。
IT系の職業訓練に通うべきか、否かの判断が出来ると思います。
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そもそもIT系の職業訓練とは
職業訓練とは、ハローワークが離職者に対して仕事につけるように訓練することです。
基本的には、職業訓練の内容は、国が民間企業に委託していることが多いです。
また、職業訓練もいろいろあり、IT系ですと、ネットワークやサーバといったITインフラ周りの訓練もあれば、プログラミングといった開発系の訓練、またWEBデザインの訓練などがあります。
職業訓練は、ハローワークで仕事を探している離職中の人であれば、基本的には受けることが出来ます(ただし、1年以内に公共職業訓練を受けたことがある人は職業訓練を受けれない等、除外要件はあります)
職業訓練を探したい方は、最寄のハローワークに行き、ハローワークに置いてあるリーフレットから問い合わせをする、または、ハローワークの相談員に「ネットワークエンジニアになりたいので、職業訓練を受けたい」と相談するとよいでしょう。
すると、職業訓練校から、「見学に来てください」や「選考(面接など)に来てください」と言われるので、流れに沿って行動するだけです。
ITの職業訓練に通うと、本当に就職・転職できるの?
結論、ITの職業訓練に通うだけで、就職が確実に出来るとはいえません。
ネットワークエンジニアやインフラエンジニアは、未経験者の受け入れも多いポジションですが、
ネットワークエンジニアの職業訓練に通って、ネットワークエンジニアの仕事に就く人は訓練校によって差はありますが、4-5割程度くらいでしょう。
ネットワークエンジニアの職に就かない人は、今までの職業経験を活かした仕事に再就職するか、エンジニア以外の仕事を選んでいます。
理由としては下記となります。
・職業訓練で学んだ内容は、実務ですぐ使えるわけではないため(採用企業としては、学校で学んだだけの内容、お金をもらって仕事で作り上げる内容とは違うという考えです)
・授業で寝るなどやる気が無い人、途中であきらめて辞めていく人もいるため
・授業のスピードは基本的に遅く、習熟スピードも決して早くはないため(訓練生全員のペースに幾分あわせないといけないため)
・職業訓練の受講者のうち、40代、50代の年齢の方もいらっしゃるため、年齢でエンジニアになれないこともあるため(未経験での応募の場合は、応募時の「年齢」も考慮されるため)
再度結論ですが、職業訓練に通うだけで就職・転職が決まるとは思わない方がよいでしょう。
また、就職・転職だけを考えると、自分で勉強して資格を取る方が、応募企業からの評価は断然高いです。
あわせて注意点ですが、職業訓練を運営する民間企業としては、ハローワークから職業訓練の仕事を請けていくためには、職業訓練受講者の50%以上は職業訓練終了から3ヶ月以内に就業をしている(雇用保険を払っている)ことが必要等といったような要件もあるため、職業訓練を卒業した際には、職業訓練事業者から就職・転職を急がされる事もありますので、卒業前に就職・転職の準備をすすめておくことをおすすめします。
ITの職業訓練に通うメリット、デメリット
では、ITの職業訓練に通うメリットとデメリットを説明します。
■ITの職業訓練に通うメリット:
①ほぼ無料で学べる:
失業給付金をもらいながら学べたり、場合によっては職業訓練受講給付金などももらいながら学ぶことが出来ます。
金銭的に余裕がない人には、無料で学べるチャンスと言えるでしょう。
②一緒に学ぶ同僚・仲間ができるので、切磋琢磨できる:
この一緒に学ぶ仲間がいるというのもメリットでしょう。
独学で勉強をすると、勉強の難しさに何度も心が折れてしまうことがあります。
しかし、一緒に学ぶ仲間がいると、わからない事を教え合ったり、仲間の勉強状況を知ることが出来て、モチベーションを上げることも出来たりします。
■ITの職業訓練に通うデメリット:
①就職・転職まで時間がかかる:
職業訓練は期間があります。
期間としては3-6ヶ月ぐらいから、長い訓練で2年程あるものもあり、やはり入学すると卒業まで時間があいてしまいます。
また、職業訓練に入学するまでも期間がありますので、職業訓練に通うのであれば、働き始めるのは半年後以降になりそうだと考えた方がよいでしょう。
早く働きたい人にはおすすめが難しいです。
②職業訓練校によって、学べる内容に差がある:
例えば関東であれば、ITネットワーク、インフラでも選べる職業訓練は複数ありますが、訓練校によって学べるレベルや幅に差があります。
例えばネットワークに特化して教える職業訓練もあれば、ネットワークからサーバ、開発まで、IT全般を教える職業訓練もあります。
ネットワークエンジニアを目指すなら、ネットワークに特化して教える職業訓練を選ぶなど、目指す職種が決まっているのであれば、目指す職種に特化した訓練を選んだ方が最短ルートでしょう。
③職業訓練校によって、レベルに差がある:
無料で受けることができるので仕方ないかも知れませんが、職業訓練の講師や、一緒に講義を受ける同僚のレベルに影響されることがあります。
講師の質が低いと、やはり勉強の習熟度は下がりがちですし、同僚にやる気がない人が多いと、やる気がない同僚に引っ張られて、自分もやる気を失うこともあります。
これは運の要素がありますが、職業訓練に通う場合は、基本的には「職業訓練で教えてもらおう」という受け身のスタンスではなく、「訓練生の中で1番になる。そのために予習・復習はかかさないし、並行して卒業までに資格も取る」といった攻めのスタンスを持つことをおすすめします。
(補足)職業訓練と一緒に、人材派遣業をやっている会社には注意
ITの職業訓練を受託している民間企業には、ITの職業訓練をしながら、職業訓練を終えた受講者に対し、「良い受講者だけ自社の人材派遣業で派遣をしたい」と考えている会社もあります。
この「良い受講者だけ、自社の人材派遣業で派遣したい」と考える会社が行き過ぎると、
・自社で派遣出来る最低レベルの知識しか教えない(他の会社や上位企業でも内定が出るレベルまで教えようとしない)
といったことや
・資格取得をするなど、努力をすすめない
といったこともあります。
職業訓練と一緒に「人材派遣業」を営んでいる企業には気を付けながら、客観的な視点で話を聞く事も必要かと思います。
ITの職業訓練に通うべき人って、どんな人?
私が考えるITの職業訓練に通うべき人とは、
・就職、転職時期は半年後以降でもいいので、ゆっくり基礎からお金をかけずに学びたい人
・講師や同僚のレベルが低かったとしても、職業訓練校の中で上位20-30%に入り続ける自信がある人
・職業訓練で学んで終了ではなく、学んだことを復習し、追加で資格を取るなどプラスアルファの勉強を出来る人
と思います。
正直、職業訓練に通ったとしても、ダラダラ勉強するだけと、危険です。
職業訓練に通っても、その後の転職活動では、「職業訓練でどんな勉強をしたの?」とは聞かれますが、それ以外にも、「職業訓練で習った事以外で、どんな勉強をしたのか?」や資格を取らなかった場合は「なぜ資格を取らなかったのか?」と面接で聞かれたりもします。
※上記内容はネットワークエンジニアを目指す場合を想定しており、仮にプログラマを目指すのであれば、資格ではなく、「職業訓練での内容以外で、自分自身で作品を作った事があるのか?ポートフォリオを見せて下さい」になるでしょう。
まとめ
職業訓練に問わず、ITスクールも同様ですが、職業訓練やスクールに通うのみでは、エンジニアにキャリアチェンジをするには不十分だと思います。
「とりあえずIT業界に就職をしたい」と考えるのであれば、若ければ職業訓練やITスクールに通うだけでなんとかなりますが、正直IT業界へのキャリアチェンジは、就職転職がゴールだとは思えません。むしろスタートでしょう。
将来的に「ITエンジニアとして、IT業界でキャリアアップしたい、年収も上げたい」と考えるようであれば、やはり職業訓練で学んだこと以外も勉強を進めるべきでしょう。
また、職業訓練やITスクールで学んだだけの人よりも、
職業訓練やITスクールには通ってはないが「ネットワークエンジニアを希望するのであれば、CCNAを取った人」や「プログラマを希望するのであれば、プログラミングで作品をつくった人」の方が断然評価されるというのが実状です。
独学でCCNAを取得したり、独学でプログラミングにて作品(ポートフォリオ含む)を作れるようであれば、職業訓練やITスクールには行く必要はないでしょう。
また、独学でCCNAを取れるかの判別がつかない場合には、一回自分で書籍を買って取り組んでみて、CCNAを取れるか、取れないかの判断をされて、CCNAを取れないようであれば職業訓練に行くのは有効かと思います。
また、独学でCCNAを取得してネットワークエンジニアになりたい方は、私どもでもCCNAの無料取得支援&転職支援も行っておりますので、興味があればご相談・ご登録頂けますと幸いです。
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