こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
AWS、クラウドエンジニアを目指すエンジニアから、IT初学者までが勉強し、現在一番IT資格で受験者が多いAWS認定の中でも一番メジャーな「ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)」とは、どのような内容、難易度で、どのような勉強法がスムーズなのでしょうか。
今回はAWS SAA試験の概要から、非エンジニア(AWS CLFなし)から独学で、1ヵ月100時間で合格した勉強方法までを解説します。
AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)CO3とは
AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)CO3とは、クラウドサービスの「AWS」のアーキテクチャ設計能力を証明する試験です。2022年8月に試験改定がされ、現在は「SAA-C03」試験です。
AWSの資格の中では、中級レベル(初級レベルは、AWSクラウドプラクティショナー)ですが、IT未経験者や初学者でも、しっかり準備をすれば、初級レベルの資格を取得しなくても、合格は可能です。AWS SAAは、AWSの基本的な知識とアーキテクチャのベストプラクティスを理解していることを示し、クラウド分野でのキャリア形成に役に立つ資格です。
AWS SAAの試験範囲
分野 | 出題の比率 |
第1分野:セキュアなアーキテクチャの設計 | 30% |
第2分野:弾力性に優れたアーキテクチャの設計 | 26% |
第3分野:高性能アーキテクチャの設計 | 24% |
第4分野:コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 20% |
2023年時点のAWS SAA(CO3)は上記試験範囲ですが、試験範囲、出題の比率やその詳細については、変更となる事がありますので、AWSのwebサイトも確認してください。
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/
試験概要、合格点数、試験時間など
試験の回答形式 | 複数の選択肢と複数の答えがある問題 |
実施形式 | テストセンターまたはオンラインプロクター試験 |
合格点数 | 720点以上(100~1000点の採点) |
時間 | 130分 |
受験料 | 15,000円(税抜き) |
言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
AWS SAAは難しい?難易度は?
AWS SAAの難易度は、その人の経験や知識次第で変わります。日頃から仕事でAWSに触れている人は簡単かもしれませんし、IT未経験者や初学者にとっては難しい試験だとも思います。
日本政府がIT能力を評価する「ITスキル標準(ITSS):難易度をレベル1~レベル7まで分類」においては、AWS SAA(AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト)は2番目にやさしい「レベル2」であり、他のレベル2の資格ですと、CCNAやLPIC level2などが同レベルとなっています。
CCNAやLPIC level2も独学で取得される方が多い資格でもあり、AWS SAAも学習方法が適切であれば、一定の学習時間で取得が可能かと思います。
AWS SAA、未経験者の勉強時間・期間と、私の合格までの勉強時間・期間
AWS SAAの勉強時間や期間は、人によって様々です。AWS経験がある方や、未経験でも初級資格のAWSクラウドプラクティショナーを持っている方は、比較的短い期間で合格ができるかと思いますし、個人的な所感としては、AWSに日頃から触れている人でないと、50時間以内での合格はなかなか難しい気がします。
参考程度に、私は非エンジニアであり、AWSクラウドプラクティショナーも勉強した事はありませんでしたが、クラウドプラクティショナーなしでAWS SAAを「1ヵ月100時間」した場合、どうなるか?をチャレンジした結果、846点で合格しました。
もちろん、私よりももっと短時間(短期間)で合格できる人もいると思いますし、もっと時間がかかる人もいると思いますので、私のケースは参考程度としてください。
下記からは、AWS SAA試験合格のための、おすすめの参考書、問題集や、私が行った勉強方法について説明します。
AWS SAA、未経験者向けおすすめの勉強法
私の場合は、基本的にUdemyをフル活用しました。AWS SAAの教材はたくさんありすぎるくらいですが(参考書、CloudTech、TechStock(旧koiwaclub)など)、たくさんの教材に手をつけて消化不良になるよりも、教材を絞って勉強をしたいと考え、最終的には勉強時間100時間中、80時間強の時間をUdemyの教材に使ったと思います。
Udemyを選んだ理由は、「安くて優良な教材」があり、買い切り型であるため「合格後にもずっと使える事」でしたが、少々問題集が使いにくい(問題を解いた後に、すぐに○×がわからない、解説が見れない)というネックはありましたが、Udemyのみでも問題なく合格は可能だと思っています。
また、私がUdemyで使った教材は、下記の2つです。試験を振り返って考えると、下記の2つだけでも、クラウドプラクティショナーを勉強した事がない非エンジニアでも、AWS SAAに合格できるのではないかと思っています。
【SAA-C03版】AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験:短期突破講座(300問の演習問題)
https://www.udemy.com/course/aws-uoyc/
動画が15時間ほどあり、15時間の動画は長すぎるため、私はあまり動画は見ていません(よくわからない項目だけ、少し視聴しました)。本教材は、試験の勉強資料がダウンロードでき、ダウンロードの勉強資料を中心とした勉強をしていました。
また300問の演習問題も、試験対策としては優良だったと思います。
価格は2,400円です。
AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト (SAA-C03) 模擬試験
https://www.udemy.com/course/aws-knan/
試験6回分(65問×6回)の計390問が解説付きで学べ、本試験よりも少々難易度が高い問題が含まれているような気もしますが、この模擬試験問題集が試験合格には一番役に立ったのではないかと考えています(今は2023年5月最新版と記載があるようです)。
私は試験6回分中5回分を使って勉強し、この模擬試験と同様や、近しい内容が本試験に5割程出題された印象があり、最短で合格を考えるのであれば、是非ともおすすめしたい内容でした。
価格は2,400円です。
また、一部参考書なども購入しましたが、実際勉強をしながら、AWS SAAの本試験の準備をするにあたり、模擬試験対策が勉強時間の6-7割を占めたのではないかと思います。
あわせて、私がAWS SAAを未経験から合格するのであれば、一番おすすめしたい勉強のやり方は「最初から試験問題を解き、試験問題に慣れること」です。
最初は参考書や教科書で、基本から勉強したいと考える人は多いと思いますが、「わからない中でも、試験問題を解いていく」と、試験のレベルや、頻出問題の傾向がわかり、また試験問題を解くことを通して、参考書や教科書で「どこをしっかり勉強した方がよいか」がわかっていくと思います。
一方で、参考書や教科書から始めるのではなく「試験問題から解く」場合は、あたりまえですが、「自信をもって正解を出せる項目はゼロ」の状態からはじまるので、気持ち的なしんどさはかなり強いと思います。
気持ちはしんどいと思いますが、逆に「模擬試験問題で出たし、解説を読んでもよくわからなかったから、この項目はしっかり教科書を使って学ぼう」という意識もめばえたと考えていますし、私の場合は「教科書を中心に学んでいたら、100時間の勉強で846点は取れなかった」と思っています。
また、他に私がやった勉強方法としては、「大事な項目を、ノートにまとめること」です。
ノートでなくても、PCにメモ書きでもよいとは思いますが、私は暗記力が弱く、「手を動かして書かないと、なかなか覚えない」タイプだと思っているため、大事な項目をノートにまとめ、「作ったノートを覚え、理解すれば、AWS SAAに合格するはず」と思って、ノートを作って見直していました。
私が作ったノートは、下記のような感じです。
上記のようなノートを、計84ページつくっていました。
おすすめ問題集、参考書
おすすめ問題集としては、私は下記をおすすめします。
AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト (SAA-C03) 模擬試験
https://www.udemy.com/course/aws-knan/
65問の模擬試験が6回分、計390問あり、私の個人的な印象では、この問題集だけで合格する人も結構いるのでは?と思うレベルだとも思っています。本試験よりも少々レベルは高いかもしれませんが、解説を読みながら問題の周辺知識も補足していけば、未経験でも相応の点数が取れるかと思います。
また模擬試験は①~⑥まで、6回分に分かれてはいますが、特に①~③は頻出で、④~⑤は相応出題される印象です。私は①~⑤までの模擬試験を3回程度こなしました(⑥は、あまりでない印象があったため、勉強していません)。
問題集は、「【2023年5月最新版】AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト (SAA-C03) 模擬試験」の一つを主軸に、もう一つ何かしらの問題集を追加出来れば、試験合格レベルまでは問題ないかと考えます。
【SAA-C03版】AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験:短期突破講座(300問の演習問題)
https://www.udemy.com/course/aws-uoyc/
300問の演習問題がありかつ、参考書の役割もできる教材だと思います。300問の演習問題は、本試験レベルないし本試験レベルよりも若干やさしいような気もしますが、教科書の役割も問題集の役割もこなす総合的にバランスの取れた教材だと考えており、試験勉強という観点では難易度としても良い印象です。
未経験であれば、個人的には使った方がよいと考えますが、試験頻出傾向の問題が多いか少ないかでいうと、私の場合は多くも少なくもなかった、という印象です(あくまで個人的な主観です)。
一夜漬け AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト[C03対応]直前対策テキスト
直前対策用かつ、Udemyを見てもよくわからなかった個所を補足して学習するために使った本です。重要度が高い所だけを学習すると効果は高いと思いますし、図解で説明がわかりやすいため、重要項目の理解度を上げるためには良いと思います。
ただ、直前対策用なので、範囲がそれほど広くなく、この本だけで合格はなかなか難しいかなと思います。
(模擬問題付き)徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書 第3版[SAA-C03]対応
Udemyの参考書ではなく、本が良いという方は、こちらの本でも代用ができるかと思います。AWSの入門編として、概要を学ぶことができる本だと思います。ただし私の印象では、あたりまえかも知れませんが、AWS SAA本試験の内容を網羅的にカバーという訳ではない印象であり、この本だけだと合格はなかなか難しそうな印象でした。
AWS SAAの勉強法を振り返る
未経験(非エンジニア、クラウドプラクティショナーなし)からAWS SAAを1ヵ月100時間勉強するという計画を立て、結果846点で合格となりましたが、一番合格に近づいたやり方として、「本試験レベルの問題をたくさん解き、解説の内容も含めてどれだけ理解・暗記をしたか」が一番重要だったと思います。
参考書(教科書)も重要だとは思いますが、参考書の内容のみだと、本試験の内容を広くカバーは難しいかもしれませんし、また参考書よりも問題集に多く時間を使うことで、試験問題のレベルに慣れ、頻出問題を肌感で理解できたとも思っています。
また、再度私がAWS SAAを一から勉強しなおすのであれば、Udemyの下記2つの教材だけで受験するかと思います。
・【2023年5月最新版】AWS ソリューションアーキテクト アソシエイト (SAA-C03) 模擬試験
・【SAA-C03版】AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験:短期突破講座(300問の演習問題)
上記2つをしっかり勉強すれば、高得点は難しいかもしれませんが、合格点までは至りそうな印象です。
さいごに
AWS SAAは、未経験者には相応難しい試験だとも思います。また、私はAWSクラウドプラクティショナーなしでAWS SAAをいきなり受験しましたが、AWS SAAをいきなり受験しなくても、AWSクラウドプラクティショナーからはじめた方が、勉強の負荷としてはラクかもしれません。
実際私は、最初の勉強20~30時間くらいまで、「AWS SAAからでなく、クラウドプラクティショナーから受験すればよかったのかな、、」と数回思いましたが、「1ヵ月100時間の勉強で、AWS SAA試験はどれくらいの点数が取れるのか」を知りたかったため、そのままAWS SAAをいきなり受験し、結果合格できましたが、時間や期間を考えず、ゆっくり負荷を低めに勉強するのであれば、クラウドプラクティショナーから勉強した方がよいかとも思っています。
ただ、短期間で資格が取れれば、その後の時間を、AWSに触って勉強ができるといったメリットもあるかと思いますので、自身の希望や状況にあった勉強を選択するのがよろしいかと思います。
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