こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「このまま運用保守を続けて、将来は本当に大丈夫?」
手順書作業の繰り返し、また夜勤の中でそんな不安がよぎることはありませんか?
結論から言えば、運用保守は「何も考えずに続ける」と、気づいた時にはキャリアが詰んでいるリスクが高い職種です。
ただし、職種自体に価値がないわけではありません。問題は「どんな現場で、どんな経験を積んでいるか」です。
■運用保守の真実(環境差による分かれ目):
・数年後に構築・クラウドへ進む人
・気づいたら年数だけ増え、動けなくなる人
この差は、努力量の差よりも「環境(どんな現場か)」で決まります。
この記事では、運用保守の現場を「攻め」と「守り」に分類しならが、あなたが今の現場を「今すぐやめるべきか」、「残って経験を積むべきか」判断基準を明確に説明していきます。
結論|運用保守は「やめとけ」になりやすい。判断は「現場」で決まる
まず前提として、運用保守はインフラエンジニアの土台を築く重要な仕事です。
障害切り分けや安定運用の視点は、上流工程へ進む際の強力な武器となり、多くの優秀なインフラエンジニアが通るキャリアでもあります。
しかし、現場によっては「キャリアが詰む、深い落とし穴」になっているのも事実です。
■キャリアが詰む?落とし穴現場の特徴:
・業務内容が完全に固定されている
・改善や構築に関わるチャンスが全くない
・経験年数に見合うスキルが身につかない
このように、「続けるべきか」、「やめるべきか」の答えは、「今いる現場の質」にあります。
【最重要】運用保守の2つの現場タイプ
運用保守には、キャリアが積み上がる「伸びる現場」と、時間だけを浪費する「詰む現場」があります。あなたの今の状況を照らし合わせてみてください。
【タイプA:成長型】スキルが積み上がる「攻めの運用保守」
以下の項目に当てはまるなら、あなたは将来のキャリアにつながる「資産になる経験」を積めています。
■安心してOK、成長型 運用保守の特徴:
・改善・自動化: 手順書通りではなく、スクリプトなどによる効率化が歓迎される
・実機操作: 設定変更や検証環境での実機操作(CLI)に触れる機会がある
・上流との連携: 設計・構築チームと日常的に会話があり、構造を学べる
・ロールモデル: 「次は構築へ」と前向きなキャリアを歩む先輩がいる
この現場での経験は、そのまま構築エンジニアやクラウドエンジニアへの強力な足がかりになります。
【タイプB:停滞型】キャリアが詰む「守りだけの運用保守」
逆に、以下のような状態なら早期の脱出を検討すべきです。
■将来が危険、停滞型 運用保守の特徴:
・思考不要: 作業は手順書コピペのみ、「余計なことはしてはいけない」
・環境固定: 実機に触れず、アラート監視やエスカレーションが主業務
・学習不能: 不規則な夜勤や過剰な残業で、自己学習の時間が取れない
・停滞した周囲: 3~5年上の先輩が、自分と全く同じ作業を続けている
重要:これはあなたの能力の問題ではなく、現場の構造の問題です。
そしてこの構造は、個人の努力だけでは変えられないケースがほとんどです。
こうした現場に長く居続けると、「年数だけはベテラン。でも市場価値は新人と変わらない」という最悪の状態に繋がりかねません。
運用保守が「底辺・やめとけ」と言われる構造的リスク
運用保守が「やめとけ」と言われる理由は、仕事のきつさだけではありません。最大の問題は、真面目な人ほど抜け出せなくなる「構造的な落とし穴」にあります。
ここでは多くのエンジニアが無意識にハマってしまう、3つのリスクを整理していきます。
経験年数と市場価値が比例しなくなる「3年目の壁」
運用保守で最も多い失敗パターンが、「気づいたら3年経っていた」というケースです。
1〜2年目は「障害対応」や「手順書作業」を覚えることで成長を実感できます。しかし、3年目以降に「業務内容が変わらない」、「新しい工程に触れられない」状態が続くと、市場価値が年々停滞していきます。
よくある3年目の実感:
「3年も現場を支えてきたから、経験豊富になったはず」
よくある3年目の市場評価:
「3年いるのに実機(CLI)未経験? 配属や立ち上がりで苦労しそう、、」
実際、30代になってから「このままではまずい」と転職相談に来られる方のなかには、運用年数は長いのに、構築経験がないため書類・面接でスキル不足で苦戦するケースが後を絶ちません。
また運用保守経験「3年」と「10年」で年収を比較しても、大差がないケースがほとんどです(運用設計・運用管理は除く)。
これは本人の努力不足ではありません。停滞型の現場に居続けたことによる「巻き込まれ事故」です。
多重下請け構造と「中抜き」で年収が伸びない現実
次のリスクが、「頑張っても給料が上がらない」という年収の天井です。
運用保守の現場の多くは、元請けから二次請け、三次請けへと流れる「多重下請け構造」の中にあります。この構造では、個人の努力では突破できない壁が明確に存在します。
■下請け構造と年収の実状:
・利益の搾取:
→商流が下がるほど中間マージンがどんどん抜かれ、手元に残る給与は少なくなります。
・単価の固定:
→契約単価が決まっているため、どれだけ現場で評価されても昇給には限界があります。
・役割の固定:
→下請けの立場では、どれだけ望んでも設計などの上位工程を任せてもらえません。
「夜勤や責任ある仕事をしている。しかし、年収が伸びない・変わらない」。この矛盾は、職種の問題ではなく、あなたが今いる「商流」の問題である可能性が高いです。
【重要】資格取得だけでは解決しない本当の理由
「資格を取れば評価されるはず」と考える方も多いですが、環境(現場)が変わらなければ限界があります。実際に、上位資格を持っているのに、下流工程で停滞するエンジニアは少なくありません。
要注意:
・資格はあるが、実務で触らせてもらえない(実績にならない)
・資格はあるが、年収に反映される評価制度がない
「恩があるから」、「今の会社で道を探したい」と考える真面目なタイプの方ほど、このケースにハマりやすい印象です。しかし、努力が市場価値に直結しない環境で足踏みをする時間は、エンジニアにとって大きな損失です。
だからこそ、今の現場を「すぐやめるべきか」、「まだ残るべきか」の冷静な判断が必要になります。
ここまで見てきた通り、運用保守が「底辺・やめとけ」と言われやすい理由は、個人の努力不足ではなく、工程や商流といった構造要因にあります。
なお、これらの問題は「インフラエンジニアという職種そのもの」が詰んでいる、というわけではありません。インフラエンジニア全体が「やめとけ」と言われやすい背景と、言われにくい環境の違いについては、以下関連記事で整理しています。
→関連記事:インフラエンジニアはやめとけ?底辺と言われる理由と後悔しないキャリア戦略
【保存版】今の現場を「即刻やめるべき」判断基準チェックリスト
「やめたい気持ちはあるけれど、本当に今動いていいのか判断がつかない」 そんな方のために、インフラエンジニア専門の転職支援をしている立場から、客観的な「脱出の基準」を整理しました。
この3つに当てはまったら「今すぐ脱出」を検討すべき
以下の特徴は、あなたの市場価値が「伸びにくい状態」というアラートです。
①実機操作(CLI)が月1時間未満:
監視ツール・画面を見ている時間やExcelを叩いている時間が大半で、コマンドを打つ機会が極端に少ない場合、エンジニアとしてのスキルは向上していると言い難いです。
もちろん、今の現場と同じような「手順書メインの現場」であれば、経験年数だけで転職できる可能性はあります。しかし、それでは年収も労働環境も、今のまま据え置きや、下がってしまうケースがほとんどです。
2025年現在、実機経験のない「年数だけのベテラン」の需要は減りつつあります。だからこそ、この状態が続くかどうか、早めに見極めることが重要です。
②現場に「ロールモデル」が1人もいない:
3年上、5年上の先輩を見たなかで、もし「あの人のようになるのは避けたい」、「先輩も自分と同じ手順書コピペ作業をしている」などと感じるなら、それは危険信号です。
この場合は3年後、5年後のあなたの姿になる可能性も高いと考えられます(今の環境で得られる一般的なキャリアモデルは、今の目の前の先輩です)。成長の限界点はもう目の前にあります。
③夜勤・高稼働で「学習のサイクル」がどうしても作れない:
「今はきついけれど、資格を取ってから動こう」という姿勢は正解です。しかし、不規則な生活や高稼働(残業月40〜60時間超など)続きで、心身の健康維持が精一杯、「数ヶ月単位の継続的な学習」が物理的に破綻しているなら、話は別です。
もちろん、どんな環境でも時間を作る努力は必要です。しかし、「学習環境を整えるために、あえて今の現場を離れる」という選択が、結果として最短で構築・クラウドへ到達する戦略になることもあります。
大切なのは「ただ逃げる」ことではありません。私たちは「今は十分な学習時間が取れないが、環境さえ整えばこれだけやり切れる」というポテンシャルを、企業にどう納得させるかの戦略まで一緒に練り上げます。
逆に「まだ今の現場に残って経験を積むべき」ケース
焦って転職するよりも、今の環境を「使い倒す」方が将来の年収アップに繋がるケースもあります。具体的には以下に当てはまる場合は、現職に残ることが推奨されます。
検証環境(検証機)を自由に触れる:
本番環境の操作が限定的でも、空き時間にラボルームなどで検証機を自由に試せる環境なら、そこは「給料をもらいながら学べる環境」です。CCNAやLPICの範囲を実機で再現できるなら、残る価値があります。
運用チームのまま「小規模な構築・改修」に関われる:
「新サーバのラッキングや初期設定だけ任せてもらえる」、「パラメータシートの作成を手伝える」など、部分的でも構築工程に足を踏み入れられるなら、それを「実績」として履歴書に書けるまで粘る方が賢明です。
判断の重要ポイント(アドバイス):
抜け出す・抜け出さないの判断のポイントは、「今の現場で、1年前の自分より説明できることが増えたか?」どうかです。
もし「増えていない」と感じ、さらに上記の脱出サインに当てはまるなら、それはあなたの努力不足ではなく、環境で得られる「経験の限界」とも言えます。
運用保守からの転職を含め、「今の経験で、どんな選択肢が現実的なのか」を整理したい方は、インフラエンジニア転職の全体像をまとめた以下の関連記事も参考にしてください。
→関連記事:インフラエンジニア転職の成功法則|年収・スキル・環境を叶える「商流と役割」戦略
逆に、少しでも構築のチャンスがあるなら、まずはそこで「実務での実績」という武器を手に入れてから動きましょう。
脱出成功率を最大化する「3つのキャリアシフト」
「今の現場をやめるべき」と感じても、次に向かう方向を誤ると、また同じような現場を繰り返してしまうことは多くあります。
運用保守からの脱出で最も重要なのは、「運用経験が正しく評価されるルート」を戦略的に選ぶことです。ここでは、実際に成功率が高い3つのキャリアルートを紹介していきます。
ルート① 設計・構築エンジニアへ(年収+100〜150万円)
最も王道でありかつ、年収アップの成功率が高いのがこのルートです。
成功しやすい理由:
運用保守で培った「障害対応の視点」や「安定稼働への意識」は、構築フェーズでは非常に重宝されます。「壊れない仕組み」を考えられる構築エンジニアは、市場価値が大きく高まります。
評価されるポイント:
・LPIC(LinuC)、CCNAなどの基礎資格
・「どんな構成で、何を意識して運用していたか」の言語化できること
・部分的でも設定変更やラッキングに関わった実績
これは「まずは堅実に年収と裁量を上げたい」、「オンプレの基礎を極めたい」人に非常に向くキャリアパスです。
ルート② クラウド・SREへ(将来性・市場価値◎)
「将来性が不安、オンプレだけで終わりたくない」という方に最適な、モダンなルートです。
運用経験が活かせる理由:
クラウド(AWSなど)の本質は「運用の自動化」とも言えます。手作業の運用の大変さを知っているからこそ、「なぜ自動化するのか」、「どう冗長化すべきか」を説得力を持って語れる人材は、未経験の資格保持者より遥かに高く評価されます。
評価されるポイント:
・AWSなどクラウド基礎の理解、資格
・IaC(Terraformなど)や自動化への関心
・「手作業をどう効率化するか」という改善マインド
これは「将来性を重視したい」、「最新技術で運用を楽にしたい」と考える人に向くキャリアパスです。
ルート③ 中長期キャリア:運用管理/社内IT担当へ
これは「将来は技術の最前線よりも、自社のIT環境を支える側へ回りたい」と考える方のための、中長期的なゴールとなるルートです。
このルートの特徴:
いきなり未経験から運用管理/社内SEへ転身するのは難易度が高いですが、「運用保守」→「構築・小規模設計」を数年経験した後のネクストステップとしては非常に強力なキャリアパスです。
これは運用現場の苦労がわかるからこそ、ベンダー(外注先)への的確な指示や、実情に即した社内ルールの策定などで真価を発揮できるポジションです。
評価されるポイント:
・ITILなどの運用管理フレームワークの知識、改善経験
・現場でのトラブルシューティング経験と、それを仕組みで解決した実績
・非エンジニア(社内ユーザー)への分かりやすい説明能力
「不規則な働き方を卒業し、腰を据えて働きたい」、「仕組み作りや調整業務に興味がある」に非常に向く将来のキャリアパスです。特に運用管理や社内IT担当は、役割と責任が増える分、年収水準も上がりやすい傾向です。
【重要】どのルートも「自己判断」での求人選びは危険です
ここまで読んで「自分は設計構築が良さそう」、「クラウドが良さそう」などと感じた方も多いはずです。しかし、一番多い失敗は自己流で求人を選び、また同じような「守りの運用」に戻ってしまうことです。
よくあるミスマッチ:
・「構築あり」と求人票に書いてあったのに、実際は前職と同じ手順書作業だった
・運用経験を低く見積もられ、年収が変わらなかった・下がった
こうしたミスマッチで悩み再度転職を考える人を、私たちはキャリア相談で何度も見てきました。
最速で「次」を決めるための3ステップ
大切なのは、「今すぐ転職するかどうか」ではありません。しかし「現状から抜け出し、次のステップに進みたい」と感じるなら、最速でチャンスをつかみに行くのも重要です。
■最速で次を決める3ステップ:
・業務内容を「構築寄り」に言語化する:
→今までの経験を棚卸し、「評価される実績」を掘り起こします。
・学習は「クラウドor自動化」に集中:
→2025年の市場で勝てる、効率的な学習ロードマップを提示します。
・運用経験を正しく評価するエージェントを使う:
→「運用の土台があるからこそ構築に強い」と評価する企業へ、私たちがあなたの価値を整理し、売り込みます。
無料:このまま続ける?それとも動く?これからを描くキャリア相談はこちら
「今すぐ転職」でなくても構いません。今までのキャリアを整理し、どのルートが最適か知るだけで、明日からの不安が希望に変わります。
このまま続ける・続けないを判断・整理したいといった、ライトなキャリア相談も大歓迎です。
今の環境で限界を感じるなら、
「このまま続けるか・動くか」を一度整理してみませんか?
まとめ|運用保守は「やめる」よりも「判断して動く」職種
「運用保守はやめとけ」、その言葉の本質は、職種への否定ではありません。「あなたのキャリアを停滞させる現場に居続けてはいけない」というアラートです。
運用保守として培った障害対応の経験や、インフラを支える責任感は、どこでも通用するエンジニアとしての貴重な実績です。
その実績を「このまま」で終わらせるか、市場価値・年収アップのための「強力な武器」に変えるかは、これからのあなたの判断一つで決まります。
後悔しないための3つの重要ポイント
後悔するかしないかを考えることは、「遅すぎる」ことはあっても、「早すぎる」ことはありません。ここでは、将来後悔しないために整理すべき3つのポイントをまとめます。
■後悔しないための3つのポイント:
・現場のタイプを見極める:
→今の現場が「停滞型」なら、努力が空回りする前に環境を変える勇気を持つ。
・運用経験を「武器」にする:
→自分の経験は、構築やクラウドへ進むための「土台」だと再定義する。
・プロの視点を活用する:
→自分の市場価値は、自分一人では見えにくいものです。エージェントという「第三者のプロ視点」を使い、最短ルートを確認する。
今の現場に違和感を抱いているなら、それはあなたが次のステージへ進む準備ができている証拠です。その一歩を、私たちは全力でサポートします。
今の現場を「続けるべきか・動くべきか」
一度、冷静に整理してみませんか?
「今すぐ転職するかどうか」を決める相談ではありません。
今の運用保守の経験が、次のキャリアでどう評価されるのかを整理し、
今の判断が正しいかを確認するための相談です。
※無理な転職提案は行いません。30代・未経験/微経験の相談も多く対応しています。






