こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「夜勤がつらい」
「昼夜逆転で、生活リズムが崩れる」
「休日も疲労が取れない」
SNSや掲示板では、このような声が多く見られます。
夜勤のある監視オペレーターとして働くあなたも、こうした悩みに共感しているのではないでしょうか。
実際、システムの安定稼働を支える監視職は、その性質上、夜勤やシフト勤務の比率が高くなります。
その結果、体調面への負担だけでなく、「このまま夜勤を続けてキャリアは伸ばせるのか?」という不安を抱く方が多いのが現状です。
しかし、結論から言えば「夜勤を避けて働く」ことは十分に可能です。
実際に多くの方が、構築フェーズやクラウド運用職など「夜勤なし」のキャリアへステップアップしています。
この記事では、インフラ専門エージェントの視点から、以下をわかりやすく解説していきます。
■この記事でわかること:
・夜勤がきつい構造的な理由
・夜勤を続けることで起こる、3つのリスク
・夜勤から抜け出すための、3つのキャリア転向ルート
「このまま夜勤を続けていていいのか、、」
「日勤でスキルを伸ばせる働き方に、変えたい」
そう感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
行動を先延ばしにするほど、選べる環境は少なくなっていきます。今が、自分のキャリアを取り戻すチャンスです。
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なぜ監視オペレーターの仕事には夜勤が多いのか|構造的な仕組みを解説
監視オペレーターの仕事で「夜勤が多い」と言われるのは事実であり、そこには、システムの稼働構造そのものに根ざした理由があります。
ここでは、夜勤が発生する3つの背景を整理して解説していきます。
① 24時間365日稼働のシステムを支えるため
あなたが監視しているのは、企業の基幹システムやネットワーク、クラウドサービスなど、「止まってはいけない」システムです。
止まっていけないシステムは、ユーザーが夜間でも利用しているため、障害が発生すれば、すぐに対応が求められます。
そのため、システムが動いている限り、監視体制も止めることはできないことが、夜勤の発生する最も根本的な理由です。
24時間365日稼働を前提とする現代のインフラ構造では、「夜間対応=システム安定の要」と言えます。
② シフト制という運用構造そのものが夜勤を前提としている
多くの監視現場では、交代制(2交代・3交代制)によって勤務時間を分けています。
つまり日勤だけでは24時間をカバーできないため、夜勤担当を含めてチーム全体でシフトを回す仕組みになっています。
この構造により、監視業務は「夜勤担当がいないと現場が回らない」状態となります。そのため夜勤は、人員配置上「不可欠な役割」として組み込まれています。
一方で、こうした運用構造が結果的に、生活リズムの乱れや慢性的な疲労を引き起こす要因にもなっています。
③ 夜勤が多いのは「監視・運用フェーズ」に偏っているから
インフラエンジニア全体の中で、夜勤が多いのは「監視・運用フェーズ」に限られます。
構築や設計、クラウド運用などの上位フェーズでは、夜勤が発生するケースはごくわずかです。
監視オペレーターは、障害検知や一次対応を担うポジションのため、「24時間監視体制=夜勤必須」という構造に組み込まれています。
逆に言えば、工程を上げれば夜勤を減らすことができます。
このように、監視オペレーターに夜勤が多いのは、システム構造・運用体制・工程の役割といった「仕組み」によるものです。
しかし、この構造に長くとどまり続けると、体調・キャリアの両面で負担が大きくなります。
次からは、夜勤を続けることで起こりやすい、3つのリスクを見ていきます。
夜勤を続けることで起こる3つのリスク
夜勤の多い環境で働き続けることには、避けて通れないリスクがあります。
短期的には「慣れ」で乗り切れることもありますが、長期的に見ると、体調・学習・キャリアの3つの側面で確実に影響が出てきます。
① 睡眠不足・自律神経の乱れなど、体調面のリスク
夜勤勤務では、昼夜が逆転した生活が長期間続くため、自律神経が乱れやすく、慢性的な疲労や睡眠障害を引き起こしやすい傾向があります。
特に2交代制や3交代制などのシフト勤務では、一定のリズムで眠ることが難しく、「休日も体がだるい」、「夜勤明けは1日が潰れる」といった悩みも多く見られます。
体への負担が大きくなると、集中力や判断力が落ち、業務ミスのリスクも高まることもあります。
このように、夜勤は単なる「時間の問題」ではなく、身体的・精神的なパフォーマンス低下を招く構造的リスクとも言えます。
② 学習時間とモチベーションが確保しにくく、スキルアップが停滞する
夜勤のもう一つの大きな課題は、スキルアップの機会を取りづらいことです。
夜勤シフトでは生活サイクルが不規則になり、日中に行われる研修・勉強会・社内プロジェクトに参加しづらくなります。
また、夜勤明けはどうしても疲労が残り、勉強時間を取る気力が湧かないという声も少なくありません。
さらに、夜勤チーム全体が「現状維持」の空気になりやすく、周囲のモチベーションが低い場合は、自分も流されてしまうという環境要因もあります。
この結果、「現場経験はあるのに、構築スキルが身につかない」、「資格の勉強が続かない」といった状況に陥りやすくなります。
③ 年齢を重ねるほど転職・キャリアチェンジが難しくなる
夜勤を続けているうちは安定していても、年齢が上がるほど、次のキャリア選択肢が狭まるという現実もあります。
特に30代以降になると、採用側は「夜勤しか経験がない人」よりも「構築や設計経験を持つ人」を優先する傾向が強まります。
結果として、「体力的にきつくなっても抜け出せない」、「転職市場でアピールできる実績が少ない」という悪循環に陥りがちです。
ゆえに、長年夜勤を続けることは生活リズムの問題ではなく、将来的なキャリアの自由度を奪うリスクにもつながります。
しかし夜勤そのものを否定するわけではありません。システムの安定稼働のためには重要な仕事です。
また、監視オペレーターとして培った観察力や障害対応力は、構築・クラウド・SRE職へのステップアップに活かせる強みにも転換できます。
最も重要なのは、夜勤を「終点」にせず、次のキャリアフェーズに進むための通過点とすることです。
以下からは、夜勤を避ける3つのキャリア転向ルートを具体的に紹介していきます。
夜勤を避ける3つのキャリア転向ルート
「夜勤がつらい」、「日勤に変わりたい」と感じた時、重要なのは「次の行き先を知ること」です。
夜勤のない働き方は、経験やスキルに応じて段階的に実現できます。
ここでは、監視オペレーターから夜勤を避けてキャリアを伸ばすための、3つのルートを紹介していきます。
① 日勤固定の運用・構築フェーズに転職する
最も現実的な第一歩は、日勤固定の運用・構築フェーズへのステップアップです。
同じインフラ領域でも、システム常駐先によっては「日勤のみ・シフトなし」の環境が存在します。
日勤常駐の職場では、夜間対応は別チームが行い、あなたは日中に障害対応や設定変更、構築補助などを担当します。
つまり、これまでの監視経験を活かしつつ、構築スキルを身につけられる環境に移ることができる、と言えます。
実際、転職支援の現場でも「監視から日勤運用・構築補助への転向」は最も多い成功パターンです。
夜勤から抜け出したい方は、まずここを現実的な第一目標にしましょう。
② クラウド環境を扱う企業に転職する
次におすすめなのが、クラウド環境(AWS・Azure・GCPなど)を扱う企業への転向です。
クラウドインフラでは、監視や運用の多くが自動化されており、トラブル対応もツールやIaC(Infrastructure as Code)によって効率化されています。
そのため、夜勤対応が必要なケースはごく一部です。多くのクラウド運用・SREポジションは、日勤中心かつリモート勤務も可能という働き方が一般的です。
また、クラウド業界は慢性的な人材不足が続いており、監視経験+AWSやAzureの学習実績がある人材は高く評価されます。
ただし、クラウド分野は「監視からの即転向」は簡単ではありません。
「①の日勤構築フェーズ」よりも難易度が高く、一定の学習と実践スキルが求められます。
とはいえ、監視経験で得た障害対応力や基礎知識に加えて、AWSやAzureの学習実績があれば、クラウド職への「土台を築く」ことは十分可能です。
※近年ではSaaSサービス運用なども夜勤が少ない傾向にありますが、上級職(SRE・開発寄り)が中心です。まずはクラウド運用・構築スキルを磨くことが、現実的かつ確実な第一歩です。
③ スキルアップして設計・SRE職を目指す
最後は、夜勤のないキャリアの「終着点」ともいえるルートです。
インフラ設計職やSRE(Site Reliability Engineer)は、設計・自動化・改善業務が中心であり、
夜間の定常監視や障害対応を行うことはほとんどありません。
ここに到達するには、Linuxやネットワークに加えて、クラウドや自動化スクリプトなどの知識が必要ですが、監視で培ったトラブル対応力・障害切り分け力は役立ちます。
特にAWSの「Solutions Architect – Associate」や、インフラ設計構築系の「LPIC-2/LinuC-2」、「CCNP」などを取得しておくと、「夜勤ゼロ+年収アップ」のキャリアを実現できる可能性が高まります。
また夜勤脱出を実現するためには、資格・学習の具体的ステップを押さえることが重要です。以下の関連記事で、実践的な学習ロードマップを詳しく解説しています。
関連記事:学習ロードマップ
→関連記事:インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
→関連記事:クラウドエンジニア勉強法ロードマップ|未経験から最短で実務へ
→関連記事:AWSの勉強方法まとめ|未経験からエンジニアを目指すロードマップ
夜勤を避けたい人が今すぐやるべき3ステップ
「夜勤をやめたい」「日勤で働ける環境に変わりたい」と思っても、いきなり転職活動を始めるのはおすすめできません。
準備不足のまま転職を進めてしまうと、結果的に「転職先でも夜勤シフト」というケースが少なくないためです。
同じ監視フェーズでの転職では、環境が変わっても働き方が変わらないことが多く、しっかりとスキル・方向性を整理したうえで動くことが重要です。
ここでは、夜勤から抜け出すために今日から始められる3つのステップを紹介します。
① 自分のスキル・経験を棚卸しする
最初のステップは、現状のスキルを正確に把握することです。
どんな業務を担当してきたのか、どのツールやOSに触れてきたのか、「自分にできること」と「まだできないこと」を一度書き出してみましょう。
■スキルの棚卸し例:
・障害対応(アラート対応・一次切り分け)
・チケット処理や手順書運用
・システム監視ツール(Zabbix/Hinemosなど)の利用
正直、スキルの棚卸しはめんどくさい作業です。
ですが、この作業を避けてしまうと、「自分の経験・スキル・使用ツールを整理できていない」 という状態になり、面接で質問されたときにうまく答えられず、評価を下げてしまうことがあります。
結果として、「転職しても夜勤続き」というパターンに陥りやすくなります。
そのため、今の自分を一度整理して、「自分が何をできる人なのか」 を言語化することこそ、夜勤脱出の第一歩です。
② 夜勤の隙間時間を使って、毎日1時間の学習を習慣化する
夜勤を続けながら転職準備を進めるのは簡単ではありません。
しかし、夜勤中や夜勤明けの隙間時間を上手く活用すれば、毎日1時間の学習習慣を作ることは可能です。
学習テーマは、次に目指すフェーズによって変わりますが、最初は完璧を目指さなくてOKです。以下の3ステップのうち、できるところから始めてみましょう。
■隙間時間を利用した学習:
・ステップ1:Linuxの基本操作(LPIC-1/LinuC-1レベル)を学ぶ
・ステップ2:ネットワークの基礎(CCNAレベル)を理解する
・ステップ3(任意):AWSなどのクラウド基礎を触ってみる
「ステップ3」は余裕が出てからで構いません。まずはステップ1〜2で「構築に進める基礎」を作ることが、夜勤脱出の最短ルートです。
学習リソースは、UdemyやPing-t、YouTube講座などを活用すれば、夜勤中でも無理なく学習できます。
ポイント:
まとまった時間で学習するのも十分ですが、コツコツ継続型の学習が最強です。まずは「1日1時間×継続」の学習を目指すと、その後のキャリアアップが楽になっていきます。
最初は1日15分でもOKです。「1日15分」でも継続すると、コツコツ継続学習が習慣になっていきます。
③ 資格で「夜勤以外でも活躍できる」実力を証明する
夜勤を避けるには、学習だけでなく「証明」が必要です。資格は「夜勤業務の経験+自己学習の成果」を客観的に見せる強力な武器になります。
特に、監視オペレーターとして1年以上の実務経験があり、LPIC-1(もしくはLinuC-1) または CCNA の資格を取得していれば、日勤の運用・構築フェーズに転職できる可能性は一気に高まります。
このラインを超えると、採用側から「基礎は理解している」、「任せられる」と判断されやすく、夜勤中心の現場から抜け出せる確率が格段に上がります。
逆に、資格がないままだと「夜勤ありポジション」に限定される傾向も強いため、まずはどちらか一方の資格を目標に設定するのがおすすめです。
以下の資格を目安に、次のステップを選びましょう。
転向フェーズ | 取得すべき資格 | ポイント |
日勤運用・構築 | LPIC-1/CCNA | インフラ基礎を体系的に証明できる |
クラウド転向 | AWS SAA(Solutions Architect – Associate) | 学習+実務理解を両立できる |
設計・SRE職 | LPIC-2/CCNP/Terraform Associate | 上位工程への挑戦が可能になる |
資格を取得すると、スキル証明になるだけでなく、「やる気がある人」、「自走できる人」という印象を採用側に与えます。
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まとめ:夜勤を続けるより、スキルを活かしてキャリアを変えよう
夜勤の仕事は、システムを支える上で欠かせない重要な役割です。
夜間帯でもトラブル対応を行う監視オペレーターは、まさにIT社会を支える「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
しかし、夜勤は短期的な安定を得やすい一方で、長期的には体力面・キャリア面の両方でリスクを抱えやすい働き方でもあります。
本文で挙げたリスク例として、「昼夜逆転による生活リズムの乱れ」、「学習時間の確保が難しいこと」、そして「年齢を重ねるほど、転職が難しくなる現実」、、
だからこそ、「夜勤を続けるか」ではなく「どうキャリアを設計するか」という視点が重要です。
スキルを高めれば、夜勤のない働き方は、十分に実現可能です。
運用・構築フェーズやクラウド運用など、「日勤中心でスキルを活かせる職場」は確実に存在します。夜勤を避けることは「逃げ」ではなく、自分の将来を見越した戦略的な選択です。
■この記事の重要ポイント:
・夜勤を続けても給料・スキルが伸びにくい構造は変わらない
・監視経験+資格で、日勤運用や構築フェーズへの転向は十分に可能
・「夜勤を減らす=キャリアを伸ばす」という選択肢を持つことが大切
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