こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワークエンジニアの将来性はどう変わる?」
「今後も需要はある?」
クラウド化・AI・自動化が進む中で、気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ネットワークエンジニアは「なくなる職種」ではなく、セキュリティ・自動化・クラウドなどと組み合わせることで、むしろ市場価値を高めやすい職種へ変化しています。
■この記事でわかること:
・ネットワークエンジニアの将来性と需要の変化
・今後伸びやすいスキル・キャリアパス
・市場価値を高めるための現実的な戦略
なお「ネットワークエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。将来性だけでなく、仕事内容・年収・資格・キャリアパスをまとめています。
→ ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ
ネットワークエンジニアは本当に将来性がないのか?
「ネットワークエンジニアは将来性がない」、「クラウドやAIによって仕事がなくなる」といった声を見かけることがあります。
しかし結論から言うと、ネットワークエンジニアの仕事がなくなる可能性は低いと考えられます。ネットワークは、企業システムやクラウド、AIサービスなどを利用するためには欠かせないITインフラであるためです。
一方で、クラウドや自動化の普及によって、ネットワークエンジニアに求められるスキルや役割が少しずつ変化しているのも事実です。
つまり、「ネットワークの仕事がなくなる」のではなく、従来のネットワーク需要は残りながら、クラウド・セキュリティ・自動化などへ活躍分野が広がっていると考えるのが実態に近いでしょう。
ネットワークの設計・構築・運用需要は今後も残る
クラウド化が進んでも、企業のネットワークがなくなるわけではありません。オフィスやデータセンターのLAN・WAN、ルーターやスイッチ、無線LANなど、企業活動を支えるネットワークには、引き続き設計・構築・運用が必要です。
また、クラウドを利用する場合でも、社内ネットワークとクラウドを安全・安定的に接続するためのネットワーク設計は欠かせません。
実際にインフラエンジニア専門の転職支援を行っている当社でも、ネットワークエンジニア経験者に対する企業からの採用相談は、継続的に現在も多くあります。
特に、オンプレミス環境でネットワークの設計・構築・運用経験を持つ人材について、5年・10年前と比べても「需要が減った」という実感はなく、むしろ設計・構築やリーダー層の人材需要は増えている印象です。
AI・クラウドによって新しいネットワーク需要も拡大している
AIやクラウドの普及によって、新しいネットワーク需要も生まれています。
CiscoがITリーダーを対象に実施した2025年の調査では、97%が「AI・IoT・クラウドの展開を成功させるには、モダナイズされたネットワークが重要」と回答。また、91%がIT予算に占めるネットワーク投資の割合を増やす予定と回答しています。
※出典:インフラストラクチャの大転換期へ AI は課題か、解決策か(シスコ調査)
そのうえで現在は、AWS・Azureなどのクラウド、SASE・ゼロトラストなどのセキュリティ、自動化といった領域にもネットワークスキルの活用先が広がっています。
つまり、ネットワークエンジニアの需要は「オンプレからクラウドへ単純に置き換わっている」のではなく、従来のネットワーク需要が残りながら、AI・クラウド・セキュリティなどの新しい領域にも活躍の場が広がっていると考える方が、現在の市場実態に近いでしょう。
※ネットなどで「オワコン」、「やめとけ」と言われる理由や、きつい現場の実態については、関連記事で詳しく解説しています。
→関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけ?働き方×キャリアの不安と将来性
ただし、ネットワークエンジニアに求められるスキルは変化している
ネットワーク需要が続く一方で、上位商流企業を中心にネットワークエンジニアに求められるスキルは少しずつ変化しています。
背景にあるのが、ネットワーク環境の大規模化・複雑化です。現在はオンプレミスだけでなく、クラウド接続やマルチベンダー環境なども組み合わさり、すべてを人の手だけで設定・管理することが難しくなっています。
そのため、従来のように機器を一台ずつ設定するだけでなく、Ansibleなどを活用したネットワーク自動化や、IaC(Infrastructure as Code)の考え方を取り入れ、設定をコードとして管理する動きが広がっています。
またセキュリティ面でも、クラウドやリモートアクセスの普及により、ゼロトラストやSASEなど、ネットワークとセキュリティを一体で考えるスキルが高需要になっています。
つまり、これからのネットワークエンジニアには、従来のネットワーク技術を土台に、「構築して終わり」ではなく、ネットワーク全体を継続的に管理・自動化するスキルも求められるようになっています。
ただし、従来の運用・構築経験が不要になるわけではありません。ネットワークの基礎や実際の構築経験があるからこそ、自動化・クラウド・セキュリティへスキルを高めることができます。
まとめ:変化をチャンスに変えよう
ネットワークエンジニアは「将来性がない」のではなく、求められる役割が広がっている職種です。
企業ネットワークの設計・構築・運用は今後も必要ですが、AI・クラウド・セキュリティ・自動化の普及によって、活躍できる領域はさらに広がっています。
そのため、これまで培ったネットワークの専門性を土台に、新しい技術領域へスキルを広げていくことが重要です。
そして今は、その変化をチャンスに変えやすい時代です。「ネットワーク+自動化」、「ネットワーク+クラウド」といった複合スキルを磨くことで、エンジニアとしての選択肢も、年収レンジも大きく広がっていきます。
最新データで見るネットワークエンジニアの需要と市場動向
ネットワークエンジニアの将来性を考えるうえでは、「ネットワーク市場が伸びているか」だけでなく、企業のIT環境がどのように変化し、実際にどのような人材が求められているかを見ることが重要です。
現在はクラウド・AI・DXの普及によって、企業のITインフラそのものが変化しています。
IPA(情報処理推進機構)が2026年に公表した「DX動向2026」でも、国内企業におけるAI導入が広がっていることが示されています。また同調査では、DX・AIを推進する人材の過不足や、人材の育成・確保についても調査されています。
こうした企業のデジタル化を支えるうえでも、ネットワークを含むIT基盤の重要性は変わりません。では、実際の求人市場ではどの程度の需要があるのでしょうか。
求人データでもIT基盤系エンジニアの需要は高い
公的な求人データを見ても、ネットワークを含むIT基盤系エンジニアには、現在も高い採用需要があります。
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」によると、「システムエンジニア(基盤システム)」の令和6年度における有効求人倍率は2.28倍です。
一方、厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、同じ令和6年度の全職業における有効求人倍率は1.25倍でした。
| データ | 有効求人倍率 | 出典 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 2.28倍 | 厚生労働省「職業情報提供サイト Job-Tag」 |
| 全職業平均 | 1.25倍 | 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年度分)」 |
※「システムエンジニア(基盤システム)」の数値は、ネットワークエンジニア単独の求人倍率ではありません。
このデータからも、ネットワークを含むIT基盤系職種では、労働市場全体と比較して高い求人需要があることがわかります。
また近年の採用現場では、特にネットワークセキュリティやクラウドセキュリティに対応できる人材について、幅広い企業から採用相談があります。さらに上位ポジションになるほど、技術力に加えてリーダー・マネジメント経験を求める企業も増える傾向です。
特に採用ニーズが高まっているのがセキュリティ人材
近年のネットワークエンジニア採用で、特にニーズの高まりを感じるのが、ネットワークセキュリティ・クラウドセキュリティに対応できる人材です。
実際に当社が企業から採用相談を受ける中で、ここ5年ほどでセキュリティ領域に対応できるエンジニアを求める声は大きく増えており、採用したくても人材を確保できない企業は少なくありません。
また経済産業省も「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会」の最終取りまとめにおいて、国内ではサイバーセキュリティ人材が不足しているとの声が多いことを指摘し、人材の育成・確保を重要な課題として挙げています。
そのためネットワーク分野では、従来のファイアウォールなどの知識だけでなく、ゼロトラスト・SASE・クラウドセキュリティなど、ネットワークとセキュリティを横断して設計できる人材の活躍領域が広がっています。
ネットワークの設計・構築経験を土台としてセキュリティ領域まで専門性を広げることは、今後のキャリアを考えるうえでも有力な選択肢の一つです。
出典:経済産業省 サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ
今後求められるのは「クラウド・自動化・セキュリティ」
一方で、今後のキャリアを考える場合、セキュリティだけが選択肢ではありません。
企業のIT環境は、オンプレミスだけで完結する構成から、クラウドやSaaS、リモートアクセスなどを組み合わせた環境へと変化しており、ネットワークエンジニアが活躍できる領域も広がっています。例として以下があります。
・クラウドネットワーク:VPC・VPN・Direct Connectなど、オンプレミスとクラウドをつなぐ設計
・ネットワーク自動化:Ansible・Terraform・Pythonなどを活用した設定・運用の自動化
・セキュリティ:ゼロトラスト・SASEなど、ネットワークとセキュリティを一体化した設計
つまり、従来のネットワーク技術が不要になるのではなく、ネットワークの基礎を土台として、クラウド・セキュリティ・自動化などへ活躍領域が広がっているということです。
→関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場と1,000万円超えのキャリア設計
つまり、ネットワークエンジニアは「需要が減少している」のではなく、「新しい技術・役割が拡大している」職種です。
将来性を高める3つのキャリア戦略
ネットワークエンジニアとして長期的にキャリアを築くには、「時代に合わせてスキルと環境を進化させる」ことが重要です。
ここでは、将来性を高めるために実践すべき3つの方向性を整理していきます。
「①クラウド・自動化スキルの習得」、「②セキュリティ知見の強化」、「③成長できる環境選び」。この3つを意識することで、さらに先のステージへ着実にステップアップができます。
① クラウド・自動化スキルを身につける
クラウドや自動化の普及により、ネットワーク設計の考え方も進化しています。AWSやAzureなどの環境では、オンプレミスとは異なる設計・接続の考慮が必要になります。
特に、仮想ネットワークやハイブリッド構成を理解できるエンジニアは、クラウドとオンプレの「橋渡し役」として高く評価されます。
また、TerraformやAnsibleなどのIaCツールを使ってネットワークをコード化・自動展開するスキルも注目されています。
こうした知識を組み合わせることで、単に構築するだけでなく、「仕組みとしてネットワークを設計できるエンジニア」へとステップアップできます。
② セキュリティ領域の知識を強化する
クラウド化やリモートワークの拡大により、ネットワークとセキュリティの境界は曖昧になっています。そのため、通信とセキュリティを両立できる人材が今後さらに重宝されます。
ゼロトラストやSASE(Secure Access Service Edge)といった新しい考え方は、セキュリティの設計思想そのものを変えています。
CompTIA Security+ や 情報セキュリティマネジメントなどの資格を通じて、「安全性を考慮したネットワーク設計」への理解を深めていきましょう。
次からは、これらスキルを活かすための「成長環境の選び方」について解説していきます。
③ 成長環境を選ぶ(キャリア戦略)
ネットワークエンジニアとして将来性を高めるには、「どのような経験を積める環境で働くか」が重要です。
実際に当社がネットワークエンジニアの転職支援を行う中でも、経験年数の長さ以上に「どの工程を経験してきたか」によって、その後の転職先に大きな差が出ていると言えます。
極端な例として、運用監視を10年経験している人よりも、ネットワーク構築を2年経験している人の方が、転職時に選べる求人の幅が広い傾向です(運用保守は、障害対応・設定変更・改善業務など、担当してきた業務内容によって評価は大きく変わります)。
重要なのは単純な経験年数ではなく、「その期間でどこまでの工程・役割を経験できたか」です。
現場選びで失敗しない3つのチェックポイント
| ポイント | 説明 |
| 工程を上げられるか | 運用で固定されず、構築・設計へステップアップできる環境があるか |
| 経験の幅を広げられるか | クラウド・セキュリティ・自動化などへ担当領域を広げられるか |
| 役割を上げられるか | 顧客折衝・要件整理・リーダーなど、より上位の役割を経験できるか |
また、会社選びでは「大手・社員数が多いから安心」と、企業規模だけで判断しないことも大切です。会社規模が小さくても、ネットワークの構築から設計まで経験できれば、その後の転職で評価されやすくなります。
もちろん、給与なども重要なので「大手より中小企業がよい」というわけではありませんが、会社規模や知名度だけでなく「この会社で2~3年働いたとき、自分にどんな経験・スキルが残るのか」まで確認して転職先を選ぶことが、長期的なキャリア形成では重要です。
→関連記事:インフラエンジニアになるには?失敗しない環境選びと転職戦略
また、もし今の職場で成長の実感が薄れているなら、キャリアを見直す良いタイミングかもしれません。
また、スキルを広げることで、キャリアの選択肢だけでなく「年収レンジ」も大きく変わります。以下に紹介する関連記事では、AI時代でも伸び続ける職種と、その年収アップの仕組みを詳しくまとめています。
関連記事:AI時代に価値が高まる職種の年収相場
→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|工程別・年代別に1000万円を狙う戦略
→関連記事:クラウドエンジニアの年収まとめ|AWS・Azure時代の市場価値とは
→関連記事:AWSエンジニアの年収相場と上げ方|資格・経験別レンジと脱SES戦略
まとめ:進化するネットワークエンジニアとして次の一歩を
ネットワークエンジニアは、決して「終わる職種」ではありません。クラウド・自動化・セキュリティの拡大により、むしろ役割の幅が広がっている職種です。
今求められているのは、「従来の構築スキルを持ちながら、新しい技術を理解できる人」です。
つまり、これまでの経験を「進化させて活かせるエンジニア」が、AI・クラウド時代でも長く必要とされる存在です。
そのためには、「どんな領域に可能性があるか」を知り、自分の成長方向を描くことが重要です。そして、クラウド・自動化・セキュリティなど、自分の得意分野を少しずつ広げていくことです。
ネットワークエンジニアとして「次のキャリアをどう描くか」を考えたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。
関連記事:キャリアパスの具体例を解説
→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス|未経験から経験者まで成長ロードマップ
→関連記事:サーバーエンジニアのキャリアパス|運用から設計・クラウドへ
→関連記事:クラウドエンジニアのキャリアパス|設計・自動化・SRE
よくある質問(FAQ)
ここでは、ネットワークエンジニアを目指す方・現職の方からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1:AIや自動化でネットワークエンジニアの仕事はなくなりませんか?
いいえ、なくなりません。
AIや自動化で単純作業は減っても、設計・構築・最適化を担える人の価値は上昇しています。
AIはあくまで支援ツールであり、「どのように通信設計を最適化するか」という判断は人の領域です。
Q2:クラウドが主流になっても、ネットワークエンジニアは必要?
はい、必要です。
クラウドでもVPC設計・VPN接続・ゼロトラスト通信など、通信設計の知識は必須です。
むしろ「オンプレ+クラウドを理解したエンジニア」が高く評価されています。
Q3:未経験からでもネットワークエンジニアを目指せますか?
はい、可能です。未経験でも十分に採用・転職のチャンスがあります。
CCNAやLPIC-1などで基礎を固めれば、3〜6か月で実務につながる転職は現実的です。
また学習+キャリア設計のサポートを活用すれば、着実にステップアップできます。
→関連記事:未経験からネットワークエンジニアになるには?最短ロードマップを解説
\ キャリアの方向性を一緒に整理したい方へ /
あなたの経験・得意分野から、設計・構築・クラウド・セキュリティのどの方向へ伸ばすべきかを
専門アドバイザーが一緒に整理します。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアをより深く理解したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアを体系的に学ぶ
→関連記事:【まとめ】ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を解説
→関連記事:ネットワークエンジニアの勉強法・学習ロードマップ
→関連記事:ネットワークエンジニアに必要な資格一覧
→関連記事:ネットワークエンジニアの年収・年代別相場
→関連記事:ネットワークエンジニアの将来性まとめ






