インフラエンジニアのキャリアパスを徹底解説【未経験、初心者向け】

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

インフラエンジニアのキャリアパスは幅広いかつ奥深いため、目標を持って近づく努力を行わないと、キャリア形成はなかなか難しいかも知れません。

今回はインフラエンジニアのキャリアパス、未経験におすすめしたい5年後のキャリアビジョン、その後に描けるキャリアパスの全体像などを説明します。
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インフラエンジニアの仕事とキャリアパス

インフラエンジニアの仕事は、担当する工程によって難易度や必要となるスキルが異なり、難易度が高くなる(求められるスキルが高くなる)につれて、年収も上がっていきます。

インフラエンジニアの仕事は、「要件定義」⇒「基本設計」⇒「詳細設計・構築」⇒「運用」⇒「監視・テクニカルサポート」の順序で基本的には難易度が下がり、自分自身のスキルアップに伴い、難易度が高い上位工程(フェーズ)に携わっていくキャリアステップとなります。

インフラエンジニアの仕事内容について詳しく知りたい方は、別記事の「インフラエンジニアの仕事内容とは、仕事の流れや未経験の仕事などを説明」をあわせてお読みください。

未経験インフラエンジニアのキャリアパス

未経験からインフラエンジニアになる場合は、最初にスタートするキャリアパスが大きく3つに分けられます。

応募する求人企業や配属によって、スタートするキャリアパスが異なりますので、まずあなたが「どのようなキャリアを歩みたいか?」を決めて、希望に当てはまる求人を応募すると良いでしょう。

未経験者のキャリアパス①:インフラ監視、テクニカルサポートからスタート

未経験からインフラエンジニアになるにあたり、インフラオペレーター(インフラ監視やテクニカルサポートなど)から始めるキャリアパスです。

未経験インフラエンジニア求人では、最も一般的なキャリアパスであり、未経験からインフラエンジニアになる人の5-6割くらいは、インフラオペレーターからのスタートといえるでしょう。

このインフラオペレーターの仕事は、夜勤シフトが伴うことも多いですが、基本的に残業も少ないため、残業が少ないタイミングで、自学でネットワークやサーバーの勉強を行い、インフラ運用業務にステップアップしてもらうキャリアになります。

勉強をする時間は確保しやすいですが、実務でスキルがつきにくいため、ステップアップをするためには、自学で勉強をすることがほぼ必須です(会社の研修制度を使う事もできますが、インフラオペレーターは不規則勤務が多いため、研修制度が使いにくく、eラーニングくらいしか使えない人も多いかも知れません)。

また、インフラオペレーターの最初の年収レンジは、250-300万円くらいが多いでしょう。

未経験者のキャリアパス②:インフラ運用からスタート

未経験インフラエンジニアになる場合、相応難易度が高い求人に入社した場合、もしくは内定時や入社後研修等の評価が高かった場合は、インフラ運用からスタートとなるでしょう。

未経験からインフラエンジニアになる人の2-3割くらいは、インフラ運用からスタートといえるでしょう。

インフラ運用はオペレーション業務もありますが、設定変更やバージョンアップ対応、トラブルシューティングなどの技術的業務もありますので、実務でも比較的スキルがついていきます。

2-3年運用経験を積んで、構築業務にステップアップしていく流れが一番多いと思います(早い人は1年未満で構築に進むかと思います)

また、インフラ運用の場合、最初の年収レンジは300-330万円くらいが多いでしょう。

未経験者のキャリアパス③:インフラ構築からスタート

インフラ構築以上しか請けていない企業など、一定難易度がある企業から内定を頂いた場合は、インフラ構築(もしくはインフラ構築・運用)からスタートとなる場合もあります。

もちろん最初から一人でインフラ構築がスムーズにできる訳ではありませんので、インフラ構築サポートやインフラ設計サポートといった補佐業務からのスタートとなりますが、スキルを最初からどんどん積めるキャリアパスです。

ただし、インフラ構築からスタートできる人は、未経験からインフラエンジニアになる人の1割くらいでしょう。

構築経験を積んだら、インフラエンジニアのキャリアアップは早いので、いろいろなキャリアパスを選んでいけるようになりますが、経験が無い中で構築業務に携わると、疲弊する人も一定数おりますので、インフラ構築は、成長意欲やガッツがある人には非常におすすめ出来る未経験インフラエンジニアのキャリアパスと言えます。

また、インフラ構築からスタートの場合、最初の年収レンジは300-380万円くらいが多いでしょう。

未経験インフラエンジニアの5年後は、インフラ設計・構築リーダーを目指す事がおすすめ

未経験者の方から「5年後にどの程度のキャリアビジョンを目指すのが理想なのか?」という質問を頂く事は多いですが、私の個人的な意見としては「未経験の場合、5年後にはインフラ設計・構築リーダーを目指す」のがおすすめです。

未経験から5年後に「インフラ設計・構築リーダー」を目指す事は、相応の努力が必要ではありますが、十分に達成可能な目標設定であり、またインフラエンジニアは「インフラ設計・構築」の経験と「リーダーの経験」を得た後から「市場価値が大きく上がり」、「キャリアアップや年収アップのスピードが加速」します(インフラ設計・構築を1人称で出来るようになったタイミングで、「一人前のインフラエンジニア」と思われる傾向が強いと思います)。

また、転職活動時にも「将来のキャリアビジョン」を尋ねられる事も多いと思われますが、「5年後にインフラ設計・構築のリーダーを目指す」という内容は、基本的には企業受けもよい範疇の内容です(ただし、応募する会社によっては、「更に上を目指してもらいたい」という考えや「そこまで到達するのは難しい」という考えの会社もありますが、基本的には8割以上の会社が納得する目標設定だと思います)。

■関連記事:未経験インフラエンジニアの年収はどれくらい?その後の年収相場は?

女性インフラエンジニアのキャリアパスは、基本的に男性と同じ

女性インフラエンジニアのキャリアパスは、結婚・産休・育休といったライフイベントが発生するものの、キャリアパス自体は男性と同じであり、スキルを身に着け上流工程を目指していく流れとなります。

ただし、エンジニアは女性が少ないため、女性は良い意味で少々目立ちやすく、キャリアアップの機会自体は男性より多い傾向があります(特に女性管理職はどの会社も足りてないため、管理職を目指したい女性は、会社からのサポートを受けやすいかも知れません)。

以上が未経験からインフラエンジニアになった場合のキャリアパスですが、以下からは、インフラエンジニアになった後のキャリアパスを説明します。

インフラエンジニアのキャリアパスは、「スペシャリスト系」と「ゼネラリスト系」がある

インフラの設計・構築業務経験を積み、一人前のインフラエンジニアになった後のキャリアパスは「スペシャリスト系」と「ゼネラリスト系」の2つに分けられます。

下記からは「スペシャリスト系」と「ゼネラリスト系」の2つに分けて、キャリアビジョンを説明します(今回は、「スペシャリスト系=技術寄りのキャリア」、「ゼネラリスト系=マネジメント寄りのキャリア」という切り分けで説明します)。

インフラエンジニアからの将来のキャリアビジョン①:スペシャリスト系

スペシャリスト系キャリアビジョン①:インフラエンジニアのスペシャリスト(ITスペシャリスト)

インフラエンジニアのスペシャリストは、ITインフラ全般(ネットワーク、ストレージ、サーバー、DB、ミドルウェアから、仮想化、クラウドまで)の幅広い経験を積み、幅広い経験を活かす職種であり、ITインフラのプロと言える職種でしょう。

経験が幅広いため、活躍出来る環境も幅広いことが特徴であり、一番メジャーなキャリアパスといえると思います。

スペシャリスト系キャリアビジョン②:AWSエンジニアなどのクラウド系エンジニア

クラウド系エンジニアは、現在急成長している「クラウド系」に尖った経験を持つキャリアパスです。

クラウド系は奥深いため、幅広い経験や知識が必要であり、ネットワーク、サーバー、DBなど、幅広く経験を積んだあとに、クラウドに知識を尖らせていくやり方がメジャーです(特に市場ニーズが高いパブリッククラウドのAWSはおすすめのキャリアと言えます)。

クラウドの活用方法の提案から、運用まで出来るクラウドエンジニアは非常に少なく、市場ニーズも非常に高いため、クラウド系エンジニアはスペシャリスト職の一つと言えるでしょう。

■関連記事:クラウドエンジニアの仕事内容、なるためのキャリアパスとは

スペシャリスト系キャリアビジョン③:セキュリティ系エンジニア

セキュリティ系エンジニアは、こちらも現在急成長している「セキュリティ系」に尖った経験を持つキャリアパスです。

クラウド系と同様に、セキュリティ系も奥深いため、インフラからアプリまで幅広い経験や知識があった方が良いですが、特にネットワーク分野に強みを持っていると目指しやすいでしょう。

セキュリティ系エンジニアも市場ニーズが非常に高いですが、セキュリティに強みを持つエンジニアは不足しているため、セキュリティ系エンジニアもスペシャリスト職の一つと言えます。

■関連記事:未経験からセキュリティエンジニアになるには、仕事内容やスキル、資格など

スペシャリスト系キャリアビジョン④:フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアも非常にニーズが高い職種であり、一人でインフラからアプリケーション開発まで対応できるエンジニアとして、需要が高い職種です。

フルスタックエンジニアは難易度が高い職種であり、2-3程のプログラミング言語の習得が欲しい所ですが、特にインターネット系事業者や社内SEといった、幅広い業務を少人数で対応するような職場でニーズが高いと言えるでしょう。

■関連記事:インフラエンジニアにプログラミングスキルは必要?需要や必要性など

スペシャリスト系キャリアビジョン⑤:ITコンサルタント

ITコンサルタントは定義が幅広いですが、要件定義をメイン業務とするエンジニア、IT基盤・アーキテクチャを主担当とするエンジニア、システムサイジングや費用見積もり、お客さまとの要件・価格調整が出来るエンジニア、案件を獲得して責任者として推進出来るエンジニアをITコンサルタントと呼ぶこともあります。

ただし、ITコンサルタントは「会社によって定義が変わる」ため、面接で「ITコンサルタントになりたい」と伝えると、ほぼ「ITコンサルってどんな仕事をイメージしていますか?」と突っ込まれますので、ITコンサルタントを目指す場合は、あなたの理想とするITコンサルタント像を明確にした方がよいでしょう。

スペシャリスト系キャリアビジョン⑥:SRE(Site Reliability Engineering)

SREは大手インターネット事業者のGoogle社が提唱したポジションであり、会社によって仕事内容や定義や異なりますが、基本的には「インフラエンジニアの仕事を自動化しながら、アプリケーションエンジニアの仕事も一部受け持つ」という職務が多いと思います。

特にインターネット系事業会社や一部のクラウドベンダーなどで需要があるポジションと思います。

スペシャリスト系キャリアビジョン⑦:テクニカルサポートエンジニア(製品エンジニア)

テクニカルサポートエンジニアは、ネットワーク機器やソフトウェアなどの「特定製品の専門エンジニア」であり、担当製品のトラブル周辺を対応する高度エンジニア職です。

特に多数の製品を扱う商社系SIerや、自社製品を持つベンダー、また外資系ベンダーで多く需要があるポジションと言えます。

スペシャリスト系のキャリアパスの説明は以上となり、下記からはゼネラリスト系のキャリアパスを説明します。

インフラエンジニアからの将来のキャリアビジョン②:ゼネラリスト系

ゼネラリスト系キャリアビジョン①:プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの管理者としてシステム全般を管理する業務であり、インフラ全般を担当することもあれば、アプリケーションまで含めて担当することもあります。

また、一つのプロジェクトを管理する場合もあれば、複数プロジェクトを管理することもあり、勤務する会社や役割によって任される仕事は様々です。

ただし、プロジェクトマネージャーで経験できる、プロジェクト管理スキルは、将来転職を考えた時などに大きな武器となるでしょう。

ゼネラリスト系キャリアビジョン②:ラインマネージャー

ラインマネージャ―は、部長といった管理職をイメージされると分かりやすいでしょう。

プロジェクトマネージャーが「現場のプロジェクトの管理」が仕事であれば、ラインマネージャ―は「会社組織の管理」が仕事となり、責任は大きいですが、給与も大きく上がる職種と言えるでしょう。

ゼネラリスト系キャリアビジョン③:PMO (Project Management Office)

PMOは、会社・プロジェクトによって役割や仕事内容が異なりますが、基本的には「プロジェクトマネジメントの支援」を行う役割であり、初級難易度の仕事であればプロジェクト運営の事務局、中級~上級難易度の場合は品質管理や評価基準の策定、PM補佐となります(稀にPMを育成する上級のPMO職もあります)。

インフラエンジニアからのキャリアチェンジ

下記からは「インフラエンジニアの経験を活かして、キャリアチェンジ」を考える方向けに、インフラエンジニアからよくあるキャリアチェンジのパスを説明します。

インフラエンジニアからのキャリアチェンジ①:システムエンジニア、プログラマー

インフラエンジニアからキャリアチェンジする事が多い職種として、システムエンジニアやプログラマーといった開発系エンジニアの仕事もあります。

ただし、インフラエンジニアで培ったスキルがそのまま活かせる訳ではありませんので、自学でプログラミングスキルを学んでからキャリアチェンジする事が基本です(プログラミング知識が無い場合は、インフラエンジニア経験者でも「未経験と同じ」となります)。

インフラエンジニアからのキャリアチェンジ②:社内SE(社内情報システム)

インフラエンジニアからキャリアチェンジする事が多い職種として、社内SEも一つのキャリアパスと言えるでしょう。

ただし社内SEは幅広い仕事を少人数で対応しなければいけないため、サーバー、ミドルウェア、ネットワークなどの幅広い経験(特にサーバー系)が求められる傾向があり、またアプリケーションも見てもらうポジションも多いため、アプリ側まで対応が出来る状況であればキャリアチェンジがやりやすいと思います。

さいごに

インフラエンジニアのキャリアパスは幅広いですが、まずは幅広く経験を積み、さまざまな仕事に携わることで、自分の興味や適性を知る事をおすすめします。

興味や適性のあるなしは、実際に仕事で携わってみないと、判断はつきにくいといえるでしょう。

また当たり前ですが、ITインフラ全般を経験したあとに、独学でPythonやRubyといったプログラミング言語まで学ぶと、更にキャリアパスが広がりやすいといえます(最近は人気度が高い大手企業は、プログラミング知識を持つインフラエンジニアを好んで採用する傾向が強くなってきていると思います)。

インフラエンジニアのキャリアパスの説明は以上となりますが、インフラエンジニアは努力や勉強に応じて、若くてもどんどんステップアップ出来る職種といえます。

初心者の場合は、まずはインフラ構築に携わることに多少ハードルがあるかも知れませんが、インフラ構築で経験を積んだ後は、特にステップアップは早いので、あなたが興味ある分野に手を伸ばしていくと、更にキャリアパスは広がっていくでしょう。

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