運用保守はやめとけ?底辺と言われる理由と抜け出す最短ルート【2025】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

毎日、手順書どおりの作業、、このままでいいのかと不安に感じていませんか?

ネット上では「運用保守はやめとけ」、「底辺職」という言葉が溢れています。

「この仕事に将来性はあるのか?」、「40代になったときスキルは通用するのか?」と、不安になっているかもしれません。

その不安は、あなたの能力のせいではありません。問題は「環境」です。

結論:運用保守は「やめとけ」ではありません

今まで積み上げてきたインシデント対応、障害切り分け、改善提案の経験は、構築・クラウドの現場で通用する「活かせる強み」です。

やめるべきは「運用保守」という職種ではなく、「成長が止まってしまう環境」の方です。

■この記事でわかること:
・今の現場が「やめるべき環境」か「残るべき環境」か、5分で診断できる判断軸
・大がかりな準備なしで、最短でキャリアを動かす3ステップの行動
運用保守経験を活かせるキャリアパス

今日から負荷なく動ける3ステップを実行すれば、遠回りせずにキャリアを変える道筋を手に入れることができます。不安や焦りがない、確実なキャリアを築いていきましょう。

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

結論:運用保守は「やめとけ」ではない。問題は「環境」と「成長ルート」にある

あなたが感じている将来への不安は、「運用保守という職種そのもの」ではなく、「環境の問題」 から生まれています。

結論から言うと、運用保守=やめとけ、ではありません。やめるべきは「キャリアの成長が止まる環境」の方です。

運用経験は「活かせる強み」である

運用保守で積み上がる以下の経験は、インフラの安定稼働を支える「土台の仕事」であり、構築・クラウド・設計へと進むための強力な武器です。

例として「障害対応での切り分け」、「システム全体像の理解」、「改善提案の経験」などは上流へのステップアップ時にそのまま活かせます。環境によってはスムーズに上流工程へ接続できます。

特にクラウド時代では、「運用の知識 ×クラウド技術」といったセットは、市場価値が高まり需要が拡大している領域です。

なぜ「やめとけ」と言われるのか?

運用保守が「やめとけ」と言われる最大の理由は、「努力してもスキルが積み上がらない環境」という構造的な問題にあります。

例として、「手順書通りの単純作業のみ」、「判断権限がなく、改善できない」、「夜勤・シフトで勉強する余力を奪われる」などが事実起きてしまいます。

こうした環境を続けてしまうと、経験・スキルが停滞してしまい、ネット上で「底辺」と言われてしまう原因になってしまいます。

この記事のゴール:迷いをなくし、最短ルートを知る

あなたの運用経験が「キャリアアップの土台」になるか、キャリアを「停滞」させるかは、大きくは環境選びにかかっています。

■迷いをなくすために、知っておくべきこと:
今の現場が「やめるべき環境」か「残るべき環境」かの判断軸
底辺と言われる環境から、最短で抜け出す具体的な3ステップ

運用保守が「やめとけ」、「底辺」と言われる4つの現実

運用保守がネット上で「やめとけ」、「底辺」と言われるのは、努力が正しく評価されない、構造的に問題のある環境が多すぎるためです。

ここでは、心当たりがあるかもしれない「4つの現実」を整理していきます。

① 手順書作業だけでスキルが積み上がらない現場が多い

運用保守の現場には、極端に「作業化」された仕事が多く存在します。

■スキルが積み上がりにくい理由:
・手順書通りの作業が求められ、考える必要がない
・運用改善の余地がない、判断はすべて上位担当者
・安定稼働時には、手持ち無沙汰な状況が続くことも

このような環境では、どれだけ時間をかけても「技術力や考える力」が磨かれません

結果として「5年働いても、年数に伴う経験が積めていない」の状態になり、「キャリアが積み上がらない」という不安を抱えてしまいます。

→関連記事:運用保守はきつい?スキルがつかないと言われる3つの理由と脱出法

② 責任はあるのに、権限が小さい(プレッシャーだけが大きい)

運用保守は、責任と権限のバランスが良いとは言えない職種です。

■責任と権限のアンバランス例:
・障害が起きたら、即対応を行う責任
・しかし、ミスの影響が甚大であり、ハイプレッシャー
・さらに多くの場合、設計・構築工程には参加できない

「プレッシャーは強いのに、意思決定の権限はない」という構造的な矛盾が、精神的な疲労を強め、「評価されにくい」、「向いていないかも」と感じ、負のスパイラルに陥いることもあります。

③ 夜勤・シフトで生活リズムが崩れやすい(続けにくい)

運用保守は、環境によって夜勤シフトがあります。夜勤やシフト勤務の負荷で、キャリアチェンジの意欲が削られてしまうこともあります。

■夜勤・シフト勤務で起きること:
・昼夜逆転で睡眠が乱れる体調が安定しない
・土日がつぶれ、プライベート・家族との予定が調整しにくい
・最も深刻なのが、勉強する時間・気力が確保しづらくなる場合も

夜勤生活は30代以降、体力的・精神的に維持が難しくなり、キャリアチェンジの余力すら奪われてしまうこともあります。

→関連記事:運用監視オペレーターはやめとけ?年収・将来性・脱出ロードマップを解説

④ キャリアの天井が早い、40代以降の先が見えにくい

運用保守の最大の問題は、キャリアの頭打ちが早いことです。これが最も足る問題です。

■キャリアの天井が早い現実:
・給与レンジが上がりにくい、ほとんど年収が伸びない
・40代以降の求人が少なくなる、スキル不足で転職が難しい
・一部業務の自動化により、将来が不安

これは、個人の能力の問題ではなく、運用保守という環境の構造の問題です。

改善を起こせず、権限がもらえず、スキルが積み上がらない環境では、成長が留まってしまうことがほぼんどです。そのため人によっては、常に不安がつきまといます。

「やめるべき環境」と「残るべき環境」の決定的な違い

運用保守が「天国」にも「地獄」にもなる最大の理由は、配属された現場の質の差です。

同じ運用経験でも、1年で構築に進める人と、5年経っても抜け出せない人の明暗が大きく分かれます。

ここでは、あなたの現場が「やめるべき環境」なのか、「残るべき環境」なのかを判断するための、決定的な違い3点を解説していきます。

① 構築・改善・実機に触れる機会が「ゼロ」かどうか(最重要)

運用保守の環境を見極めるうえで、「構築・改善」、「実機に触れるかどうか」は最重要ポイントです

ここがゼロの場合、どれだけ頑張ってもスキルが積み上がらず、キャリアは完全に停滞します。

やめるべき環境例(危険な兆候)残るべき環境例(成長の機会)
手順書オペのみで、考える工程がない検証用のサーバーに触らせてもらえる
構築チームとの接点がゼロ小さくても改善タスクを任される
実機(サーバー/NW/クラウド)に触る機会がない構築者と情報交換ができる
監視 → 通報 → エスカレーションで完結「やってみる?」という空気がある
改善の提案がそもそも許されない手順書の背景を理解し改善の議論ができる

最重要ポイント:
運用から構築に進む人の大多数が、「実機に触れた経験」を持っています。実務で触れなくても、ラボなどで「触れる環境があるかどうか」が決定的な差になります。

② 過酷な労働環境(残業・夜勤・属人化)が常態化していないか

過酷な働き方は、体力や気力を削り、学習するモチベーションも削ります。結果的に「成長できない → 抜け出せない → 心身がすり減る」という悪循環に陥ります。

やめるべき環境例残るべき環境例
人手不足、毎日2〜3時間の残業が当たり前残業が適切に管理されている
夜勤の調整が通らない、負荷が大きい夜勤の負荷が分散されている
属人化していて、常に呼び出される自動化への投資が進んでいる

③ メンバー構成・人間関係・評価が健全かどうか

「人間関係」と「評価制度」は、キャリアの伸びに直結します。優秀な人が残らない環境は、あなた自身のキャリア停滞も引き起こしがちです。

やめるべき環境例残るべき環境例
チーム全体のモチベーションが低い親身にサポートしてくれる先輩がいる
作業者扱いで評価されない評価軸が明確で、成長が可視化される
ベテランがすぐ辞めていき、教える人がいないナレッジ共有があり、属人化が少ない
ミスに対する叱責だけが強いチームに前向きな人が多い

判別チェックリスト(Yesが多いほど「やめるべき環境」)

あなたの現場が「やめるべき環境」かどうか、5分でチェックしてください。

チェック項目Yes / No
実機(検証環境含む)に一切触れない
構築・改善に関われる見込みがない
残業・夜勤が慢性化など、働きにくい
チーム全体が疲弊している、モチベーションが低い
ベテランがいない、若手をサポートする文化がない
評価されない、作業者として扱われる
スキルが積み上がっている実感がない

【診断結果】
5つ以上当てはまるなら、環境要因でキャリアが止まっています。今すぐ抜け出す検討をすべきです。

では、どうすれば「抜け出せる?」誰でもできる最短の3ステップ

環境の問題に気づき「抜け出したい」と思った方は、すでに半分抜け出しています。

ここから最短でキャリアを変える方法は、とてもシンプルです。運用保守から構築・クラウドに進んだ人の多くは、「小さな3つのステップ」 から始めています。

いきなり大げさな準備や難しい勉強ではなく、誰でも今日から負荷なく始められます。

ステップ1:「いまの経験」をそのまま書き出す(20〜30分でOK)

最初に必要なのは、勉強でも資格でもなく、あなたが毎日やっていることを「そのまま書き出す」だけです。

なぜなら、運用保守の経験には、構築・クラウドでも評価されるスキルが多く含まれているためです。

運用保守でやっていることの棚卸し(戦力スキルの洗い出し例)
障害の初動判断や切り分けの手順(何が起きて、どう解決したか)
一番詳しくなった技術・システム(例:Linuxのログ解析に慣れたなど)
再発防止の検討、小規模な改善提案(採用されていなくてもOK)

書き出すポイントは3つ:
「何を」、「どんな判断を」、「どんな改善・工夫をしたか」です。これを書くだけで、「意外と武器あるかも?」と気づき、「抜け出せる自分」 がイメージでき、自己肯定感につながります

まずは「抜け出す自信」を持つことからスタートです。さらに「今の経験を書き出す」ことは、そのまま転職活動でも「有効な武器」になります。

ステップ2:「抜け出す武器」をひとつだけ作ってみる(小さくてもOK)

いきなり「完璧な勉強、重い資格取得」をする必要はありません。まずは「できそうなこと」をひとつだけやってみるだけでOKです。

■抜け出す武器を作る、始めの一歩(実践例):
AWS無料枠でEC2を起動してみる、VirtualBoxでLinuxを立てる
CCNA/LPICなどの基礎を教科書や動画で流し見(完璧でなくてもOK)
ハードルが高いなら「聞くだけ勉強」でもOK(YouTubeで解説を聞き流す)

ここでは「完璧にやらなくていい。できる範囲で1ミリだけ前へ進む」という考え方が最も重要です。「前に進んでいる感覚がゼロ」だと、誰しもが不安につながってしまいます。

一方で1つでも武器ができ始めると、「前に進んでいる感覚」が生まれ、抜け出す準備が整っていきます

ステップ3:あなたに合った「最短ルート」をプロに描いてもらう

最後のステップは、あなたの武器をどう活かして、最短距離で構築やクラウドに進んでいくかをインフラ転職のプロに見てもらうことです。

プロに見てもらうべき理由は、「運用保守は、配属ガチャの影響が大きい職種のため」です。

■転職のプロに相談すべき理由:
求人票で分からない「担当工程」、「構築比率」、「改善文化」などがキャリアを左右。
・「運用保守は配属ガチャの影響が大きく、伸びる環境は限られている
・一人の情報収集では、成長できる現場の見極めが難しい

だからこそ、「あなたの経験ならこのルートが最短」、「この案件なら構築まで最短●ヶ月」などと、キャリアルートを描いてくれる専門家に相談するだけで、遠回りせず確実な道を選べるようになります。

相談した時点で転職を決める必要はありません。今の現場に残るかどうかも含めて、プロが一緒に判断してくれます。

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運用保守の経験を活かせる3つのキャリアパス(目的別)

運用保守から抜け出す方法は一つではありません。あなたの「目的」や「興味」に合わせて、最も効率的に市場価値を高められる3つのルートを紹介していきます。

キャリアパス目的・志向性運用経験の活かし方
① 構築エンジニア最短で年収アップしたい障害対応の理解・手順書改善経験を、構築時のリスク回避や設計品質に活かせます。
② 運用設計・運用管理今の経験を最大活用したい障害管理・監視改善・運用改善の視点をそのままマネジメント側へ転用できます。
③ クラウド・自動化エンジニア将来性・市場価値を最優先監視・改善提案の経験を、SRE / IaC / AWS設計などの高需要領域へ。

各キャリアパスの具体例・年収レンジ・必要スキルの詳細は、以下関連記事で深掘りしています。

■関連記事:運用保守を活かせるキャリアを詳しく知りたい方へ

→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス・ロードマップ|運用から設計・クラウドへ
→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|工程別・年代別に1000万円を狙う戦略
→関連記事:クラウドエンジニアに転職する最短ルート|20代・30代の勉強法と資格

よくある質問:運用保守の不安とキャリアの悩みにすべて回答

運用保守のキャリアについて、よくある質問をまとめました。あなたが「本当に抜け出せるのか?」と感じる疑問は、ここで解消できます。

Q1:運用保守を続けても成長できますか?

A: 環境次第で「成長できる人」と「止まる人」がはっきり分かれます。

成長できる現場
構築・改善に触れられる、実機(Linux/AWSなど)を扱える、ベテランからのフィードバックがある。

成長が止まる現場
手順書オペのみの監視ループなどにいると、どれだけ頑張ってもスキルは積み上がりません。

この判断方法は、「やめるべき環境」で提示した「判断チェックリスト」で簡易判断できます。

Q2:30代からでも構築やクラウドに進めますか?

A: 可能です。 若いほど吸収が早い傾向はありますが、構築・クラウドへの転身は「何歳だから無理」という性格のものではありません。

大切なのは、年齢よりも「どのスキルをどれだけ積み上げているか」と「正しい方向へ最短ルートを描くこと」です。

Q3:資格(CCNA/LPIC/AWS)は何から取るべき?

A:結論、最初にやるべきおすすめ順番は 「Linux → ネットワーク → クラウド(基礎)」です(LinuxとNWは逆でも可)。

ただし、いきなりフルセットを狙う必要はありません。どれも「基礎」があれば前に進めます。

Q4:転職しても運用保守に戻されることはありますか?

A: 残念ながら「あります」。求人票に「設計構築あり」と記載があっても、実態は多くが運用工程(構築はほぼない)というケースはよくあります。

これを避ける方法は「企業側の内部情報(構築比率・改善文化)を持っている専門家に確認すること」です。まず選ぶべきは「構築に行ける環境」を具体的に提示してくれるエージェントです。

Q5:今の現場に残るか転職すべきか、どう判断すればいいですか?

A: 結論、もっとも重視すべき判断基準は「成長できる環境かどうか」です。

■まず自分でチェックすべき3点
構築・改善・実機に触れるチャンスがあるか?
職場環境に問題ないか?
会社の評価制度は前向きか?キャリアパスの実績があるか?

結論:迷ったら、プロに環境を診断してもらうべき

プロは、「あなたの経験ならどの現場で伸びるか」、「構築まで最短で行ける案件はどれか」といった、個人では収集が難しい内部情報を把握しています。

「残るor動く」の正しい判断は、プロと一緒に決めるのが最も確実で早いです。

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さいごに:運用保守は「やめる」よりも「活かして抜け出す」方がはるかに合理的

運用保守は「やめとけ」と言われがちですが、本当に問題なのはあなたの経験が「活きない・伸びない環境」にあります。

適切な現場に移れば、障害対応で鍛えた判断力改善提案の視点は、構築・クラウドでも強い武器になります。

またあなたのキャリアは、今の環境で決まってしまうわけではありません。「どの環境で働くか」を変えるだけで、未来は大きく変わります

迷ったら、ひとりで抱え込まず、まずはプロに「最短ルート」を見てもらってください。 動くのが早いほど、選べる未来は広がります。

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この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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