こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
CCNAは、ネットワークエンジニアの運転免許証とも言われ、多くの企業から求められる資格です。
しかし、CCNA試験はやや難易度が高いかつ、年々試験範囲が広がることで、難しくなってきており、「CCNAは難しすぎる」という声もよくあります。
甘く考えて試験に取り組むと、挫折しやすいレベルの試験とも言え、CCNAの資格取得には、十分な勉強時間を確保し、効率的に学習する必要があります。
この記事では、CCNAを独学で取得しようと考えている初学者に向けて、CCNA(200-301)v1.1の試験についてや、効果的な勉強方法を説明していきます。
勉強方法に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。
CCNAとは?試験の概要と難易度
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク技術の基礎を証明する資格であり、最大手ネットワーク機器ベンダのシスコシステムズが提供しています。
CCNAは、ネットワークエンジニアの登竜門や、ネットワークエンジニアの運転免許証とも言われ、ネットワークエンジニアや、インフラエンジニアを目指す人にとって必須とも言われる資格です。
以下からは、CCNA(200-301)v1.1試験について、問題形式などを説明していきます。
CCNAの問題形式
CCNAの問題は、2025年現在のCCNA(200-301)v1.1 試験では、基本的には以下の3パターンです。
■CCNAの問題形式:
・多肢選択式の問題
・ドラッグアンドドロップ問題
・シミュレーション問題
また、私がCCNA(200-301)v1.1試験を受験した時は、試験の傾向はおおよそ下記でした。
■CCNA(200-301)v1.1試験:試験時間120分(84問)
・多肢選択式の問題:73問程度
・ドラッグアンドドロップ問題:8問程度
・シミュレーション問題:3問
※あくまで個人受験の内容です。
試験時間が120分に対し、84問であり、時間的な余裕がありません。シミュレーション問題を1問10分(3問に30分)使うと考えると、多肢選択式とドラッグアンドドロップ問題は、1問を約1分で回答していく必要があります。
ゆえに、簡単な問題は瞬殺していく必要もあるでしょう。以下から、詳細を説明していきます。
多肢選択式の問題
CCNAの試験問題の多くは、多肢選択式の問題です。8割強ほどは、いくつかの選択肢から、1つないし2つを選択する問題となるでしょう。
他肢選択式が、かなり多くの問題数を占めるため、多肢選択式で点数を積み上げられなければ、試験合格は難しいと言えます。CCNA合格の鍵となるのは多肢選択式問題をいかに解けるかでしょう。
具体的には、語句や文章の説明、その他は、以下図のように、トポロジなどを見ながら、適切な選択肢を選ぶ問題が多いです。
※画像の引用元:Ping-t
多肢選択式については、個人的な印象として、図やルーティングテーブルなどを読んで、選択肢を選んでいく問題が結構多い印象です。大事なポイントを早くつかんで、早く問題を解く準備が大事だと思います。
ドラッグアンドドロップ問題
CCNA試験では、ドラッグアンドドロップ(マウスで、対象の選択肢を移動させる)問題が出題されます。試験の約1割程度は、ドラッグアンドドロップ問題かと思います。
ドラッグアンドドロップ問題は、用語や設定項目などを正しい位置にドラッグして、ドロップ(配置)する問題です。
具体的には、以下図のようなイメージです。CCNAでよく出るAAA(Authentication、Authorization、Accounting)であれば、以下のように左の用語を、マウスを使って、右に当てはめていきます。



ドラッグアンドドロップ問題については、あまり対策は必要ないでしょう。多肢選択式の学習をしっかり行っていれば、本試験時にでも、応用で対応できると思います。
シミュレーション問題
シミュレーション問題は、実際のネットワーク機器の設定などを行う形式の問題であり、数問はシミュレーション問題が出題されると思います。私の場合は、シミュレーション問題は3問でした。
シミュレーション問題は、問題文とトポロジを見ながら、コマンドなどを入力して、指定されたタスクを遂行する問題です。
問題のイメージとして、以下図を見ながら、「PC-AとPC-Bの通信を行うために、ルータAと、ルータBに、指定されたIPアドレス(IPv4、IPv6)を使って設定し、疎通確認までやってください」といったような雰囲気です。



問題文をしっかり読んで、指定されたタスクを行う必要がありますが、時間がかかるかつ、実際の試験はもうちょっと難しい感じで、かなり難しい問題です。対策をしっかりやっておかないと、厳しいと言えます。
また、1つのシミュレーション問題に時間をかけ過ぎると、その他の問題に影響が出てしまうため、1問にあまり時間をかけ過ぎない対処が必要です(チュートリアルで「1問につき、5-10分程度で解いてください」といった案内があります)。
単なる暗記では対応が難しく、中途半端な学習では太刀打ちが難しいと言えます。基本コマンドをしっかり暗記して、show ip interface briefなど、必要なコマンドをすぐ打てる状態にしておくべきです。
また、シミュレーション問題ではコマンドの省略も使えます。時間があまりないかつ、打ち間違いを防ぐためにも、en(enable)、conf t(configure terminal)、copy run sta(copy running-config startup-config)など、省略を使った方がよいでしょう。
CCNA試験の難易度は、年々難しくなっている
昔のCCNA(ICND1+ICND2)はルーティングやスイッチングが中心でしたが、今のCCNA(200-301)試験は、ワイヤレスや自動化など、新しい技術が追加され、より広範囲な学習が必要になってきています。
また、一時期廃止されていたシミュレーション問題も、2023年から再導入され、コマンド入力を伴う、より実践力が問われる試験となり、年々難易度が高まってきていると言えます。
CCNAは、独学でも合格できる。ただし、簡単ではない
CCNAの難易度は上がってきており、「独学で合格できるのか?」と疑問に思う人も多いです。また、CCNAは、実際に簡単な試験ではありません。
CCNAは試験範囲が広く、また一つ一つのトピックの理解に時間もかかります。あわせてシミュレーション対策にも時間がかかります。
また1回の受験料が高額(税込で、46,860円)であるため、簡単に何度も受験できる試験ではありません。ゆえに、途中挫折が多い資格試験でもあります。
しかし、正しい勉強法で学習すれば、独学でも十分に合格が可能な試験です(アソシエイト試験なので、未経験でも学習できるように設計されています)。
CCNA試験が独学でも合格可能な理由は、以下です。
■CCNAの独学合格が可能な理由:
・充実した勉強サイトや、市販の問題集・参考書がある
・シミュレーション環境も、無料で利用でき、学習ハードルはそれ程高くない
・独学合格者も多く、情報も豊富
CCNA試験は、1997年から開始されているため、20年以上の試験運営によって、多くの信頼できる勉強サイトや市販の問題集があります。
信頼性が高い勉強サイトや問題集を使うことで、試験範囲に沿った学習が可能になり、より効率的な試験対策ができます。これにより、独学でも効率よく学習が進められます。
またシミュレーション問題においても、ルータやスイッチといった実機がなくとも、Cisco Packet Tracerなどを使えば、仮想環境を利用して無料で学習を進めていくことができます。
あわせて、CCNAは受験者が多いため、合格者の体験記や学習ブログなども多数あり、YoutubeやUdemyなどでも講座が多数提供されているため、比較的学習ハードルは高くはありません。諦めなければ合格できる試験です。
CCNAのおすすめ勉強方法
CCNAは、試験範囲がかなり広く、また難しい問題も多いため、試験範囲を網羅した教材を使って、効率的な学習を行うことが、合格の鍵となります。
以下からは、CCNAのおすすめ勉強法として、もっとも王道といえる「本(参考書・問題集)」、「勉強サイト」、「手を動かしての学習」の3つの方法を紹介します。王道がもっとも効率的です。
本(参考書、問題集)で学習をする
CCNAに合格するには、まず試験範囲を網羅しており、体系的に学習できる本を選ぶのが大事です。本でも、電子書籍でも問題ありません。
ただし、問題集だけは紙の本を使うと、書き込みながら学習できかつ、試験問題と解説の往復がラクであるため、問題集は紙の本がおすすめです。
以下より、CCNAを学習するにあたり、人気かつおすすめの本を説明していきます。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301
Amazon:シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集
CCNA(200-301)試験の教科書として、一番人気とも言える「シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集(通称:白本)」です。
CCNAの学習を始める際に、試験範囲を網羅的に学びたい場合、最初に手に取るべき一冊といえます。「テキスト&問題集」というタイトルですが、基本的には参考書としての使用が最適です。
完全な初心者にとってはやや難易度が高めですが、しっかり取り組めばネットワークの知識ゼロからでも十分理解できる内容になっています。
また、試験で頻出の分野について、以下の画像のように、「すごく出る!」、「出る!」でマーキングされており、早めにおさえておきたい重要ポイントを、素早くおさえたい学習初期に、役立ちます。



CCNAの教科書を1冊だけ選ぶなら、白本で十分対応可能です。ただし、内容が難しく感じる場合は、より簡単な入門書を併用すると、学習がスムーズに進みます。
白本は価格がやや高めですが、独学で合格を目指すなら、手に入れておきたい参考書の一つです。独学で進める場合、この白本がないと学習効率が少し下がると思いますため、積極的に活用しましょう。
また、白本の最後にある「模擬試験・問題」は、問題数は多くはないものの、個人的には本試験の難易度にかなり近しい問題だと感じました。本試験の問題の難易度感覚を早く感じたいなら、白本の模擬試験問題が近しいと思います。
価格 | 単行本:4,268円(税込) Kindle版:3,841円(税込) |
ページ数 | 888ページ |
出版社 | 翔泳社 |
発売日 | 2020年6月24日 |
シスコ技術者認定教科書 図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業
Amazon:シスコ技術者認定教科書 図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業
「図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業」は、上述の「CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301(白本)」が難しすぎて、よりやさしい入門書を購入したい場合に役立つ教科書です。
「図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業」は、図を多用している教科書であり、とにかく初学者向けにわかりやすく説明している本と言えます。
最初から白本で学んで、「挫折しそう」、「とにかく、簡単な内容から学びたい」と考える方に適切な参考書です。
ただし、あくまで入門書の位置づけであるため、この「図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業」で、CCNA試験の全範囲がカバーできる訳ではありません。
早くCCNAを合格したい人は、最初から「白本」を使う方が効率がよいでしょう。
価格 | 単行本:2,420円(税込) Kindle版:2,178円(税込) |
ページ数 | 264ページ |
出版社 | 翔泳社 |
発売日 | 2019年5月13日 |
(模擬問題、スマホ問題集付き)徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応
Amazon:(模擬問題、スマホ問題集付き)徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応
「徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応(黒本)」は、旧CCNA(ICND1+ICND2)時代に一番人気だった黒本シリーズの問題集です。
CCNA合格を目指すにあたり、非常に大切なのは、良質の問題にたくさん触れることです。問題を多数解き、わからないことを調べることで、ネットワークにおける知識の理解度が深まり、より合格に近づきます。
この黒本は、CCNA試験の学習時に不足しがちな問題演習の量を解決してくれる本です。
ただし、黒本については、電子書籍ではなく、紙の本を強くおすすめします(電子書籍の場合は、問題と解説の往復が大変です)。また紙の問題集だと、メモ書きや付箋を使うことで、復習がスピーディになります。
価格 | 単行本:3,828円(税込) Kindle版:3,445円(税込) |
ページ数 | 688ページ |
出版社 | インプレス |
発売日 | 2021年4月21日 |
勉強サイトで学習をする
CCNAでは、「勉強サイト」を使った学習が、非常におすすめです。勉強サイトでは、無料でCCNAを学べるサイトも多く、費用を抑えながら学習することができ、また、本よりも対策が充実しているサイトがあります。
勉強サイトを上手く活用することが、CCNAをスピーディに取得する鍵と言えます。ここではCCNA学習のおすすめ勉強サイトを説明します。
【非常におすすめ】Ping-t(一部無料)



CCNAの勉強において、利用を一番おすすめするのは、勉強サイトの「Ping-t」です。Ping-tは、IT資格の王道勉強サイトであり、CCNAとLPIC/LinuC試験においては、特に定評がある人気勉強サイトです。
特に、CCNAの学習を行う場合は、もっとも時間を使うべき勉強教材は、Ping-tです。このPing-tがないと、効率的な学習ができないと言えるほど、重要な存在と言えます。
Ping-tの大きな特徴は、充実した解説です。問題を解くだけでなく、解説を読み込むことで、理解が一層深まります。参考書を読むよりも、スピーディに理解が深まります。ゆえに参考書はほどほどにして、Ping-tを早くやる方が近道です。
例として、以下のような画像を使って、視覚的にわかりやすく、重要ポイントを把握することができます。



Ping-tは、参考書を読むよりも、実践的に知識を身につけやすいため、最優先で取り組みたい教材です。
さらに、Ping-tには「コマ門」や「簡易シミュレータ」があり、CCNAのシミュレーション問題の対策も可能です。
CCNAの問題形式である「多肢選択式の問題」、「ドラッグアンドドロップ問題」、「シミュレーション問題」の全てを対策できるお手軽な問題集教材は、Ping-tのみともいえるでしょう。
また、Ping-tは一部無料で利用できます。コマ門や簡易シミュレータは有料ですが、選択式問題の約半分は無料で解けるため、試しに使ってみる価値は十分です。ぜひ、CCNA学習の強力な味方として活用してみてください。
Ping-t | 金額 |
無料コンテンツ部分あり | 無料 |
有料コンテンツ(1ヶ月利用) | 2,640円 |
有料コンテンツ(2ヶ月利用) | 3,300円 |
有料コンテンツ(3ヶ月利用) | 3,960円 |
CCNAイージス(無料)
https://www.infraexpert.com/info/ccnaz7.html
CCNAイージスは、CCIEホルダーが作成したCCNAの学習サイトで、CCNAの教科書として無料で利用できます。
市販の教科書「白本」と比べるとやや難易度は高めですが、豊富な図解があり、視覚的にも理解しやすい構成になっています。また、分からないことを調べる際にも非常に便利なサイトです。
特に苦手な分野・トピックについては、CCNAイージスを一度見てみると良いと思います。
学習に自信があれば、CCNAイージスのみを教科書として活用し、白本なしでもCCNA合格を目指せる充実した内容となっています。
Udemy



Udemyは、動画講座形式の学習プラットフォームであり、CCNA試験に特化した講座も多数用意されています。
動画にて、講義形式で学習したい場合は、少々お金がかかりますが、Udemyという選択肢もありと言えます(お金をかけたくない場合は、Youtubeの「まさるの勉強部屋」でも全く問題ありません)。
UdemyのCCNA対策講座であれば、完全に一から学びたい場合は「【CCNA最短合格講座】参考書著者が教える!豊富な図解で学ぶ理論学習からシミュレータでの実践演習まで網羅!」がおすすめです。
上述のCCNA対策講座は、ネットワークの基礎概念をわかりやすく説明しているため、知識ゼロから理解を深めるために有用であり、初学者がゆっくり学びたい場合に適していると思います。
ただし動画講座であるため、見るだけでかなり時間がかかります。私も上述の動画講座は購入しましたが、スピーディに受験したかったため、ほとんど使いませんでした。時間をかけて学びたい場合におすすめです。
手を動かして学習する(シミュレーション問題対策)
CCNAの試験では、選択式の問題だけでなく、Ciscoのルータやスイッチの設定を(仮想的に)実際に行うシミュレーション問題も出題されます。
CCNA試験のシミュレーション問題では、Ciscoのコマンドラインインターフェース(CLI)を使用して、ルータやスイッチといった、ネットワーク機器の設定や確認などを行う問題です。
具体的には、ルータの設定(IPアドレスの設定など)、スイッチの設定(VLANの設定など)や、ACL(アクセスコントロールリスト)の設定など、実際にコマンドを入力し、NVRAMに保存するなどの操作が必要とされます。
このシミュレーション問題の対策は、参考書を読むだけでは対処が難しく、手を動かして学習することが必須です。設定を読むことができても、設定を自分で入力することは難しいと感じるタイミングでしょう。
シミュレーション対策は、Ciscoのルータとスイッチを2台ずつ購入して、実際に設定を練習することが理想ですが、中古の機器でもお金がかかるため、ここでは無料のシミュレータを紹介します。
Cisco Packet Tracer(無料)
Cisco Packet Tracer(パケットトレーサ)は、Ciscoが提供する公式のネットワークシミュレーターで、実際のCisco機器のように、コマンドを入力しながらネットワークの設定ができます。
以下の画面が、パケットトレーサの使用画面です。以下の図のように、自分でルータやスイッチを設定し、IPアドレスやVLAN、ルーティングなどを行い、pingを使って疎通確認を行うことができます。



特に、CLI(コマンドラインインターフェース)を使用した、ネットワーク構築の練習が可能であり、CCNA試験のシミュレーション試験に非常に近い、実践的な練習ができます。
また、Cisco Networking Academyのサイトから、無料でダウンロードができるため、シミュレーション対策をしっかり行いたい人は、是非とも利用すべき学習方法です。
Ping-tの補助教材(コマ門、簡易シミュレータ)
CCNAのシミュレーション対策においては、上述のパケットトレーサがもっともおすすめと言えますが、パケットトレーサをダウンロードしても、何をすればよいのか?がわからない人もいると思います。
ここでは、パケットトレーサの代わりになる、Ping-tの補助教材(コマ門、簡易シミュレータ)を説明します。Ping-tのコマ門、簡易シミュレータを利用すると、実質的なシミュレーション対策ともなります。
Ping-tのコマ門、簡易シミュレータを使ってしっかり学習するだけでも、シミュレーション問題において、完全回答はできなくても、いくつかのタスクを遂行でき、部分点は狙えると思います。



簡易シミュレータはそれ程量がないので、比較的スムーズに学習が進みやすいと思いますが、コマ門は100問と、かなり量が多いです。
本当は全部やった方がよいと思いますが、「試験まで時間がない」、「シミュレーション問題は、部分点狙いと割り切っている」という場合は、重要な所を絞り込めば、大きく時短が狙えると思います。
個人的におすすめなコマ門の絞り方は、以下です。



基本コマンドは全部、スイッチングはVLAN(余裕があればEtherChannelも)、ルーティングはスタティック(余裕があればOSPFも)に絞り込んで、そこだけ点数を落とさないようにするのも、一つの戦略だと思います。
上述のように、「本(参考書・問題集)」、「勉強サイト」、「手を動かして学習」の3つを取り入れれば、(心が折れなければ)未経験独学でもCCNAは合格できると思います。
シミュレーション問題は、捨ててもいいのか?
CCNA学習中の人には「シミュレーション問題は苦手だから、捨てても合格できるのか?」と考える人もいるでしょう。
実際シミュレーション問題は、普通の「多肢選択式の問題」や「ドラッグアンドドロップ問題」と比較すると難易度が高く、コマンド入力や設定作業に慣れていないと、試験本番でかなり時間を取られてしまいます。
また、CCNAの合格体験記を見ると、シミュレーション問題を捨てて合格している人もいますので、他の問題で正答率を高めれば、シミュレーション問題を完全に捨てても合格できる可能性はあります。
一方で、シミュレーション問題は、2025年のCCNA試験では、「ほぼ確実に出る」かつ「全て正しく設定できなくても、部分点がもらえる可能性がある」ため、個人的には、重要箇所だけしっかり学習し、「部分点狙い」を行う方がよいと思います。
私のCCNA受験時のシミュレーション問題は3問であり、各問題のタスク完了率(自己評価)は以下で、CCNA合格でした(シミュレーション問題はかなり悲惨で、試験終了時には落ちたと思っていました)。
・1問目:タスク完了率 約60%(最後にPingが通らなかった)
・2問目:タスク完了率 0%(時間の都合上、何も設定しなかった)
・3問目:タスク完了率 約30%(わかる所だけ設定した)
※タスクの完了率は、あくまで自己評価です。
恐らく、Ping-tのコマ門、簡易シミュレータをやるだけでも、多少の部分点は狙えると思いますので、シミュレーション問題を完全に捨てるのではなく、5割程度を目指すのでもよいかも知れません。
シミュレーション問題は、どのタイミングで出題されるかがわからない
私のCCNA試験時には、試験問題84問の中で、シミュレーション問題は、「5問目くらい」、「15問目くらい」、「70問目くらい」に3問出ました。
2つ目のシミュレーション問題(15問目くらい)を解くタイミングで、既に試験時間を30分以上使っていたので、残り時間を考え、2問目のシミュレーション問題は、泣く泣く何もせずに、捨てました。
シミュレーション問題は、どのタイミングで出題されるかがわからず、延々と時間を使ってしまう可能性もあるため、タイムマネジメントを行わないと、他の問題に大きく影響がでます。
CCNA試験は時間に余裕がないため、シミュレーション問題は、1問10分まで、と決めた方が個人的は良いかと思います。
CCNA試験は、問題の解答順が決まっている、次の問題に進むと戻れない
CCNAの試験は、「問題の解答順」が決まっている(回答する問題の、順番を選ぶことができない)という特徴があります。
ゆえに、提示される問題を、そのまま順通りに解く必要があります。ゆえに、自分で解きたい問題の順番を選ぶことができません。
そのため、前半部分で時間をかけすぎてしまうと、後半の問題を解く時間が足りない(時間切れ)ということも起きてしまいます。解けそうにない問題は、無理に悩み過ぎず、とりあえず解答して次に進むことも大事です。
また、CCNAの試験は、「一度先に進むと、前の問題に戻れない」という特徴もあります。そのため見直しができません。
このような「問題の解答順が決まっている」、「次の問題に進むと戻れない」という特徴があるため、常に時間配分を気にしながら、問題を解いていく必要があります。
試験画面の右上に、残り時間や残りの問題数が出ていると思いますので、「残り時間と、残り問題数を常に確認」しながら、試験時間までに全ての問題を解き終えるよう、注意を払うことが非常に大事です。
CCNAの日本語はおかしい?Cisco語の対策は必要か?
CCNAの試験では、英語を直訳したような、Cisco特有の表現(いわゆる、Cisco語)があるとも言います。
有名どころで言うと、無線の「Lightweight AP」を、「軽量AP」という表記があるなど、一般的な用語とは異なる言い回しであったり、日本語では難解な表現がある場合もあります。
ただし、個人的な見解では、Cisco語の対策は不要だと思います。私の試験時には、Lightweight APはLightweight APと記載がありましたので、少しずつ修正されているのかも知れません。
一方で、CCNA試験は、きれいな日本語とは言いにくく、難解な表現(特に、ドラッグアンドドロップ問題で顕著)は感じましたので、問題の意図や、解答の意味を正しく理解することが重要だと思われます。
CCNA取得に必要な勉強時間
CCNAの取得に必要な勉強時間は、未経験者と経験者とで大きく異なります。さらに、未経験者であっても、効率的に学習できるかなどによって、必要勉強時間は大きく変動します。
実際、知識ゼロの状態からでも、1か月で合格する人がいる一方で、半年以上かかっても取得できないケースもあります。
一般的に、未経験者がCCNAを取得するには、200時間の学習が必要です。学習の効率が悪いと300時間を超えることもあり、計画なしに勉強を続けると、400〜500時間以上かかる可能性もあります。
また、資格試験の学習では、長期間で資格取得を見込むと、覚えたことを忘れてしまい、知識を維持すること自体が大変です。取得までの期間が長くなるほど、必要な勉強時間も増える傾向にあります。
ゆえに、短期間での合格を目指すには、どれだけ学習時間を確保できるか、どれだけ計画的に進められるか が重要なポイントです。特に、仕事と並行して学習する場合は、スケジュールをしっかり立てることで、より効率的に進めることができます。
未経験者・初心者向け、効率的な勉強計画
未経験者や初心者が、200時間でCCNAを取得すると考えた場合、学習計画としては、以下が適切でないかと考えます。
■200時間でCCNA合格を目指す勉強計画:
・序盤:基礎知識の習得(約20~40時間)
・中盤:問題演習(約130~160時間)
・終盤:弱点克服とシミュレーション問題対策(約30~40時間)
序盤:基礎知識の習得(約20~40時間)
CCNAの基礎を頭に入れるために、まずはCCNA全範囲の内容を、なんとなくで良いので、頭に入れていきます。本の参考書(白本)やCCNAイージス、Udemyでも何でもよいので、とにかく1つの教材で、全範囲を1周します。
この序盤では、しっかり覚えていなくても、わからない内容があっても、どんどん次に進んでよいです。
とにかく1周(もしくはダッシュで2周)することを目標にして、大事なポイントだけ、なんとなくわかる状態を目指すとよいでしょう。
参考書を使って基礎知識を習得することは大事ですが、結局は問題を解けないと意味がありません。
参考書で学習して、すぐ問題が解ける人は、頭がとても良い人です。私を含め、ほとんどの人は問題集を何度も解かないと、問題は解けないと考えています。
また、「参考書の内容を理解しないと、次に進めない」という人は、時間がかかりすぎる傾向があります。
むしろ、問題集を解く、解説を読む方が、記憶の定着は進みやすいと思われるため、基礎知識の習得は必要最小限にとどめて、問題集を解く方に早く進む方が好ましいでしょう。
中盤:問題演習(約130~160時間)
一番時間をかけることをおすすめするのが、問題演習(問題集を解く、解説を見る)ことです。最初は問題が全く解けなくても構いません。とにかく正答率よりも、周回することを優先しましょう。
1周目はまったく意味が分からなくとも、2周目は解ける問題が出てきます。3周目だと、解ける問題がかなり増えるでしょう。
3周目でもよくわからない問題は、参考書で調べたり、ネットで検索したり、後々復習がしやすいように、暗記事項をノートなどにまとめたりしておくと、自分の苦手項目が明確にわかり、対処がやりやすくなります。
この中盤における問題演習を行う時期は、「Ping-tのピックアップ問題」+「もう1つの問題集(黒本など)」に絞って、正答率が85%程度になるのを目指していくとよいでしょう。



Ping-tのCCNA問題集には、ピックアップ問題があります。ピックアップ問題に絞ると、1,600問程の問題を、優先度が高い900問程度に絞ることができ、重要な問題を重点的に学習することができます。
2つの問題集を使って、正答率が85%ほどあれば、CCNA試験は十分に太刀打ちできるレベルであると思います。
終盤:弱点克服と、シミュレーション問題対策(約30~40時間)
終盤に来ると、自分の苦手な項目(弱点)が明らかになっているはずです。私だったら、ケーブルの規格(10BASE-Tなど)といった苦手項目をノートにまとめたものを読み直し、頭に叩き込みました。
また、終盤ではシミュレーション問題対策にも時間を使うべきでしょう。シミュレーション問題は、どこまでやるかは悩みどころではありますが、少なくともPing-tのコマ門と簡易シミュレータはやるべきだと思います。
少なくとも、コマ門の以下のおすすめ部分は、スムーズに完答できる状況が望ましいと思います。それだけでも、一定の部分点はもらえる状況になると考えます。



CCNAは難しすぎる?勉強の伸び方のイメージ
CCNAの勉強をはじめると、「内容が難しくて、全然理解できない」、「どれだけ勉強しても、前に進んでいる実感がない」と感じることがあるかも知れません。
しかし、資格学習は大なり小なり、伸び方のパターンがあります。伸び方のパターンを理解しておくと、モチベーションが保ちやすくなるでしょう。
CCNAの勉強は、一番最初がきつい
未経験からCCNAを学習する場合、最初が一番難しく、きついと言えます。
特に、OSI参照モデルやTCP/IPがわかりにくい、IPアドレス計算がよくわからない、ルーティングやVLANなどがイメージしにくいこともあれば、専門用語が多すぎて、暗記や理解が追い付かないということが起こりやすいです。
しかし、最初の段階で大事なことは、「誰でも最初は理解できない」ということです。一部頭が良い人が、ハイスピードで学習していきますが、ほとんどの人は、最初に難しさを感じます。
CCNA試験の正答率、伸び方のパターン
資格を学習する場合は、「学習時間に比例して、正答率が上がる」ような印象を持つかも知れませんが、実際は少々異なります。勉強の仕方によって異なりますが、大なり小なり以下のような伸び方になる傾向があります。
CCNAを最初に学習する時期は、ほとんどの内容が理解できず、とにかく基礎知識を覚えていくだけになりがちです。正答率も上がりにくいため、モチベーションを保つのが非常に難しい、停滞期の状況です。
一方で、1周、2周と進めながら、問題を解いていくと、それまでバラバラに覚えていた知識が、少しずつ、つながってきます。VLANやOSPF、ACLなどといった、各技術の関係性が少しずつわかってきます。
すると、急に理解度が上がるタイミングが出てきます。問題を見たら、どのような事を問われているのががすぐわかるようになり、正答率が上がってくると思います。
もちろんCCNA試験は難しい試験ではありますが、「慣れ」でどうにかなる部分もあると思います。最初のつらいタイミングで挫折しなければ、少しずつ知識が積み上がり、合格につながっていくでしょう。
さいごに
CCNAの学習範囲は広く、またトピック別に深い理解を求められるため、難しく感じてしまうこともあるでしょう。
また、CCNA試験は受験料が高い(税込で46,860円)ため、簡単に何度も受験できる資格ではなく、独学で勉強する場合は、効率的な学習計画と、厳しい自己管理が重要と言えます。
ただし、本記事に記載している内容を実施できれば、CCNA合格は大きく近づくと思います。
CCNAは、必要勉強時間は多く、また受験料は高いですが、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアにとっては、取得メリットが高く、コストパフォーマンスに優れる資格でもあるため、ぜひ本記事を参考にして、CCNA合格につなげてください。
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