ネットワークエンジニアの将来性とは?需要が高まるスキルも解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

ネットワークエンジニアは、ITインフラを支える重要な仕事です。また、人材不足の職種であるため、未経験からでも挑戦しやすいポジションです。

一方で、「ネットワークエンジニアに、将来性はある?」、「オワコンじゃないの?」、「本当に稼げるの?」といった不安の声も聞かれます。

世の中や仕事が、DXやAIの影響で大きく様変わりし、なくなる仕事も出ているため、「仕事は今後なくならないか?」や「稼げるのか?」などは、しっかり見定めたいポイントでしょう。

この記事では、ネットワークエンジニアの将来性や、オワコンと言われる背景、また将来性や年収を高めていくためのスキルや、具体的なアクションなどを説明していきます。将来性を不安視する方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

ネットワークエンジニアの仕事内容と役割をおさらい

ネットワークエンジニアは、企業の業務やサービスを支える「ネットワーク通信の基盤」を設計、構築、運用するプロフェッショナル職です。

日々私たちが使っているインターネットや社内システム、クラウドサービスなど、あらゆるITサービスは、ネットワークが正しく機能していないと利用できません。

ITサービスを利用するには、ネットワーク通信を使えることが前提です。そのネットワーク通信を支えるのがネットワークエンジニアの仕事です。

ネットワークの設計、構築、運用、監視とは

ネットワークエンジニアの仕事は、主に「設計」、「構築」、「運用」、「監視」の4段階に分かれています。以下に簡易に説明していきます。

ネットワークの設計とは

システム導入やオフィス移転などに際して、ネットワークの構成図を考えていきます。通信経路やセキュリティ、冗長構成(機器が故障しても、動き続ける構成)、拠点間接続などを検討して、最適なネットワークを考える仕事です。

ネットワークの構築とは

設計した内容に基づいて、実際にルータやスイッチなどの機器を設置・設定していきます。具体的には、ネットワーク機器にコンフィグ(設定情報)を入力し、接続テストや動作確認などを行い、ネットワークを作る仕事です。

ネットワークの運用とは

構築されたネットワークが動き続けるよう、安定稼働をさせていきます。具体的には、機器のソフトウェアのアップデート、設定の変更、セキュリティパッチの適用、トラブルシューティングなどを行い、ネットワークを維持する仕事です。

ネットワークの監視とは

ネットワークが常に動き続けているかを、監視していきます。監視は作業指示書などのマニュアルに沿って、異常検知や問題発生時の1次対応、上級エンジニアへのエスカレーションなどを行い、24時間365日体制でネットワークを見守る仕事です。

ITインフラを支える、重要な役割を担う

現代の企業活動や生活において、ITインフラは必要不可欠な存在です。メールの送受信、ファイルの共有、業務システムの利用、オンライン会議など、これらはネットワークが正しく構成され、運用されているから使うことができます。

ネットワークエンジニアは、これらの「当たり前」を支える仕事です。インフラは、一度止まると多大な損害が発生することがあるため、ミスが許されず、重要な役割を担っているため、強い責任感も求められます。

ネットワークは目に見えないサービスではあるものの、ネットワークが正しく設計され、運用されていることで、さまざまなITサービスを使うことができます。

ゆえに、ネットワークエンジニアは、「見えない成果」を生み出していると言えるでしょう。IT業界やIT社会における、縁の下の力持ちのような存在です。

ネットワークエンジニアは本当に「オワコン」か?将来性はある?

ネットワークエンジニアは、社会に重要なITインフラを支えるエンジニアです。しかし、ネットやSNSなどでは、「ネットワークエンジニアはオワコン」といった声を目にすることがあります。

ここでは、「本当にオワコンなのか?」といった、ネットワークエンジニアの将来性について、詳しく見ていきます。

オワコンと言われる理由は、クラウド・自動化・AI

「ネットワークエンジニアはオワコン」と言われる背景には、クラウドの普及やネットワーク自動化、AI導入といった、ITインフラの変化があります。

もっともオワコンと言われやすい理由は、クラウドの普及でしょう。クラウドサービスの普及が進むことによって、ネットワークの物理機器の管理が不要になったことは、大きな影響と言えます。

また、AnsibleやTerraformといった自動化ツールにおいても、近年需要が広がり、急速にシェアが広がっています。これにより、構築や構成管理の自動化が進み、必要だった手作業が削減されたことは事実です。

あわせて、今後はAIによるネットワーク運用も、さらに増えていくでしょう。AIによる障害予測や自動復旧などが行われ、人的作業が減ることで、「ネットワークは仕事がなくなるのでは?」という不安につながっていると思われます。

しかし、これらはネットワークエンジニアの仕事がなくなるという意味ではありません。実際には、ITインフラやDXの拡大、セキュリティの重要性などの影響で、ネットワークエンジニアの重要性がむしろ高まっています

ゆえに、時代の変化にともない「今後の変化に対応できるネットワークエンジニアが、さらに求められる時代」になっていると言えます。

■参考記事:ネットワークエンジニアはやめとけと言われる理由9選、実態と対処法

ネットワークは、新技術とともに進化し、求められるスキルも変化している

ネットワークエンジニアの業界は、むしろ進化の真っただ中と言えます。近年注目されておりかつ、ニーズが高いネットワークエンジニアの新技術としては、以下のようなものがあります。

■ネットワークエンジニアの、ニーズが高い新技術の例:
・ゼロトラストネットワーク
・SASE(Secure Access Service Edge)
・SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)

ゼロトラストネットワークは、社内外のネットワークを信頼せず、すべての通信を検証し、セキュリティを高めていく、セキュリティモデルです。

SASE(サシー)は、ネットワークとセキュリティを統合したクラウドベースのアーキテクチャであり、ゼロトラストとセットで求められることも多くあります。

また、SD-WANは、複数拠点を効率よく結ぶための、新しいWANの仕組みであり、拠点間やクラウドとのネットワークをソフトウェアで制御する技術です。

これらのように、クラウドサービスが広がったことなどによる、通信環境の変化から、ネットワークエンジニアに必要とされる技術が多様化していると言えます。

ネットワークエンジニアに将来性がある、3つの根拠

ネットワークエンジニアはオワコンと言われることがあっても、「将来性が高い」と明確に言える理由もあります。ここでは、将来性がある3つの理由を説明していきます。

■「ネットワークエンジニアに将来性がある」と明確に言える、3つの理由:
・ITインフラの拡大と複雑化
・セキュリティの重要性の高まり
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化

ITインフラの拡大と複雑化

現代社会は、あらゆるサービスがインターネットを通じて提供されているのは、揺らがない事実でしょう。

例として、リモートワークやオンライン教育、キャッシュレス決済など、インターネットを使う頻度は確実に増えています。また、それに伴い、ITインフラが拡大し、ネットワークの重要性も増しています。

一方で、ITインフラの拡大に伴い、インフラは複雑化の道をたどっています。ゆえに、これまで以上に高度な設計や運用スキルが求められていくのも事実です。

インフラにおける通信が成り立たなければ、社会も成り立たなくなっています。複雑かつ高度なインフラを支えることができるネットワークエンジニアは、需要は尽きないと言えるでしょう。

セキュリティの重要性の高まり

サイバー攻撃は、年々高度化しながら増加しています。ゆえに、企業にとって情報セキュリティ対策は、重要性が高まり続けており、今や必須の課題と言えます。

情報セキュリティ対策において、もっとも先に防衛するのは、常に危機にさらされるネットワークと言って過言ではないでしょう。ゼロトラスト、ファイアーウォール、VPN、IDS/IPSなど、複数層での防御を組み合わせた設計が必要です。

このような環境下で、セキュリティ設計まで考慮ができるネットワークエンジニアの需要は、高まり続けています。特に、クラウドとオンプレをまたぐ複雑なネットワーク構成におけるセキュリティスキルは、今後更に重宝されるでしょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化

企業のDXが加速化する中で、インフラはクラウド移行が当たり前になっています。また、AWSやAzureなどのクラウドサービスの利用が増える一方で、完全クラウドでなく、オンプレミスと組み合わせたハイブリッド構成も非常に多いです。

オンプレミスとクラウドの組み合わせなど、複雑なインフラを設計・構築・運用していくには、ネットワークのみでなく、クラウドの知識を持ったエンジニアも必要です。

また、IaC(Infrastructure as Code)といった、新しい概念にも対応できるスキルも求められてきており、以前の「ネットワークだけを触るエンジニア」からステップアップすることで、多くのチャンスに恵まれていく、とも言えます。

上記の「ITインフラの拡大と複雑化」や「セキュリティの重要性の高まり」、「DXの加速化」の理由から明らかであるように、ネットワークエンジニアの将来性は、非常に高いと言えるでしょう。

また次からは、ネットワークエンジニアとして、今後求められるスキルを説明していきます。

将来性を高めるにはどんなスキルが必要?

ネットワークエンジニアとして将来的に活躍し続けるには、変化の激しいIT業界に適応できるスキルの習得が欠かせないと言えるでしょう。

ここではネットワークエンジニアの将来性を高めるために、おすすめされる代表的なスキルを説明していきます。

■ネットワークエンジニアが将来性を高めるために、必要とされるスキル:
・ネットワークの基礎+上級スキル
・セキュリティスキル
・自動化、プログラミングスキル
・クラウド知識、スキル
・コミュニケーション力、ドキュメント作成力

ネットワークの基礎+上級スキル

まず重要なのは、ネットワークの基本をしっかり理解し、応用できる力です。ルーティング、スイッチング、VLAN、OSPF、BGPなどといった知識はもちろん、設計やトラブルシューティングまで対応できるレベルを目指す必要があります。

さらにシスコ技術者認定資格(CCNA、CCNP)、ネットワークスペシャリスト試験などを通じて、スキルの証明ができるようにしておくと、昇給や転職時にも有利となります。

セキュリティスキル

ゼロトラストやファイアーウォール、VPN、IDS/IPSといったセキュリティの要素を、ネットワーク設計に組み込む力も、将来性を高める上で非常に重要です。

ネットワークとセキュリティは切り離せません。むしろ、ネットワークとセキュリティは、一体化して考えるべき領域です。ネットワーク構成そのものが、セキュリティ対策の一部とも言え、セキュリティスキルは必須です。

また、セキュリティ資格(情報処理安全確保支援士など)を取得しておくと、ネットワーク+セキュリティのハイスキル人材として、高い評価が得られるでしょう。

自動化、プログラミングスキル

ネットワーク構成の自動化やスクリプトによる効率化は、今後もインフラ業務で重要な役割を果たすと言えます。

具体的には、Pythonやシェルスクリプトから、AisibleやTerraformなどのツールを使いこなすことで、手作業からの脱却を図り、効率化を行うこともできます。

プログラミングスキルや自動化スキルを持つことで、構築運用の作業効率を高めかつ、ミスを減らすこともできます。これらのスキルを持つことで、チーム内からも重宝されるエンジニアとなるでしょう。

クラウド知識、スキル

クラウドスキルは、ネットワークエンジニアというよりも、インフラエンジニアの業務領域ではありますが、クラウド環境下においても、ネットワークの設計、運用スキルは非常に重要です。

具体的には、AWSのVPC設計、セキュリティグループ設定、ルーティングの設計などに対応できる力は、クラウド案件で重宝されると言えます。

クラウドは、サーバ領域の傾向が強い仕事ではあるものの、ネットワークやサーバ、クラウドなどの技術領域にとらわれず、技術を駆使して課題を解決するエンジニアも、需要は高いと言えます。

コミュニケーション力、ドキュメント作成力

ネットワークエンジニアに必要なスキルは、技術力だけではありません。チームやお客さまと円滑にコミュニケーションを取る力も重要です。

また、コミュニケーション力にくわえて、設計書や構成図など、ドキュメントを正確に作成する力も重要です。特に上流工程では、要件を聞き出す力や、提案書を作成する力、進捗を共有する力などが求められます

ネットワークエンジニアとして、技術力のみでなく、「伝える力」を磨いておくことで、エンジニアとしての評価が格段に高まると言えるでしょう。

以上のように、ネットワークエンジニアとして将来性を高めるには、従来のネットワーク技術のみではなく、セキュリティや自動化、コミュニケーション力などといった、周辺スキルの習得がカギとなります。

学び続ける姿勢を持ち、スキルを継続的に学び、実践を積み上げることで、変化の多いIT業界においても、長期的に活躍し、高年収を目指すことができます。

将来性を高めるための、おすすめ資格は?

ネットワークエンジニアとして長く活躍し、高年収や上位ポジションを目指すには、継続的なスキルアップが重要です。その中でも、「資格取得」はエンジニアとしての知識を客観的に証明できる手段となります。

また、ネットワークエンジニアは資格が評価されやすい職種であるため、将来性を高める手段として、資格を取ることは、強くおすすめできます。

ここでは、将来性を高めるため、特におすすめする資格を、レベル別に3つ紹介します。

【未経験~初心者向け】CCNA(Cisco Certified Network Associate)

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

ネットワークエンジニアを目指すなら、まず取得しておきたいのがCCNAです。Cisco社が提供するこの資格では、ネットワークの基礎知識やルータ・スイッチの操作、IPアドレスやVLAN、OSPFなどの技術を幅広く学べます。

CCNAは、未経験者が業界に入る足がかりとして最適であり、「ネットワークエンジニアの運転免許証」とも言われるほどの資格です。

CCNAがあれば、未経験でも年収が高い企業など、さまざまな会社から内定を得やすいでしょう。またCCNAがあると、運用・保守から構築へとキャリアアップできることもあります。

CCNA
認定元シスコシステムズ
受験料46,860円(税込)
難易度ITSSレベル2(難易度★★☆☆☆)
試験日いつでも受験可能

■参考記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説

【中級者向け】CCNP Enterprise

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/professional/ccnp-enterprise.html

CCNAの上位資格であるCCNPは、より実務的かつ専門的な内容が問われる資格です。中規模から大規模ネットワークの設計・構築・運用に必要なスキルを証明でき、構築や設計フェーズへのステップアップに役立ちます。

また、CCNPを持っていれば「構築経験がなくても構築案件に参画しやすくなる」というケースが多く、実績を積みたい中堅エンジニアに、CCNPは非常に有効な資格といえます。

CCNP Enterprise
認定元シスコシステムズ
受験料350-401 ENCOR(コア試験):62,480円(税込)
300-410 ENARSI(コンセントレーション試験):46,860円(税込)
難易度ITSSレベル3(難易度★★★☆☆)
試験日いつでも受験可能

【上級者向け】ネットワークスペシャリスト試験

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html

IPA(情報処理推進機構)主催の国家資格である「ネットワークスペシャリスト試験」は、高度情報処理技術者試験の一つです。また、ネットワーク分野に特化した唯一の国家資格でもあります。

この資格を持っていることで、大規模プロジェクトの設計や提案など、上流工程での活躍が期待されます。また、企業によっては入札条件や案件受注の際に資格保有者の有無が問われることもあり、対外的な評価も非常に高いのが特徴です。

上級ネットワークエンジニアが、自分のキャリアや将来性をさらに高めたい時に、ネットワークスペシャリスト試験は役立つ資格です。

ネットワークスペシャリスト試験
認定元情報処理推進機構(国家資格)
受験料7,500円(税込)
難易度ITSSレベル4(難易度★★★★☆)
試験日年1回(春)

また、その他のおすすめ資格を詳しく知りたい方は、「ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説」を、あわせてお読みください。

ネットワークエンジニアの将来性が高いキャリアパスは?

ネットワークエンジニアは、ITインフラを支える中核的な存在であると同時に、キャリアの広がり方も多様です。

技術力を追求するスペシャリストだけでなく、マネジメントやコンサルティングの方面にも進める職種であり、自分の志向やスキルにあわせて、柔軟にキャリアを選択しやすい職種です。

ここでは、ネットワークエンジニアとして将来性を高めるキャリアパスを説明していきます。

■将来性が高いキャリアパス:
・運用・保守から設計・構築に、ステップアップ
・マネジメントやITコンサルに、キャリアチェンジ
・特定分野のスペシャリストを目指す
・外資系やフリーランスにチャレンジする

運用・保守から設計・構築に、ステップアップ

ネットワークエンジニアのキャリアは、一般的には運用・保守(もしくは監視)からスタートします。もっとも王道な、将来性を高めるキャリアパスは、構築や設計といった上流工程にステップアップすることです。

ネットワークの構築業務に携わることで、機器の設定やネットワーク設計に関する知識を深めることが可能です。また設計業務に携わることで、より高度なスキルや上流工程の理解が進んでいきます。

設計や構築にステップアップすることで、市場価値を高めかつ、プロジェクト全体を俯瞰できる役割へ成長できるでしょう。

マネジメントやITコンサルに、キャリアチェンジ

ネットワーク技術に強みを持った上で、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャ(PM)といった、マネジメントの進む道もあります。マネジメントの道は、多くのエンジニアが進む道です。

PLとしてメンバー管理や進捗管理から、PMとして予算管理、リスクの管理、クライアントとの調整業務といった役割を担うことで、チームの中核の役割を果たすことができ、年収も大きくアップします。

また、上流工程の経験を活かして、ITコンサルタントへキャリアチェンジを行うキャリアパスもあります。技術をベースに、企業の課題を分析し、最適なIT戦略を提案する立場のコンサルタントは、難易度は高いですが、将来性も高いです。

特定分野のスペシャリストを目指す

近年のITインフラ分野では、セキュリティ(ゼロトラスト、SASEなど)、インフラ自動化(Ansible、Terraformなど)、クラウド(AWS、Azureなど)の特定分野に特化したスペシャリストの需要が高いです。

セキュリティや自動化、クラウドなどの分野では、将来的な市場拡大が、今後も見込まれています。特定の専門分野におけるスキルを、集中して磨くことで、強みを作り、将来性を高めることができます。

特にネットワークエンジニアは、セキュリティやインフラ自動化と相性がよいため、セキュリティや自動化のスペシャリストは目指しやすいかつ、その後重宝される存在となるでしょう。

外資系やフリーランスにチャレンジする

年収を高めるという観点であれば、外資系やフリーランスという選択肢もあります。外資系やフリーランスであれば、大きな年収アップを目指せるでしょう。

英語力を身につけ、外資系企業に転職すれば、日本企業よりも高い給与や、働き方の自由度が得られる可能性があります。

また、「将来性=年収」いう観点であれば、フリーランスという選択肢もあるでしょう。豊富な実績をもとにフリーランスになれば、月単価80-100万円以上の案件も珍しくありません。

以上のように、ネットワークエンジニアのキャリアパスは、技術、マネジメント、コンサルタント、外資系など、多様なパスが存在します。

自分の強み」と、「市場の需要」が適合したキャリアパスを選ぶことで、将来性高く、また年収も高めていけるキャリアとなるでしょう。

ネットワークエンジニアの将来性と、年収の関係

ネットワークエンジニアは将来性がある職種と言えますが、将来性がある経験・スキルを持つか否かで、年収にも大きな差が出やすいとも言えます。

年収を高めていくためには、ネットワークエンジニアとして、単に年数を重ねるだけでは不十分です。将来性あるスキルやポジションを自ら狙っていくといった、戦略的なキャリア形成が必要です。

ネットワークエンジニアとして年収を高めていくためには、下記を理解しておくとよいでしょう。

■ネットワークエンジニアの年収における事実:
・年収は、経験・スキルや工程によって、大きく変動する
・スキルは、「ネットワーク」+「α」が効果的
・年収アップには、働く環境選びも重要

年収は、経験・スキルや工程によって、大きく変動する

ネットワークエンジニアの年収は、経験やスキル、関わる工程によって大きく変わります。運用・監視は300万〜400万円、構築で450万〜600万円、設計やマネジメントまで行えば600万〜1000万円超も可能です。

具体的には、以下図のような年収帯(モデル年収)となるでしょう。

また、特に企業から直接プロジェクトを受注する、一次請けのポジションや、セキュリティに強いネットワークエンジニアは、年収の上がり幅が高い傾向があります。

実際に上流工程やマネジメント、コンサルタント的な役割を担うエンジニアは、年収800万を超えることが多く、1,000万円を超えることも珍しくはありません。

スキルは、「ネットワーク」+「α」が効果的

ネットワークエンジニアが、将来性を見据えて年収を高めるには、「ネットワーク技術」+「α」といった複数のスキルをあわせ持つことが効果的です。

「α」のスキルは、「セキュリティ」や「自動化」、「英語」、「サーバ+クラウド」などがあります。ネットワーク技術とあわせて、他のαスキルを掛け合わせることができれば、将来性が高まります

例として、ゼロトラストやSASEの設計知識や、AnsibleやPythonによる構成自動化などがあれば、専門領域での評価が高まり、より高単価なポジションや案件を得ることができ、「将来性がある=稼げるエンジニア」に直結するでしょう。

年収アップには、働く環境選びも重要

スキルや経験があっても、それが正当に評価される環境でなければ、年収アップには繋がりにくいと言えます。ゆえに、ネットワークエンジニアは、キャリアの中盤以降では、「どの企業で働くか」も重要です。

特に、以下のような会社であれば、年収は上がりやすいでしょう。

■ネットワークエンジニアの年収が上がりやすい会社:
・一次請け企業
・外資系などのインフラベンダー
・自社サービスを持つ会社(通信キャリア、ISP、IDC事業者など)

まず第一の選択肢となりやすいのは、一次請け企業でしょう。IT業界では、元受け(一次請け)と下請け(二次受け・三次請け)の構造があるため、一次請け企業に転職すると、裁量と年収が大きく高まります。

また、外資系は年収が大きく高まります。例として、Cisco、Juniper、Palo Alto Networksなど、世界的に有名なインフラベンダーや機器メーカーでは、最先端技術に触れかつ、給与水準も非常に高く設定されています。

あわせて、通信キャリアやインターネットサービスプロバイダ(ISP)、データセンター運営事業者(IDC)など、自社でネットワーク基盤を運用している会社は、勤続年数に応じて年収が上がり、長期的に安定したキャリアになりやすいでしょう。

上記のように、ネットワークエンジニアとして年収アップを目指すなら、「どこで働くか」も非常に重要な要素です。

「年収が高い会社=転職難易度が高い会社」という傾向は強いですが、成長機会や報酬が見込める環境を目指し、そのためのスキルアップに努力を重ねることも大切と言えます。

また、ネットワークエンジニアの年収について、詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアの年収は?稼げるの?給与の上げ方も徹底解説」をあわせてお読みください。

ネットワークエンジニアの求人市場・転職事情は?

IT業界全体におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、ネットワークエンジニアの需要は引き続き高まっています

難関企業であっても「良い人がいれば、何人でも採用したい」と考えている傾向があり、企業のネットワークエンジニアに対する採用意欲は、引き続き高い水準であると言えるでしょう。

逆に言うと、企業が求めるスキルセットを満たすことで、ネットワークエンジニアには、大きなチャンスがあるとも言えます。

ネットワークエンジニアの転職者の動向

ネットワークエンジニアの需要拡大に伴い、転職理由としては「上流工程に携わりたい」、「より高度なスキルを身につけたい」、「年収アップを実現したい」という、前向きな転職理由が増えています。

また、IT業界自体で人材不足が続いているため、未経験者を積極採用する会社も増えたため、未経験でネットワークエンジニアを目指す人も大きく増えています

特に20代の若手であれば、未経験からでもネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートさせやすい環境があるとも言えます。

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転職成功のポイント

ネットワークエンジニアとしての転職を成功させるには、王道ではありますが、以下のポイントが非常に重要です。王道に勝るものはないとも言えるでしょう。

■ネットワークエンジニアが転職を成功させるポイント:
・スキルの向上
・資格の取得
・マネジメント経験の積み重ね

転職を成功させるポイントして、もっとも重要なのは「スキルの向上」です。最新の技術やトレンドを学び続け、スキルセットを充実させることが、転職成功の最重要ポイントと言えます。

また、「資格の取得」も、非常に効果を発揮するポイントです。CCNAやCCNPなど、ネットワークエンジニアに活かせる資格を取得することで、スキルが足りなくても、知識を証明することができます

あわせて「マネジメント経験」も、転職成功には重要ポイントです。年齢に対してのマネジメント経験は、面接で見られるポイントですので、リーダー経験やPM経験は、転職成功に向けた強い武器となります。

インフラエンジニア研修・転職サービス

さいごに、ネットワークエンジニアは将来性のある職種

ネットワークエンジニアは決してオワコンではありません。むしろ技術の進化により、今後さらに求められかつ、将来性もある職種です。

また、セキュリティや自動化、マネジメントなど、現在の時流やトレンドに適合するスキルを磨き続けることで、高年収・高ポジションを目指すことも十分可能です。

IT業界は変化が激しい業界であるため、不安になることは誰しもがあるでしょう。しかし、今の不安を乗り越え、確かなスキルと実績を積み上げることで、ネットワークエンジニアとしての未来は明るいと言えるでしょう。

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