クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説【未経験ロードマップ付き】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「クラウドエンジニアってどんな仕事?」
「必要な資格やスキルは?未経験からでもなれるの?」
「年収や将来性はどうなの?」

クラウドエンジニアは、AWS・Azure・GCPなどのクラウド基盤を使って システムを設計・構築・運用・改善するエンジニア です。

DX推進やAI活用の広がりにより、今まさに 需要が急拡大している職種 であり、平均年収も高め。未経験から挑戦する方が増えています。

この記事では、クラウドエンジニアを目指す方に向けて、以下を徹底解説していきます。

■この記事でわかること:
・クラウドエンジニアの仕事内容と役割(オンプレとの違いも含む)
・必要なスキルと学習ロードマップ(資格・勉強法)
・平均年収・キャリアパス・将来性
・向いている人・向いていない人の特徴
・未経験から挑戦するルートと注意点

まずは「クラウドエンジニアという職種の全体像」を理解することが第一歩です。

そのうえで、自分に合った学習ルートやキャリア戦略を考えましょう。

また、クラウドエンジニアの中でも、特に需要が高いのがAWSエンジニアです。詳しくは、「AWSエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性」にて解説しています。

→未経験から最短で目指す具体的な方法は、未経験からクラウドエンジニアになるには(ロードマップ・転職戦略) の記事でも詳しく解説しています。

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

クラウドエンジニアとは?基礎知識と役割

クラウドエンジニアは、従来のオンプレミス環境に代わり、AWSやAzure、GCPといったパブリッククラウドサービスを活用して企業のIT基盤を支える職種です。

ここでは、その定義や役割、従来のインフラ/サーバーエンジニアとの違いを整理していきます。

クラウドエンジニアの定義(オンプレとの違い)

クラウドエンジニアとは、AWS・Azure・GCPといったクラウドサービス上で システムを設計・構築・運用・改善する専門職 です。

従来の「オンプレミス環境(自社でサーバーやネットワーク機器を物理的に保有・運用する形態)」とは異なり、クラウドでは サーバーやネットワークといった必要なリソースを柔軟に拡張・縮小できる ため、スピード感のあるシステム運用が可能となります。

オンプレではサーバー調達やデータセンター管理が必要でしたが、クラウドエンジニアは「インターネット経由で、仮想化された環境を活用する」点が大きな違いです。

そのため、従来のハードウェア中心の知識に加え、 クラウド特有の課金体系やセキュリティ設計 を理解する力が求められます。

主な業務領域(設計・構築・運用・改善)

クラウドエンジニアの仕事は、大きく4つの領域に分けられます。

■クラウドエンジニアの主な仕事:
設計:可用性やセキュリティ、コストを考慮したクラウド環境のアーキテクチャを作る
構築:仮想サーバー、ネットワーク、DB、ストレージなどを実際に構築(TerraformなどのIaCで自動化するケースも多い)
運用:監視・障害対応・ログ分析・パフォーマンス改善を行い、安定稼働を支える
改善:コスト最適化、セキュリティ強化、自動化の導入など継続的な改善を推進

これら4つの領域は明確に分かれているわけではなく、実際のプロジェクトでは重なり合いながら進みます。

たとえば、運用で得られた知見を次回の設計に活かしたり、改善施策が構築フェーズに影響することもあります。

つまりクラウドエンジニアは、システムのライフサイクル全体に関わり、継続的に改善を重ねる役割を担っています。

特に未経験者が最初に関わりやすいのは、運用フェーズです。ここで基礎的な経験を積んでから、構築や設計にステップアップしていく流れが現実的です。

インフラ/サーバーエンジニアとの関係性

クラウドエンジニアは、インフラエンジニアやサーバーエンジニアの知識を基盤に、発展した職種 といえます。

インフラエンジニアが担う「サーバー・ネットワーク・ストレージの設計・構築・運用」と大きく重なり、サーバーエンジニアの「OS管理・ミドルウェア運用」スキルも必要不可欠です。

違いは、クラウドエンジニアは「物理機器」ではなく「クラウド環境」を主戦場にする点です。

そのため、オンプレの知識+クラウド特有のスキル を組み合わせることで、より市場価値の高いエンジニアへ成長できます。

→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・年収・必要スキルなどを解説
→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスなどを解説

クラウドサービスの種類と選び方

クラウドエンジニアを目指すなら、まず理解しておきたいのが「クラウドサービスの違い」です。

世界的に利用されている主要クラウドは AWS・Azure・GCP の3つです。それぞれに強みや導入事例があり、日本国内の求人傾向にも違いがあります。

ここでは特徴を整理し、自分に合った選び方のヒントを紹介していきます。

AWSの特徴とシェア

AWS(Amazon Web Services)は 世界シェアNo.1のクラウドサービス で、スタートアップから大企業まで幅広く利用されています。

■AWSの特徴:
強み:豊富なサービス群(200以上)、ドキュメントや学習教材が充実
日本国内の求人:AWS経験を求める案件が最も多い、未経験からの学習にも最適
学習メリット:入門資格「AWS CLF」から、実務に必須の「AWS SAA」へと段階的に学べる

Azureの特徴と国内導入事例

Azure(Microsoft Azure)は、日本国内の大手企業・官公庁での導入が多いクラウド です。

■Azureの特徴:
強み:Windows ServerやMicrosoft 365との親和性が高く、既存システムとの統合が容易
国内事例:銀行・製造業・官公庁など、Microsoft製品を長年利用してきたセキュリティやガバナンスを重視する領域で採用が進む
学習メリット:すでにWindowsサーバー運用経験がある人は学習しやすい

GCPの特徴とAI・データ分析の強み

GCP(Google Cloud Platform)は、AI・データ分析・機械学習に強いクラウド です。

■GCPの特徴:
強み:BigQueryなどデータ基盤サービスが高評価、AI/ML分野のサービス展開が豊富
利用分野:EC、広告、分析基盤、スタートアップ企業のAI活用プロジェクトで導入が多い
学習メリット:Pythonやデータ分析スキルを持つエンジニアに人気

マルチクラウド・ハイブリッド構成のトレンド

近年は「AWS+Azure」や「オンプレ+クラウド」を組み合わせる マルチクラウド/ハイブリッド構成 が増えています。

■マルチクラウド・ハイブリッド構成:
背景:BCP対策、コスト最適化、セキュリティ要件への対応
現場ニーズ:複数クラウドを扱えるエンジニアの市場価値が上昇
キャリアへの影響:1社特化型から「マルチクラウド人材」になると高年収を狙いやすい

クラウドサービス選びで失敗しないポイント(求人・学習しやすさ・コスト)

クラウドサービスを選ぶときは、「どれが流行っているか」ではなく 自分のキャリアゴールや求人動向に合わせること が重要です。

■クラウドサービス選び方:
まずは市場ニーズの高いAWSから始める
 →求人数が圧倒的に多く、教材も豊富なため、未経験者が最初に学ぶには最も適してます。
Windows環境や企業システムに強みを活かすならAzure
 →Windowsサーバーの知識がある方や、大企業のIT部門を目指す方には強力な候補です。
データ分析やAIエンジニアを目指すならGCP
 →Pythonや機械学習のスキルを既にお持ちの方は、その強みを活かせます。
長期的にはマルチクラウドスキルが価値を高める
 →まずは一つに特化し、その後は、業務に応じて学ぶのが王道です。

コスト面では、各サービスが提供する無料枠を活用して、実際に触りながら学ぶことをおすすめします。

クラウドエンジニアの仕事内容とキャリアフェーズ

クラウドエンジニアの業務は、大きく「設計」、「構築」、「運用・改善」、「上流工程」という4つに分けられます。

未経験者は運用からのスタートが多く、経験を積むことで設計やアーキテクトへとステップアップしていくのが一般的な流れです。

設計(要件定義・アーキテクチャ設計)

クラウド環境をどう組み立てるかを考える工程です。可用性やセキュリティ、コストのバランスをとりながら、最適なアーキテクチャを設計していきます。

■要件定義・設計の内容:
・顧客や社内の要件をヒアリング
・可用性・セキュリティ・コストを考慮したクラウドアーキテクチャを設計
・ネットワーク構成、認証(IAM)、バックアップ・DR設計などを検討

設計段階のクオリティが高いほど、運用フェーズの安定性や改善コスト削減につながります。

構築(クラウド環境の立ち上げ/IaC)

設計内容をもとに、クラウド環境を具体的に立ち上げるフェーズです。

■構築・IaCの内容:
・AWSやAzure上でのサーバー・ネットワーク・DB構築
・TerraformやCloudFormationを使った IaC(Infrastructure as Code) による自動化
・CI/CDパイプラインを整備し、開発と運用を効率化

従来の手作業構築から、コード化による再現性・スピード重視のスタイルにシフトしています。

運用保守と継続的改善(監視・障害対応・コスト最適化)

稼働中システムを安定させる重要なフェーズです。

■運用・改善の内容:
・CloudWatchやDatadogなどの監視ツールで稼働状況をチェック
・障害対応やセキュリティパッチ適用
・コスト最適化(リザーブドインスタンス/スケジューリング停止など)

未経験者が最初に配属されやすいのもこの領域です。ここでログ調査やアラート対応を経験し、基礎を固めることで構築・設計へステップアップできます。

上流工程(アーキテクト/コンサルタント)

経験を積んだクラウドエンジニアは、上流の役割へとキャリアを広げていきます。

■アーキテクト/コンサルタント:
・クラウドアーキテクト:要件定義から設計全体を主導
・コンサルタント:顧客に対してクラウド導入戦略を提案
・SREやセキュリティ分野へ特化し、スペシャリストとして活躍

ここまで到達すると、年収は大幅に上がり、市場価値も高まります。

→具体的な学習ステップやスキル習得法については、「クラウドエンジニア勉強法」 で詳しく解説しています。

ある1日の流れ(例)

クラウドエンジニアの1日は、定例ミーティングでの情報共有から始まり、運用確認・構築作業・改善タスクといった業務を並行して進めます。

基本は日中の勤務ですが、障害対応やオンコールが発生する場合もあり、チームで役割を分担しながら安定稼働を支えています。

■1日の流れの例:
9:30 朝会:チームで進捗共有
10:00 運用確認:監視結果をチェック、アラート対応
11:00 構築タスク:新規サーバーやネットワークのセットアップ
14:00 改善タスク:コスト分析、IaCコードの修正
16:00 レビュー/ドキュメント化:成果物を共有・レビュー
18:00 退勤:翌日のタスク確認
+αの突発対応や残業:障害発生時はオンコール対応や残業になることもあります。ただし、多くの企業ではチーム制・自動化などにより、負担を分散する仕組みもあります。

必要スキルと学習ロードマップ

クラウドエンジニアを目指すうえで重要なのは、段階的にスキルを積み上げることです。

いきなりクラウド資格に挑戦しても、基礎がなければ理解が浅くなり、転職後に苦労してしまうケースも少なくありません。

■基礎スキル不足で起こりがちな失敗例:
・Linuxコマンドが分からず、ログ調査や権限設定でつまずく
・ネットワーク理解が浅く、VPCやVPNの設計で誤った構成をしてしまう
・クラウドの課金体系を知らず、想定外のコストが発生してしまう

ここでは、基礎 → 応用 → 上級 → 実務 の流れで学ぶべきスキルを整理していきます。

基礎スキル(Linux/ネットワーク/セキュリティ)

クラウドを扱ううえで、まず土台となるのが インフラ基礎知識 です。

■基礎スキル:
Linux:コマンド操作、権限管理、ログ調査ができることは必須
ネットワーク:TCP/IP、ルーティング、DNS、VPNなどの理解
セキュリティ:認証(IAM)、暗号化、ファイアウォールの仕組み

これらを学ぶことで、クラウド上のVPC設計やトラブルシューティングも理解しやすくなります。

また、Linuxやネットワークと、セキュリティの一部はインフラエンジニアの学習で学べます。

→関連記事:クラウドエンジニアの勉強法まとめ
→関連記事:インフラエンジニアの勉強法まとめ

クラウド特有のスキル(IaC、Kubernetes、CI/CD)

基礎を習得したら、クラウド特有の応用スキルを伸ばしていきます。

■特有の応用スキル:
IaC(Infrastructure as Code):TerraformやCloudFormationでの構成管理
Kubernetes:マイクロサービスやコンテナ環境で必須
CI/CD:GitHub ActionsやCodePipelineを使った自動デプロイ

これらは即戦力として評価されやすく、求人票にも頻出するキーワードです。

上級スキル(SRE・ゼロトラスト・コスト最適化)

さらにキャリアを広げるなら、上級スキルの習得が効果的です。

■上級スキル
SRE(Site Reliability Engineering):サービスの安定稼働と自動化を追求
ゼロトラストセキュリティ:クラウド時代に必須のセキュリティモデル
コスト最適化:リザーブドインスタンス、オートスケーリングによる費用削減

こうしたスキルを持つと、アーキテクトやリードエンジニアとしての市場価値が高まります。

資格学習と実務スキルのバランス(資格だけでは不十分)

クラウドエンジニアにとって資格は強力な武器ですが、資格=即戦力 とはなりません。

■資格とスキルの関係性:
・資格は「知識の体系化」、「転職時の足切り突破、アピール」に有効
・しかし、実務ではログ調査や障害対応など、資格では学べないスキルも重要

ゆえに、「資格で入口を作り、実務で伸ばす」というキャリアステップが王道です。

→関連記事:クラウドエンジニアに必要な資格まとめ

学習ステップと目安期間(挫折しない工夫含む)

クラウド未経験から学ぶ場合、以下のステップを踏まえると効率的です。

■学習ステップ:
基礎(1〜3か月):Linux・ネットワークを学ぶ
クラウド入門(2〜4か月):AWS CLF → AWS SAA
実務補強(並行):ハンズオンや模擬環境でアウトプット

ここまででクラウド案件に参画できるケースが多い です。

ただし、余裕がある人は +αで「応用スキル(IaC、Kubernetes、CI/CD)」を学んでおくと有利 です。

応用スキルは転職前に必須ではありませんが、転職時の評価を高め、現場に入ってからのキャッチアップがスムーズになり、将来的な年収アップやアーキテクト職への近道になります。

※完全にIT未経験(ゼロから)の場合は、上記に加えて+1年程度の準備期間を見込むのが一般的です。

また、挫折しない工夫として、「手を動かすハンズオン」や「学習仲間を見つけること」が効果的です。アウトプット重視で、孤独にならない環境を作りましょう。

キャリアに迷いがある方へ

「最短で転職を狙うのか」それとも「じっくり基礎から積み上げるのか」、、その判断でキャリアの未来は大きく変わります。

迷ったときは、プロと一緒にロードマップを設計するのが一番の近道です。

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未経験からクラウドエンジニアになるには?

クラウドエンジニアは需要が高い一方で、未経験からの挑戦はハードルがあるのも事実です。

ただし「どのルートを選ぶか」によって、転職成功の可能性は大きく変わります。ここでは代表的なキャリアルートと注意点を整理していきます。

未経験から最短で目指すルート(資格先行)

最短でクラウドエンジニアを目指すなら、AWS認定資格(CLF → SAA) を先行して取得する方法があります。

■AWS資格先行型:
・学習コストを抑え、早期に応募可能な求人へアプローチできる
・転職市場でも「AWS資格あり」は強力な武器になる

■AWS資格先行型の注意点:
基礎(Linux・ネットワーク)が弱いと現場で苦労しやすい
採用企業も限定的で、実際にはかなりハードルが高い
 →未経験から直接「クラウド案件」に採用されるのは一部の人だけ

現実的には、一度インフラエンジニア(運用・構築)として経験を積んだうえで、クラウドにキャリアチェンジする人が大半 です。

つまり、資格直行ルートは狭き門であると理解しておきましょう。

→関連記事:AWS SAAの勉強法まとめ

インフラ構築・運用保守からのステップアップ

完全未経験からクラウドエンジニアを目指す場合、まずはインフラエンジニアとして構築・運用保守の経験を積み、その後クラウドにシフトする 方法が現実的です。

■構築・運用保守からのステップアップ:
・サーバーやネットワークの設定・運用を通じて、インフラ基盤の理解が深まる
・実機や仮想環境を扱う経験が、クラウドでのVPC設計やセキュリティ設定に直結する
・「運用だけでなく構築にも関わった」経験は、クラウド転職で評価されやすい

このルートを取れば、IT基盤の仕組みを押さえたうえでクラウド領域に進めるため、スキルの伸び方や転職市場での評価も安定します。

→関連記事:未経験からクラウドエンジニアになるには?学習ロードマップと資格取得の順番
→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?後悔しない学習・資格・転職ステップ

スクール・独学・副業を活用する方法

クラウドエンジニアを目指す方法には、いくつかの学習スタイルがあります。

■学習スタイルの例:
スクール:短期間で効率的に学べるが、費用は高め
独学(主流):Udemy、書籍、AWS無料枠で実践。多くのエンジニアがこの方法でスキルを習得
副業(限定的):クラウド案件の副業も存在しますが、未経験で取り組むのは難しく、そもそも副業を禁止している会社も多いため、現実的にはおすすめしにくい

自分の学習習慣や予算に合わせて選び、途中で挫折しない環境を整えることが大切ですが、一般的には 「独学」+「資格取得」 が王道です。

やめとけと言われる理由と現実的な対処法

「クラウドエンジニアはやめとけ」と言われる理由もあります。しかし、正しい対策を取れれば克服可能です。

■やめとけと言われる理由:
・学習範囲が広く、挫折する人が多い
・実務未経験者向け求人は、競争率が高い
・夜間対応やスキルアップの負担が重い場合がある

■対処法:
学習は小さなステップに分けて継続
まずは運用フェーズで経験を積む
相談サービスを活用してキャリアの方向性を見極める

→詳しくは別記事の 「クラウドエンジニアやめとけ」 で解説しています。

「AWSエンジニアはきついって本当?」という疑問を持つ方は、「AWSエンジニアはやめとけ?」の記事も参考になります。

年収・待遇・キャリアパス(フリーランス相場とSREなど高年収職種)

クラウドエンジニアは需要の高まりとともに、年収レンジもインフラ系職種の中で高め に位置しています。

ここでは平均年収やスキル別のレンジ、働き方のリアル、将来のキャリアパスを整理していきます。

クラウドエンジニアの平均年収・中央値

クラウドエンジニアの平均年収は、500〜600万円前後 とされており、インフラ系職種の中では比較的高めの水準です。

ただし、中央値は500万円程度であり、「スキルや担当フェーズによって上振れ/下振れする」のが実情です。

→詳細データは クラウドエンジニアの年収まとめ に掲載しています。

経験年数/スキル別の年収レンジ

以下の年収は、あくまで目安です。企業規模や案件内容によって大きく変動します。

■年収の目安:
未経験~運用フェーズ:400万〜450万円
 →主に日常的な運用サポートを担当。基礎的なスキルを身につけながら経験を積む段階。
・構築フェーズ:450万〜600万円
 → AWS/Azure/GCPの環境構築を担当。IaCやコンテナ経験があると評価アップ。
・設計フェーズ:600万〜750万円
 → 要件定義・アーキテクチャ設計を担う。大規模案件ほど年収が上がりやすい。
・リード・スペシャリスト層:750万〜1,000万円以上
→ SRE、セキュリティ、クラウドアーキテクトなど専門性を極めた人材。マネジメントやフリーランス独立でさらに高収入も可能。

実務経験+資格(SAAやプロフェッショナル系)が揃うと、600万円以上を狙いやすくなります。

→関連記事:AWSエンジニアに必要な資格まとめ

AWS資格手当・社内評価の実例

多くの企業では、AWS認定資格を持つことで手当や評価がプラス される制度があります。

■手当や社内評価:
資格手当の支給
 →一部の企業では、AWS認定資格(CLF・SAA・プロフェッショナルレベルなど)を対象に、月5,000〜30,000円程度の資格手当を支給しています。
営業・案件獲得での評価
 →営業やプリセールス部門から「資格保持者を増やしてほしい」と要望されるケースは少なくありません。資格を持っていることでクラウド案件にアサインされやすい/営業的に武器になるのは確かです。
社内評価・昇給への加点要素
 →「資格を持っている=学習意欲が高い」と見られやすく、昇給・人事評価のプラス要素として働くこともあります。特に未経験や若手の場合は、資格があるだけで上流工程に関わるチャンスが広がることもあります。

まとめると、資格は「持っていないと評価されない」というよりも、「持っていると、案件や収入の選択肢が広がる」と考えるのが現実的です。

→AWSエンジニアの年収を詳しく知りたい方は、「AWSエンジニアの年収相場|未経験から資格・経験別に徹底解説」も参考になります。

残業や働き方のリアル(ワークライフバランス)

クラウド案件は基本的に 日勤が中心 で、夜勤や常駐シフトは非常に少ないです。

ただし、システム移行や障害対応のタイミングでは一時的に残業が増えるケースもあります。

一方でリモートワーク率が高く、働き方の自由度が高い のも特徴です。

フリーランスとしての年収相場

クラウドエンジニアは、フリーランスとして独立することで高単価を狙いやすい職種です。

■フリーランスの年収相場:
・案件単価の目安
 →クラウド構築や運用自動化の案件では、月70~80万円以上が相場です。特にAWSやAzureの認定資格を持ち、IaCやKubernetesの経験があると高単価につながりやすいです。
求められる経験
 →運用保守のみの経験では単価は上がりにくく、設計や構築経験があることが重要視されます。また、SREやセキュリティの知見があればさらに希少性が高まります。

独立を視野に入れる場合は、まず会社員として設計・構築スキルを磨き、クラウド資格を取得したうえで、フリーランス市場に挑戦するのが王道です。

キャリアパス(SRE/セキュリティ/クラウドアーキテクト)

また、クラウドエンジニアの将来的な主要キャリアパスは、以下があります。

■将来的なキャリアパスの例:
SRE
 →大規模サービスの安定稼働と自動化を担い、一般的には年収レンジも高め。
セキュリティエンジニア
 →クラウド環境の脆弱性診断や、ゼロトラスト設計を担う専門職。
クラウドアーキテクト
 →要件定義から設計・改善まで主導する立場。コンサルやフリーランス独立の道も。

需要と将来性

クラウド市場は拡大が続いており、クラウドエンジニアの需要も今後さらに高まると予測されています。

ここでは市場データと現場のリアルを踏まえて、キャリアの展望を整理していきます。

日本国内のクラウド導入率と市場規模の推移

総務省や各種調査によると、日本企業のクラウドサービス導入率は 7割を超え、今後も上昇傾向 にあります。

特に中小企業や公共機関でもクラウド移行が進み、AWS・Azure・GCPいずれのサービスもシェアを拡大中です。

市場規模は2025年以降も二桁成長が続くとされ、クラウド関連人材の需要は底堅い状況です。

DX・AI・マルチクラウドによる需要増加

以下の流れにより、クラウドエンジニアは今後も 新規導入+運用改善の両面で需要が拡大 していきます。

■需要拡大の背景:
DX推進:企業がシステムをオンプレからクラウドへ移行
AI・データ活用:機械学習やビッグデータ基盤の構築にクラウドが必須
マルチクラウド・ハイブリッド化:複数クラウドの使い分けが進み、知見を持つエンジニアが重宝される

IT人材の需給ギャップと転職市場のチャンス

経済産業省の試算では、IT人材は2030年に最大 79万人不足 すると予測されています。

特にクラウド分野は人材供給が追いついておらず、経験が浅くても挑戦しやすい市場 が形成されています。

資格や学習実績を示せば、採用のチャンスは多くあります。

AI・自動化で仕事はなくなる?現場のリアル

「クラウドエンジニアの仕事はAIや自動化でなくなるのでは?」という不安を持つ方もいます。確かにIaCや自動化ツールにより、手作業の構築・運用は減少しています。

しかし、自動化を設計・運用するのもエンジニアの役割 です。実際の現場では、自動化の仕組みを理解して改善できる人材ほど価値が高まっています。(これが次のSREやアーキテクトへつながる道です。)

クラウドエンジニアの将来性や需要から、今後のキャリアについては、以下記事で詳しくまとめています。

→関連記事:【まとめ】クラウドエンジニアの将来性・需要は?

クラウドエンジニアに向いている人・向いていない人

クラウドエンジニアは専門性が高い職種ですが、性格や志向によって「向き・不向き」があります。

ここでは自己診断できるチェックリストと、不向きな人が改善するためのコツを紹介します。

クラウドエンジニアに向いている人の特徴とチェックリスト

以下に多く当てはまる人は、クラウドエンジニアに向いている可能性が高いです。

■クラウドエンジニアに向いている人の特徴:
・新しい技術や仕組みを学ぶことに抵抗がない
・Linuxやネットワークなど、裏側の仕組みに興味を持てる
・論理的に物事を整理し、トラブルの原因を突き止めるのが好き
・ドキュメント作成や知識共有など、地道な作業も苦にならない
・チームで協力しながら、システムを安定稼働させたい
・コストやセキュリティなど、「効率化・最適化」にやりがいを感じる
・将来はSREやセキュリティなど、高度なキャリアに挑戦したい

「不向き」を克服し活躍するための改善のコツ

一方で、以下の傾向が強い人は、クラウドエンジニアには不向きと感じやすいです。ただし、これらは改善可能です。

■向いていない人の特徴:
・ITの基礎を学ぶことに苦手意識が強い
・単純作業の繰り返しだけを望んでいる
・学習やスキルアップに時間をかけたくない
・資格がゴールになりやすい

■改善するコツ:
小さな成功体験を積む:Linuxで「ファイル操作ができるようになった」などを重ねる
学習コミュニティを活用:一人で挫折しやすい人も、仲間と学ぶと継続しやすい
キャリア相談で方向性を明確にする:自分に合う領域(運用・構築・セキュリティ)を見極めると学習の迷いが減る

改善するための工夫で、「向いていない」と思っていた人でも、クラウドエンジニアとして活躍できるケースは少なくありません

この改善するコツを意識することで、「やめとけ」と言われがちなポイントを回避できます。

→関連記事:クラウドエンジニアはやめとけ?現実と対処法

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よくある質問(FAQ)

ここでは、クラウドエンジニアを目指す方から特によく寄せられる質問に答えます。

Q1:クラウドエンジニアに資格は必須ですか?

必須ではありませんが、未経験からの転職では強力な武器となります。

実務経験がある人は資格なしでも評価されますが、未経験者は資格で「最低限の知識がある」と証明するのが一般的です。

→関連記事:クラウドエンジニアに必要な資格の順番と選び方

Q2:夜勤やオンコールはありますか?

常に夜勤があるわけではありません。多くのクラウド案件は日勤中心です。

ただし、システム切り替えや障害対応のタイミングで夜間作業が発生することもあります。最近は自動化やシフト制を導入する企業が多く、負担は軽減されつつあります。

Q3:30代未経験でもクラウドエンジニアになれますか?

結論から言うと、難易度は高いですが不可能ではありません。資格+学習実績をアウトプットできれば、30代からの転職成功例もあります。

ただし、30代未経験がいきなりクラウドエンジニアになるケースは稀であるのも事実です。

まずはインフラエンジニア(サーバー・ネットワークの運用や構築)を経験してから、クラウド領域に進むキャリアパスが一般的です。具体的には以下です。

30代のキャリアステップ例:運用保守 → サーバー構築 → AWS SAA取得 → クラウド案件に参画

このように段階を踏むことで、基礎知識+実務経験が備わり、クラウド人材として評価されやすくなります。

Q4:文系や非エンジニア出身でも挑戦できますか?

はい、十分に挑戦可能です。

ITパスポートやAWS CLFなどの入門資格から始めれば、文系出身でも学習を進めやすいです。

特に「資格のシラバス=学習の指針」として活用すると、効率的に基礎固めができます。

Q5:資格取得にどれくらい勉強時間が必要?

資格の種類や個人の経験によって大きく異なりますが、目安は以下の通りです。

■資格取得の勉強時間目安:
AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF):20〜30時間
AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA):50〜80時間

ただし、これはあくまで目安です。IT未経験者や基礎知識がない場合は、まず Linuxやネットワークの学習に追加の時間 が必要になります。

完全未経験の場合は、Linuxやネットワーク学習に+200時間程度かかることを想定しておきましょう。

→関連記事:クラウドエンジニア勉強法ロードマップ

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まとめ:次に読むべき記事と行動ステップ

クラウドエンジニアを目指すうえで大切なのは、以下の3点です。

■押さえたい3つのポイント:
クラウドエンジニアの役割を理解する
 → 設計・構築・運用・改善の全領域に関わり、企業のIT基盤を支える仕事。
自分に適性があるかチェックする
 → 学習意欲や論理的思考力があれば、未経験からでも挑戦可能。
入口となる学習ルートを知る
 → 「最短ルート(SAA先行)」と「王道ルート(LPIC/CCNA先行)」のどちらを選ぶかが第一歩目。迷ったら王道がおすすめ。

次に読むべき関連記事

学習・資格・キャリアの具体的な進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。

■関連記事
未経験からクラウドエンジニアになるには?転職ロードマップ
クラウドエンジニアの年収まとめ
クラウドエンジニアの勉強法・学習ロードマップ
クラウドエンジニアの資格まとめ
クラウドエンジニアの将来性まとめ

行動を迷っている方へ

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この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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