こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
インフラエンジニアを目指す人、あるいはキャリアアップを目指す人にとって、本は非常に有効な学習ツールです。
しかし、インフラ書籍は数が多く、「結局どれを選べばいいのか分からない」と迷ってしまう方も少なくありません。
また、難しすぎる専門書に手を出して挫折したり、入門書を何冊も買って遠回りしてしまうケースもよくあります。
重要なのは「量」ではなく、「順番」です。
この記事では、未経験から実務レベルまでのフェーズ別に、今読むべき「主役の1冊」を整理しました。自分の現状に合った本を選んで、最短ルートでスキルを積み上げていきましょう。
【迷ったらこれ】レベル別おすすめ必読書一覧
「本が多すぎて選べない」という方は、まず今の自分に当てはまる「1冊」を確認してみましょう。迷ったら、最初に「自分の状態」を正しく認識することが最短ルートです。
まずは今の自分の状態から判断
| 今の状態 | まず読むべき1冊 | 目的 | 次にやること |
| IT完全未経験 | 新人エンジニアのためのインフラ入門 | 全体像をつかむ | Linux基礎へ |
| Linux操作に不安 | 新しいLinuxの教科書 | 実務基礎固め | CCNAへ |
| ネットワークが苦手 | CCNA完全合格テキスト | 通信の仕組み理解 | AWSへ |
| クラウドに進みたい | AWS SAA教科書 | 現代のインフラ理解 | 実務本へ |
また、本選びで最も多い失敗は、「レベルに合っていない本を買うこと」です。だからこそ「順番」が重要になります。全体の学習順を確認したい方は、以下の学習ロードマップも参考にしてください。
→関連記事:インフラエンジニアの勉強方法と順番【未経験向けロードマップ】
結論|本は「今のフェーズ」に合う1冊を選ぶのが正解
インフラ学習の多い失敗として、「良さそうな本を、とりあえずまとめ買い」があります。 しかし、インフラの知識は「積み上げ型」です。
「難しすぎると理解できない」、「やさしすぎると停滞する」ため、学ぶ順番を間違えると、どれだけ良い本を読んでも効率性が落ちます。
まずは今の自分のレベルを正しく見極め、その自分フェーズに合った「1冊」をやりこむことが重要です。これが、未経験から最短で実務レベルへ到達するための正解ルートです。
【ステップ0】未経験・IT基礎|インフラの全体像をイメージする
IT未経験の方がいきなりLinuxやネットワークの専門書を開くと、聞き慣れない用語の連続で手が止まりがちです。
そのため、まずは「インフラエンジニアが何をしているのか」や「インターネットはどうやって動いているのか」といった全体像を理解できる本から始めましょう。
読むべき1冊:新人エンジニアのためのインフラ入門

学べること:
サーバー、ネットワーク、仮想化、セキュリティまで、インフラ実務の基礎を網羅。
おすすめ理由:
1冊でインフラ全体を体系的に理解できる入門書です。初めてインフラエンジニアで働く人にとって、インフラの全体像を学ぶことができます。
完全未経験者は、まずはこの1冊を読み切ることが、挫折しない第一歩です。
補助の1冊:図解まるわかり ネットワークのしくみ
学べること:
LAN・WAN、TCP/IPなどのネットワーク技術、ネットワーク機器などの基礎。
おすすめ理由:
多くが図解で構成されており、「文章だけだと理解しづらい」という方に最適です。ネットワークの概要をつかみたい時に使う1冊として活用しましょう。
※最初から複数冊を並行して読む必要はありません。主役の「読むべき1冊」を読み切り、理解が曖昧な部分を「補助の1冊」で補う、という使い方が効率的です。
【ステップ1】Linux・サーバー基礎|実務で必須の「黒い画面」に慣れる
全体像をつかんだら、次はインフラエンジニアが最も触れる機会が多い「Linux」です。
インフラの現場では、マウスを使わず文字だけで操作する「コマンド(CLI)」が基本となります。ここで「黒い画面が苦手」、「英語だらけで意味が分からない」と感じて挫折する人も少なくありません。
だからこそ、最初の1冊選びは重要です。
読むべき1冊:新しいLinuxの教科書 第2版



学べること:
基本的なコマンド操作、ディレクトリ構造、標準入出力、パーミッション管理、シェルスクリプトの基礎まで網羅。
おすすめ理由:
Linuxを「コマンド暗記」ではなく、「仕組み理解」から丁寧に学べる構成になっています。未経験から現場に入った人が「まずこれを読んで」と会社・先輩から渡されることも多い、信頼の1冊です。
補助の1冊:1週間でLPICの基礎が学べる本
学べること:
Linuxの主要コマンド、ファイル操作、ユーザー管理など、入門資格試験(LPIC/LinuC-1)の前段レベル。
おすすめ理由:
「新しいLinuxの教科書」が難しく感じる人や、まずは手を動かして達成感を得たい方に最適です。環境構築(VirtualBoxなど)も解説されており、実機学習の入り口として使いやすい1冊です。
Linuxを体系的に証明したい方は、以下も参考にしてください。
→関連記事:サーバーエンジニア資格のおすすめ順番|未経験から構築・クラウド
Linux・サーバー学習のアドバイス:
Linuxスキルは「本を読む」だけでは身につきません。自分のPCに環境を作り、実際にコマンドを叩いてみることが重要です。具体的な環境構築の手順は、以下の記事で図解しています。
→関連記事:Linux実機環境の作り方|未経験向けUbuntu×VirtualBox入門
またLinux学習全体の流れや、サーバー分野の勉強ステップを体系的に知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→関連記事:サーバーエンジニア勉強ロードマップ|未経験から構築に近づくステップ
【ステップ2】ネットワーク理解|通信の「ルール」を体系的に学ぶ
Linuxに慣れたら、次はサーバー同士をつなぐ「ネットワーク」の理解です。
ネットワークは目に見えないため、「パケットの流れがイメージできない」と感じやすく、また「IPアドレス計算でつまずく」など挫折しやすい分野でもあります。
そこでおすすめなのが、資格対策本を軸に「体系的に学ぶ方法」です。
読むべき1冊:シスコ技術者認定教科書 CCNA(通称:白本)
![シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 第2版の図](https://infla-lab.com/wp-content/uploads/2024/10/image-8.png)
![シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 第2版の図](https://infla-lab.com/wp-content/uploads/2024/10/image-8.png)
![シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 第2版の図](https://infla-lab.com/wp-content/uploads/2024/10/image-8.png)
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 第2版
学べること:
TCP/IP、ルーター・スイッチの設定、IPアドレスの計算、最新のネットワーク技術など。
おすすめ理由:
業界で最も有名な資格「CCNA」の定番教科書です。資格を取得を目的にしなくても、現場で必要なネットワーク知識を体系的に学べます。また図解が豊富で、読了後は「現場の会話」が深く理解できるようになります。
また、ネットワーク資格の難易度や学習順を詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
→関連記事:ネットワークエンジニア資格のおすすめ順番|未経験からのロードマップ
補助の1冊:マスタリングTCP/IP 入門編
学べること:
TCP/IPの仕組みや通信プロトコルの理論的背景、ネットワーク通信全体を学べる。
おすすめ理由:
「なぜそうなるのか?」を深く理解したいときに開く「専門」的な1冊です。最初から通読する必要はなく、白本で疑問が出たときに該当箇所を読む、という使い方がおすすめのバイブル本です。
ネットワーク学習のアドバイス:
ネットワーク学習は「図を描きながら学ぶ」と理解が進みます。IPアドレスや通信経路など、学んだことを紙に書いて整理していくのがおすすめです。
また、ネットワーク分野の勉強ステップを体系的に知りたい方は、以下の記事が参考になります。
→関連記事:ネットワークエンジニアの勉強方法とロードマップ
【ステップ3】クラウド(AWS)|現代インフラの標準スキルを学ぶ
Linuxとネットワークの基礎を理解したら、次はそれらの知識を「クラウド上で再現する」段階です。
物理機器を直接触らないクラウド環境は、今のインフラエンジニアにとって避けて通れない必須スキルであり、今のインフラ求人の多くは「クラウド・AWS経験歓迎」と記載されています。
ここではシェア最大のAWSを軸に、全体像と構築実践を学んでいきましょう。
読むべき1冊:徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書



徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書 第3版[SAA-C03]対応
学べること:
EC2、VPC、RDS、S3など主要サービスの設計思想とベストプラクティス。
おすすめ理由:
「資格対策本として」だけでなく、AWSを「設計者視点」で理解できる体系書です。クラウド上でのインフラ構築の考え方を網羅的に学べます。
AWSクラウド資格を含めた順番や難易度は、以下の記事で整理しています。
→関連記事:インフラエンジニアのおすすめ資格一覧|取得順番・難易度
補助の1冊:AWSの知識地図〜現場必修の基礎から構築・セキュリティまで
AWSの知識地図 〜現場必修の基礎から構築・セキュリティまで
学べること:
膨大なAWSサービスの中から、エンジニアとして「まず何を学ぶべきか」の優先順位。
おすすめ理由:
AWSはサービス数が非常に多く、初心者が特に迷いやすい分野です。この本は、現場で使われる主要サービス(EC2・VPC・RDSなど)を中心に、それぞれがどう連携しているのかを俯瞰して解説しています。
クラウド学習のアドバイス:
クラウドは「触ってみる」ことで理解が進みます。無料利用枠を活用して、自分の手でEC2やVPCを構築してみましょう。
クラウド分野の学習順やキャリア設計を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→関連記事:クラウドエンジニアの勉強方法とロードマップ
【ステップ4】実務で一段伸びる|「なぜ?」を深く理解する
ここまでの学習を終えた方は、すでに基礎は十分です。 次は、単なる操作の暗記を卒業し、「インフラが動く裏側の仕組み」を深く理解する段階に進みましょう。
ここでは、自分の進みたい方向性に合わせて1冊選べば十分です(3冊すべて読む必要はありません)。
サーバーを深く理解する|Linuxのしくみ
[試して理解]Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識
学べること:
プロセス、メモリ管理、カーネルなど、OS内部の挙動。
おすすめ理由:
「なんとなく動いている」を「仕組み通りに動かす」に変える名著です。OSの裏側を知ることで、実務のトラブル対応力が向上します。構造理解・調査能力を高めたい人向け。
ネットワークを論理で理解する|ネットワークはなぜつながるのか
学べること:
ブラウザにURLを入力してからページが表示されるまでの「全プロセス」。
おすすめ理由:
暗記ではなく「仕組み理解」に進める1冊です。OSI参照モデルなどの抽象的な概念が、腹落ちする本です。ネットワークを本質から理解したい人向け。
セキュリティ視点を持つ|図解まるわかり セキュリティのしくみ
学べること:
サイバー攻撃の手法、認証、暗号化、セキュアな設計の基本。
おすすめ理由:
インフラとセキュリティは表裏一体です。設計段階から「守る視点」を持つことで、ワンランク上のエンジニアになれます。市場価値を一段引き上げたい人向けの1冊です。
インフラエンジニアの勉強は、勉強サイトでもできる
インフラエンジニアの勉強は、本だけではありません。近年では無料でインフラエンジニアの学習に役立つサイトも多数あり、コストを抑えて学習も可能です。詳しくは、以下を参考にしてください。
→関連記事:インフラエンジニアのおすすめ無料勉強サイト|学習目的別に解説
また、勉強がつらい・独学が続かないと感じている方は、以下の記事も参考にしてください。
→関連記事:インフラエンジニアの勉強が嫌い・しんどい|挫折しない進め方と考え方
まとめ|まずは「今の自分に合う1冊」をやり切ろう
インフラエンジニアの勉強効率は「順番」で決まります。
難しい本を何冊も買う必要はありません。今のフェーズに合った、読むべき「主役の1冊」を選び、それをやり切ることが最短です。
「全体像が曖昧なら、入門書」から、「Linuxに不安があるなら、基礎」から、「ネットワークで止まっているなら、体系的に学ぶこと」から、そして本を読むだけで終わらせず、手を動かすことが大事です。
インフラは「理解 × 実践」でしか身につきません。迷っている時間がいちばんもったいないので、今日、まず1冊を選び、10ページを読み始めましょう。その一歩が、実務レベルへの最短距離になります。
また、学習の全体像を整理したい方は、以下記事もあわせて確認してみてください。
→関連記事:インフラエンジニアの勉強方法と順番【ロードマップ】
また、「そもそもインフラエンジニアを目指すべきか」、「未経験からどう進むのか」を知りたい方は、以下も参考になります。







