こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「AWSは資格から勉強すべき?」
「それとも、いきなりハンズオンで触るべき?」
「SAA(ソリューションアーキテクト)の資格を取れば、本当に転職できる?」
AWSの初期学習では、多くの人が「何から手を付けるべきか」で迷います。実は、未経験からAWSを習得する場合、学習の順番が9割です。
順番を間違えると、難しい資格を取っても「書類が通過しない」、あるいは面接まで行けても「まずはインフラから始めませんか?」と提案され、クラウドエンジニアとして評価されないケースも少なくありません。
そこでこの記事では、IT未経験からAWSを習得し、実務につなげるための最短勉強ロードマップを4つのステップで解説します。
「AWS資格の正しい順番」や「実務につながるハンズオンの進め方」など、AWSを効率よく学ぶための「最短ルート」を知りたい方は、ぜひ読み進めてください。
関連記事|AWS学習とキャリアの全体像
→ AWS未経験からクラウドエンジニアになるには
→ AWS資格おすすめ一覧と取得順番|難易度・勉強時間・費用
→ クラウドエンジニアの年収相場と上げ方|AWS・Azure資格別・年代別
【結論】AWS学習は「順番」で9割決まる
AWSは学習範囲が膨大です。そのため手当たり次第に勉強を始めると、高確率で挫折してしまいます。
また最短で実務レベルに到達できるかどうかは、「どの順番で学ぶか」で決まるといっても過言ではありません。
未経験から「いきなりSAA」は、なぜ遠回りなのか
IT未経験者が最初からSAA(ソリューションアーキテクト)を目指すと、多くの人が挫折します。その理由は、SAAが「システム設計」の資格であり、Linuxやネットワークの基礎知識があることを前提としているためです。
土台がない状態でSAAを学ぼうとすると、解説に出てくる用語が理解できず、結果として「丸暗記」になってしまいます。
そのため資格を取れても「実務で手が動かない」状態になり、書類選考や面接で苦労することになります。
未経験が最短で実務レベルに近づくための考え方
AWS学習の最短ルートは、「理論(資格)」と「実践(ハンズオン)」を交互に繰り返すことです。
まずは「資格学習でクラウドの概念と用語を整理」し、「ハンズオンで実際に手を動かし、構築の流れを体感」することが重要です。このサイクルを回すことで、知識が「使えるスキル」へと定着していきます。
暗記ではなく「仕組み」を理解する。この考え方をベースにした具体的なロードマップを、次から解説していきます。
【AWS勉強ロードマップ】未経験から実務レベルに到達する4ステップ
IT未経験からAWSエンジニアを目指すためのロードマップは、以下の4ステップです。

※学習期間は個人差がありますが、インフラ基礎の理解には数ヶ月かかるケースも珍しくありません。
・ステップ1:インフラ基礎(Linux・ネットワーク):
AWSを理解するために必要な「サーバー」と「通信」の仕組みを最低限理解します。ここを飛ばすと、後の学習でつまづき続けることが多くなります。
・ステップ2:AWS基礎理解(CLFレベル):
「AWSで何ができるか」の全体像をつかみます。AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)の範囲が目安です。
・ステップ3:設計・構築理解(SAAレベル):
現場で求められる「安全で壊れにくいシステム構成」を学びます。ここから本格的なAWS学習の本番です。
・ステップ4:アウトプット(実務への接続):
学んだ証拠を「構成図」や「構築記録」として形に残します。これが転職活動においての「武器」となります。
ステップ1:AWSを学ぶ前に知っておきたいIT基礎知識
AWSは便利なクラウドサービスですが、その中身は「既存のITインフラ技術(サーバー・ネットワークなど)」をインターネット経由で操作できるようにしたものです。
そのため、インフラの仕組みをまったく知らない状態でAWSを学ぼうとすると、用語や構成が理解しづらく、途中で挫折してしまうケースもあります。
少なくとも、以下の2つの基礎を「なんとなく理解している」状態にしておくと、AWSの学習が進みやすくなります。
・Linuxの基本操作:
AWSでサーバー(EC2)を立てた後は、コマンドラインで操作します。まずはLinuxの基本(コマンド操作)を理解しておきましょう。目安はLPIC/LInuC-1程度です。
→関連記事:LPIC-1勉強法まとめ|未経験から合格する最短ロードマップ
・ネットワーク(IPアドレス・DNSなど)の仕組み:
これを知らないと、サーバーを立てても「インターネットにつながらない」といったトラブルで、次に進めなくなります。ここの目安はCCNAレベルです。
→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップ
現場の面接官が不安視するのは「AWSの操作は知っているが、Linuxやネットワークの基礎がない人」です。ここを意識するだけで、学習効率は大きく変わります。
インフラ基礎(Linux・ネットワーク)から体系的に学びたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→ 関連記事:インフラエンジニアの勉強方法と順番|未経験からの独学ロードマップ
ステップ2:AWS資格の正しい順番と効率的な勉強法(CLF→SAA)
「とりあえず一番有名なSAAから受ければいい?」と迷う方も多いですが、特にIT未経験者の場合は「急がば回れ」のステップを踏むのが最短ルートです。
CLF → SAAが「最短ルート」である理由
結論から言うと、特にIT未経験者は「AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)」を先に受けることをおすすめします。「CLF」と「SAA」の違いは以下です。
・CLF(全体像理解):AWSの基本概念やサービスを理解する試験
・SAA(設計理解):各サービスをどう組み合わせてシステムを作るかという「設計」の試験
いきなりSAAに挑むと、解説文に出てくる専門用語が理解できず、学習効率が大きく低下します。まずはCLFで「AWSの共通言語」を身につけることが、結果的にSAA合格への近道になります。
勉強時間の目安(IT未経験/IT経験者別)
学習時間の目安は以下の通りです。あくまで「試験合格だけでなく、実務で使える基礎力をつける」ための時間として、参考にしてください。
| 勉強時間の目安 | IT未経験者 | IT経験者 |
| CLF | 50〜80時間 | 20~30時間 |
| SAA | 200~300時間 | 100~150時間 |
数字だけ見ると長く感じるかもしれませんが、Udemyの動画視聴やPing-tでの問題演習など、スキマ時間を積み重ねれば、無理なく達成できる時間です。
→関連記事:AWSエンジニアに必要な資格は?選び方・難易度・年収
Ping-t・Udemyの具体的な活用
効率よく合格を目指すなら、教材の使い分けが重要です。
【インプット】Udemyの動画教材:
講師が実際に操作する画面を見ながら、AWSのイメージをつかめます。
【アウトプット】Ping-t(問題演習):
スマホやPCでスキマ時間に問題を解けます。正答率が90%を超え、かつ「なぜその選択肢が正解(不正解)なのか」を説明できるまで繰り返します。
上記の教材を使って、インプットとアウトプットを繰り返すのが効率的です。SAAの具体的な勉強方法や勉強時間については、以下の記事で詳しく解説しています。
→関連記事:AWS SAAの勉強|未経験からの勉強法・勉強時間・ロードマップ
ステップ3:【実技】無料枠を活用したハンズオンの進め方
「本や動画で学ぶ」のと「自分の手で動かす」のは、まったくの別物です。 AWSを自分のアカウントで操作する「ハンズオン」を始めましょう。
AWS初心者が最初に触るべき3つのサービス(IAM / VPC / EC2)
AWSは「サービス名を覚える」より「構成を理解する」ことが重要です。まずは IAM・VPC・EC2 を使って、最小構成のWebサーバーを作ってみましょう。
① IAM(権限管理):
誰がどのサービスを触れるか決める「鍵」の管理です
② VPC(仮想ネットワーク):
自分専用の「仮想ネットワーク空間」を構築します
③ EC2(仮想サーバー):
そのネットワークの中に、実際に動くサーバーを1台立ててみます
この3つを組み合わせることで、「インターネット上に自分だけのWebサーバーを公開する」という、実務の基礎中の基礎が学べます。
課金事故を防ぐための「予算アラート」設定
「AWSは課金が怖い」。これで一歩踏み出せない方は少なくありません。
学習を始める前に、まずは「AWS Budgets(予算アラート)」だけ設定しておきましょう。これで、設定した金額(例:5ドル)を超えそうになったらメールが飛ぶようにします。
また、AWS Budgetsにくわえて以下の2つを守れば、高額請求はまず起こりません。
・「お片付け」を習慣にする:学習後リソースを「削除」すると、使ってない時間の料金発生が防げます
・無料枠対象の確認:EC2の「t2.micro」など、無料枠マークがついているタイプを選びましょう
未経験者がハンズオンで「やってはいけない」こと
効率を下げてしまう失敗として「公式ドキュメントを隅から隅まで読もうとすること」があります。
AWSの公式ドキュメントは膨大で、プロでもすべては把握していません。まずは「Udemyの講座や技術ブログの通りに動かしてみる」という、「写経」から始めてOKです。
思い通りに動かないときに、「自分で調べて解決できる」ようになるのが一番効率的な学び方です。現場が求めているのは「AWS用語に詳しい人」ではなく、「手を動かしてトラブルを解決できる人」です。
また、ここで学んだ「VPC・EC2・IAM」の知識は、そのままポートフォリオ作成の土台にもなります。具体的な構成案や「評価されるポイント」については、以下の記事で解説しています。
→ 関連記事:未経験からAWSエンジニアになるには?SAA資格・ポートフォリオ・転職
ステップ4:評価を高める「学習ログ」とアウトプット
AWSの勉強では、「インプットだけ」で終わらせないことが重要です。
特にIT未経験からAWSエンジニアを目指す場合、学習ログやアウトプットは非常に重要です。
IT未経験者がインプットだけでは評価されにくい理由
インフラエンジニアとしての実務経験がある場合は、業務経験そのものが評価材料になります。しかしIT未経験の場合は、「AWSをどこまで理解しているか」を示す材料が必要になります。
そのため、ハンズオンの記録や構成図などをまとめたポートフォリオが評価されやすくなります。
企業の面接官が知りたいのは、「何を知っているか」ではなく「学んだことをどう活用し、トラブルにどう対処したか」です。
→関連記事:AWS資格は意味ない?いらないと言われる理由、市場価値が出る人の特徴
GitHub・ブログでの記録・アウトプット
「アウトプットと言われても、いきなりインターネットに公開するのはハードルが高い」と感じる方は、以下のステップで進めてみてください。
① まずは「学習ノート(最初のアウトプット)」:
実は、自分が学んだことをまとめたノートやiPadのメモを、面接の場で「ここまで勉強してきました」とノートを見せるだけでも、熱意の証明になります。言語化する習慣をつけましょう。
② 慣れてきたら「ブログ / Qiita / Zenn)」:
自分のメモを整理して、ネット上に公開してみましょう。「エラーの解決方法」などを1つ書くだけで、それは立派な技術記事です。
③ 最終的には「GitHub」への記録を目指す:
さらに一歩リードするなら、作成した設定ファイルや構築手順をGitHubにアップしましょう。「コードでインフラを管理する(IaC)」という実務に近い姿勢をアピールできます。
ポイント:
実際に「独学で作ったノート」を面接に持参し、意欲が評価されて内定を勝ち取った未経験者もいます。手を止めるのではなく、「学んだことを、誰かに説明できるように残す」ことが何より大切です。
構成図を書くと差が生まれる
AWSに慣れてきたら、「構成図」をセットで書く癖もつけましょう。
実務では、チームメンバーや顧客に説明する場面が多々あります。その際、「VPCの中にEC2を置いて、」と口頭で説明するよりも、図解できる能力の方が信頼されます。



例えば、上の図は未経験からAWS転職を目指す際の「一つのゴール」となる構成例です。これは、インターネットからアクセスできるWebサーバーと、外部から直接アクセスできないデータベースを分離した構成になっています。
IT未経験からAWSエンジニアを目指す場合は、このような構成をポートフォリオとしてまとめると評価されやすくなります。AWSは「サービスを覚える」より「構成を理解する」ことが重要です。
ここまでの「ハンズオン + 学習ログ」をまとめることで、未経験でも評価されるAWSポートフォリオが完成します。「ポートフォリオ」への落とし込み方は、以下の記事でより具体的に解説しています。
→ 関連記事:未経験からAWSエンジニアになるには?SAA資格・ポートフォリオ・転職
AWS勉強で失敗する人の共通点|初心者がハマる落とし穴
AWSはサービス数が多く、学習範囲も広い分野です。
そのため、勉強の仕方を間違えると「資格はあるけど、実務で通用しない」という状態に陥りやすいのも事実です。特にIT未経験者がハマりやすい4つの落とし穴を確認しておきましょう。
①【現実】SAA合格者でも、初めての構築では「何もできない」
意外かもしれませんが、SAA(ソリューションアーキテクト)に合格した直後の人が、初めてAWSのコンソール画面を開くと、「どこを、どう触ればいいか全くわからない」と戸惑うケースは少なくありません。
SAAの知識は、選択肢から正解を選ぶ「理論」です。一方で、実務のスキルは、何もない画面から設定を組み上げる「構築力」です。
対策:
資格学習と並行して、AWS無料枠を使ったハンズオンを行いましょう。理論と構築力は別物です。「自分で環境を作った経験」が、面接での武器になります。
② 企業の本音「SAAだけでは、手を動かせるとは思えない」
IT未経験者がSAAを取得すると、企業からは間違いなく「学習意欲が高く、継続して努力できる人」という評価を得られます。しかし、「実務で即戦力として手を動かせる」とは、ほぼ思ってもらえません。
書類選考では、IT基礎知識の証明になりますが、資格のみでは実技の証明にはなりません。面接でも、トラブルが起きた時に自力で調べられるか(自走力)をチェックされることがあります。
対策:
「資格+α」として、「自分で作った構成図」や「エラーと戦ったログ」を提示できると、企業は「クラウド現場に入れられそうか?」を判断しやすくなります。
③ ハンズオン不足で「エラー経験」が足りない
AWSは「テキストで学ぶだけ」では絶対に身につきません。
例えば、EC2の起動手順を知っていても、「SSHでログインできない」、「セキュリティグループの設定ミスで通信が通らない」といったトラブルを自分で解決した経験がないと、実務では対応できません。
対策:
学んだ内容は、自分のアカウントで再現しましょう。AWS学習では、エラーと向き合った時間こそが成長する時間です。
④ 教材との「画面のズレ」で挫折する
これは特にIT未経験者の悩みどころです。AWSは進化が非常に速く、最新の教材でも「管理画面のボタンの位置が違う」、「設定項目が増えている」といったことがよくあります。
これを「全く同じでないと無理」と捉えて挫折してしまう初心者が多いですが、実はこの変化に向き合うこと自体がAWSエンジニアの仕事です。
対策:
公式ドキュメントや最新の技術ブログも調べましょう。この「自力で調べて解決する力(自走力)」が、企業が未経験者に最も求めているスキルです。
AWSの勉強では「資格 → ハンズオン → アウトプット」という順番を意識することで、知識だけで終わらない実務力につながります。
よくある質問(FAQ)
未経験からAWSを勉強する人に、よくある質問をまとめました。
Q:IT未経験でもAWS SAA(ソリューションアーキテクト)は合格できる?
A:可能です。SAAから取得する人もいます。
ただしIT未経験からであれば、いきなりSAAを狙うよりも、基礎のCLFから学ぶ方が、用語の理解がスムーズになり、結果的に近道になります。
Q:AWSの勉強にはどんなPCが必要?Windows?Macがいい?
A:WindowsでもMacでも問題ありません。
ただし、エンジニア界隈ではMacユーザーが多く、ネット上の解説記事もMac前提のものも多いため、迷っているならMacも一つです。
Q:AWS SAAの難易度は?
A:ITの基礎知識があれば難関ではありませんが、未経験者にとっては「インフラの概念」を理解するまでが山場です。
暗記ではなく、「仕組み」を理解する学習を心がけましょう。
AWSは現在、世界でもっとも利用されているクラウドサービスであり、国内でも多くの企業が導入しています。
そのためAWSスキルを持つエンジニアの需要は高く、未経験からでもクラウドエンジニアを目指すキャリアが広がっています。クラウドエンジニアの具体的なキャリアは、以下の記事で解説しています。
→関連記事:クラウドエンジニアのキャリアパス|設計・自動化・SREへのロードマップ
また、AWSの学習は、インフラエンジニアとしての基礎知識の上に成り立っています。インフラエンジニア全体の勉強順やキャリアロードマップを整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?最短構築ロードマップ
まとめ|技術を身につけたら「AWS転職」へ進もう
AWS勉強ロードマップは、「基礎 → 資格 → ハンズオン → アウトプット」という順番で進めることが最短ルートです。
またクラウド学習では、「量」よりも「順番」が重要です。 正しいロードマップで進めば、未経験からでも実務で評価されるレベルに到達することは十分に可能です。
■AWS勉強のポイントまとめ:
・インフラ基礎(Linux・ネットワーク)を理解する
・CLF → SAA の順でAWS資格を取得する
・無料枠でハンズオンを行い、実際に環境を構築する
・学習ログや構成図を残し、アウトプットする
ただし勉強のゴールは資格取得ではありません。重要なのは、その先の「クラウド実務」に接続することです。
また学習の成果を最大限に活かし、未経験からAWSエンジニアの内定を勝ち取るための「転職戦略」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
▶ 関連記事:【保存版】AWSエンジニア未経験から転職を成功させる全手順
\ AWS学習をキャリアに活かしたい方へ /
AWSの勉強は「資格取得」がゴールではなく、その先にあるキャリアにつなげることが重要です。
「どのレベルまで勉強すれば転職できる?」
「自分のスキルでAWSできる企業はある?」
こうした疑問を整理したい方は、無料のキャリア相談も活用できます。







