Linux資格のLinuCとは、取得メリット、種類・難易度、勉強方法等を解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

日本独自のLinuxの技術者認定資格であり、日本で人気が高まっているLinuC(リナック)ですが、LinuCとはどのような資格なのでしょうか?

今回は最新のLinuC Version10.0の資格について、取得メリットや資格の種類、LinuC運営元のLPI-japanが推奨するおすすめ勉強方法などを説明します(LPI-japan監修)。

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目次

日本市場向けのLinux認定資格「LinuC」とは


LinuC(リナック)とは、サーバーに採用されるOSでトップシェアを誇り、世界中のI Tサービスを支えている「Linux」に関する技術力の証明ができるLinux技術者認定です。

LinuCの運営はLPI-JapanというNPO団体が行っており、比較的新しいLinux技術者認定ではありますが、既に日本の大手I T企業を中心に採用が広がっており、中小企業や技術系専門学校などにも急速に採用が広がっています。

その採用が急速に広がってきた理由として、特にLinuCレベル1/レベル2Version10.0はオープンソースコミュニティの力を借りて試験開発を行ってきたという面もあり、様々な業種業態、エンジニアから書籍の著者、教育関係の方まで多くの人の知見を結集して作られている背景があります。
参照URL:https://linuc.org/linuc/thanks.html

LinuCは、従来からのインフラ系エンジニアを筆頭に有用な資格でもありますが、クラウド活用技術やオープンソースへの理解など、クラウド時代に活躍を目指す全てのITエンジニアにとって役に立つ、おすすめの認定資格となります。

LinuC取得のメリット

LinuCを取得するメリットとしては、取得のための学習を通じて、インフラエンジニア として必要となる傾向が強いLinuxに関する知識の他、仮想化技術やオープンソースについての知識を体系立てて身につきやすい事が、最大のメリットといえるでしょう。

業務を通じて身につけた知識だけでは技術分野に偏りが生まれてしまう事は多いとも言われますが、資格であるLinuCの出題範囲を横断的に学習することで、必要な知識が断片的ではなく体系立てて身につけやすい、ということが言えます。

また、その知識も実務に役立つものばかりなので、もう古くて使うことが少なくなったテーマやコマンドなどを覚えなければならない、ということはありません。

LinuCの認定を取得すると資格取得一時金や資格手当を支給する企業もありますし、昇給・昇格の条件にしている企業も幾分あり、資格としての有用性は証明されておりますので、新しい資格ではあるものの、LinuCの認定を持っていることは就職・転職に有利に働くことが多いと言えます。

また、LinuC取得が転職・就職でどのくらい有利になるかを記載した記事がありますので、よろしければ「LinuC(LPIC)は転職・就職でどれくらい有利?取るべき人と不要な人とは」もあわせてお読みください。

LinuCと他資格との関係

LinuCレベル1/レベル2Version10.0の認定取得を通じてLinuxを学習することは、AWSなどのパブリッククラウドについて学習するときにも役立ちます。

背景としては、パブリッククラウドにおいても機能を実装するにはLinuxのコマンドを入力しなければならないことも多く、より上位の認定(AWSでいえばソリューションアーキテクトのプロフェッショナル)を目指すのであればLinuxの知識が前提であったりするためとなります。

LinuCは単体で保有する事もメリットはありますが、他Linux以外のインフラ系技術の学習や資格の取得にも活かしやすい傾向はあると思います。

(補足)LinuCとLPICの違い、どっちがおすすめ?

Linux技術者認定資格であるLinuCとLPICは、運営元が異なる別資格ではありますが、基本的に学べる内容は近しく、難易度もほぼ変わらず、受験料も同じであり、会社や業界における評価もかなり近しいと言えます(人により意見は異なるかも知れませんが、個人的な印象では、LinuCとLPICの評価は、ほぼ同じと思います)。

ただし、LinuCは日本市場向けであり、LPICはグローバル基準で対応をしている所が異なりますので、日本市場で仕事をしたい人はLinuC、グローバル基準で学びたい人はLPICという選択でも良いかと思います。

LinuCとLPICの違いに関して詳しく知りたい方は、別記事で「LinuCとLPICとの違いとは?どっちを取るべき?」を記載していますので、興味があればあわせてお読みください。

■関連記事:【まとめ】LPICとは?取得メリット、難易度、勉強方法など

LinuCの種類(難易度、レベル構成)

LinuCは3つのレベルから構成されており、難易度は、LinuCレベル1→LinuCレベル2→LinuCレベル3の順で難しくなります。

下記からはLinuCの種類に分けて、レベル毎の詳細説明をします。

LinuCレベル1Version10.0(未経験、初心者向け)


https://linuc.org/linuc1/
LinuCレベル1Versoin10.0は、仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者であることを証明できる認定です。

具体的には、仮想マシンとコンテナを含むLinuxサーバーの運用・管理、クラウドのセキュリティへの理解、オープンソースの文化を理解して業務に活用できる、などとなります。

LinuCレベル1は「101試験」と「102試験」の2つからなり、101試験と102試験の両方に合格することで「LinuCレベル1」の認定を取得することができます。

またLinuCレベル1の難易度は、Linuxの入門的な位置づけのレベルであり、多くの会社の新入社員やIT系の専門学校で卒業までに取得する、とされるレベルです。

ゆえに難易度自体は高くはなく、自己学習のみでも十分対応できる難易度といえます。

ただし、丸暗記ではなく、Linuxの学習環境を用意して自分でコマンドなどを叩きながら学習していくことが、スキルを肌に身につけるための近道と言えるでしょう。

LinuCレベル2Version10.0(初心者、中級者向け)


https://linuc.org/linuc2/
LinuCレベル2Versoin10.0は、仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができる技術者であることを証明する認定です。

具体的には、Linuxシステムの設計・構築・トラブルシューティング、仮想マシンやコンテナを理解してその運用管理ができる、セキュリティとシステムアーキテクチャの基本を理解し、サービスの設計・構築・運用・管理ができる、などとなります。

LinuCレベル2は「201試験」と「202試験」の2つからなり、201試験と202試験の両方に合格することで「LinuCレベル2」の認定を取得することができます。

またLinuCレベル2の難易度は、企業における開発部隊で中心的な役割を果たせるだけの技術力を求められるレベルを目指す想定で作られており、レベル1に比べてレベル2は、全てが実践的であり、丸暗記ではなく自分で手を動かしながら覚えていく必要があるとも言えます。

LinuCレベル3 (中級者、上級者向け)


https://linuc.org/linuc3/300.html
LinuCレベル3はLinuxに関わる各分野の最高レベルの技術力を持つことの証明する認定です。

LinuCレベル3はレベル1やレベル2と異なり、3つの専門試験(300試験、303試験、304試験)が並列で存在しており、どれか一つに合格すればLinuCレベル3の認定を取得したことになります。

・LinuCレベル3 300試験:混在環境
Linux、Windows、Unixが混在するシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることの証明試験です。

・LinuCレベル3 303試験:セキュリティ
セキュリティレベルの高いコンピュータシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることの証明試験です。

・LinuCレベル3 304試験:仮想化と高可用性
クラウドコンピューティングシステム(クラウド)の設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることの証明試験です。

またLinuCレベル3の難易度は、基本的には特定分野の専門家として活動ができるレベルを想定されて作られているため、分野に特化して他人にはない自分の強みや専門性を持ちたい、と考える人にはおすすめできる資格と思います。

あわせて下記からは、LinuCの勉強方法について説明をします。

LinuCの勉強方法①:WEBサイト、電子書籍

未経験者・初心者向けとなりますが、LinuCのおすすめ勉強方法として、WEBサイトや電子書籍を案内します。

・LinuCイージス

https://www.infraeye.com/study/studyz4.html
LinuCイージスは当方おすすめのWEBサイトであり、LinuCを最初から学ぶ事に非常に適していると思います。

また、下記のLinux標準教科書、Linux教科書、LinuCレベル1合格教本はLinuC運営元もおすすめする勉強教材であり、LinuCを学ぶことに適していると思います(特に、個人的にLinuxの標準教科書は、無料でLinuxを学べる教材としておすすめです)。

・Linux標準教科書

https://linuc.org/textbooks/linux/

・Linux教科書(翔泳社)

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798167602

・LinuCレベル1合格教本(技術評論社)

https://gihyo.jp/book/2019/978-4-297-10659-1
*合格教本は、2020年8月11日にVersion10.0対応の本が出版される予定です。

LinuCの勉強方法②:動画

下記の2つの動画は、LinuC運営元のLPI-japanが推奨する学習用の動画であり、初級者を含めLinuxの勉強を検討している方におすすめと思います。

・Linuxサーバー構築入門(udemy)
https://www.udemy.com/course/linuc_level1/

・LinuC技術解説セミナー(Youtube)
https://www.youtube.com/user/LPIJapan

LinuCの勉強方法③:オンライン問題集

下記の2つの問題集も、LinuC運営元のLPI-japanが推奨するオンライン問題集であり、未経験者から初級者の人におすすめのオンライン問題集です。

・Ping-t
https://ping-t.com/

・リナ男とリナ子のLinuC-1問題集
https://www.he.htk-jp.com/products/linux_app/

LinuCの受験料

LinuCの受験料は、以下の通りとなります。

■LinuCレベル1 :合計30,000円(15,000円x2)
−101試験 :15,000円
−102試験 :15,000円

■LinuCレベル2 :合計30,000円(15,000円x2)
−201試験 :15,000円
−202試験 :15,000円

■LinuCレベル3 :各15,000円
−300試験 :15,000円
−303試験 :15,000円
−304試験 :15,000円

さいごに

Linux技術者認定資格であるLinuCは、物理・仮想の環境の違いを問わず、インフラ系エンジニアを目指す人には特にお勧めできる資格だと思います。

またパブリッククラウド系の資格取得を目指す人であってもLinuxの技術は避けて通れない分野ともいえますので、AWSやGoogleクラウドなどの認定を目指す人であっても、基本を固める意味で、取得を検討して良い認定だと思います(今後の技術ベースとなりやすい資格だと思います)。

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