こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
現役ネットワークエンジニアから、ネットワークエンジニアを目指す人まで、「ネットワークエンジニアの年収はどれくらい期待できそうか?」は気になりますよね。
特に、「未経験からどれくらい稼げるの?」、「キャリアを積めば、年収はどれくらい伸びる?」、「設計、構築、運用の年収帯は?」、「何をすると年収上がる?」など、年収の実態や伸ばし方は、気になるテーマでしょう。
ここでは、「ネットワークエンジニアの年収」に関する情報を徹底解説します。未経験者から上級者までの年収相場や、工程別の年収相場、年収アップの実現方法などまで、わかりやすくまとめました。
転職を考えている方や、ネットワークエンジニアという仕事に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもネットワークエンジニアとは
IT業界の中でも、専門性が高く、ITインフラの要となる職種の一つが、ネットワークエンジニアです。
普段、私たちが当たり前のように使っているインターネットや、会社の業務システム、オンラインサービスなどの裏側では、ネットワークが動いています。またネットワーク通信は、常に正しく機能している必要があります。
その通信の仕組みを、設計・構築・運用しているのが、ネットワークエンジニアです。
ネットワークエンジニアの仕事は、なかなか目に見えないため、目立たないことも多いですが、社会インフラの一部と言えるほどの重要な役割を担っています。
また、ITが普及し、クラウドサービスやリモートワークも一般的になっている現在において、ネットワークの安定性やセキュリティがこれまで以上に重視されており、それに伴い、ネットワークエンジニアの需要も高まっています。
ネットワークエンジニアの仕事内容とは、企業のITインフラを支えること
ネットワークエンジニアの主な役割は、簡易に説明すると、企業などのITインフラを支えるネットワーク環境を「設計」、「構築」、「運用」することです。

以下より、なかなかイメージがしにくい、ネットワークの「設計」、「構築」、「運用」の仕事内容について、簡易に説明をしていきます。
ネットワーク設計(基本設計)の仕事内容
新たなシステム導入やオフィス移転、事業拡大などにあわせて、最適なネットワーク構成を検討していく仕事です。
例として、どの部署にどのような通信機器を配置するか、通信経路をどうするか、セキュリティはどう対策するかなどを、設計書(ネットワーク構成図)にまとめていきます。
ネットワーク構築の仕事内容
設計書に基づき、実際にネットワーク機器(ルータ、スイッチ、ファイアーウォールなど)を設置・設定し、ネットワークを構築していきます。
また、通信が正しく行われるかまで、試験(テスト)を行い、問題があれば調整していくのが、ネットワーク構築の仕事です。
ネットワーク運用の仕事内容
ネットワークは一度作ったら終わり、ではありません。安定して使い続けられるよう、維持やメンテナンスを行う、運用の仕事も重要です。
ネットワーク運用は、ネットワークを安定して使い続けられるように、障害発生時の対応や、通信速度の最適化、セキュリティパッチの適用、ログの確認などを行い、ITを使える土台を維持していく仕事です。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの違いとは?
ITインフラ系の職種において、混同されやすいのが「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」です。どちらもITインフラに関わる職種ですが、担当する範囲には、明確な違いがあります。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアは、ネットワーク通信の経路(データの通り道)を設計、構築、運用する仕事です。ルータ、スイッチ、ファイアーウォールといった通信機器を扱い、拠点間接続、インターネット接続、セキュリティ対策などが主な仕事です。



例として、「A拠点から、B拠点まで、安定した通信を確保する」、「社内ネットワークを、外部からの不正アクセスから守る」といった、課題を解決するのがネットワークエンジニアの役割です。
■参考記事:ネットワークとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明
サーバーエンジニアとは
一方で、サーバーエンジニアは、通信先の中身(データの置き場所、処理場所)を管理する仕事です。メールサーバー、ファイルサーバー、データベースサーバーなどを構築、運用し、クライアントにサービスを提供できる状態にするのが、主な仕事です。



■参照記事:サーバーとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明
ただし、ネットワークとサーバーは、密接な関係があるため、ネットワークエンジニアでも、サーバーの基本知識が必要です。また、サーバーエンジニアでも、ネットワークの基本知識が必要です。
特に近年は、クラウドサービスの発展により、ネットワークとサーバーの境界線があいまいになっている部分もあり、ネットワークとサーバーの両方の基礎知識をあわせ持つことが推奨されます。
ネットワークエンジニアの年収を徹底考察
ネットワークエンジニアは、企業のITインフラを支える重要な職種であり、安定した需要があるポジションです。しかしその年収は、経験・スキル、企業の特徴(案件の請け方など)、勤務地などで、驚くほど大きく変動します。
ここでは、ネットワークエンジニアの年収実態について、「平均年収」から「設計・構築・運用の年収」、また「未経験時の年収」、「500万を目指せるのはいつ頃?」など、詳しく考察、説明していきます。
ネットワークエンジニアの平均年収、中央値の相場は539万程度と推測
ネットワークエンジニアの平均年収は、調査会社や統計方法などによって異なりますが、厚生労働省(job-tag)のデータでは685万円、転職サイトのdodaでは446万円、求人ボックスでは487万円でした。
ゆえに、大手調査元の調査データや求人情報を分析すると、ネットワークエンジニアの平均年収および中央値は、概算で約539万円と推測されました。



※出典:厚生労働省 職業情報提供サイト job-tag
※出典:doda 平均年収ランキング(2023年)
※出典:求人ボックス
平均年収という数値は、出典元によっても異なりかつ、個人のスキルレベルの差や、勤務企業などによって変動するものの、ネットワークエンジニアの年収傾向を示す、一つの指標と言えるかと思います。
また、上記のように、平均年収には大きな幅がありますが、一般的な職種と比較して高い水準にあると考えられます。
ネットワークエンジニアの平均年収は、一般的な職種と比べると高い水準
大手転職サイトのdodaのデータでは、ネットワークエンジニアの平均年収は446万円であり、その他の全職種の平均年収414万円と比較し、やや高い水準でした。
ITエンジニア全体と比較すると、同等もしくはやや低い傾向はありますが、全職種と比較すると、安定した収入が見込める職種と言えるでしょう。



未経験だったら年収はいくら?経験年数による年収の目安
ネットワークエンジニアの平均年収は、経験年数やスキルレベルによって異なりますが、経験年数で言うと、以下のような傾向があります。
経験年数 | 年収の目安 |
---|---|
未経験レベル(1-2年) | 約250万〜400万円 |
中堅レベル(3-5年) | 約300万〜600万円 |
リーダーレベル(5年以降) | 約500万〜800万円 |
マネージャークラス | 約800万〜1000万円以上 |
ネットワークエンジニアは実力主義であるため、経験年数のみで年収を図ることは難しいですが、年収の目安としては上記の数値に収まりやすいと言えるでしょう。
未経験者の初年度の年収は、250-400万円程度
ネットワークエンジニアとして、未経験からキャリアを始める場合は、年収はおおよそ250ー400万円程度が相場です。
ただし、ネットワークエンジニアになる前に、ネットワークの基礎知識があるか、ないかによって、年収が更に変わります。具体的には、以下程度となるでしょう。
■未経験ネットワークエンジニアの初年度の年収:
・ネットワークの基礎知識あり:330~400万円程度
・ネットワークの基礎知識なし:250~350万円程度
ネットワークの基礎知識(例として、CCNA取得)があると、年収帯が高い会社から内定を得やすいと言えます。知識なしの場合は、年収はかなり控えめな金額帯となる傾向が強いです。
未経験からでも、年収300万円台後半を目指したい場合は、CCNAなどの資格を取得してから転職をすることが強くおすすめと言えます。
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設計、構築、運用、監視の年収はどれくらい?工程別に解説
ネットワークエンジニアとして働く上で、自分がどの工程に関わるかによって、業務内容や求められるスキルが変わり、年収も変わっていきます。
設計、構築、運用、監視といった工程別で、目安となるモデル年収は以下図のようになります。



監視のモデル年収は250万~400万程度
未経験ネットワークエンジニアのキャリアの入り口として、もっとも多いのは監視業務です。ネットワーク知識ゼロからネットワークエンジニアになると、ほぼ監視業務から始まるでしょう。
監視とは、ネットワーク機器などが正常に稼働しているかを、監視ツールを使って見守る仕事であり、障害発生時には一次対応を行い、必要に応じて上位のエンジニアにエスカレーションをします。
この監視フェーズにおいては、ネットワークの技術も知識もほとんど求められません。「正確なオペレーション能力」が強く求められます。専門性や裁量が少ない工程のため、年収は250万~400万円と、かなり抑えめな金額感です。
運用のモデル年収は、300万~450万円程度
ネットワークの運用は、構築済みのネットワーク環境が安定して稼働を続けられるように維持する工程です。具体的には、設定変更やバージョンアップ対応、障害対応や保守などが含まれます。
この運用フェーズは、「ネットワークの知識や技術力」が求められますが、しっかりとした技術力がなくとも、知識のみで参加できることもあります。ゆえに、ネットワークエンジニアの入り口になることも多い工程です。
そのため、年収は300万~450万円程度と、やや控えめな傾向があります。運用で経験を積みながら、CCNAやCCNPを取得し、構築を目指すというのが一般的なキャリアパスです。
構築のモデル年収は、400万~550万円程度
ネットワークの構築は、上流工程と下流工程の狭間に位置する工程です(構築は、上流工程と考える人も、下流工程と考える人もいます)。
構築では、実際にルータやスイッチなどの機器を設置・設定し、動作確認まで行う仕事です。具体的には、機器のコンフィグ作成、現地での設置作業、試験、関係者の調整などまで含まれます。
この構築フェーズにおいては、「専門的な技術力や知識」が求められます。そのため、年収は400万~550万円程度が目安となり、運用よりもワンランク上の年収が期待できます。
また構築フェーズを複数経験すると、ネットワーク設計へのキャリアが開かれやすくなります。
基本設計のモデル年収は、450万~750万円程度
ネットワークの基本設計は、上流に位置する工程です。クライアントの要件をもとに、最適なネットワーク構成を考え、ネットワークの構成図や設計書を作成する仕事です。
この基本設計においては、「技術力」だけでなく、「要件のヒアリング力」や「提案力」、「調整力」、「資料作成能力」など、さまざまなスキルが求められるため、年収は高いと言えます。
設計フェーズに携わる場合、初期段階でも450万円以上は固いでしょう。一定の経験を積めば、600~700万円台も十分に狙っていける仕事内容です。
未経験から年収500万円を目指せるのは、何年後?
ネットワークエンジニアが年収500万円を目指せる年数は、スタート時の仕事内容によって大きく異なります。
ただし未経験からでも、3年あれば年収500万を目指すことができます。また、5年あれば、努力をおしまなければ、年収500万円は十分に到達可能なスピード感でしょう。
仮に未経験から3年間で、年収500万に到達するためには、以下のようなステップを踏むと、かなり現実的になっていくでしょう。
目安となる仕事内容 | 資格 | |
1年目 | ネットワーク運用、もしくは構築補佐 | CCNA(必須) |
2年目 | ネットワーク構築、運用 | CCNP(必須に近い) |
3年目 | ネットワーク構築、一部設計(リーダーorサブリーダー) | CCNPや、CCNPに準ずる資格 |
未経験から3年あれば、年収500万を目指すことはできます。ただし、そのためには「資格取得」や「実務経験の積み上げ」が必須です。また、人によっては、「戦略的な転職」も必要になるでしょう。
未経験から年収1,000万円を目指せる?
未経験からネットワークエンジニアとして、年収1,000万円を目指す場合、かなりの戦略と努力が必要です。ただし、最短で1,000万円を目指すなら、8-10年程度をひとつの目安とすることもできます。
仮に未経験から10年間で、年収1,000万に到達するためには、以下のようなステップを踏むと、現実的になっていくでしょう。
目安となる仕事内容 | 必要条件 | |
1~2年目 | ネットワーク運用、もしくは構築補佐 | CCNA(必須) |
3~5年目 | 設計、構築、PL | CCNP(必須に近い) |
6~8年目 | 要件定義、設計、PM/PL | 大規模プロジェクトの設計経験、プロジェクト管理経験 |
9~10年目 | 要件定義、設計、PM/PL | 大手SIerの管理職、外資系、フリーランス |
ただし、ネットワークエンジニアとして、年収1,000万円を「技術力だけ」で目指すのは、難易度がかなり高いと言えます。技術力以外の、その他のスキルもあわせ持つことが重要と言えるでしょう。
例として、管理職になるための「マネジメント力」や、年収が高い外資系に転職できるだけの「英語力」、また、フリーランスとして高単価案件を獲得・継続できる「営業力」などが求められるでしょう。
また未経験から年収1,000万円を目指すのであれば、市場価値の最大化を常に意識し、転職のタイミングにも常に気を払っていく必要があります。
早期に年収アップを目指すなら、1社目の会社選びは非常に重要
ネットワークエンジニアとして、早期に年収アップを実現したいなら、最初に入社する「1社目の会社選び」が非常に重要です。
なぜなら、キャリアの初期段階で、どのような経験を積めるかによって、その後の市場価値や成長スピードが大きく変わるためです。
例として、監視やテクニカルサポートなどばかりを行う会社では、仕事内容がかなり限定されます。ゆえに、スキルの幅も広がりにくく、年収も300万円台で頭打ちになることも多くみられます。
一方で、構築補佐や、実機を触る運用などといった仕事内容に、早くから携われる環境であれば、専門性が高まり、年収を高めるために必要な「スキル」を身につけることができます。
また、逆に言うと、どれだけ意欲やポテンシャルがあっても、スキルを伸ばしにくい会社に勤めてしまうと、スキルアップが遅れ、年収アップも大きく遅れてしまいます。
ネットワークエンジニアになると、キャリアは長く続きますが、最初の一歩で大きな差がつくのも事実です。早期に年収を上げていきたい場合は、特に1社目の会社選びに、もっとも注力すべきと言えるでしょう。
ネットワークエンジニアの平均年収ランキング
ネットワークエンジニアの企業年収ランキングのような記事がなかったため、ネットワークエンジニア(インフラエンジニア、セキュリティエンジニアなど含む)が一定数勤務している、大手上場企業の年収ランキングを作成しました。
以下の内容は、全て企業の公式なIR情報からまとめています。
■企業平均年収ランキングの計算方法:
・情報ソース:各上場企業のIR情報(有価証券報告書)
・選定企業:ネットワークエンジニア(インフラエンジニア、セキュリティエンジニア等も含む)が一定数勤務する企業のみ
No. | 企業名 | 銘柄 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|
1 | ソフトバンクグループ(株) | 東証プライム | 1,253万円 | 41.5歳 |
2 | (株)野村総合研究所 | 東証プライム | 1,221万円 | 40.3歳 |
3 | 日本オラクル(株) | 東証スタンダード | 1,046万円 | 43.1歳 |
4 | KDDI(株) | 東証プライム | 952万円 | 42.5歳 |
5 | ヤマハ(株) | 東証プライム | 934万円 | 44.0歳 |
6 | (株)ベイカレント・コンサルティング | 東証プライム | 933万円 | 32.0歳 |
7 | 日本電信電話(株) | 東証プライム | 911万円 | 41.3歳 |
8 | (株)電通総研 | 東証プライム | 896万円 | 41.0歳 |
9 | (株)日立製作所 | 東証プライム | 894万円 | 42.1歳 |
10 | トレンドマイクロ(株) | 東証プライム | 882万円 | 39.7歳 |
一部は、持ち株会社(管理職以上中心)の企業もありますが、年収の参考とする分には問題無いでしょう。
11位以下も知りたい方は、「ネットワークエンジニア企業の平均年収ランキング【まとめ】」をあわせてお読みください。
ネットワークエンジニアが年収を上げる、5つの方法
ネットワークエンジニアの年収には、大きな個人差があります。年収が300万円代にとどまる人も多くいれば、年収700万以上の人も多く存在します。
年収を上げていくためには、単に経験年数を重ねていくだけではなく、戦略的にスキルや経験・役割を高めていくことが重要です。以下に、年収を高める方法を説明していきます。
■ネットワークエンジニアが年収を上げる、5つの方法:
・ステップアップして、上流工程に携わる
・資格を取得し、ステップアップできるようにする
・新たなスキルを習得し、スキルアップする
・給与が高い会社に転職する
・リーダー、マネジメントを目指す
ステップアップして、上流工程に携わる
ネットワークエンジニアの仕事は、「設計」、「構築」、「運用」などの工程に分かれています。
もっとも基本かつ王道なやり方は、上流工程に進むことで、年収を高めることです。上流になるほど専門性とスキルが高まるため、年収も比例して高くなります。
例として、運用業務では年収300~450万程度が相場ですが、構築にステップアップすれば400~550万程度と、年収が一段落上がります。基本設計に携われれば、600万円以上も見えてきます。
また、ステップアップのためには、「現状のみで満足しない」ことが大事です。
新しいことに積極的に挑戦し、機器に触れる、設計書や構成図などに触れる機会を増やすことで、上流工程への道が自然と見えてくるでしょう。
資格を取得し、ステップアップできるようにする
実務経験ほどではありませんが、上流工程へステップアップするための大きな武器となるのが、「資格」です。ネットワークエンジニアの世界では、資格が評価されやすいため、資格を取ることでチャンスが大きく増えるでしょう。
まず未経験や若手であれば、CCNA(Cisco Certified Network Associate)は是非とも欲しい所です。また構築を目指す場合は、CCNP(Cisco Certified Network Professional)の取得を目指しましょう。
ネットワークエンジニアとしてステップアップしたい人材は、世の中に数えきれないほど多数います。またステップアップしたい人全員が、ステップアップできるとは限りません。
ステップアップするためには、あなたが選ばれる必要があるとも言えます。資格は「知識」を証明してくれますが、「学習意欲」や「成長意欲」も証明してくれるため、選ばれるための武器になるでしょう。
新たなスキルを習得し、スキルアップする
ネットワークエンジニアとして高い年収を実現するためには、新たなスキルの習得し、スキルアップしていくことも、非常に効果的です。
特に、今の時代でネットワークエンジニアに求められるのは、ネットワークだけではなく、「セキュリティ」、「英語」、「プログラミング」といった、周辺分野を含めた複合的なスキルです。
まずセキュリティの知識は、全てのネットワークエンジニアに必須です。ファイアーウォールやVPN、脅威検知やアクセス制御など、広範囲な知識が求められます。情報処理安全確保支援士の資格も、非常に有効です。
また、英語のスキルも、ネットワークエンジニアにとって大きな武器となります。Ciscoなどベンダーのマニュアルや最新技術の情報は、英語が中心です。英語力があるだけで、配属できるプロジェクトの質や単価も変わります。
あわせて、プログラミングスキルも、ネットワークの自動化や効率化に直結する重要スキルです。Pythonを使ったコーディングや、AnsibleやTerraformのスキルがあれば、構築や運用業務を自動化することもできます。
このように、セキュリティや英語、プログラミングといった周辺スキルを習得することで、ネットワークエンジニアとしての市場価値を高め、年収を高めていくことができます。
給与が高い会社に転職する
同じスキルや実績を持っていても、「どの会社で働くか」によって、年収は大きく変わります。特にIT業界では、多重下請け構造で働くこともあるため、1次請けか、2次請けか、3次請けかによって、年収に大きな差がつきます。



年収を上げる方法として有効なのが、「3次請けから2次請けに転職」、「2次請けから1次請けに転職」を行い、中間マージンを減らして年収を高めるやり方です。
ただし、1次請けや2次請け、3次請けなどにおいては、求められるスキルが異なっています。1次請けは技術スキルのみでなく、マネジメント力や調整力も強く求められるのが特徴です。
また、給与を上げる転職の場合は、ネットワークエンジニアは、外資系企業も視野に入ることも多いでしょう。外資系企業は、日本企業と比べて、給与が1.2~1.5倍程度に設定されていることも多いです。
このように、給与が高い会社に転職することで、年収を高めていくことが可能です。
リーダー、マネジメントを目指す
技術スキルだけでなく、チームをまとめる力やマネジメント力も、大幅な年収アップを目指すには、欠かせないポイントと言えるでしょう。
構築や設計の実務経験を経て、プロジェクトリーダー・マネージャとして、チームリードできる存在になると、評価は大きく変わります。また、年収も大きく変わります。
実際に、マネジメント経験があるネットワークエンジニアは、年収700万以上は非常に現実的なラインです。マネジメントを目指す場合は、「お客さまとの折衝力や提案力」、「スケジュール・コストの管理力」なども求められていきます。
技術のみでなく、マネジメント力を身につけていくことで、大きな年収アップにつながっていきます。
年収アップにおすすめ、ネットワークエンジニアの資格
「どうすれば年収を上げられるのか?」というのは、多くの人が気になる所でしょう。
ネットワークエンジニアは、実務経験がもっとも評価されるため、キャリアアップにつながる経験を積むことが重要ですが、手っ取り早く評価されやすいのが、ネットワークエンジニアに活かせる資格の取得です。
特に、未経験者から中堅者のネットワークエンジニアにとって、資格は知識の証明となり、市場価値を可視化する武器となります。結果的に、資格の影響で、年収アップが大きく実現しやすくなると言えます。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格
ネットワークエンジニアの仕事は専門性が高いため、企業側も即戦力性を求める傾向が強いです。ただし全ての人が、最初から即戦力性を持つ訳ではありません。そこで役立つのが資格です。
ネットワークエンジニアは、資格が非常に評価されやすい職種の一つです。資格を取ることで「基礎知識の証明」、「学習意欲や向上心の証明」が簡単にでき、転職や年収アップ、単価交渉時に有利に働きます。
以下からは、ネットワークエンジニアに特におすすめの資格を3つ紹介していきます。
【未経験・初心者向け】シスコ技術者認定 CCNA



未経験者や初心者にもっともおすすめなネットワーク資格は、CCNA(Cisco Certified Network Associate)です。
CCNAは、シスコ社が認定する資格であり、ルータやスイッチの設定、IPアドレス、VLANなど、現場で役立つ基本的な知識を学ぶことができます。
また、CCNAは「ネットワークエンジニアの運転免許証」とも呼ばれ、就職や転職でも高く評価されます。受験料が高めですが、ネットワーク分野で最初に取得すべき、万能な資格と言えるでしょう。
■参考記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説
CCNA | |
認定元 | シスコシステムズ |
受験料 | 46,860円(税込) |
難易度 | ITSSレベル2(難易度★★☆☆☆) |
試験日 | いつでも受験可能 |
【中堅者向け】シスコ技術者認定 CCNP Enterprise



CCNP(Cisco Certified Network Professional) Enterprise は、シスコ社が認定する中〜上級者向けのネットワーク資格であり、実務経験を積んだエンジニアにおすすめな資格です。
CCNPは、CCNAの上位資格であり、中~大規模向けのネットワーク設計、構築、運用に必要な知識を学べる資格です。
CCNPを取得することで、多くのネットワークエンジニアに、構築業務以上のキャリアステップが開けます。また、将来的に設計などの上流工程に携わりやすくなります。
キャリアアップや年収アップを目指すネットワークエンジニアにとって、CCNPはとてもおすすめな資格です。
CCNP Enterprise | |
認定元 | シスコシステムズ |
受験料 | 350-401 ENCOR(コア試験):62,480円(税込) 300-410 ENARSI(コンセントレーション試験):46,860円(税込) |
難易度 | ITSSレベル3(難易度★★★☆☆) |
試験日 | いつでも受験可能 |
【上級者向け】ネットワークスペシャリスト試験(国家資格)



https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html
ネットワークエンジニアとして活躍した後、さらに専門性を高めていきたい人におすすめな資格が、ネットワークスペシャリスト試験です。
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格であり、ネットワーク分野に特化した資格として、高く評価されています。
特に、大規模案件においては、ネットワークスペシャリスト試験の保有者の有無が、案件受注の信頼材料となることもあり、企業側からの評価が非常に高い資格です。
また、ネットワークスペシャリスト試験は、一度合格すれば有効期限がなく、一生有効な所も魅力です。さらに上位のエンジニアを目指すなら、ぜひ取得を検討したい資格です。
ネットワークスペシャリスト試験 | |
認定元 | 情報処理推進機構(国家資格) |
受験料 | 7,500円(税込) |
難易度 | ITSSレベル4(難易度★★★★☆) |
試験日 | 年1回(春) |
ネットワークエンジニアの年収アップに、資格はいる?いらない?
「ネットワークエンジニアに資格はいらない」という人も相応いるため、「資格は年収アップに必要なのか?」、「資格がないと、年収は上がらないのか?」という所も、気になるテーマでしょう。
結論から言うと、ネットワークエンジニアの年収アップに「資格は必須ではありません」。しかし、「資格を持つことで、年収アップのチャンスが大きく広がるのも、間違いありません」。
ネットワークエンジニアは実務経験がもっとも重視されるため、経験と実績がもっとも大きな評価ポイントです。しかし、まだ経験や実績が十分でないエンジニアにとって、資格は特に強い武器となります。
また、年収が高い上級のネットワークエンジニアにおいて、資格を持たない人も確かにいますが、高難易度の資格を持っている人が圧倒的に多く、年収と資格はネットワークエンジニアにとって、強い因果関係があると思います。
年収アップを目指すなら、「経験+資格」の両軸でキャリアを築くことが、もっとも効果的なアプローチとも言えるでしょう。
また、ネットワークエンジニアのおすすめ資格を詳しく知りたい方は、「ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説」をあわせてお読みください。
ネットワークエンジニアに向いている人は、年収アップしやすい?
ネットワークエンジニアとして適性がある人は、年収アップの可能性が高いと言えます。理由として、向いている人ほど、長期的にエンジニアとしてのキャリアを成長させやすく、市場価値の高いスキルや経験を積みやすいためです。
以下に、ネットワークエンジニアに向いている人の性格や特徴を説明します。



まず、ITへの好奇心や、技術への向上心が高い人は、新たな技術や、今必要とされているスキルに興味を持つため、その学習意欲をもとに、自分の市場価値を自然と高めていく傾向があります。
またコツコツ学習できる人は、技術や資格の取得が早く、市場価値を中長期的に高めることもできるため、年収アップに大きく繋がりやすいと言えます。
あわせて、論理思考力やコミュニケーション力が高ければ、トラブルシューティングなどの重要な場面で評価されることや、チーム内での存在感が高まることで、プロジェクト管理も任されやすくなり、年収アップにもつながるでしょう。
このように、ネットワークエンジニアとしての適性を持ちながら、市場のニーズを見据えたスキルアップを継続できれば、大きく年収を高めていくことができるでしょう。
しかし、ネットワークエンジニアの年収アップは、適性のみで決まる訳ではありません。適性は、年収アップの可能性を高める一つの要素でしかありません。また、適性は努力で少しずつ身につけていくこともできます。
■参考記事:ネットワークエンジニアに向いている人の特徴は?未経験でも大丈夫?
ネットワークエンジニアは、今後も稼げる?オワコン?年収と将来性について
ネットワークエンジニアを目指す人や、現役のエンジニアにとって、「将来性はあるのか?」や「年収は本当に上がるのか?」などは、気になる所でしょう。
ネットワークエンジニアは、「思ったよりも年収が上がらない」、「ステップアップが大変すぎる」など、一部からオワコンとささやかれることがありますが、将来性は結論、非常に高い職種です。
現代社会では、あらゆるサービスがインターネットを経由して提供されています。またそれに伴い、通信インフラの安定性や安全性が、ますます重要となっています。
例として、IoT機器の増加やリモートワークの拡大、クラウドサービスの普及などにより、ネットワークの設計や管理は複雑化しています。複雑なネットワークを管理できる人材のニーズは、今後も高まり続けるでしょう。
また、ゼロトラストセキュリティやSDN、SD-WAN、SASEといった新しいネットワークの概念も登場しており、ネットワークエンジニアの活躍できる領域が、どんどん広がってきています。
あわせて、ニーズが高い分野に適応できるエンジニアは、大きく不足しています。
今後もニーズが高い、新しい技術領域をしっかりキャッチアップし、実務に適応できるネットワークエンジニアは、ますます高収入・高待遇が期待できるでしょう。
さいごに
ネットワークエンジニアの年収は、経験・スキルや担当工程、保有資格、勤務企業などによって大きく変動します。特に構築・設計といった上流工程に進んだり、セキュリティなどのスキルを習得することで、年収600万以上も、現実的に目指せていくでしょう。
「今の年収に満足していない」、「これから年収を上げていきたい」と考えている方は、まずはスキルアップから始めてみましょう。そしてよりよい環境を求めるなら、資格取得や転職も大きな一歩になります。
年収を上げるための第一歩は、「情報を集めて、実際に行動に移すこと」です。行動に移さないと、何も変わらないのは事実でしょう。ぜひ年収アップの実現に向けて、今日から行動を始めてもらえると幸いです。
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