【未経験、例文あり】ネットワークエンジニアの志望動機の作り方

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

転職活動において、多くの人を悩ませることの一つが「志望動機の作成」でしょう。

志望動機は、そもそも作成が難しいものです。特に「未経験職種の志望動機」の場合は、さらに作成が難しく、ほとんどの応募者が頭を悩ませていると言えます。

しかし、未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、もっとも選考対策で時間をかけるべき所は「志望動機」とも言えます。志望動機で面接官が納得できないと、不合格に直結します。

ここでは、未経験者がよく悩み、知りたいと考える「志望動機の作り方」、「他の人の志望動機例」、「志望動機の合格ライン」について、より判別ができるように説明していきます。

ネットワークエンジニアの志望動機作成に悩む人は、ぜひ参考にしてください。

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目次

ネットワークエンジニアの、志望動機を作る前の基礎知識

ネットワークエンジニアの志望動機を作る前に、まず押さえておきたいことは、ネットワークエンジニアの「仕事内容」と「魅力(特徴)」を、しっかり理解することです。

まず、ネットワークエンジニアの仕事内容を理解することで、「仕事内容についての理解と興味」を採用担当者に伝えることができます

逆に、仕事内容をしっかり押さえていないと、採用担当者は、応募者の興味や熱意、真剣さなどを感じにくく、採用をしても育てることが難しいと考えてしまい、採用が見送られてしまうでしょう。

また、ネットワークエンジニアの魅力(特徴)を理解することで、「自分が、何に魅力を感じているか、自分の価値観と職業が一致しているか」を具体的に採用担当者に伝えることができます。

たとえば、ネットワークエンジニアの魅力(例:安定した需要、高い専門性・将来性、キャリアパスの広がりなど)を理解し、自分が「仕事に何を求めているのか」をあわせて語ることで、志望動機の説得力を高めることができます。

仕事内容や魅力を理解することで、単に「手に職をつけたいから、ネットワークエンジニアになりたい」ではなく、「技術的な課題を解決して、企業の基盤を支える仕事に魅力を感じている」など、志望動機が具体的になっていきます

以下からは、ネットワークエンジニアの志望動機を作るための基礎知識として、ネットワークエンジニアの「仕事内容」と「魅力(特徴)」について説明していきます。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは、企業のITインフラを支えるエンジニアです。安定した通信環境を維持する、重要な役割を持ち、具体的にはインターネットや社内ネットワークの設計、構築、運用、監視を行います。

特に現在では、デジタル化の進展により、ネットワークの重要性が高まっています。重要性の高まりに応じて、ネットワークエンジニアの需要もますます高まっています。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事に関して、志望動機を作成するために、確実に抑えておきたい内容は、以下の4つの工程です。

■ネットワークエンジニアの仕事内容:押さえておくべき4つの工程
・ネットワーク設計
・ネットワーク構築
・ネットワーク運用
・ネットワーク監視

上記4つの工程の理解が不足していると、選考において採用担当者に違和感を持たれやすいと言えます。また「仕事内容をわかっていない」と思われる原因になるため、しっかり押さえておきましょう。

以下より、設計、構築、運用、監視の工程において、詳細を説明していきます。

ネットワーク設計

ネットワーク設計は、企業の規模や業務内容にあわせて、ネットワークのパフォーマンス、信頼性、可用性、セキュリティなどを考慮し、最適なネットワーク構成を設計していく仕事です。

具体的には、ネットワーク機器(ルータ、スイッチ、ファイアーウォールなど)の配置や接続方法を検討し、最適な構成を考え、ネットワークの構成計画を立てていきます。

また、ネットワーク機器の選定も重要な仕事です。機器によって、ネットワークのパフォーマンスや可用性などに影響が出るため、使用する機器のスペックや性能などを検討して選んでいきます。

ネットワーク構築

設計が決まると、次は実際にネットワークを構築していきます。構築業務では、ネットワーク機器(ルータ、スイッチなど)の設置、配線(光ファイバー、LANケーブルなど)、設定を行っていきます

設定では、VLANやサブネットの分割、ルーティングテーブルの設定(スタティックやダイナミック)、アクセスコントロールリスト(ACL)の適用など、実際にネットワーク機器に設定を入れていきます。

また、ネットワークの構築後には、接続テストやパフォーマンステストまで行います。

ネットワークの運用

ネットワークは、構築してしまったら終了、ではありません。ネットワークは常時安定して使えることが重要であるため、常時安定してネットワークが使えるように、維持・改善していく仕事が運用工程です。

具体的には、ネットワーク機器のメンテナンスがあります。ネットワーク機器は定期的にメンテナンスや設定変更が必要であり、また機器のファームウェアやソフトウェアをアップデートする必要もあります。

また、運用工程では、障害対応も仕事の一つです。ネットワークの遅延や接続断、機器の故障など、問題が起きた場合には、原因を特定して、障害の復旧作業を行っていきます。

ネットワークの監視

ネットワークは常につながり続けることが大事です。ゆえにネットワークエンジニアは、ネットワークが常に円滑に動作しているかをモニタリング(監視)していきます。

具体的には、ネットワークのトラフィックや帯域幅、接続状況などを監視し、問題発生時にはマニュアル(作業指示書など)に沿って、早急に対応を行っていきます。

このネットワーク監視の仕事は、24時間365日、常に対応をする必要があるため、夜勤を含めたシフト勤務になることが一般的です。

上記の仕事は、ネットワークエンジニアの仕事内容の重要ポイントです。志望動機を作る前に、押さえておくべき内容です。

また、ネットワークエンジニアの仕事内容について、詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアとは?仕事内容から必要スキル、年収などを解説」をあわせてお読みください。

ネットワークエンジニアの魅力(特徴)

ネットワークエンジニアの魅力は複数ありますが、志望動機に使いやすい魅力(特徴)をここでは説明していきます。

■志望動機で使いやすい、ネットワークエンジニアの魅力(特徴):
・専門性の高さ(スキルが習得できる)
・問題解決に携われる(達成感が得られる)
・社会貢献度の高さ(人々の生活を支える仕事)
・チームプレーの重要性(チームワークを大事にする仕事)
・キャリアパスの幅広さ(さまざまなキャリアが描ける)
・高い将来性(安定した需要)

上記のネットワークエンジニアの魅力について、以下に詳しく説明していきます。

専門性の高さ(スキルが習得できる)

ネットワークエンジニアの大きな魅力の一つは、高度で専門的なスキルを習得できることです。ネットワーク技術は非常に奥深く、多岐にわたります。

具体的には、物理的なネットワーク構成から、ソフトウェアでのトラフィック管理、セキュリティ対策などまで、幅広い知識と深い技術が求められる職種です。

特に、ルーティング、スイッチング、ファイアーウォール設定など、具体的な技術に触れることができ、高度な専門性を身につけることができます。

また、ネットワーク技術は日々進化しているため、常に新しい技術やツールを学ぶ必要があるため、常に成長し続けることができ、スキルアップを実感しながら仕事に取り組むことができます

上記のように、スキルを身につけることができる点は、志望動機として強調しやすいポイントでしょう。

問題解決に携われる(達成感が得られる)

ネットワークエンジニアは、日々発生するネットワークの問題に対して、解決案を考え、解決策を実行する役割があります。

例として、ネットワーク遅延、トラフィックが混雑している、接続が不安定などの障害を復旧させることは、エンジニアの仕事であり、責任でもあります。

特に、大規模なネットワークであれば、より問題が複雑になっていきます。複雑な問題を解決することで、達成感や自己成長を感じることができるでしょう。

上記のように、問題解決に関わり、達成感を得られる点や、自己成長というポイントについても、志望動機として利用しやすい内容でしょう。

社会貢献度の高さ(人々の生活を支える仕事)

ネットワークエンジニアが扱うネットワークは、社会インフラの一部と言えます。例として、金融や医療、製造、教育などといった重要な業界においても、ネットワークは欠かせないインフラになっています。

ゆえに、ネットワークエンジニアの仕事は、単なる技術職にとどまらず、社会全体に大きな影響を与える仕事であり、ネットワークは人々の生活を支える仕事でもあります。

また、ネットワークのセキュリティ対策に携わるのも、社会貢献の一つと言えます。近年の重要課題であるサイバー攻撃や情報漏洩を防ぎ、セキュリティの安全性を保つ役割も、社会貢献度が高いと言えるでしょう。

上記のように、社会貢献度の高さや、人々の生活を支える仕事という点についても、志望動機に活用しやすいポイントです。

チームプレーの重要性(チームワークを大事にする仕事)

ネットワークエンジニアの仕事は、一人で完結するものではなく、チームで協力して進めることが多い仕事です。

チームで問題解決に取り組むことで、個々の専門知識を活かしながら、効率的に仕事を進めることができます。

また、ネットワークエンジニアの仕事は、チームワークが大切であり、協力しあうことで成果を上げることができます。

上記のような、チームプレーの重要性、また協力して成果を上げる喜びを感じたい、という内容は、魅力的な志望動機につながりやすいと言えるでしょう。

キャリアパスの幅広さ(さまざまなキャリアが描ける)

ネットワークエンジニアは、幅広いキャリアパスを描くことができます。

例として、経験を積むにあたり、セキュリティエンジニアや、ネットワークアーキテクト、プリセールス、プロジェクトマネージャなど、キャリアの選択肢が豊富な職種と言えます。

このように、さまざまなキャリアが描けることは、キャリアアップを目指す中で、魅力的と考える人も多く、志望動機においても「長期的に成長ができる職種で働きたい」というアピールにすることができます。

高い将来性(安定した需要)

ネットワークエンジニアは、以前から需要が高い職種でありましたが、引き続き安定した需要があり、高い将来性が見込める職種でもあります。

例として、リモートワークやIoT(モノのインターネット)、セキュリティ、クラウドサービスなど、さまざまな技術の進展があり、そのため安定したネットワークの運用がますます重要になっています。

これらの背景により、ネットワークエンジニアは、高い将来性や安定した需要がある職種であると言えます。

この将来性の高さについては、端的に志望動機にすると浅い内容です。しかし「将来性が高いため、長期的に成長を続けることで、市場価値が高い技術者を目指せる」という内容にすると、志望動機としても機能するでしょう。

上記のように、ネットワークエンジニアは、専門性の高さや問題解決の達成感、チームワークの重要性、豊富なキャリアパス、高い将来性といった、多くの魅力を持つ職種です。

これらの魅力を、自分の言葉で志望動機にうまく織り交ぜることで、自分が「なぜネットワークエンジニアとして働きたいか?」という内容の説得力が高まっていきます

【未経験者向け】ネットワークエンジニアの志望動機、例文と解説

ネットワークエンジニアの転職活動では、志望動機が重要です。特に未経験者の場合は、志望動機がもっとも重要なポイントと言えます。

ここでは、未経験ネットワークエンジニアの志望動機について、例文と解説(採用担当者がどう評価するのか)を説明していきます。

ぜひじっくり読んで、採用担当者が評価するポイントをおさえてください。

【未経験者】志望動機例文1:

【未経験者】志望動機例文1:

高校の教員時代に担当していた情報科がきっかけで、IT業界に興味を持ちました。情報科の授業を通して様々な内容を調べていくうちに、生活には欠かせないものとなった情報通信技術の奥深さや大切さを痛感しました。
特に、情報通信技術を支えているインフラに興味を持ち、将来的には構築・設計ができるネットワークエンジニアを目指したいと考えています。

また、ネットワークについての知識やスキルの習得を行うために、CCNAの学習を行い、1ヵ月半で取得しました。CCNAの学習では、ネットワークの知識が身についていくことに面白みを感じ、夢中になって学習を進めることができました。
現在はサーバーの勉強を進め、LPICの取得に向けた学習に取り組んでいます。

【未経験者】志望動機例文1の解説:

学校の先生からネットワークエンジニアを目指した人の志望動機ですね。
IT業界に興味を持ったきっかけから、エンジニアの中でもネットワークエンジニアになりたい考えを記載している点、またネットワークエンジニアになるためにCCNAを学習して、1ヵ月半という早い期間で取得した点は非常に良いでしょう。

エンジニアに興味を持って「行動に移したこと」、また「資格取得という成果につなげたこと」は高評価です。
また、今勉強していることまで記載しているのも非常に評価できる内容ですので、未経験からの志望動機としては、十分に合格ラインと言えるでしょう。

【未経験者】志望動機の例文2

【未経験者】志望動機の例文2

人のためになりたいと思い、また、以前から学園祭の準備など、表舞台でなく裏側で人を支える役割に魅力を感じていたことなどから、一念発起してネットワークエンジニアの職業訓練を受けました。その結果、社会を支えるネットワーク技術を知り、また学習することができました。

訓練を受ける前は専門的なことに触れたことも無く不安もありましたが、機器を使ってできることが増えていくこと、身の回りのネットワークについてわかることが増えていくこと、何より考えた通りに機器が動く喜びはとても大きく、さらに知識と経験を深めていきたいと思っております。

また、訓練校ではシスコのルータやスイッチを扱っておりましたが、CCNA取得したこともあり、今後は、サーバ技術にも目を向け、Linuxの学習を、CentOSを使用した仮想環境を使って進めていきたいと思っております。
実務経験はありませんが、一日も早く現場での仕事を覚え、学習を続けて、どのような困難にも立ち向かえるネットワーク・インフラエンジニアになりたいと思っております。

【未経験者】志望動機の例文2の解説:

既卒でネットワークエンジニアになるために職業訓練に通われた人の志望動機ですね。
ネットワークエンジニアを目指すきっかけが書かれていない所がもったいないですが、職業訓練に通い、ネットワーク機器に触れて楽しかったという「経験にもとづいた感想」や、「CCNA取得」という成果まで出している点は非常に良いです。

また、最後にエンジニアになりたいという意欲や、覚悟感も伝えていますので、十分に合格ラインの志望動機と言えるでしょう。

【未経験者】志望動機の例文

【未経験者】志望動機の例文3:

パソコンを使ってオンラインゲームをしていた際、サーバが落ち、ゲームをプレイできないことがあり、どんなにおもしろいゲームが完成してもネットワーク・サーバがしっかり運用されてないと、サービスとして成り立たないことがきっかけでITインフラに興味を持ち、ネットワークを勉強してみたいと考えITスクールの受講を決めました。

実際に、ITスクールを受講してみてネットワーク構築演習でトラブルシューティングや、間違っているところを見つけて修正、直していくのに達成感を感じる事ができ、また、どこが間違っているのか?不足しているところはあるのか?と問題を探求し解決することに楽しみ・やりがいを覚えました。

現在はルータとスイッチを購入し、自宅で機器に触れながら構築の勉強もしています。ぜひネットワークエンジニアとして成長していきたいと考えております。

【未経験者】志望動機の例文3の解説:

オンラインゲームからネットワークに興味を持った人の志望動機ですね。
近年オンラインゲームからネットワークエンジニアに興味を持つ人が増えていますが、興味を持ったきっかけとしては問題ありません。

またルータ、スイッチを購入し、自宅で手を動かして勉強している所が非常に良く、この内容に惹かれる会社は多数あるでしょう。ほぼ完璧と言える志望動機です。

【未経験者】志望動機の例文4

【未経験者】志望動機の例文4:

元々IT関連の仕事に興味を持っており、その中でもネットワークエンジニアに憧れを抱きました。きっかけは、今年、職場でPC・OA機器の大きな入れ替えや移動があり、その際にLANケーブルの配線や簡単なネットワークの設定を行い、最終的に上手くネットワークがつながり達成感を得たことです。

それ以降、ネットワークに対する興味が強まり、書籍等でネットワークの基礎知識を体系的に学ぶようになりました。この学習の成果を何らかの形で残したいと思い、ネットワーク入門者向けの資格であるCCNAの勉強を始めました。

CCNA試験の対策をする中で、理解しづらい概念が多々登場しましたが、一つ一つ疑問を解消し、これまでなじみの薄かったネットワークの用語同士のつながりが理解できると、ネットワークへの関心がより高まり、さらに知識を習得したいと思うようになりました。

【未経験者】志望動機の例文4の解説:

職場のITインフラに少し触れて、ネットワークに興味を持った人の志望動機ですね。簡単に書かれてはいますが、文章の論理構成がしっかりしていて、地頭の良さを感じる志望動機です。

気になる点としては、その時の感情がわかりにくいことです。また面接では、「CCNAの学習がどの程度進んでいるのか?」という質問もあるでしょう。
CCNA取得も取得されていたら、十分に合格ラインを超えている志望動機です(CCNA未取得でも、若手であれば合格ラインだと考えられます)。

【未経験者】志望動機の例文5

【未経験者】志望動機の例文5:

私がITという分野を調べて行くにつれて特に関心を持ったのが、利用者の快適なインターネット環境を支えるネットワークという分野についてです。

ITについて学んでいくと、現代社会でのネットワークの重要性や奥深さを心から感じる事になり、そのネットワークを構築し、維持している人達に憧れていくようになって行きました。そして、人々のコミュニケーションや企業の経済活動を支えているネットワークを支えたいと思い、この業界での就職を熱望しました。

【未経験者】志望動機の例文5の解説:

IT業界を調べ、ネットワークエンジニアへの憧れを伝える事は良いですが、全体感が薄い内容になっており、また、志望動機が「ネットワークエンジニアへの憧れ」で終わっているのがもったいないです。

憧れで終わらせるのではなく、「行動まで移す」と評価が変わります
「自分がネットワークエンジニアになるために、どんな努力をしたか」などの「行動」をアピール出来ると、企業の合格ラインに届きやすくなり、さらに良い志望動機となるでしょう。

【未経験者】志望動機の例文6

【未経験者】志望動機の例文6:

高い専門スキルを身に付け、顧客から必要とされ続けるキャリアを構築したいと考え、ネットワークエンジニアを志望しております。
IT業界はやる気次第でどこまでもスキルアップしていける奥深さがあり、様々なスキルが必要な環境に身を置き技術を高めて行きたいです。

エンジニアは実務未経験ではありますが、未経験である分、どのような困難があっても逃げずに、お客様や課題、納期等と向き合い続け、自己研鑚し続けるエンジニアとして生涯生きていく覚悟はあります。是非とも貴社やお客様に貢献する機会を頂けますと幸いです。

【未経験者】志望動機の例文6の解説:

IT業界やエンジニアに対しての志望は伝わり、覚悟感も伝わるため、エンジニアを志望する理由としては良いです。ただし、「なぜネットワークエンジニアなのか?」の説明が無いため、面接でかなり突っ込まれる典型パターンの志望動機でしょう。

「エンジニアの中でも、ネットワークエンジニアを志望した理由」を加えると、さらに良い志望理由になるでしょう。

気を付けたい、ネットワークエンジニアの志望動機、NG例

ネットワークエンジニアの志望動機を作る際に、注意すべきポイントは多くあります。

適切でない志望動機を伝えてしまうと、「仕事の理解不足」、「意欲不足」、「適性不足」などと思われてしまいます。特に、「早期離職しそう」と思われてしまうと、即NGにつながります。

ここでは、よくあるネットワークエンジニアの志望動機のNG例を紹介しながら、なぜNGなのかを解説していきます。

■ネットワークエンジニアの志望動機、よくあるNG例:
・一般的で、具体性に欠ける志望動機
・安定性や給与を主な理由にした志望動機
・消極的な理由の志望動機
・自己中心的な志望動機
・仕事の理解が不足している志望動機

一般的で、具体性に欠ける志望動機

ITやネットワークに興味があり、手に職をつけたいので、ネットワークエンジニアを志望しました。

■問題点の解説:
上記のような志望動機は、「誰にでも書ける、一般的な内容」と捉えられてしまうことが多く、具体性に欠ける志望動機例と言えます。

なぜIT、なぜネットワークに興味があるのか?を、自分自身の経験に基づいて書く、またネットワークのどのような点に興味があるのか?、なぜ興味を持ったのか?を、具体的に書くことで、良くなるでしょう。

安定性や給与を主な理由にした志望動機

■志望動機NG例:
IT業界は安定していて将来性があり、給与水準も高いと聞いたので、ネットワークエンジニアを志望しました。また研修制度が充実していると思い、貴社を志望しました。

■問題点の解説:
安定性や高収入を求めるのは当然のことですが、面接官が聞きたい内容ではありません。聞きたい内容は、「仕事への興味や適性などです」。また安定性や高年収を理由にすると、仕事への熱意や適性が感じられなくなります

特に未経験者の志望動機は、仕事への熱意などを感じさせることが重要です。志望動機は、仕事関連の内容をもとに作成することが好ましいでしょう。

消極的な理由の志望動機

■志望動機NG例:
前職がきつくて、体調を崩したため、デスクワークが中心で、肉体労働ではないネットワークエンジニアを志望しました。

■問題点の解説:
前職がきつくて、体調を崩したのは仕方ありませんが、志望動機として「デスクワークが中心で、肉体労働ではない」などといった消極的な理由だと、仕事への意欲に懸念を感じてしまうでしょう。

また、ネットワークエンジニアも、トラブル対応や納期前の残業で忙しくなることや、夜間作業が発生することもあるため、仕事を誤解していると思われてしまうこともあります。

消極的な理由の志望動機、また仕事への誤解が見受けられると、即NGになるリスクもあります。

自己中心的な志望動機

■志望動機NG例:
スキルを身につけて、将来は独立してフリーランスになるためのステップとして、御社でネットワークエンジニアの経験を積みたいと考えています。

■問題点の解説:
この志望動機の問題点は、会社やお客さまに貢献することよりも、「自分自身の目標達成のために、会社を踏み台にしようとしている」印象が強く感じられてしまうことです。

仕事を通じて、自分の目標を達成することは大事なことですが、採用企業は「長期的に、会社に貢献してくれる人材」を採用したいと考えています。

自分自身の目標達成と、会社への貢献を上手く組み合わせ、自己中心的な志望動機にならないようにすることが大事です。

仕事の理解が不足している志望動機

■志望動機NG例:
プログラミングが好きなので、ネットワークエンジニアとしてコードを書く仕事がしたいです。また、リモート勤務をしたいので、ネットワークエンジニアを志望しました。

■問題点の解説:
ネットワークエンジニアもプログラミングができると良いのは事実ですが、プログラミングはネットワークエンジニアの主たる業務ではありません。ゆえに、仕事研究が不足している志望動機と言えます。

仕事の理解が不足しているように見えると、企業側は採用しても「すぐ辞めてしまう」印象を持たれてしまいます。

上記のように、志望動機のNG例はさまざまですが、特に「早期に退職しそう」と採用企業が感じてしまうと、NGになる傾向が強いと言えるでしょう。

未経験者をネットワークエンジニアに育てるには、企業には大きなコストがかかります。短期離職せずに、「長期的に会社に貢献してくれそう」と感じさせる志望動機を作ることがポイントです。

面接にも強い、ネットワークエンジニアの志望動機、作り方のコツ

ネットワークエンジニアを目指して志望動機を作る際には、さまざまな構成の種類がありますが、ここでは、書類審査のみならず、「面接にも強い、論理的な志望動機」の構成を説明していきます。

おすすめの志望動機の構成

志望動機はいくつかの重要な要素で構成されますが、ここでは志望動機を作るためのおすすめ要素を3つ紹介します。

以下図のように、「①なぜ、IT業界を志望するのか?」、「②なぜ、ネットワークエンジニアを志望するのか?」、「③どのように、顧客や会社に貢献したいのか?」をバランスよく盛り込むと、非常に効果的です。

構成①:なぜ、IT業界を志望するのか?

まず最初に伝えるべき内容は、IT業界に対する志望動機です。そもそもIT業界に興味を持ったきっかけや、ITエンジニアになりたいと考えた背景を、しっかり明確にし、伝えることが大事です。

IT業界未経験者の、IT業界への志望度は、人によって大きく違います。「絶対にIT業界(ITエンジニア)で、働きたい人」から、「IT業界は、選択肢の一つと考える人」まで、さまざまです。

IT業界では、熱意や長期的なコミットメント、技術者としての成長意欲を求める傾向が強いため、「IT業界で、強く働きたい」と考える人を採用することが多いです。

ゆえに採用企業は、IT業界未経験者に対して、「なぜ、IT業界(ITエンジニア)に興味を持ったのか?」を聞いて、どれほど強く興味があるか知りたいと考えます。

そのため、「どんなきっかけから、ITエンジニアになりたいと考えたか」を丁寧に説明するのが好ましいです。自分の今までの職業経験や学習経験、生活体験から、自分の言葉で「エンジニアになりたい理由」を説明するとよいです。

構成②:なぜ、ネットワークエンジニアを志望するのか?

次に、具体的な職種として、「ネットワークエンジニアを選んだ理由」を説明していきます。この「ネットワークエンジニアを選んだ理由」がもっとも重要であり、大きく評価を左右するカギとなります。

ITエンジニアという職種は、ネットワークエンジニアだけではなく、プログラマやSEなど多数あります。多数の職種がある中で、「なぜネットワークエンジニア志望なのか?」を説明する必要があります

「なぜネットワークエンジニアを志望するのか?」を聞くと、応募者のネットワークエンジニアに対しての熱意や意欲はもちろん、自己分析の深さや、仕事理解の深さが、すぐにわかります。

また、「なぜネットワークエンジニアを志望するのか?」の答え方で、「ネットワークエンジニアに向いているのか?」や「長く続けられそうか?」も判断する会社は、非常に多いです。

この「なぜ、ネットワークエンジニアを志望するのか?」についても、自分自身の体験談から説明できる方が好ましいです。自分自身の体験談からの説明が、もっとも説得力が高いと言えます。

構成③:どのように、顧客や会社に貢献したいのか?

最後に、ネットワークエンジニアとして、「どのように、お客さまや自社に貢献したいのか」を、具体的に説明する内容が好ましいです。特に難易度が高い会社ほど、貢献意欲が必要とされる傾向があります。

応募者は、「組織貢献の意欲がある人」から「自分の成長にしか興味がない人」、「楽したい人」まで、さまざまです。一方で、企業が採用したい人材は、「ネットワークエンジニアとして、仕事で貢献し、会社を成長させてくれる人」です。

この貢献意欲について、少なくとも自分の価値観の方向性は伝えたい所です。

志望動機は、「なぜIT業界?」、「なぜネットワークエンジニア?」、「どう貢献したい?」をつなげるとわかりやすい

未経験者の志望動機は、「なぜIT業界を志望するのか?」、「なぜネットワークエンジニアを志望するのか?」、「どのように貢献したいのか?」の答えをつなげると、説得力が高まります

たとえば、営業職から未経験でネットワークエンジニアを目指す場合、以下のような感じで作れるでしょう。

■未経験ネットワークエンジニアの志望動機例:

(なぜIT業界を志望するのか?)
営業職でキャリアを積んでいくなかで、営業スキルを身に着けてきた自負はありますが、社会から必要とされるスキルが身につく感覚を感じず、不安に感じていた中で、スペシャリストになれる職業を調べていた所、もともとパソコンやスマートフォンに興味があったことから、IT業界に興味を持ちました。

(なぜネットワークエンジニアを志望するのか?)
ITエンジニアになるために、プログラミングを学習しながら業界研究を行う中で、ネットワークエンジニアの職種を知り、欠くことが出来ない社会基盤に携わる社会貢献性が高い職種である事や、未経験からでも自分の努力次第でキャリアを構築できる仕事とわかり、魅力を感じました。

また、CCNAを独学で学習・取得するにあたり、個人的に面白く学習が出来たため、ITエンジニアの中でも、より魅力を感じるネットワークエンジニアを目指す事を決意いたしました。

(どのように貢献したいのか?)
将来的には、ネットワークエンジニアとして技術力を高めるのみではなく、後輩育成やプロジェクト管理までお任せいただける技術者となり、お客さまや自社に貢献できる人材になることを目標としています。

(志望動機の補足)なぜ当社を志望していますか?

面接では、「どうして当社に興味を持ったのですか?(なぜ当社を志望するのか?)」と聞かれる事があります。これは「応募している会社に対しての志望動機」です。

この「なぜ当社を志望するのか?」は、しっかり企業のウェブサイトなどを見て、特徴を理解して作成すればよいでしょう。

しかし、「なぜ当社を志望するのか?」よりも、近年非常に増えかつ、重要視されている質問は「転職先を、どのようなポイント(軸・基準)で選ぼうとしていますか?」です。

特に未経験者の場合は、「なぜ当社を志望するのか?」よりも、「転職先を、どのようなポイントで選んでいますか?」の答えの方が、評価のウエイトが大きく、合否にも影響しやすいと言えます。

理由は「応募者の本音が、より明確にわかるため」です。「転職先を選ぶポイント」は、しっかり自己分析をしていないと、その場での対策が難しく、深堀されると本音が出てしまいます。

ゆえに、「転職先を選ぶポイント(軸・基準)」は、事前にしっかり対策を行うことが、おすすめです。

その他、面接でよくある質問については、「【質問・例文付】ネットワーク・インフラエンジニアの転職面接マニュアル」に記載していますので、興味がある方はあわせてお読みください。

志望動機とセットで聞かれる、ネットワークエンジニアになるための取組

未経験者の面接においては、「ネットワークエンジニアになるために、何をしていますか?」、「勉強してますか?」と、ネットワークエンジニアになるための取組を聞かれることが非常に多いです。

この「ネットワークエンジニアになるための取組」は、応募者の志望度合い(口だけでなく、行動にまで移しているか?)を確認する質問と言えます。

以下では、ネットワークエンジニアになるための取組について、採用企業の評価度を説明していきます。

ネットワークエンジニアになるための取り組みにおいて、もっとも評価を得られやすいのは、資格取得です。

未経験者の場合、ネットワークエンジニアとして、もっとも評価される資格は、CCNAです。「CCNAを取得した」と伝えられると、ネットワーク知識と、エンジニアになる意欲が証明できます。

資格取得の次点として、「ネットワークを勉強中」と伝えられることが好ましいです。どんな教材を使って、どこまで学んだかを説明するとよいでしょう。

また、学んだことについては、面接官から質問があることもよくあります。例として「OSI参照モデルについて説明してください」、「プロトコルを説明してください」などで、学習レベルが図られることがあります。

あわせて、学習をおこなっていない場合は、「何の学習をするのか、なぜそれを学ぶのか?」まで説明できるようになるのがおすすめです。

たとえば、「ITパスポートの勉強をする予定」であれば、「Youtubeでネットワークの動画を見たが、よくわからなかったので、まずはITを広く概要をつかむため、ITパスポートの学習を予定」など、経緯まで説明するのがおすすめです。

一方で、「ネットワークエンジニアになりたい。しかし勉強はしていない」という返答を行うと、事実であっても「ネットワークエンジニアに対する意欲が低い」という評価にもなりがちです。

面接官に「ネットワークエンジニアに対する意欲が低い」と思われてしまうと、再度「なぜネットワークエンジニアがよいのか?」、「ネットワークエンジニアでなければいけない理由は?」と聞かれてしまうこともあります。

内定確度を高めるために:志望動機の質を高める、おすすめの勉強法

未経験からネットワークエンジニアへの転職を成功させるには、志望動機の質を高めることが重要です。志望動機の質を高めるには、ネットワークの勉強を行うことで、説得力が大きく高まります。

ここでは、未経験者におすすめのネットワーク勉強法について、説明していきます。

【一番おすすめ】CCNAの取得

もっとも未経験者におすすめできる勉強は、ネットワーク資格である、CCNA(Cisco Certified Network Associate)の学習・取得です。

CCNAは、ネットワーク関連資格の中で、もっとも一般的かつ推奨されるネットワークエンジニアの初級資格であり、ネットワークについての基本知識や理論について、を全般的に学ぶことができます。

また、CCNAを取得することで、採用担当者に「ネットワークエンジニアになる意欲は高い」と思わせることもできかつ、CCNA保有者を優先して採用・配属する会社も多いため、強い武器となるでしょう。

CCNAは、知識ゼロから学ぶには大変な資格であるものの、多くの人が知識ゼロからCCNAを取得しており、未経験者でも取得できる資格です。

■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説

学習環境を作り、手を動かして学ぶ

ネットワークに関する基本知識を学ぶのみでなく、学習環境をつくり、手を動かして学ぶことで、更なる評価につながります

一番評価が高い学習は、ルータとスイッチを2台ずつ購入し、実際のネットワーク機器を触りながら、ルーティングやVLAN構築などを手を動かして学ぶことです。

ただし、ルータやスイッチの購入は、中古であっても費用が発生しかつ、学習難易度も大きく上がるため、手を動かして学ぶおすすめの勉強は、「仮想環境」を使って学習することです。

例として、無料のシミュレーターツールである「Cisco Packet Tracer」をダウンロードして、ネットワーク機器を仮想環境で操作し、機器を設定する練習を行うことも、評価を高めるやり方です。

本や勉強サイトで学ぶ

もっともお手軽な学習方法は、本や勉強サイト、Youtubeなどの動画で学ぶことです。本は有料ですが、勉強サイトは無料のものも多くあり、Youtubeで学ぶと無料であり、学習の第一歩としておすすすです。

本や勉強サイトなどでは、初心者向けのネットワーク基礎などが学べる教材が多数あり、未経験者が効率よく学習できる勉強法として、非常に有効と言えます。

ネットワークの学習について、何から始めればよいかわからない人は、勉強サイトの「3分間ネットワーキング」から読んでみましょう。

3分間ネットワーキングは、無料でネットワークの基本をまんべんなく学ぶことができます。ネットワークの基本を学べる非常にすぐれたサイトですので、難しくても最後まで続けて読むとよいでしょう。

また、ネットワークの勉強について、「さまざまなおすすめ教材から選びたい」という方は、別記事の「初心者でもわかる!ネットワークの勉強法とおすすめ本・サイトまとめ」をあわせてお読みください。

さいごに

そもそも志望動機には、100%の正解はありません。

そもそも、「なぜネットワークエンジニアに魅力を感じて、その企業を応募するのか」は、人それぞれです。ゆえに、「この志望動機は正解」というように、明確な正解はありません。

ゆえに、あなたの本音の志望動機を、そのまま企業側に話してみて、企業の評価を感じ取って、評価してくれた会社に入社を検討するやり方も、決して悪い話ではありません。

しかし、「行きたい会社がある」、「やりたい仕事がある」、「内定確度を高めたい」、「良い印象を与えたい」という考えであれば、時間をかけて志望動機を作っていくことが、強くおすすめです。

また、志望動機を作る中で、「どうしても書けない」場合は、「自己分析の不足」もしくは「経験の不足」がほとんどです。

もし「経験不足のため、志望動機が書けなくて困っている」のであれば、一度ネットワークの学習を経験することを強くおすすめします。

ネットワークの学習は、初学者にとっては「非常に難しく感じる」のが一般的です。しかし、学習をすすめ、学んだことがつながっていくことで、面白みなどを感じることもあるでしょう。それが説得力が高い志望動機の大元となります。

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