こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
ITエンジニアの仕事は、未経験から挑戦できるものが多くありますが、サーバーエンジニアもその一つであり、サーバーエンジニアの仕事をきついと感じる人は、少なくありません。
また、長く勤めるには、きつい時や大変な時の乗り越え方や、解決方法を知っておくべきでしょう。
本内容は、サーバーエンジニアが、「仕事をきついと感じるポイント」や「大変な場面での乗り越え方」を解説します。
サーバーエンジニアがきついと感じるポイントは、仕事内容(上流か?下流か?)で、大きく異なる
サーバーエンジニアの仕事には、多くの人が「きつい」と感じるポイントがあります。
ただし、「きつい」と感じるポイントは、サーバーエンジニアの仕事内容によって大きく変わります。具体的に言うと、「構築以上」なのか、「運用以下」なのか、によって、大きく異なります。
まず簡単に、サーバーエンジニアがきついと言われる理由を、構築以上を「上流工程」として、運用以下を「下流工程」として、分けて説明します(実際の現場では、設計以上を上流工程としていることもありますが、簡単に説明するためにご容赦ください)。
上流工程のサーバーエンジニアが、きついと感じる理由
まず上流工程のサーバーエンジニアがきつい、感じる理由についての説明ですが、大きく下記3点がきついと言われます。
■上流工程のサーバーエンジニアが、きついと感じる理由
・納期前など、残業がきつい
・技術が複雑、コミュニケーション負荷、責任がきつい
・(上流初心者は)求められる難易度が上がり、きつい
上記について、詳細の説明していきます。
納期前など、残業がきつい
サーバーエンジニアの仕事は、「いつまでに対応しなければいけない」という納期があり、特に構築の仕事は、納期に間に合わせるために、残業が多く発生することがあります。納期前の残業は大変ともいえるでしょう。
ただ、2024年の現時点では、IT業界自体の長時間労働対策として36協定(原則、残業は月45時間、年間360時間まで)が取り組まれているため、昔ほどの超過残業は発生しづらい状況でもあり、またクラウドサービスの普及や作業の自動化、リモードワークの普及などの影響も含めて改善されているといえます。
ただ、構築業務については、やはり残業は相応あると考えた方がよいでしょう。
技術が複雑、コミュニケーション負荷、責任がきつい
インフラの設計構築では、お客さまや利害関係者からの要件を理解しながら、技術的に解決可能になるよう、仕様に落とし込む必要がありますが、曖昧な要件を具体化する必要があり、コミュニケーションスキルが求められます。
またサーバー、OS、ネットワーク、ストレージなどといった多数の技術要素を統合する必要があり、技術も複雑である中で、予期せぬトラブルにも向き合いながら、プロジェクトを遂行する必要があります。
ITインフラは小さなミスでも障害につながることがあり、システム障害が発生すると、会社の業務が停止することや、顧客やビジネスパートナーにも大きな影響を与えることもあります。責任の重さや、負荷を感じてきつい、と思う点もあるでしょう。
(上流初心者は)求められる難易度が上がり、きつい
上流工程初心者の場合は、初めて構築業務を担当することで、急に求められる難易度が上がり、きついと思うことも、インフラあるあるだと思います。
特に未経験から構築アシスタントの仕事や、監視オペレーターから構築業務に携わった際には、求められるレベルが高くてきつい、という方も多いです。
求められる難易度が急に上がるのは避けたい、と思う方は、オペレーターではなく、手を動かす運用業務を1-2年経験しておくと、キャッチアップが楽になりますので、よろしいかと思います。
上流、下流工程ともにきついこと
継続的な学習がきつい
上流工程、下流工程ともにきついこととして、継続的な学習も、きつさを感じる理由といえます。
サーバーエンジニアで働く場合は、サーバー、OS、ミドルウェアの知識やスキルが必要でありかつ、ネットワークやセキュリティ、クラウドといった分野についても知識が必要とされ、覚えないといけないことが多く、また幅広いです。
これらの知識などは、すぐに習得できるわけではないため、レベルが高いエンジニアになるには、継続的な学習が必要となります。継続的な学習をきついと感じることもあるでしょう。
下流工程のサーバーエンジニアが、きついと感じる理由
上流工程と比較し、下流工程のサーバーエンジニアがきつい、感じる理由についての説明ですが、大きく下記4点がきついと言われます。
■下流工程のサーバーエンジニアが、きついと感じる理由:
・(監視など、オペレーターの場合は)夜勤シフトがきつい
・単純作業やオペレーションが多く、きつい
・上流工程へのステップアップが難しいことがあり、きつい
・年収が上がらなくてきつい
上記について、詳細の説明していきます。
(監視など、オペレーターの場合は)夜勤シフトがきつい
サーバーエンジニアで下流工程の場合、きついと言われる代表例は「夜勤ありのシフト勤務」でしょう。
IT業界ではよく、24/365といわれますが、サーバーエンジニアのオペレーターと言われる仕事では24時間365日、常にシステムを監視して、いつ起こるかがわからないエラーを見守る必要があり、オペレーターの仕事では「夜勤を伴うシフト勤務」があります。
夜勤シフトは、人によってはなかなか体に馴染まないこともあり、よくきついと言われる代表格ともいえます。
単純作業やオペレーションが多く、きつい
単純作業がきつい、つらい、というのも、とてもよくある意見です。単純作業すぎて楽すぎる(暇すぎる)というのは、オペレーターの仕事をしている人に非常に多く、仕事をしてもスキルが身につかない、同じことの繰り返しに飽きた、つまらない、という声はよくあります。
手を動かす運用業務であればスキルは身に付きますが、オペレーターの場合はマニュアル通りの作業となってしまうため、「せっかくエンジニアになったのに、まったくスキルが身につかない」と考え、スキルアップができない不安から、仕事そのものにきつさを感じる人も多いです。
上流工程へのステップアップが難しいことがあり、きつい
「スキルアップのために構築業務をしたいけど、構築の案件に配属してもらえない」など、上流工程へのステップアップが難しいことも、きつさを感じる大きな理由といえます。
通常であれば、手を動かしての勉強をしながら、資格取得を行えば、構築業務に携われるものではあります。
ただ意外に未経験者に知られていないこととして「構築の仕事をほぼ請けていない、運用監視特化会社」は世の中にたくさんあります。構築の仕事をほとんどやっていない会社では、上流工程に進んでいくことは難しいです。また上流の仕事に進めないと、「何の仕事をやっているのか?がわからなくて、きつい」、という方もいます。
入社する会社によっては、上流工程に進み、キャリアアップすることが難しいという点も、きつさを感じる大きな理由といえます。
年収が上がらなくてきつい
下流工程の場合は専門性やスキルがそれほど求められないため、年収が上がらずにきついとも言えます。
エンジニアは、自分の専門性やスキルが商品のようなものでもあるため、専門性やスキルを高めていくことで、年収を高めていく所がありますが、下流工程の場合はスキルが身に付きにくく、結果年収アップにつながりません。
年収が上がらなくてきつい、という所も大きな理由といえるでしょう。
また、サーバーエンジニアの下流工程については、他記事で「運用監視オペレーターは、早めに辞めて転職すべき。将来性は低い」がありますので、興味がある方はあわせてお読みください。
サーバーエンジニアという仕事をきつい、と思う人の特徴
ここからは、サーバーエンジニアという仕事をきついと感じ、サーバーエンジニアに向かないと思うタイプを説明していきます。
最先端の技術に興味が持てない
ITエンジニアは、さまざまな新しい技術などが常に進化し、最先端の技術などを追い求めることを求められますが、サーバーエンジニアも新しい技術を求められます。
サーバーエンジニアが仕事をするITインフラの世界は、IT業界の中では比較的技術の進化は緩やかではありますが、それでもクラウド、自動化、コンテナなど、今後必要となる技術要素を追い求めないと、市場価値を高めることが難しいといえます。
最先端の技術に興味が持てない方は、サーバーエンジニアの仕事をきついと感じやすいでしょう。
チームプレーが嫌い
サーバーエンジニアは一人で完結する仕事ではなく、チームで連携を取りながら仕事を進める必要があります。
また、問題が発生した時には、すぐに情報を共有し、解決をチームで行うことも重要であり、他人と協業が苦手、チームプレーが嫌いというタイプの方も、サーバーエンジニアはきついと感じるでしょう。
細かい作業や、問題解決が嫌い
サーバーエンジニアは、小さなミスが大きな障害につながることもあり、細かな作業も求められますし、またトラブルが発生した際には原因究明から復旧までの問題解決を行う必要があります。
ただ、細かい作業ができるか、問題解決をしたいかについては、人によって好き嫌いが分かれる分野だと思いますし、細かい作業や問題解決が嫌いという方は、サーバーエンジニアはきつい仕事だと感じるでしょう。
サーバーエンジニアが、きつさを乗り越える対処法
こちらのトピックでは、サーバーエンジニアがきつさを乗り越える方法について、解説していきます。
仕事の目標を持つ
サーバーエンジニアという職種に限りませんが、仕事上での目標を持つことは、きつさを乗り越える方法として有効であり、きついと感じていても、目標の力によってモチベーションやパフォーマンスが上がることもあるでしょう。
目標は自分自身の本音の気持ちと照らし合わせて考えるとよいですが、「1年以内に監視から抜け出す」、「2年以内に構築に携わる」、「いつまでに年収を500万円にする」などでもよいので、具体的な目標を持つとよいでしょう。
知識やスキルを高める
サーバーエンジニアがきついと感じる点は、スキル不足から発生することも多いです。「求められるスキルに届いていない」、「ついていけない」というのも、きつさの原因でしょう。ただし知識不足・スキル不足のきつさは、知識を高め、スキルアップで解消されるきつさです
学習で、知識やスキルを高めることで、サーバーエンジニアとしてのきつさを解消できることは多いです。
また知識やスキルを高めることで、「年収が上がる」、「上流工程の経験を積める」、「行きたい会社に転職できる」など、自分の希望を実現できることが多いともいえます。
転職をする
サーバーエンジニアとして知識やスキルを高めても、「年収アップ」や「やりたい仕事に携わる」など、勤めている会社によっては実現が難しいこともあります。その時は転職をして叶えていく必要があります。
サーバーエンジニアは需要が高いため、今の会社で求めるものが実現できなくても、知識やスキルを高めていくことで、転職で実現することができることはよくある話です。
さいごに
今回は、「サーバーエンジニアのきつさ」を、主に未経験者向けとして説明をさせていただきましたが、本記事を読んで、「きつい」とは思わなかった場合は、サーバーエンジニアに向いているかも知れません。
また、サーバーエンジニアという仕事をしっかり理解して、勉強してから就職すれば、間違いなく「失敗しにくい就職」になると思いますし、実際サーバーエンジニアになった人で、「設計構築がとても面白い」「クラウドがとても面白い」「スキルがどんどん身についている感触が楽しい」などといった前向きな話をされる人も多いと感じています。
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