こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
サーバーエンジニアを目指すための勉強教材は、無料のコンテンツも充実していますし、さまざまな勉強方法や選択肢がありますが、何が一番よさそうなのか?はわかりにくいですよね。
今回は、サーバーエンジニアになりたいけど、「何から勉強すればよいのかわからない」、「どれくらい勉強すればよいのかわからない」、「短期間で効率よく勉強したい」、「仕事についていけないのは避けたい」と悩んでいる方向けに、コスパが高い勉強方法や目安時間、順番、挫折をしないための勉強方法などを説明します。
早い人であれば、知識ゼロでも独学1か月でサーバーエンジニアを目指せる勉強方法です。
サーバーエンジニアに必要な基礎知識、スキルセット
サーバーエンジニアに必要な基礎知識、スキルセットは、結論「とても幅広い」です。
まず「サーバーエンジニアがどのような仕事をしているか?」については、ざっくり説明すると、下記のようになります。
図に記載のとおり、サーバーエンジニアは、インフラエンジニアの中でサーバー系を専門とする職種であり、「主にサーバーOSの設計・構築・運用」を行いますが、物理サーバーも扱えば、Webサーバー、データベースサーバー、アプリケーションサーバーなどといったミドルウェアも担当します。
また、シェルスクリプトなどの言語を使って簡単なプログラミングも行いますし、サーバーエンジニアであっても、ネットワークやセキュリティの知識も必要です(サーバー、OS、ネットワーク、セキュリティは、切り離せない存在です)。
あわせて、サーバーエンジニアとして活躍をするには、仮想化やクラウドという技術も必要ともいえるでしょう。
このように、必要な知識が多いサーバーエンジニアですが、「何を勉強すればよいのでしょうか?」、また「どれくらい勉強をすればよいのでしょうか?」。
ただ、サーバーエンジニアに転職するための勉強と、サーバーエンジニアとして活躍するための勉強は、方向性は同じですけど、「やり方は、ちょっと違うかな」という印象です。というのも、ポイントとしては、
・転職活動のための勉強:何をどこまでわかっているか、学んだかの証明が重要
・活躍するための勉強:今の仕事、今後やりたい仕事について、スキルや知識をつけることが重要
この目的を間違えちゃうと、少し勉強が非効率になってしまうのかな、と思っています。
下記からは、まずサーバーエンジニアを目指す未経験者向けに、効率的な勉強方法と目安時間を説明します。
未経験からサーバーエンジニアになるなら、おすすめの勉強時間の目安は120時間程度
サーバーエンジニアになるために必要な勉強時間は、大前提「人によります」。また、サーバーエンジニアになるための必須スキルや必須資格はありませんし、理解力や吸収力も人によって違います。
また、文系で勉強ゼロでもサーバーエンジニアになる人は多数いますし、ITの知識のあるなし、年齢、社会人経験や実績、コミュニケーション能力から性格、理解力や吸収力といった地頭も含めた総合判断といえます。
ただ、IT知識ゼロから本気でサーバーエンジニアを目指すなら、私は「目安としては、120時間程度がおすすめ」と考えています。
なぜ120時間なのか?というと、未経験からサーバーエンジニアになるには、下記のステップを踏む方が、もっとも効率がよいと考えているためです。
- サーバーOSを、手を動かして学ぶ時間が、20時間は欲しい
- Linux技術者認定資格(LPICもしくはLinuC)を学ぶ時間が、100時間欲しい
- 採用面接では「何をどのレベルまで学んだか?」を聞かれやすいが、「Linux関連を100時間以上勉強した」と自信をもって伝えることができ、具体的なエンジニアの志望動機としても使える
もちろん、絶対に120時間勉強しないといけない訳ではありません。
ほとんど勉強しなくてもサーバーエンジニアになる人もたくさんいますし、120時間を大幅に超えて勉強して、サーバーエンジニアになる人も、ものすごくいます(例えば、公共職業訓練に通うと、3か月コースで、500-600時間ほどかけて、勉強するでしょう)。
ただ、たくさんの転職者を見てきた中で、「サーバーエンジニアになる(転職する)」という観点だと、「たくさん勉強すればするほど、会社からの評価が上がる」という訳ではなく、勉強量が一定を超えると、評価はそれほど上がっていかない(実務経験の方が重視)というのが実状かな、と考えています。
未経験者の「勉強量」と「評価」の関係について、私は下記図のようなイメージを持っています。
もちろん、サーバーエンジニアになった後は、引き続き勉強をしていかないと、評価に結びつかないのは間違いないです(特に、手を動かしての勉強は必須です)。
ただ、知識ゼロからサーバーエンジニアになるための、もっともコスパがよい勉強としては、サーバーOS(特にLinux)を20時間、LPIC(もしくはLinuC)を100時間を「真剣にやる」というのがよろしいかと思います(あくまで、コスパという観点です)。
また、おすすめの勉強はLinuxですが、Linuxではなくて、WindowsServerを勉強してもいいですし、AWSを勉強してもよいし、自作PCも悪くないです。またサーバーではなくネットワークを勉強してサーバーエンジニアになる人だってたくさんいます(「〇〇の勉強をしないとサーバーエンジニアになれない」、というのはありません)。
ただ、「今までのキャリアに自信がない方」や「少しでも理想に近いキャリアを築きたい」と考える人は、「120時間はガッツリ勉強した方がよい」と私は考えています(知識ゼロで未経験からサーバーエンジニアになると、知識ゼロなりの年収待遇、知識ゼロでも任せてもらえるような、簡単な仕事内容になってしまいやすいでしょう)。
120時間ガッツリ勉強したあとは、引き続き勉強を継続するよりも、「まずはサーバーエンジニアになる」ことを目標とし、サーバーエンジニアになった後に「手を動かして勉強する」やり方の方が、コスパは良いと思います(実務でスキルを習得する方が大事です)。
おすすめのサーバーエンジニア勉強方法①:LinuxOSを触って学ぶ(20時間)
サーバーエンジニアになるための勉強方法として、一番おすすめかつ大事だと思う勉強は、「LinuxOSを触って、手を動かして学ぶ」ことです。Linuxをおすすめする理由は下記です。
- サーバーOSの中で、高い市場シェア(ニーズが高い)
- 無料で使えるオープンソースのOSであり、独学・低コストで勉強もしやすい
- 成長中のクラウドサービス(AWSなど)でも、Linuxスキルは必須
また、LinuxOSを触って20時間勉強と書きましたが、20時間以上勉強できれば、それはその方がよいのは間違いなく事実でしょう。
本当は、サーバーエンジニアを目指すなら、viエディタやbashの操作に慣れた方がよいでしょうし、また、DNSサーバー(BINDなど)、webサーバー(apacheなど)、メールサーバー(postfixなど)、ファイルサーバー(sambaなど)、DBサーバー(MySQLなど)、監視サーバ(Zabbixなど)あたりも、触っておくことに越したことはないです。
ただ、未経験でそこまでやるのは時間がかかりすぎるのも事実ですので、一定手を動かして勉強したと言えるレベルである下記くらいまでは、20時間程度で行うのがよろしいかと思います(もちろん、20時間以上やっても問題なく、手を動かしての勉強は面白みを感じれる人も多いかなと思います)。
- VirtualBoxをインストール
- OS(Ubuntuなど)をインストール、設定
- Linuxの基礎コマンドを操作(ファイル、ディレクトリの操作、ユーザー管理、パーミッションなど)
- viエディタの操作(追加、削除、文字列検索など)
もちろん、サーバーエンジニアになった後で、「手を動かしての勉強」をスピードアップさせるのは、とても大事です。
おすすめのサーバーエンジニア勉強方法②:Linux技術者認定のLPIC(もしくはLinuC)level1(100時間)を学ぶ
ITエンジニアは職種によっては資格取得があまり有効ではありませんが、サーバーエンジニアといったインフラ系エンジニアにとっては、インフラ関連資格の取得はとても有効です。
また、LPIC(LinuC)は、合格すれば「一定の知識を持つ」と認定されますし、LPIC(LinuC)を学ぶことで、「基本的なLinux操作知識を中心に、システムアーキテクチャ、ネットワーク、セキュリティまで」学ぶことができます。
ストレートに言うと、サーバーエンジニア未経験の場合、選考時に「何を、どこまでわかっているのか?」という所は、採用側としてはなかなか判別しづらいです。
ただ、LPIC(LinuC)を合格していれば、知識レベルは一定判別できます。また、努力の形跡も見えるため、サーバーエンジニアへの意欲(志望動機)にもつながります。
また、下記のようなパターンは、ものすごくたくさんの事例を見てきました。
- 資格なし転職で結果が出なかったが、資格を取ったら内定を多数もらえた
- 資格なしでスキルが身につく仕事に配属されなかったが、資格を取ったらスキルが身につく仕事に配属してもらえた
「資格を取れば、全て解決する」という訳ではないですが、経験値を積む事が難しい未経験者や微経験者にとっては、LPIC(LinuC)やCCNAといったインフラ関連資格の取得は、未経験者にとって未来を変える力を持っていると思っています。
サーバーエンジニア勉強方法:資格対策
サーバーエンジニアになるための資格対策としては、未経験であれば一番のおすすめは間違いなく「Linux技術者認定」であり、悩むようならLinux技術者認定試験の1択だと思いますが、こちらではLinux技術者認定を含めて、それ以外の有効な資格についても説明します。
おすすめの資格対策①:Linux技術者認定(LPICもしくはLinuC)
Linux技術者認定は、Linuxサーバー系の資格であり、初学者や未経験者でも勉強しやすく取得する人が多い資格です。
また、サーバーエンジニアとして一番ニーズが高いと言えるLinuxOSの操作関連の知識を中心に、コンピューターアーキテクチャやネットワーク、セキュリティなどの知識も身につける事が出来ますので、Linux技術者認定のLPIC(LinuC)資格が「最もおすすめ」と言えます。
Linux技術者認定は、グローバルで認められている「LPIC」と、日本市場向けに作られた「LinuC」の2種類がありますが、試験範囲はほぼ同じ、難易度・取得費用も同じ、取得時の評価も全く変わりません。
ゆえに「LPIC」を取得しても「LinuC」を取得しても、どちらでも構いません(悩むようであれば、グローバル標準の「LPIC」取得でもよいと思います)。
また、LPIC(LinuC)は、「level1」⇒「level2」⇒「level3」の順番で難しくなっていきますが、初心者や未経験者向けとしてのおすすめは、最もやさしい「LPIC(LinuC)level1」です(未経験でも取得する人が多い資格です)。
■補足:同じLinux技術者認定の中でも、LPIC(LinuC)level1よりも難易度が低い「Linux Essentials」がありますが、難易度が低いがゆえに、取得しても評価されにくい資格なので、個人的な意見では「Linux Essentials」は取得不要だと思います(アピール目当てではなく、基礎の基礎から学びたいという方は、「Linux Essentials」もありだと思います)。
■関連記事:【まとめ】LPICとは?取得メリット、難易度、勉強方法など
■関連記事:LinuC(LPIC)は転職・就職でどれくらい有利?取るべき人と不要な人とは
また、Linux技術者認定(LPIC・LinuC)のおすすめの独学方法として、1番は本です。
Linux技術者認定(LPIC)向けの本として、有名かつおすすめの本は下記の2つですので、可能であれば2冊とも購入して勉強をするとよいと思います。
・Linux技術者のおすすめ本:LPICレベル1 スピードマスター問題集(通称:白本)
LPICレベル1 スピードマスター問題集(通称:白本)は、LPIC level1試験の問題集であり、重要度が★1~★3で区別されています。
LPIC level1の本試験よりも難易度は高い問題集ですが、頻出傾向の問題が相応おさえられているので、本試験前の最終仕上げに、非常におすすめです(重要度の★2~★3をおさえるだけでも、結構効果は出ると思います)。
ただ、本試験よりも難易度が高いので、試験前の最終仕上げとして使わないと、効果は出にくいと思いますが、試験前に使うと効果は高いでしょう(白本の5割くらい正解できれば、合格はできるのではないかと思います)。
・Linux技術者認定のおすすめ本:Linux教科書LPICレベル1(通称:あずき本)
あずき本は、問題集ではなく「教科書」であり、LPIC level1の範囲が一定網羅されています。
少々値段が高いかつ、IT知識ゼロで読むのは少々大変ではありますが、LPICを取得するのであれば、まずは最初から最後まで3回くらいは読んでもよい本だと思います。
またあずき本に載っている練習問題や、試験直前チェックシートは、試験頻出問題傾向の部分だと思いますので、試験対策に非常に役に立つと思います。
おすすめの資格対策②:AWS認定資格
https://aws.amazon.com/jp/certification/
Linux技術者認定の次点でおすすめの資格は、AWS認定資格のクラウドプラクティショナーと、ソリューションアーキテクト アソシエイトの資格です。
クラウド系エンジニアの需要の高まりを受けて、AWS認定は、サーバーエンジニアを含むITエンジニアが現在もっとも学習する資格であり、テストセンターの中の人いわく「ITベンダー資格の受検数1位はAWS認定(2位と3倍の差)」とのことです。
サーバーエンジニアの勉強を行うにあたり、未経験でもAWSのクラウドプラクティショナーや、ソリューションアーキテクトを取得する人も少しずつ増えてきている傾向であり、AWS認定の資格取得を行うのも一つでしょう。
ただし、AWS認定のクラウドプラクティショナーだけ取得の場合は、少々学習が弱いと思われる傾向がありますので、クラウドプラクティショナーを取得する場合には、「LPIC(LinuC)level1」も取得して、「LPIC Level1+AWS認定クラウドプラクティショナー」とすると、なおよいと思います(LPIC Level1+AWS認定クラウドプラクティショナーは、結構おすすめです)。
おすすめの資格対策③:シスコ技術者認定
シスコ技術者認定はネットワーク系の資格ですが、サーバーエンジニアにもネットワークの基本知識は必要であり、また将来サーバーエンジニアからインフラエンジニアを目指していくにあたり「シスコ技術者認定」は非常に有効と言えます。
シスコ技術者認定は、Linux技術者認定よりも若干難しい(肌感では、CCNA取得はLPIC-1取得の約2倍の勉強時間)ですが、未経験からでも独学にて取得する人も多く、シスコ技術者認定はおすすめと言えます。
また、シスコ技術者認定は「CCT」⇒「CCNA」⇒「CCNP」⇒「CCIE」という順で難しくなって行きますが、おすすめのシスコ技術者認定は、市場評価と未経験でも合格できる難易度を考えると、間違いなく「CCNA」です。CCNAは未経験でも取得する人が多く、就職・転職に評価される資格です(「CCT」の場合は、勉強量がやや弱いかな、という印象です)。
■関連記事:【まとめ】改定後の新CCNAとは?資格の取得メリット、難易度、勉強方法など
■関連記事:【断言します】CCNAは転職・就職で非常に有利になる資格です
今回は「Linux技術者認定」、「AWS認定」、「シスコ技術者認定」の3資格を挙げましたが、その他「OracleMaster Bronze」や「基本情報技術者試験」、「ITIL Foundation」なども、サーバーエンジニアになるためには相応有効な資格と言えます。
ただし、資格の需要や、内容と実務の関係性、難易度、コストパフォーマンスなどを考えると、サーバーエンジニアを目指す初心者の場合は「Linux技術者認定」が一番のおすすめだと思います。
サーバーエンジニアの勉強方法:無料Webサイト
まずは、サーバーOSやネットワークの知識がほとんどないけど、お金をかけたくない方向けに「無料Webサイト」を案内します。
まずは「無料で勉強したい」という場合は、下記の3サイトを流し読みして読んで頂くとよいと思います。
・無料Webサイト①:LinuCイージス
https://www.infraexpert.com/infra/study10.html
LinuCイージスは、基本となるLinux技術を効率的に学習できるように、体系立てて解説しているWebサイトであり、Linuxについての基礎知識がまとめられています。
知識ゼロの場合は少々難しいかも知れませんが、Linux技術者認定のLinuCレベル1の範囲を網羅しているので、資格対策としても有効です。
・無料Webサイト②:Linuxの標準教科書
https://linuc.org/textbooks/linux/
初心者向けとしては、Linux技術者認定(LinuC)運営のLPI-Japanから無料ダウンロードが出来る標準教科書を使うとよいでしょう。
こちらも知識ゼロの場合は少々難しいかも知れませんが、標準教科書の内容を見ながら、VitualBoxを使い、Linuxのインストールから、基本的なLinuxコマンドの操作、viエディタの操作、権限管理やシェルスクリプト、ネットワークの管理などを学んでみると良いと思います。
・無料Webサイト③:3分間ネットワーキング
http://www5e.biglobe.ne.jp/aji/3min/
3分間ネットワークキングは、サーバーOSと密接な関係を持つ「ネットワーク」を中心に学習できるサイトです。
対話形式でカジュアルに書いてあるので読みやすく、ネットワークも知りたい方は、3分間ネットワーキングにも目を通すとよいでしょう。
サーバーエンジニアの勉強方法:有料Webサイト
サーバーエンジニアの勉強方法として、下記からはWebサイトで資格対策をしながら勉強する方法を説明します。
・Webサイトで資格対策①:Ping-t
料金:1ヶ月 2,640円(税込) ※契約期間を長くすれば、ディスカウントあり
Ping-tは、一番メジャーな資格対策サイトであり、王道の勉強法といえますし、またLPIC・LinuCの前半部分(101)は無料で利用できますので、個人的におすすめしたいWebサイトです。
特にLinux技術者認定(LPIC、LinuC)とシスコ技術者認定(CCNA)に定評がありますので、Ping-tの問題を解き続けて、金メダルを取っていけば、問題に慣れながら、試験合格ラインに近づいていくでしょう。
ただし、掲載問題量が多いため、本試験に出にくい問題も多数ありますが、ITインフラ知識を幅広く習得するという考えであれば、問題はないでしょう。
・Webサイトで資格対策②:クラムメディア
https://www.crammedia.com/LPIC-1/c/77
料金:101、102ともに、1ヶ月 6,000円(税込) ※契約期間を長くすれば、ディスカウントあり
私はクラムメディアを使っていませんが、クラムメディアも資格取得時に使用する方が一定数いらっしゃる印象です。
クラムメディアはPing-tよりも値段が高いですが、試験で出題されやすい問題に絞っているWeb問題集であり、「同じ問題が試験に出た」という話もよく聞きますので、勉強の効率を最重要視したい方には、クラムメディアの問題集も、有効と言えるかと思います。
サーバーエンジニアの勉強方法:実践で学ぶ
下記からは資格対策ではなく、手を動かしながら実践で学ぶ勉強方法を説明します。
手を動かしながら学ぶと、資格対策勉強の理解も進みやすく、また資格対策勉強よりも楽しさを感じると思いますので、手を動かして学ぶ事は非常におすすめです。
実践で学ぶ①:Linuxサーバー
また、有料の本となりますが、「本気で学ぶLinux実践入門 サーバ運用のための業務レベル管理術」も、Linuxの運用を学ぶ本として、初心者に有用だと思います。
少々実践的な入門書であるため、少し知識がある中で読む方が好ましいかも知れませんが、Linuxをこれから本格的に学んでいきたい方が対象の本といえます。
もしくは、有料の本とはなりますが、「ゼロからはじめるLinuxサーバー構築・運用ガイド 動かしながら学ぶWebサーバーの作り方」もLinuxのインストールから、基本的なコマンドやネットワークの知識を、手を動かしながら学んでいく事ができますので、おすすめと言えます。
実践で学ぶ②:AWS構築
AWSのアカウントを取得して、AWSサービスを使ったインフラ構築も、とても良いと思います。
未経験者や初心者は、まずはIAMで作業用ユーザーを作り、VPC(ネットワーク)とEC2(仮想サーバー)を設定し、Amazon Linux2を使ってWebサーバー(Apache)をインストールし、httpアクセスができるように設定する所から始めるとよろしいかなと思います。
欲を言えば、ドメインを取ってRoute53(DNS)設定や、RDS(データベース)設定を行い、Wordpressを構築できると尚よいと思います。
AWSには無料枠(新規アカウント作成時から12カ月間)がありますので、まずは無料枠で、ほとんどお金がかからない範囲で学んでいくのも、とても良いと思います。
ただし、設定内容によっては、使用後に片付けをしないと、そこそこの金額が課金されてしまうので、AWSで勉強をする場合には注意した方がよろしいとも思います(私はAWSで遊んでいたら、課金額が1ヶ月1万を超えてしまったこともありますので、お気をつけください)。
サーバーエンジニアの勉強方法:本で勉強
資格対策や実践というよりも、「基本中の基本を、とってもやさしく学びたい」、「小学生でもわかるレベルで教えて欲しい」という方は、下記あたりの本からスタートするのがおすすめです。
・おすすめの勉強本:小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記
サーバーエンジニアのアルバイトをする文系の女子大生が、サーバー技術やインターネットについてわかりにくいことを説明する、イラスト中心の本です。
少々古い本ですが、サーバーエンジニアの基本中の基本がわかる本であり、サーバーエンジニアの基本は時が経過しても色あせるものではありませんし、入門書としては非常にわかりやすく読みやすい、おすすめの本です。
・おすすめの勉強本:LPICの基礎が学べる本
LPICの基礎が学べる本は、LPICの試験対策前に「初心者がスムーズに試験対策を行える」ように基礎固めを行うための内容です。
LPICを取りたいが、「まったくわからない」ので、その前にもう少し基本を勉強したい、と考える人のための本と言えるでしょう。
・おすすめの勉強本:インフラエンジニアの教科書
大手インターネットサービス企業のLINE社のインフラエンジニアの現役エンジニアが書いた本であり、インフラエンジニアの仕事や必要スキルなどの記載があります。
その前に紹介した本よりも難しくなりますが、読みやすくもありますので、ネットワークエンジニアを含む、インフラエンジニアのイメージをつけるには非常によいと思います。
サーバーエンジニアの勉強方法:勉強動画サイト
動画で勉強をするのであれば、下記は見てみるのもよいと思います(「Linux」や「LPIC」で検索をかけると、動画があります)。
・Youtube「【公式】Linux Professional Institute 日本支部 LPI」
https://www.youtube.com/@linuxprofessionalinstitute906
LPICをはじめとする、オープンソースの認定資格を提供するLinux Professional Institute(LPI)日本支部が提供する、Linux関連の勉強動画です。
Youtubeなので、無料で学習できかつ、Linuxサーバー構築から資格対策まで勉強可能できますので、ありがたい内容だと思います。
・Udemy「Linux」
https://www.udemy.com/
Udemyは様々な個人が「講師」となって発信するサイトですが、UdemyでもLinux・LPICについての講座があります。
Udemyは有料の動画となり、定価では10,000円を超える動画も多いですが、タイミングによって1,800円程のセール対象となっていることも多いですので、セールの時であれば手が出しやすい金額感だと思います。
サーバーエンジニアの勉強方法:ITスクール、職業訓練で勉強
また、独学勉強ではどうしても進まない人は、ITスクールで勉強するのも一つの手段となるかも知れません(自腹でお金を払う事で、勉強意欲を出したい、最短時間で勉強をしていきたい、と考えるのであれば、ITスクールは有効ともいえます)。
・リスキルテクノロジー
https://tech.reskill.jp/
ITに特化しているスクールで、プログラミング、ネットワーク・Linuxを学ぶ事が出来ます(新宿)。
・システムアーキテクチュアナレッジ
https://www.networkacademy.jp/
ITに特化しているスクールであり、ネットワーク・サーバから、プログラミング、スマホアプリ開発などを学ぶことが出来ます(場所は新宿と秋葉原になります)
・職業訓練(ハローワークインターネットサービス)で探す
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/kensaku/GECA150010.do?action=initDisp&screenId=GECA150010
職業訓練の場合は、訓練受講の要件(離職者であることなど)がありますが、訓練受講要件が満たされているかつ、お近くに興味がある職業訓練が実施されていれば、職業訓練を受講して、無料でサーバーエンジニアを目指すというやり方もあります。
上記URLの、ハローワークインターネットサービスから、「公共職業訓練」、「求職者支援訓練」のコースを選択し、お住まいの地域から探すことができます(フリーワード検索で「エンジニア」と入力すると、検索しやすいでしょう)。
また、あくまでITスクールは、最短時間で勉強をする、勉強意欲を出す、という目的で利用するとよいと思います(個人的な意見としては、ネットワークエンジニアを目指すのであればITスクールも一つの手段と思いますが、サーバーエンジニアを目指す場合の勉強は、やや「暗記」が中心になりやすいため、ITスクールはなくてもよろしいかと考えています)。
ただ、「最短で学ぶ内容と学び方を知りたい」、「学んだあとに、サーバーエンジニアに転職したいので、転職サポートもして欲しい」と考える方は、当社は「インフラエンジニア(サーバ・クラウド)研修・転職支援サービス」を無料提供しておりますので、ご興味がある方はお気軽にご相談ください(経済産業省事業のため、無料で提供しています)。
未経験者が挫折しやすい勉強方法
ITエンジニアは、未経験者の挫折率が比較的高い職種の一つであり、プログラマやWebエンジニアほどではありませんが、サーバーエンジニアも挫折率が相応ある職種でしょう。また、サーバーエンジニアになるための勉強は、「はじめた最初」が一番きついといえると思います。
学習スタート時は、「わからない専門用語」だらけ、「調べても、調べても、理解が追い付かない」と感じて、「私はサーバーエンジニアに向いてないな、、」と思いこんでしまうことが挫折につながるのでは、と思います。
ただ、わからなくても、少しずつ覚えていくことで、覚えたことが繋がって、わからなかったことが理解できていくでしょう。その頃には少しラクになり、少し面白くなってくるのでは?と考えています。
完全に理解しなければいけない、と考えてしまう
未経験の場合、最初はインフラ関連の周辺知識がありません。
周辺知識がない中では、完全に理解をするのは難しいはずですが、「完全に理解しないといけない」と考えてしまうとつらくなり、挫折につながりやすいでしょう(むしろ最初は、「そういうものなんだ、よくわからなかったけど、次に進もうかな」みたいな感じで、どんどん次に進めていく人の方が、結果的に理解は早い印象です)。
完璧主義になりすぎずに、あいまいな理解レベルでも、どんどん勉強を進めていき、繰り返していくことで理解は進んでいくでしょう。
最初から、全部を覚えないといけない、と考えてしまう
資格試験は暗記部分も多いですし、最初は多少暗記に頼ることもあるかも知れませんが、「最初から全部覚えないといけない」と思い込んでしまうと、つらくなり、挫折につながりやすいでしょう。
最初からパパっと暗記できる人は天才ですし、そんなことができる天才はごく一部じゃないかないと思います。「暗記をする」という考えよりも、「Linuxの操作ができるようになる」という目標の方がよいかなとも思います。
暗記ばかりで、手を動かさない
とりあえず早く資格を取ってしまいたい(資格を取った後に、手を動かして勉強したい)という考えであれば問題ありませんが、資格勉強(特に暗記)だけだと、「面白いとは思えない」と感じる人が多いかな、と思います。
実際にLinuxに触れて、コマンドを打ち込んだりしながら操作をすると、すぐにLinuxの動きや成果が見えるので、面白味を感じやすいのではないか、と私は考えています。
手を動かしながら学んでいく方が、楽しみながら勉強ができるかなと思います。
まとめ:1か月でサーバーエンジニアになるためのおすすめ勉強順番
今までの内容のまとめですが、未経験者(初心者)が早くサーバーエンジニアになるための「おすすめ勉強順番」は下記となります。
勉強順番(手順)①:実践で学ぶ:Linuxサーバー構築
まず一番最初に「自宅でLinuxサーバー構築」を行ってみる事が一番良いでしょう。
「Linuxでなく、Windowsの方がやりやすいのでは?」と考えてしまうかも知れませんが、WindowsよりもLinuxの方が仕事で使う事は多く、またLinuxの方が学習環境を整えやすい所があり、最初はやりにくさやハードルの高さを感じるかも知れませんが、自宅でLinux構築に手を出すことをおすすめします。
まずは「VirtualBox」をインストールして、Ubuntuをインストールし、設定する所から始めてみるのがよろしいでしょう(これだけでも初学者の場合は大変な所かも知れませんが、うまくいかなくても、自分で調べながら解決していくのがとても大事です)。
- VirtualBoxをインストール
- OS(Ubuntuなど)をインストール、設定
- Linuxの基礎コマンドを操作(ファイル、ディレクトリの操作、ユーザー管理、パーミッションなど)
- viエディタの操作(追加、削除、文字列検索など)
勉強順番(手順)②:Linux技術者認定で学ぶ
次のステップは、Linux技術者認定のLPIC(LinuC)level1を学習して学ぶ事です(LPICもLinuCも、出題範囲はほぼ同じ、難易度や受験料、取得時の評価も同じですので、どちらでもよいですが、迷うようであれば、グローバル資格であるLPICでもよろしいかと思います)。
やはりLinux技術者認定試験は、暗記部分も多いですが、サーバーエンジニアにとって基本となるLinux操作から、必要知識でもあるコンピューターアーキテクチャ、ネットワークやセキュリティなども学べる所はポイントですし、資格取得時には「基礎知識は一定持っている」という評価となりますので、Linux技術者認定(LPIC/LinuC)の資格は非常におすすめです。
上記の「自宅でLinux構築」と「LPIC(LinuC)level1取得」まで、早い人であれば1か月程で出来ると思いますので、短期間でサーバーエンジニアになりたい方はチャレンジしてみてください(ただし、現職中など忙しい方は1か月ではなかなか大変かもしれませんので、2か月くらいの期間を見てもよいと思います)。
■関連サービス:CCNA、LPICの無料資格取得支援、転職支援サービス
勉強なしでも、サーバーエンジニアになれる?
結論としては、「勉強なしでも、サーバーエンジニアになる人はいます」。
IT業界全体として人材不足が続いていて、若ければ若いほど、ポテンシャル採用の対象となります。
また、IT業界の中では、「サーバーエンジニアは、ポテンシャル採用が多い職種の一つ」であり、未経験でも受け付ける求人が多いことも間違いありません。
一方で、勉強なしでサーバーエンジニアになれる求人は、実状は8割方、エンジニアではなくて、オペレーターでしょう。
世の中には、サーバーエンジニアという求人名の、「スキルが身につかないオペレーターの仕事」がたくさんあります。
特に気を付けるべきワードは「運用監視」と「運用保守」ですね。
「運用監視」というと、ほぼオペレーターであり、「運用保守」というと(絶対ではありませんが)未経験求人の場合は相応の確率でオペレーターになる可能性があります(ただし、ネット上の求人票や採用側の言葉は、運用監視、運用保守といった言葉の境界線があいまいになっていることも多いです)。
失敗を可能な限り避けたい場合は、下記の「運用監視オペレーター」についての記事も、あわせてお読みください。
サーバーエンジニアの年収について
サーバーエンジニアの平均年収について、転職サイトのDODAでは、「454万円」と記載があります。
引用元:DODA インフラエンジニア平均年収 https://doda.jp/engineer/guide/it/042.html
DODAには、30代で「517万円」という記載がありますが、仮に35歳でも、「400万円に届かない人」も多数いれば、「700万円以上の人」も多数いるのが実状です。
なぜ平均年収に大きな違いがうまれるのか?というと、エンジニアは専門職ですので、サーバーエンジニアの年収は、「何ができるか?(経験・スキルに、どのくらいのニーズや価値があるか?)」で、大部分が決まる傾向があります。
経験・スキルに応じた年収イメージとしては、大枠以下の図のようになります(マネジメント経験や、大規模プロジェクト経験などで、年収は前後します)
この年収あたりは、学歴も関係なく、経験年数が長いから年収が上がるとはいえない(経験重視の実力主義的な)所に面白味を感じる人は、サーバーエンジニアとして活躍できる可能性が高いかなとも思います。
サーバーエンジニアになった後に勉強したい事
また、サーバーエンジニアになった後に勉強したい資格として、下記をおすすめします(下記資格を取得すると、サーバーエンジニアとしてのキャリアアップや年収アップは早いでしょう)。
・Linux技術者認定:LPIC(LinuC)level2、3
・シスコ技術者認定:CCNA、CCNP
・ネットワークスペシャリスト試験
・AWS認定:AWSソリューションアーキテクト プロフェッショナル
・Python 3エンジニア認定基礎試験
さいごに
未経験者や初心者の方に特におすすめしたい勉強は、「手を動かして学ぶ事」と「資格取得で学ぶ事」の2つです。
特に、自宅でサーバー構築と、LPIC(LinuC)レベル1の取得が出来れば、未経験でも就職・転職は行いやすく、サーバーエンジニアとしてのキャリアをスタートできると思います。
また、サーバーエンジニアを目指したいと考えていらっしゃる方で転職相談を希望されたい方は、お気軽に「無料転職相談のご登録」からご登録ください。
■関連記事:サーバーエンジニアのおすすめ資格を、一覧で解説
■関連記事:未経験でもネットワークエンジニアに転職できる?未経験可求人や年収、必要スキル、将来性、なり方などを解説
■関連記事:ネットワークエンジニアになりたい未経験者向け、おすすめ資格と難易度
■関連記事:CCNAとLPICは、どっちを取るべき?需要や難易度等を説明します
■関連記事:【7つの例文・解説付】ネットワークエンジニアの志望動機の作り方
■関連記事:【質問・例文付】ネットワーク・インフラエンジニアの転職面接マニュアル
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