こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
クラウドエンジニアになるには、プログラミング言語は必須なのでしょうか?
結論から言えば、未経験の段階では必須ではありません。ただし「学ぶ順番」を間違えると遠回りになります。
本記事では、クラウドエンジニアに言語が必要な理由と、未経験からの正しい学習順をわかりやすく解説します。
【結論】未経験でも大丈夫。ただし「順番」を間違えないこと
結論から言うと、未経験からクラウドエンジニアを目指すことは十分に可能です。ただし、「プログラミング言語の学習から始める」のは遠回りになりやすいです。
「プログラミングができる=クラウドエンジニアになれる」と思われがちですが、クラウドエンジニアにとってのコードは、Web開発とは目的が大きく異なります。
・Web開発の目的:ユーザーが見る「画面や機能」を作ること
・クラウドの目的:大変な業務(サーバー構築・設定・監視)を、人がやらなくて済むようにすること
つまり、クラウドにおけるプログラミングは「インフラを自動で操作するための道具」です。
クラウド=必ずしもプログラミング必須ではない
AWSなどのクラウド操作は、最初からコードを書かなくても、管理画面(コンソール)でのGUI操作から十分に学べます。
まずはAWS認定資格などの学習を通じ、「クラウド環境がどう動くか」という全体像をつかむのが最優先です。
ただし設計・自動化のフェーズで「武器」になる
もちろん、設計やIaC(Infrastructure as Code)へとステップアップすれば、言語はあなたの市場価値を大きく高める強力な武器になります。
「手作業でポチポチ設定する人」から「コードでインフラを自由に構築できる人」へ。これが「操作する人」から「仕組みを作る人」へ進むことにつながります。
しかし「いきなり言語」は遠回りコース
つまずく原因は「言語が難しいこと」ではなく、「順番を間違えること」です。
インフラの仕組み(OSやネットワーク)を理解しないままコードだけを学習しても、「何が起きているのか」を理解できず、実務にも活かしにくく、結果挫折率を高めます。
焦らず、土台から積み上げることが最短ルートです。
なぜクラウドでプログラミング言語が使われるのか?
クラウドエンジニアの仕事において「コード」が重視されるのは、クラウドの仕組みが「API」であり、管理方法が「コード」を前提に設計されているからです。
クラウドは「API」で動く世界
クラウドは裏側で、APIを通じて動いています。「ボタンを押す」という操作も、実際は「APIを呼び出している」という仕組みです。
つまりコードを書けば、APIを通じて「サーバーを作る」、「ネットワークを変更する」といった操作を直接実行できます。
自動化(IaC)がクラウドの標準
インフラ構成をコードで定義する「Infrastructure as Code (IaC)」は、現代のクラウド運用の基本です。
TerraformやCDKなどを使えば、構成をコードとして保存・共有でき、同じ環境を何度でも再現できます。
「人手作業」より「コード管理」が主流
手作業だと属人化しやすく、再現性も低くなります。一方でコードで管理すれば、履歴管理・レビュー・再利用が効率的になり、品質を維持しやすくなります。
ゆえにクラウドでは、「操作」よりも「コードで管理する」が重視されています。
そのため、クラウドエンジニアには「コードに触れる機会」が自然と増えていきます。
クラウドエンジニアが使う主な言語【役割別】
クラウドエンジニアは、目的やツールに応じて言語を使い分けます。すべてを完璧にする必要はありませんが「どのフェーズで使われるか」を理解することが大事です。
① Bash(基礎運用)
Linux環境での作業ではほぼ必須であり、インフラの土台となるスキルです。
② Python(自動化の主力)
クラウドエンジニアとして「一つだけ言語を選ぶなら」、間違いなくPythonです。
AWS Lambdaでの処理自動化やスクリプト作成など用途が広く、学習コストも低めであることから、初学者に最適かつ、最も人気な言語です。
③ HCL(Terraform)
クラウドでの「手動設定」を卒業するための「武器」の位置づけです。
インフラ構成をコードで管理できるため、多くのクラウド構築や管理の自動化に利用されています。クラウドに依存せず、市場価値を大きく高める言語です。
④ TypeScript(AWS CDK)
Terraformと同様のIaCツールである「AWS CDK」でよく利用される言語です。
アプリ開発の感覚でインフラを管理でき、現在需要が増加中。
⑤ Go(クラウドネイティブ)
Kubernetesやコンテナ周辺でよく利用される、クラウドの深い部分を扱う上級者向けの言語です。
未経験者が最初に選ぶには難易度が高いため、まずはPythonで自動化を学習した後、将来のステップとして検討しましょう。
未経験は何から学ぶべき?【順番が重要】
クラウドエンジニアへの最短ルートは、「インフラの基礎」から積み上げることです。言語は、その上に積み上がる「中級者以上の武器」です(Bashは除く)。
ステップ 1:Linux・ネットワーク基礎(インフラの土台)
クラウドの中身はサーバーとネットワークです。
OSの操作や通信の仕組みを理解していなければ、クラウドの設定画面でエラーが出ても、何が起きているか分かりません。まずは基礎理解が出発点です。
ステップ 2:クラウド基礎(AWSなどの操作)
次に、クラウドサービスの全体像をつかみます。この段階でも「コードを書くこと」は不要です。
AWSの管理画面を触りながら、サーバーやデータベースなどがどうやって動いているかを体験しましょう。
ステップ 3:自動化の概念(IaC・CI/CDへの理解)
操作に慣れてくると、同じ作業を「何度も繰り返す不便さ」に気づきます。
手動での設定に限界を感じる体験が、次の「言語学習」へのモチベーションにつながります。
ステップ 4:プログラミング言語(武器の獲得)
最後に、Pythonなどを使って自動化を実践します。
この順番で進めることで、「何のためにこのコードを書くのか」を理解した状態で学べるため、挫折しにくくなります。
また実務レベルの「未経験からクラウドエンジニアになるための学習法」については、以下の記事で解説しています。
→関連記事:クラウドエンジニアの勉強法|未経験から実務へつなげる順番と学習ステップ
インフラ基礎がないと伸びにくい理由
クラウドは非常に便利です。クリックでサーバーが立ち上がり、画面上でネットワークも構築できます。
しかし、「クラウドの裏側」で動いているのは、サーバーとネットワークの技術です。ここを理解していないと、どこかで成長が止まります。
抽象度が高すぎて、理解が浅くなる
クラウドは物理を意識させないほど「抽象化」されています。
ゆえに便利なサービス名だけを覚えても、その中身である「OS・TCP/IP・ルーティング・ポート」などの知識がなければ、本質的な運用ができません。
基礎がないと、「操作はできるが理解は浅い」状態につながります。
トラブル時に原因が分からず、対応できない
現場のトラブルの多くは、ユーザー側で管理するネットワークやOSの知識で解決できるものです。
DNSの設定ミス、不要なポートの解放などといった「インフラの基礎問題」に対し、プログラミング言語で解決することはできません。
ネットワークとOSの理解・基礎が弱いと、エラーから原因を読み解くことができず、手詰まりになります。
「サービスを触れる人」で止まらないために
基礎がないままツールや言語だけ覚えると、AWSを触れる人やTerraformを使える人になれても、設計できる人にはなりにくいのが実状です。これは基礎知識の深さが大きく影響します。
市場価値が伸びるのは、「仕組みを理解している人」です。
言語やIaCはあくまで「操作を楽にする手段」であり、インフラの本質はネットワーク通信とサーバーにあります。
→関連記事:未経験からクラウドエンジニアになるには?学習ロードマップと転職手順
また、インフラ基礎から体系的に学びたい方は、以下記事が参考になります。
→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?ロードマップと企業選び
まとめ|言語よりも「土台と順番」がすべて
クラウドエンジニアにプログラミング言語は必要か?
結論は、「未経験の段階では必須ではない。ただし、正しい順番で学べば強力な武器になる」です。
未経験の段階で焦って言語から始める必要はありません。大切なのは、以下の順番です。
■クラウドエンジニアが言語を学ぶ順番:
・ステップ1:Linux・ネットワークの基礎(全てのトラブル対応の根拠)
・ステップ2:クラウドの全体像理解(AWSなどのコンソール操作体験)
・ステップ3:自動化の理解(なぜ手作業がダメなのかの理解)
・ステップ4:プログラミング言語(インフラを効率化するための武器)
この流れで積み上げれば、「何のためにコードを書くのか」を理解した状態で成長できます。クラウドは便利ですが、その本質はインフラ技術です。
言語に振り回されるのではなく、土台の上に「武器として」使いこなせるエンジニアを目指しましょう。それを意識するだけで、市場価値は未経験のライバルたちと差をつけることができます。
未経験から「現場で必要とされるクラウドエンジニア」を目指すための、具体的な学習の手順・資格・キャリアのロードマップは、以下の記事で解説しています。






