こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
CCNAに落ちた――。
試験終了後の画面を見た瞬間、「自分には向いていないのでは」、「もう受けたくない」といった気持ちになっているかも知れません。
5万円近い受験料を払い、120分の一発勝負に挑んだ結果が「不合格」であれば、落ち込むのは当然です。
しかし、CCNAに一度落ちることは、決して珍しいことではありません。多くの場合、不合格の原因は「才能」ではなく、「CCNA試験特有の戦略」と噛み合っていなかっただけです。
■この記事でわかること:
・なぜCCNAは未経験者に難しく感じるのか
・スコアレポートから読み解く、不合格者に多い弱点分野
・再挑戦すべきかどうかの判断基準
・最短で立て直すための具体策
落ちたという事実は変えられません。ですが、その経験を「無駄な失敗」にするか「逆転のきっかけ」にするかは、これからの戦略で決まります。今の状況を、冷静に整理していきましょう。
CCNAに落ちたとき、まず整理すべきこと
不合格の画面を見た瞬間、多くの人が「合格する気がしない」、「自分には向いていないのでは?」など強い落胆を感じてしまいます。
しかし、まずは一度、感情と事実を分けて考えてみましょう。CCNAに一度落ちることは、エンジニア人生において決して珍しいことではありません。
46,840円の受験料と一発勝負の重圧。ショックを受けるのは当然
CCNA(200-301)の受験料は46,840円(税込)。さらに「120分で約100問」、「過去問もなく、試験問題持ち帰り不可」という一発勝負の形式は、とくに未経験者にとって非常に強い心理的負担となります。
さらに「解けない問題が続くと、焦りが連鎖する」ことや「高額な費用ゆえのプレッシャーで、普段のパフォーマンスが出せない」場合もあり、知識以前に「メンタル試験」な側面もあります。
一方で、不合格は必ずしも実力不足ではありません。この「試験形式への慣れ」が足りなかっただけのケースも多いです。
不合格の原因は「適性」ではなく「出題傾向の把握不足」
「自分にはネットワークの才能がない」と結論づける必要はありません。不合格の正体は、才能ではなく「戦略ミス」である場合も多くあります。
・暗記に頼りすぎて、応用問題に対処できなかった
・シミュレーション問題に焦り、時間配分を誤った
・Ping-tの正解率だけを追いすぎて、問題文の「意図」を読み取れなかった
とくに未経験者は、本番の試験形式や時間制限、シミュレーション形式に初めて触れるため、知識があっても実力を出し切れないケースは少なくありません。
スコアレポートは「逆転の地図」。計画的に立て直せる
試験終了後に渡されるスコアレポート(セクション別の%表示)を、ただの「不合格通知」として放置してはいけません。これは、合格ラインまでの最短距離を示す「逆転の地図」です。
・70%台のセクション: 演習量を増やすだけでOK
・50〜60%台のセクション: 概念の理解が抜けている、アウトプットの精度を高める
・50%未満のセクション: 概念の理解が大きく抜けている、一から見直すのも選択肢
落ちた直後は感情が揺れてしまっても、この「数字という事実」を直視することが、合格への最も効率的かつ逆転への第一歩になります。
なぜCCNAは未経験に難しいのか?落ちる人の共通点
「これだけ勉強したのに、ダメなの?」と、試験終了後に感じてしまう人は少なくありません。
ですが、CCNAは単純な知識量だけで、簡単に突破できる試験ではありません。試験そのものの構造も理解しないと、実力を出し切れないことがあります。
CCNA 200-301の試験構造と「合格ライン」の考え方
CCNA(200-301)は、単純な選択問題だけではありません。ドラッグ&ドロップや、実際にコマンドを入力する「シミュレーション問題」も混在しています。
さらに重要なのが配点・合格ラインが非公開であること。おおよそ1000点満点中820点前後が合格ラインと言われることがありますが、問題ごとの配点ウェイトも異なります。
また試験範囲もまんべんなく出題されるため、苦手な特定分野を捨てる戦略は、ほぼ通用しません。
つまりCCNAは、「取りこぼしを最小限に抑えるバランス感覚」が求められる試験と言えます。
「暗記」が通用しない。トポロジ読解とシミュレーションの壁
Ping-tや問題集のスコアが高くても本番で止まる理由は、「ネットワークの全体像」を瞬時に読み取る思考力が不足している傾向です。
CCNAでは、トポロジ図やルーティングテーブル、設定情報などを早期に読み解き、問題の意図も含めて早期に判断する必要があります。どこを見ればいいのか分からず、時間だけが過ぎるのは避けたい所です。
またシミュレーション問題では、コマンドを知っているだけでなく、「VLAN設定の正しい順序」などを理解して、手を動かせるかまで問われます。
Ping-tの正解率が高くても落ちる理由
「Ping-tをやり込んで、正答率が85%ほどなのに落ちた」というケースも少なくありません。Ping-tは非常に有用なCCNAの学習ツールですが、なぜ本番で歯が立たなかったのでしょうか。
その理由は、多くは「知識」が「問題パターンの暗記」にすり替わっているためです。
「覚えているか」ではなく「理解しているか」:
似ているが違う設問が出た瞬間、暗記だと応用が効きません。Ping-tの正答率は「安心材料」になりますが、あくまで目安です。「合格保証」ではありません。
合格に必要なのは「なぜその選択肢が正解で、他が間違いなのか」を論理的に説明できる状態です。
そもそもCCNAの難易度や合格率が気になる方は、以下で全体像を整理しておくと安心です。
→関連記事:CCNAは難しすぎる?難易度・合格率・勉強時間を徹底解説
CCNA不合格者に多い弱点分野トップ2【200-301出題傾向】
スコアレポートを分析すると、不合格者の多くが「IP Connectivity」と「Network Access」の2大分野で失点しています。
この2つは出題比率が高いかつ中心となる分野であるため、ここを攻略しないと合格が遠のく傾向です。
① IP接続の壁(サブネット計算・OSPF・スタティックルート)
IP Connectivity(IP接続)は、本来「得点源」にすべき分野です。一方で、知識が「点」で止まっている未経験者が最も苦戦する場所でもあります。
よくある弱点ポイント:
・サブネット計算の速度不足: CIDRからホスト範囲を出すのに時間がかかるなど
・OSPFの隣接関係(ネイバー): HelloタイムやDR/BDR選出、MTU、コスト計算など
・ルーティングテーブルの読解: ロンゲストマッチ、AD値、ネクストホップなど
IP接続はネットワークの「コア知識」です。単にサブネット計算ができるだけでなく、「このパケットはどの経路を通って目的地へ届くか」をトポロジ上で追える力が、合格への重要ポイントとなります。
また、ここで安定して得点できないと、他分野でも連鎖的に失点します。
② ネットワークアクセスの落とし穴(VLAN・トランク・STP)
Network Access(ネットワークアクセス)分野は、苦手とする人が多い分野です。用語暗記だけで突破しようとすると本番の「トポロジ読解」で詰まりやすい傾向です。
よくある弱点ポイント:
・VLANの混同: アクセスポート・トランクポート、デフォルト・ネイティブVLANなど
・STP(スパニングツリー)の動き: ルートポート、ルートブリッジやブロッキングなど
・EtherChannelのネゴシエーション: LACP(標準規格)とPAgP(Cisco独自)など
本番では「設定の結果、ネットワークはどう動くか?」という予測力が問われます。また、VLANやSTPは単体で理解するのではなく、「L2ネットワーク全体の挙動」として捉えるのが重要です。
ここは難易度が高い傾向のため、とくに初学者は「失点を最小限に防ぐ」ため基礎概念を深掘りする必要があります。
【補足】自動化・ワイヤレスは「軽視しがち」な落とし穴
200-301から追加・強化された「Automation & Programmability(自動化)」や「Wireless(無線)」を軽く流してしまい、「思っていたよりも出題された」と試験後に感じるケースは少なくありません。
「暗記で済む」という油断は禁物:
・自動化: JSONの構文ルール({ }など)や、REST APIのメソッド(GET/POST/PUT/DELETE)は細かく問われます
・無線: WLC(ワイヤレスLANコントローラ)とAP間の通信(CAPWAP)、認証方式(WPA2/WPA3)の違い
これらは高難易度というより、「知っていれば取れる、油断すると取りこぼす」分野です。合格をより確実にするなら、最後はこの「取りこぼしゾーン」を丁寧に潰すことが重要です。
前に進まない状況に、心が折れそうな方へ
もし今、モチベーションがどうしても上がらないなら、一度「その後の転職やキャリア」について整理してみることをおすすめします。
ゴール(出口)が明確になれば、「今のつらさ」をどう乗り越えるべきかを判断できるようになり、気持ちが楽になります。
→関連記事:インフラエンジニアになるには?未経験から構築・設計へ進む最短ルート
不合格後の再受験ルール【Cisco公式ポリシー】
CCNAには「落ちたらすぐ受ける」ことができない待機期間があります。また、効率的に計画を立てるためにも、公式ルールを正しく把握しておきましょう。
再受験は「6日後」から可能
CCNAは、不合格日から5暦日後に再受験可能です。つまり、6日後から受験が可能になります。
ゆえに、最低でも約1週間の「強制待期期間」があるということです。
スコアレポートの正しい読み方と「合格ライン」の推測
Ciscoは合格点を公開していませんが、セクション別の%表示から「自分の弱点」が明確に把握できます。
そのため、60%未満の項目が複数ある場合は、すぐ再受験するよりも、設計から見直す方が効率的です。
待機期間を「焦り」ではなく「精度向上」にあてる
6日間という期間は、知識を詰め込むには短すぎます。一方で「忘れている箇所」を補強するには十分な時間です。
記憶が鮮明なうちに、「本番で迷った分野」、「トポロジ読解で止まった箇所」など、その周辺知識を固めましょう。それが、再挑戦での最大の差になります。
なお、学習設計から見直す必要がある場合は、以下記事を参考にするのもおすすめです。
→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップと独学手順
CCNAに落ちた人がやるべき3つの立て直し策
同じ学習を繰り返すことで合格ができそうなら、今までと同じ学習を繰り返すべきです。
一方で、同じやり方を繰り返しても、結果は変わらないと感じるなら、学習自体を立て直す必要があります。ここでは立て直しのポイントを説明していきます。
① 問題集の使い方を変える(正解の「理由」を分析する)
二度目の挑戦では、正解・不正解に一喜一憂する必要はありません。重要なのは「なぜ他の選択肢は間違いなのか?」を説明できるかどうかです。
全選択肢の「除外理由」を説明できるようにする:
正解を選ぶだけでなく、「B・C・Dがなぜ間違いなのか」をネットワークの仕組みに基づいて解説できるまで、1問の深掘り精度を上げてみましょう。
問題集は「点数測定」ではなく、「弱点あぶり出し」に使いましょう。また利用教材を見直したい場合は、以下記事も参考になります。
→関連記事:CCNA参考書おすすめ|初心者に最適な教材・問題集・勉強サイト
② 「暗記型」から「理解型」へ切り替える
CCNAで落ちる人の多くは、丸暗記に頼りすぎることで、「なぜその設定になるのか?」を説明できない傾向です。
「なぜ?」から理解する:
「なぜそのルートが選ばれるのか」、「なぜHelloパケットを送るのか?」など、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
また、このフェーズでは「周辺知識のセット学習」も有効です。 単一の用語ではなく、VLANなら「トランク、ネイティブVLAN、STP」といった関連技術をセットで理解すると定着が早まります。
③ Cisco Packet Tracerで「手を動かす」時間を増やす
未経験者が本番のシミュレーション問題で焦る最大の原因は、「コマンドへの慣れ不足」です。
「パケットトレーサー」での構築演習:
Cisco公式の無料ツール「Packet Tracer」を使い、VLAN設定やOSPFの構築、ACLの適用を繰り返してみましょう、
またshowコマンドで、自分の設定がどう反映されたかを確認する癖をつけることで、本番の読解スピードも高まります。
→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップと独学手順
それでも「受かる気がしない」ときの現実的な選択肢
「もう一度受ける自信がない」、「また高い受験料を無駄にしたくない」と感じる人もいるかも知れません。
しかし、ここで大事なポイントはCCNAは「エンジニアになるための手段」であって、「目的」ではない、という視点です。合格・不合格だけでキャリアがすべて決まるわけではありません。
インフラエンジニア転職にCCNAは「絶対条件」ではない
CCNAは高く評価されますが、持っていないと転職できないわけではありません。未経験からの転職において、企業は「資格の有無」だけでなく、以下のポイントも見ています。
・学習意欲とポテンシャル: 「不合格でもここまで学んだ」という過程
・サーバーやクラウドへの関心: NW(ネットワーク)以外の領域への適性
・コミュニケーション能力: 現場で円滑に業務を回せる人間性。
実際、「CCNAの学習中(未経験)」の状況で内定が出るケースもあります。資格に固執しすぎて、すべてを諦めてしまうことが、最大のリスクと言えます。
それでも「そもそもCCNAは意味があるのか?」と感じるなら、一度客観的に整理してみるのも有効です。
→関連記事:CCNAは意味ない?いらないと言われる理由と「意味ある人」の特徴
LPIC/LinuCに切り替えて「成功体験」を作る戦略
「ネットワークが抽象的でつかめない」と感じる人ほど、Linuxの方が腹落ちするケースがあります。その場合は、一度Linuxサーバーの資格へ方向転換するのは賢い戦略です。
LPIC/LinuCに切り替える:
コマンド操作が中心で、NWよりも「動かしている実感」を得やすく、未経験者が成功体験を積みやすい領域です。またCCNAよりも範囲が狭いため、比較的合格しやすく受験料も安価です。
そのため、一度サーバー系の資格に切り替えて、エンジニアになった後に、改めてCCNAに再挑戦する人は少なくありません。
→関連記事:LPIC-1勉強法まとめ|未経験から合格する最短ロードマップ
→関連記事:LinuC-1勉強方法まとめ|最短合格の教材・勉強時間も解説
資格より先に「実務環境」へ飛び込むという選択
「資格学習」が苦手でも、「現場の作業」で大きく活躍するタイプの人材も少なくありません。
また、運用監視やヘルプデスクなどの現場に入り、実機に触れながら学ぶ方が、理解が早い場合があります。
独学で消耗するより、現場で実務経験を積みながら、会社負担で資格取得を目指す方が精神的・経済的にも安定すると感じるなら、「実務環境」へいきなり飛び込むのも一つです。
ただし、実務に入るなら最低限の基礎理解は必要です。また、方向性に迷っているなら、インフラエンジニアへの複数ルートを整理しておくと安心です。
→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?失敗しないルート設計
CCNA不合格を「強いキャリア」への分岐点に変える
「不合格」という結果は、決して「遠回り」ではなく、あなたの価値を下げるものではありません。むしろ、一度つまずいた経験こそが「理解の深さ」につながります。
また挫折をきっかけに、自分に合ったエンジニアの歩み方を見つけた人ほど、その後の伸び代は大きくなります。
一度落ちた経験は「壁を乗り越えた」証になる
現場で頼りにされるのは、マニュアルを暗記している人ではありません。「なぜ動かないのか」を必死に考え、壁を乗り越えた経験がある人です。
「なぜ間違えたのか」を分析することで、最初からストレート合格した人よりも、技術の「裏側」にある構造を深く理解し始めることができます。
また、スコアレポートで見つかった弱点を見つめなおし、壁を乗り越えた経験が「誰にも負けない強み」にも変わっていきます。
【次の一手】学習の立て直し + キャリアの整理
今必要なのは、ただ机に向かうことだけではありません。「今の努力がどこに向かっているか」を整理することも重要です。
・やはりネットワークを極めたいなら:
→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップ
・サーバーや運用から着実に始めたいなら:
→関連記事:LinuC レベル1の勉強方法まとめ|最短合格の教材・勉強時間も解説
・早く現場で経験を積みたいなら:
→関連記事:インフラエンジニアになるには?失敗しないルート設計と環境選び
どの選択も「逃げ」ではありません、戦略です。
【まとめ】CCNAは一度落ちても問題ない。
「落ちた=向いていない」ではありません。また、受験料は高いが、得た知識は確実に残ります。
不合格という事実は変えられませんが、それを「ただの失敗」にするか「分岐点」にするかは、これからの行動次第です。
焦らず、しかし止まらず、あなたのペースで、次の一歩を踏み出してください。
また、一人で抱え込まず、第三者の視点を取り入れるのも一つの方法です。今の状況からどのルートが現実的か、無料で整理することもできます。






