こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「サーバーエンジニアって、どれくらい稼げるの?」
「クラウド化が進む中で、将来性はあるの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
サーバーエンジニアは、企業システムの根幹を支える重要職です。
需要は高い一方で、担当フェーズ(運用/構築/設計)や所属する商流(SES/SIer)によって、年収が1.5倍以上変わる構造になっています。
最新データを見ると、平均年収は約450~500万円前後。しかし、設計・クラウド・PM領域へステップアップすれば、年収700万円〜1000万円クラスも現実的です。
この記事では、厚労省・doda・求人BOXなどの公開データをもとに、サーバーエンジニアの平均年収/年代別・仕事内容別の相場/年収アップの方法をわかりやすく解説します。
「今の給与が頭打ちかも」「次のフェーズに進みたい」と感じている方は、後半のキャリア相談パートで市場価値を無料診断してみてください。
なお「サーバーエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。年収だけでなく、仕事内容・スキル・資格・将来性をまとめています。
→ サーバーエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ
サーバーエンジニアの平均年収【結論と早見表】
前提として、サーバーエンジニアの年収は、経験・スキル・担当領域などによって大きく変動します。
サーバーエンジニアの平均年収は、各種調査データを総合すると約450〜500万円前後(中央値450万円)です。
一方で、構築・設計フェーズやクラウド領域へ進むと700〜900万円超の求人も多数見られます。
以下で、調査会社・機関(doda/Geekly/レバテックキャリア/厚労省)の比較表をもとに詳しく解説していきます。
年収データ早見表(サーバーエンジニア)
項目 | 年収(目安) | 出典 |
平均年収 | 約450万円〜500万円 | doda(460万)/Geekly (505万)/レバテックキャリア(445万)より算出 |
中央値 | 約450万円前後 | レバテックキャリア(中央データ) |
上位層(設計・クラウド・PM) | 約700〜1000万円クラス | dodaなどの高年収求人・転職事例を基にした実例レンジ |
※本記事の年収データは、2025年時点で公開されている doda/Geekly/レバテックキャリア/厚生労働省の調査結果をもとに作成しています。
また、「平均年収」は全体の水準を示し、「中央値」は経験3〜5年層の一般的な水準と見なすとよいです。「上位層年収」は設計・クラウド・PMなど、より上流工程を担当する層の目安です。
ポイント:
サーバーエンジニアは「運用→構築→設計→クラウド/PM」とステップアップするごとに、年収が約100万〜200万円単位で伸びやすい職種です。
実際、クラウド設計やPM経験を積むことで700万円〜1,000万円の求人例も多く見られます(例:doda掲載案件など)。
公的統計と民間調査の年収データ比較【2025】
サーバーエンジニアの年収水準を把握するには、職種範囲の異なる複数データを参照する必要があります。
厚生労働省の「職業情報提供サイト」では、サーバー業務を含む「システムエンジニア(基盤システム)」のモデルデータが公表されています。
一方、doda・Geekly・レバテックキャリア社などの民間調査では、職種を「サーバーエンジニア」に限定した転職・求人データが掲載されています。
これらを総合すると、実務層の平均年収はおおむね450〜500万円前後、ITSSレベル別に見ると400〜950万円程度まで幅広い分布であることがわかります。
出典 | 対象・条件 | 年収レンジ/平均 | 備考 |
厚生労働省(職業情報提供サイト) | 基盤システム(ITSSレベル別:1〜5) | 約420〜950万円 | ITSSレベル1〜5に応じて、職務能力モデルを基準。 |
doda | サーバーエンジニア | 約460万円 | 運用〜構築層を含む平均。 |
Geekly | サーバーエンジニア | 約505万円 | 経験者比率高め。 |
レバテックキャリア | サーバーエンジニア | 約445万円 | 実務3〜5年層が中心。 |
求人BOX | インフラエンジニア求人平均 | 約497万円 | サーバー含む広義のインフラ職。 |
補足:
・全体としては、サーバーエンジニアの年収は400〜500万円台に最も多くの人が分布しています。
・dodaやレバテック社の中央値(445〜460万円)もこのゾーンに集中しており、経験3〜5年層の標準的な水準です。
各調査機関のデータには若干のばらつきがありますが、厚労省の公的統計と転職市場データを組み合わせることで、より実態に近い水準の把握ができます。
■ポイントを解説:
・厚労省データでは、ITSSレベル3〜4(設計・構築層)では、年収500〜780万円が目安。
・民間調査では、全体平均450〜500万円前後に集中。
・クラウド設計やPM経験を積むと、600〜900万円台の求人も多くあり(例:doda掲載案件など)。
年代別・職種別の年収早見表(20代〜50代)
サーバーエンジニアの年収は、年齢そのものよりも「担当フェーズ」と「スキルレベル(ITSS)」によって決まります。
厚労省の職業情報データ(基盤システムエンジニア)と、doda・Geeklyなど民間調査を整理すると、平均年収の中心は470万円前後ですが、設計・構築・クラウド層では600万円以上が現実的です。
年齢 | 業務内容 | 想定ITSSレベル | 年収レンジ(目安) | キャリアの特徴 |
20代前半 | 運用・保守・監視 | Lv1〜2 | 350〜420万円 | 未経験〜初級層。Linux基礎やLPIC-1学習期。 |
20代後半 | 運用+構築補助 | Lv2〜3 | 400〜500万円 | 構築案件への参画で一段階上昇。AWSなどクラウド入門期。 |
30代前半 | 構築・設計 | Lv3〜4 | 500〜600万円 | 主担当として設計・構築を担う層。年収中央値帯。 |
30代後半 | 設計・リーダー職 | Lv4 | 600〜700万円 | チームリーダーや上流設計層。資格+実績で差が出やすい。 |
40代 | PM/クラウドアーキテクト | Lv5 | 700〜900万円 | AWS・Azure導入案件中心。マネジメント+提案スキル必須。 |
50代〜 | 部門責任者・IT戦略層 | Lv5〜 | 850〜1000万円超 | 経営視点でのIT基盤整備・戦略策定に携わる層。 |
注意点として、年齢に比例して自動的に給与が上がるわけではなく、担当フェーズ(運用→構築→設計→マネジメント)によって明確にレンジが変わるのが特徴です。
以下の図は、ITSS(情報処理スキル標準)を基準にしたサーバーエンジニアのキャリア別年収ピラミッドです。自分の現在地と、次に目指すべきフェーズをイメージする際の参考になります。
※フェーズ(運用→構築→設計→PM)に応じて、年収は100〜200万円単位で上昇していきます。
サーバーエンジニアのキャリアと年収ピラミッド(ITSSレベル別)

※年収は、スキル・担当領域・所属企業・プロジェクト規模・勤務エリアなどによって変動します。
■ポイント:
・20代のうちは「運用→構築」へステップアップする過程で年収差が大きい。
・30代で設計・リーダー職に進むと、年収600万円前後がボリュームゾーン。
・40代以降はクラウド・PM・マネジメントスキル次第で700〜900万円台も狙える。
・厚労省データのITSS別レンジ(Lv1〜5:420〜950万円)は、年代ごとの伸び方とほぼ一致。
■ITSSレベルの目安:
・Lv1〜2(運用レベル):Linux/Windowsサーバーの監視・障害対応が中心。
・Lv3〜4(構築・設計レベル):要件定義・設計ドキュメント・構築検証など。
・Lv5以上(PMレベル):全体設計・AWS/Azure導入・マネジメント領域。
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他職種(クラウド/ネットワーク/AWS)との比較表
サーバーエンジニアは、ネットワーク・クラウド・AWSなどインフラ分野の中心的な職種です。
設計・構築スキルをベースに、クラウド領域へキャリアを広げることで、年収・将来性の両軸で優位になるのが特徴です。
職種 | 平均年収(目安) | 特徴・傾向 |
サーバーエンジニア | 約450〜500万円 | 運用〜構築を含む全体平均。設計・クラウド経験で600万円以上も可能。 |
ネットワークエンジニア | 約470〜520万円 | 通信・設計スキルで上昇。セキュリティ知識との連携が評価されやすい。 |
クラウドエンジニア | 約650〜700万円 | AWS/Azure/GCPを横断的に扱い、設計・戦略領域で高収入化。 |
AWSエンジニア | 約600〜650万円 | AWS特化の設計・構築スキルが評価。実装・専門職寄り。 |
インフラエンジニア全体平均 | 約500〜550万円 | サーバー・ネットワークを横断する総称職種。経験幅が広いほど年収が上昇。 |
また、以下関連記事で他職種の年収も詳しく解説しています。
→関連記事:ネットワークエンジニア年収まとめ
→関連記事:クラウドエンジニア年収まとめ
→関連記事:AWSエンジニア年収まとめ
→関連記事:インフラエンジニア年収まとめ
ここまで見てきたように、スキル・役割次第で、年収は数百万円単位で変化していきます。
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年収を左右する5つの要因
サーバーエンジニアの年収は、「年齢」や「勤続年数」では決まりません。
大きく以下の5つの要因によって左右されます。
■年収に影響する要因:
・仕事内容(運用/構築/設計)
・企業規模・商流・雇用形態
・資格・技術スキル(LPIC/AWS/CCNA など)
・経験年数・マネジメントスキル
・勤務地域
それぞれの特徴と、キャリアアップに直結するポイントを解説していきます。
仕事内容(運用/構築/設計)による差
サーバーエンジニアは、担当フェーズによって年収レンジが大きく異なります。
一般的には、運用 → 構築 → 設計/クラウド → PM・アーキテクト と進むごとに、年収が100〜200万円単位で上がるのが特徴です。
フェーズ | 主な仕事内容 | 年収レンジ(目安) |
運用・監視 | 障害対応・監視・バックアップ運用 | 約280〜450万円 |
構築 | サーバー設計書に基づく構築・検証 | 約450〜550万円 |
要件定義・設計 | サーバー設計・クラウド移行計画 | 約600〜800万円 |
PM・アーキテクト | システム全体の設計・運用統括 | 約800〜1000万円超 |
ポイント:
・運用から構築へ進むだけでも、年収が50〜100万円上昇するケースが多い。
・設計・クラウド領域は、スキル希少性が高く企業評価が高い。
→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・キャリアを解説
企業規模・商流・雇用形態による違い
同じサーバーエンジニアでも、どの商流・働き方で働くかによって、年収レンジは1.5倍以上変わります。
以下の図は、SIer(システムインテグレーター)とSES(客先常駐)の関係を、商流・年収・求められるスキルの観点からまとめたものです。



図:SIerとSESの違い(商流・年収・求められるスキルのイメージ)
図の通り、商流が浅い(1次請け)ほど上流工程を担当でき、年収が高くなる傾向があります。
逆に、3次・4次請けなど商流が深いSES企業では、監視・運用など定型業務が中心となり、スキルアップや昇給の幅が小さくなりがちです。
■ポイント:
・1次請けSIer:要件定義・設計など上流工程中心で、高年収帯(600〜900万円)
・2次請けSES:構築・検証が中心で、年収やや高め(450〜600万円)
・3〜4次請けSES:運用・監視中心で、年収が低め(300〜450万円)
この構造を理解した上で、「商流を浅くする転職=報酬テーブルそのものを上げるキャリア戦略」となります。
以下は、代表的な勤務形態ごとの比較です。
働き方/商流 | 年収レンジ(目安) | 特徴・キャリアの伸び方 |
ユーザー企業(情シス・社内SE) | 500万〜1,000万円超 | 発注元・最上流。自社のIT戦略立案や要件定義を担当。業界や企業の収益性で年収差が大きい(例:金融業界などは高水準)。 |
大手SIer・コンサル系(1次請け) | 550万〜900万円 | 大規模案件の要件定義・設計を担当。高度な技術力に加えてマネジメント力が重要。上流工程志向のキャリアパスを形成しやすい。年収は高水準。 |
SES(2次請け中心)/受託系 | 400万〜650万円 | 構築・設計フェーズを担当しやすく、SESの中では給与水準が高め。受託開発型の企業では自社完結案件も多い。 |
SES(3次請け・4次請け以下) | 300万〜450万円 | 商流が深いため。監視・運用など定型業務が中心。未経験者の入口として多いが、昇給幅は小さく、キャリア停滞リスクも高い。 |
ポイント:
・商流が上がるほど上流工程・設計フェーズを担当でき、単価・給与が上昇。
・「SESからSIer→ユーザー企業」へとキャリアアップすることで、収入が上がりやすい。
資格(LPIC/AWS/CCNA/PMP)による差
サーバーエンジニアの年収は、資格によって一定の差が生まれます。
ただし、実際に年収が上がるのは「資格を取ったあとに、市場価値の高い仕事に挑戦できるようになる」ことが前提です。つまり、以下の順序で年収が上がります。
→資格で市場価値が高い仕事ができるようになる → スキルが身につく → 結果として年収が上がる。
資格だけで給与テーブルが変わるケースはまれです。短期間で年収を上げたいなら、転職が最も現実的な手段です。
資格 | スキルレベル | 年収アップ目安 | 備考 |
LPIC-1/LinuC-1 | 基礎運用レベル | +20〜30万円 | 未経験→運用職への登竜門。転職初期層で評価されやすい。 |
LPIC-2/LinuC-2 | 構築・管理レベル | +50〜100万円 | 構築〜設計フェーズを担当できる中堅層の標準資格。 |
AWS SAA(ソリューションアーキテクト) | クラウド設計レベル | +50〜100万円 | クラウド環境設計・移行案件で評価される。 |
CCNA | ネットワーク基礎理解 | +30〜50万円 | サーバー構築・通信設定の理解を補完。トラブル対応にも有効。 |
PMP/ITストラテジスト | マネジメント・企画層 | +150〜200万円 | PM/IT戦略層への昇格・転職時に高く評価される。 |
ポイント:
・LPIC・AWS・CCNAを軸に、インフラ横断スキルを証明できる人材が評価されやすい。
・PMP・ストラテジスト系は、40代以降での年収上限を引き上げる要素になる。
→関連記事:サーバーエンジニアのおすすめの資格まとめ
経験年数・マネジメントスキルの影響
年収は「経験年数」よりも「経験の質」で決まります。
特に30代以降は、メンバーとしての構築スキルよりも、リーダー・PMとしての管理・提案力が評価され、年収アップにつながりやすくなります。
キャリアステージ | ポジション例 | 年収目安 | 特徴 |
若手(1〜3年目) | 運用・構築メンバー | 350〜480万円 | 実務経験+資格で伸びる時期。 |
中堅(4〜7年目) | 構築・設計リーダー | 480〜650万円 | チーム主担当として評価される層。 |
上級(8〜12年目) | 設計・PM | 600〜800万円 | 案件管理・提案・ベンダー調整で昇給幅が拡大。 |
管理職(13年目〜) | PM・部門責任者 | 800〜1,000万円超 | マネジメント・予算管理・IT戦略に携わる層。 |
ポイント:
・「技術+人を動かす力」が身につくほど、年収カーブが高まる。
・技術一本型でも市場価値は高いが、特に40代以降はマネジメントが年収に差をつける。
地域・性別による違い
サーバーエンジニアの平均年収は、地域によっても変動します。
需給バランスの影響で、人材需要が最も集中する首都圏が全国で最も高く、次いで中部、関西の順に水準が下がる傾向です。
地方では、エンジニア人口(供給)が多い地域ほど単価が下がりやすく、結果として年収レンジはやや低めになります。
地域 | 年収目安 | 特徴・傾向 |
首都圏(東京・神奈川など) | 約450〜550万円 | 大規模案件・クラウド設計ポジションが多く、需要・単価ともに高い。 |
中部(愛知・静岡・岐阜など) | 約420〜520万円 | 製造業・自動車系のIT基盤案件が多い。構築・運用の実務経験も重視される。 |
関西圏(大阪・京都・兵庫など) | 約400〜500万円 | 大手SIerやメーカー系のインフラ案件が多いが、首都圏・中部と比べて供給が多い。 |
地方(九州・東北・北海道など) | 約350〜450万円 | 小規模案件中心。サーバーだけでなくネットワークも求められることが多い。年収差は地域物価を反映。 |
性別差について:
・男女のスキル評価基準は同一だが、女性比率は約1〜2割程度。
・育児・時短勤務制度が整う大手企業やSIerでは、キャリア継続による昇給も増えている。
H3:まとめ:5要因を掛け合わせて「上限年収」を引き上げよう
サーバーエンジニアが年収を上げるためのポイントは、「5つの要因を戦略的にコントロールすること」です。
中でも年収の上限(天井)を最も大きく左右するのが、 「担当フェーズ(運用 → 構築 → 設計)」 と
「商流(SES → SIer → ユーザー企業)」 の2つです。
■年収が伸び悩む典型パターン:
・運用・監視など下流フェーズの案件が中心
・商流が深い(3次請け・4次請け)SES企業に在籍
→担当業務も報酬も固定化しやすく、昇給幅が小さい
■年収アップを実現するステップ:
・資格を通じて担当フェーズを上げる
→例:LPIC-1やAWS SAAなどで構築・設計案件への足がかりを作る
・商流の浅いSIerやユーザー企業への転職を目指す
→「スキル × 商流」を変えることで報酬テーブルそのものが上がる
重要ポイント:
資格だけで劇的に年収が上がるわけではありません。
資格を軸に「携わるフェーズ」や「所属する商流」を変えることが、結果的に年収アップへ直結します。
現在の会社に留まっていても、
フェーズや商流が変わらなければ、年収は頭打ちになります。
あなたのスキルが「どのフェーズ・どの商流で最も評価されるか」を知ることが、キャリア戦略の第一歩です。
無料キャリア相談で市場価値を診断する →年代別キャリアステップと年収の伸び方
サーバーエンジニアの年収は「年齢」よりも「経験フェーズ」の方に影響されます。
しかし、年代ごとに求められるスキルと年収レンジには、明確な傾向もあります。
ここでは20代〜50代までのキャリアステップと、年収の伸び方を整理していきます。
20代:経験+資格で350〜450万円
20代のサーバーエンジニアは、運用・保守フェーズで基礎力を固める時期です。
Linuxコマンドやサーバー監視ツール、障害対応などの実務を通じて「現場で動く力」を磨くことが重要となります。
■20代の傾向:
・主なフェーズ: 運用・監視・構築補助
・想定年収: 約350〜450万円前後
・キャリア例: 監視オペレーター → サーバー運用担当へステップアップ
・年収アップ実例: LPIC-1取得後に構築案件へ参画し、年収420万円→480万円に上昇。
→まずはLPIC/LinuC+AWS SAAの取得などを目指し、「運用→構築」への橋渡しを狙うのが最短ルートです。
30代:設計・構築で500〜650万円
30代は、サーバーエンジニアとして設計・構築の主担当へ進む転換期です。
要件定義やパラメータ設計、ドキュメント整備など、上流工程に携わることで収入が一段階上がります。
■30代の傾向:
・主なフェーズ: 設計・構築・リーダー
・想定年収: 約500〜650万円前後
・キャリア例: サーバー構築エンジニア → チームリーダー・設計職へ
・年収アップ実例: 構築経験+AWS SAAを評価され、SESから一次請けSIerへ転職、年収500万円→620万円に。
→30代は「資格+転職」でフェーズを上げる絶好のタイミングです。AWSやIaC(Infrastructure as Code)など、新技術を早めにキャッチアップすると、さらに年収が高まります。
40代:PM・リーダー職で700〜850万円
40代では、マネジメントやクラウド設計スキルなどの強みが年収を決めます。
AWS/Azure導入、ベンダーコントロール、チームマネジメントなどを任される層も増えていくタイミングです。
■40代の傾向:
・主なフェーズ: 設計・プロジェクトマネジメント・提案
・想定年収:約700〜850万円前後
・キャリア例: サーバー設計リーダー → PM/クラウドアーキテクトへ
・年収アップ実例: SIerでPMとして継続的に成果を上げ、課長に昇進し年収850万円に到達。
→40代以降は、社内での評価・昇進によって年収を安定的に伸ばすフェーズ。転職よりも「成果を出し続ける力」が鍵になります。
50代:部長・IT戦略層で900万円超も
50代では、マネジメント経験を活かして、経営層に近いポジション(部長・CIO補佐など)にたどり着くと、年収900万を超えることもあります。
ただし、この層はごく一握りであり、多くのエンジニアはリーダー・シニア層として安定的に活躍しています。
30〜40代のうちに上流工程やマネジメント実績を積み重ねておくことが、50代でのキャリアの幅を決定づけます。
この年代別ステップで解説した通り、サーバーエンジニアの年収を大きく伸ばすには、「次のフェーズ(構築・設計・PM)へ戦略的に移行すること」が不可欠です。
特に30代・40代で年収を600万円以上に引き上げるためには、自身のスキルと市場ニーズが合致した「商流の浅い優良企業」へのキャリアアップが最短ルートです。
「今のスキルで本当に次のフェーズに進めるのか?」
「転職するなら、どんな資格や実績をアピールすべきか?」
そんな疑問を感じた方は、まずはインフラ専門のアドバイザーに市場価値を診断してもらいましょう。
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年収アップを実現する3つの戦略ステップ【現場から上流へ】
サーバーエンジニアとして年収を上げるには、「スキルを可視化する」→「所属環境を変える」→「上流へ進化する」という3つの戦略ステップを意識することが重要です。
これまで紹介した年収データの背景には、これら3つの行動が共通して存在しています。
ここからは、確実に「上限年収」を引き上げるための実践ステップを解説していきます。
ステップ1:資格取得でスキルの可視化とチャンス獲得(LPIC/AWS)
サーバーエンジニアの年収アップの第一歩は、自分の市場価値を客観的に証明することです。
資格は単なる「勉強の成果」ではなく、上位フェーズの案件に参画するためのチケットとなります。
資格 | 内容 | フェーズの変化 | 年収貢献度(目安) |
LPIC-1/LinuC-1 | Linuxサーバー運用の基礎〜応用 | 運用 → 構築への足がかり | 約+30〜50万円 |
AWS認定(SAA) | クラウド設計・運用スキル | 構築 → クラウド | 約+50〜100万円 |
資格は「即大幅な昇給」のツールではないですが、構築・設計フェーズへの配属チャンスを広げる強力な「きっかけ」となります。
また従来のオンプレ構築経験を活かして、AWSなどのクラウド設計・運用にシフトすることで、より高単価の案件や上流フェーズに挑戦しやすくなります。
→関連記事:サーバーエンジニアのおすすめ資格まとめ
ステップ2:転職で待遇改善と「上限テーブル」を突破
サーバーエンジニアが年収を大きく上げるための次のステップは、転職によって「商流」を変え、報酬テーブルそのものを引き上げることです。
サーバーエンジニアの年収は、「企業規模」よりも所属する商流によって構造的に決まります。
商流が浅いほど、直接契約や上流フェーズの案件に関わることができ、その分、単価と給与レンジが大きく上昇します。
商流とフェーズによる年収変化の実例
転職前 | 転職後 | フェーズの変化 | 年収変化(目安) |
三次請けSES | 二次請けSES・受託企業 | 運用 → 構築 | 約+50〜100万円 |
構築リーダー/サブリーダー | 大手SIer | 構築 → 要件定義・設計 | 約+100〜200万円 |
三次請け以下のSESや運用中心の案件に留まると、どれだけ技術力が高くても「商流による上限」によって昇給幅が限定されます。
商流を浅くし、上流工程に移るほど、報酬テーブルそのものが上昇します。つまり、「転職=給与レンジの構造を変えるアクション」です。
ステップ3:クラウドスキルとマネジメントで「年収1000万円」へ
最終ステップは、「技術×マネジメント」で上流に進化することです。
クラウド設計(AWS/Azure)とマネジメント経験を掛け合わせることで、ITSSレベル4〜5相当の高報酬層(700〜1000万円台)を狙うことが現実的になっていきます。
スキル | 年収の目安 | ポジション例 | 年収アップの理由 |
構築+クラウド設計 | 600〜700万円 | クラウドリーダー職 | 希少な設計スキルの需要増 |
クラウド+マネジメント | 700〜900万円超 | PM・アーキテクト職 | プロジェクト全体を動かす付加価値 |
この段階では「技術を使う人」から「技術でプロジェクトや組織を導く人」になっていきます。「クラウドスキル×マネジメント力」が、年収上限をさらに高めます。
→関連記事:サーバーエンジニアの将来性・需要まとめ
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「資格も取り、経験も積んだのに、思ったほど年収が上がらない、、」
そんな方は、キャリア戦略の「どこ」を見直すべきか、専門アドバイザーと一緒に整理しましょう。
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年収アップの成功事例(実例3パターン)
これまでの戦略(資格・転職・マネジメント)を踏まえ、実際に年収を大きく伸ばしたサーバーエンジニアの成功事例を3パターン紹介します。
20代:運用 → 構築フェーズにステップアップ(+100万円)
若手のうちは、経験を積みながら「上位フェーズ」へ進めるかどうかで、年収差が大きくなります。
以下は、20代後半で運用から構築へキャリアアップし、100万円の年収上昇を実現した事例です。
項目 | 転職前(運用) | 転職後(構築) |
年齢 | 26歳 | 27歳 |
年収 | 320万円 | 420万円(+100万円) |
主な業務 | サーバー監視・運用 | Linuxサーバー構築・設定 |
保有スキル | Linux基礎、シェルスクリプト | Linux構築、自動化スクリプト、クラウド基礎 |
成功要因:
運用フェーズで基礎を固めつつ、構築スキルを磨き、転職で上位工程への参画チャンスを獲得。現場での改善提案が評価され、年収アップにつながった。
→ 20代は「経験の幅」が最重要です。運用から構築へ進めるかどうかが、最初の年収分岐点と言えます。
30代:構築 → 設計・クラウド領域へキャリアチェンジ(+130万円)
30代は、「スキルを深めること」と「商流の見直し」で、大きな年収上昇が狙える時期です。
サーバー構築経験を活かし、クラウド構築ポジションへ移行した事例です。
項目 | 転職前(3次請けSES) | 転職後(1次~2次請けSI) |
年齢 | 31歳 | 32歳 |
年収 | 420万円 | 550万円(+130万円) |
主な業務 | サーバー構築・運用保守 | AWS構築・検証 |
保有スキル | Linux、VMware、仮想化基盤 | Linux、クラウド(AWS)構築 |
成功要因:
構築経験をベースにクラウド学習を行い、商流の浅い企業へ転職。クラウドに携わることで報酬テーブル自体が上昇。
→商流が浅くなるほど、報酬レンジも上昇。また構築経験×クラウド理解が転職市場で高く評価されます。
40代:マネジメント経験を活かして商流を浅く(+150万円)
40代では、20〜30代と比べてキャリアアップ転職の難易度は上がるものの、マネジメント経験を活かして商流の浅い企業へ移ることで、報酬テーブルを引き上げるケースもあります。
項目 | 転職前(2~3次請けSES) | 転職後(大手SIer・1次請け) |
年齢 | 40歳 | 40歳 |
年収 | 700万円 | 850万円(+150万円) |
主な業務 | PM・チームマネジメント・設計・構築 | PM・チームマネジメント・設計・構築(継続) |
保有スキル | サーバー構築・仮想化管理、PM経験 | サーバー構築・仮想化管理、PM経験 |
成功要因:
これまでのマネジメント実績を評価され、商流の浅いSIerへ転職。技術理解+プロジェクト・組織運営のスキルで給与テーブルが上昇。
→40代の転職はポジション選びが重要。大手SIerなど商流の浅い企業であれば、管理経験と技術理解の両方を評価されるチャンスがあります(事業会社は狭き門)。
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サーバーエンジニア年収Q&A(よくある質問)
ここでは、サーバーエンジニアの年収に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1:未経験でも年収は上がる?
はい、可能です。
未経験からでも、実務経験を積みながら「運用→構築→設計」とステップアップすれば、年収は段階的に上昇します。
特に、未経験から3年ほど経験を積み、LPICなどの資格でスキルを証明できれば、年収500万円前後を目指すことも十分可能です。
現場で構築・設計フェーズを経験することで、収入アップのチャンスが大きく広がります。
Q2:資格でどれくらい変わる?
資格だけで年収が劇的に上がるわけではありませんが、上位フェーズへの配属や転職のチャンスが増えます。
例として、LPICやAWS認定(SAA)を取得し、構築・設計フェーズに進むことで、平均して年収+50〜100万円の伸びが見込めます。
Q3:1000万円プレイヤーは現実的?
はい、クラウド設計・PM・マネジメントの経験を積むことで、到達は可能です。
ただし、多くの人が努力だけでなく、資格取得や転職などのキャリア戦略を組み合わせて、到達しています。
AWSやAzureなどクラウドの専門性に加え、チームやプロジェクトをリードできるスキルを持つことで、年収700〜1000万円の求人も見られます。
Q4:1000万円を目指せるキャリアパスとは?
年収1,000万円を目指すには、サーバーエンジニアとしてのスキルを軸に、より上流の職種や高単価領域にシフトすることが重要です。
キャリアパス | 年収レンジ(目安) | 特徴・ポイント |
PM(プロジェクトマネージャー) | 700〜1,000万円 | SIerや事業会社でプロジェクト全体を統括。マネジメント経験が重視される。 |
クラウドアーキテクト | 800〜1,000万円 | AWS/Azure設計やクラウド導入をリード。技術と提案力の両立が重要。 |
外資系IT企業 | 900〜1,200万円 | 高い技術力のみでなく、英語力も求められる。年収レンジがかなり高い。 |
フリーランスエンジニア | 700〜1,100万円 | 高単価案件も多いが、年収キープには稼働の安定性と営業力も重要。 |
クラウドやマネジメント経験を積み、技術+αを磨くことで、サーバーエンジニアからでも「1000万円キャリア」への道は可能になります。
Q5:男女差はある?
基本的に年収の男女差はほとんどありません。
スキルと実績に基づく評価が中心であり、性別による年収差は極めて小さい職種です。ただし、管理職比率の差によって、平均年収に違いが出るケースもあります。
Q6:将来の年収トレンドは?
クラウド・自動化・セキュリティなど上流スキルの価値が高まっており、サーバーエンジニアの平均年収は今後も上昇傾向にあります。
特にクラウド領域では、設計・マネジメント経験を持つ人材が高く評価される時代です。
まとめ:年収アップは「戦略」が9割です
サーバーエンジニアとして年収を飛躍させる鍵は、「商流の改善」と「クラウド・マネジメントへのステップアップ」にあります。
年齢や勤続年数に左右されず、最短ルートで年収アップを実現するために、まずはあなたの市場価値と、最大限に活かせる優良企業を無料で診断しませんか?
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