こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワーク監視の仕事はきつい」、「やばい」、、といった声を耳にしたことはありませんか?
夜勤やシフト勤務による体調不良、単純作業ばかりでスキルが身につかない不安、そして年収がなかなか上がらない現実。
一方で、ネットワーク監視は IT業界に未経験から挑戦しやすい「入り口」 でもあります。ここで得た経験を活かせば、インフラエンジニアやクラウドエンジニアなど、将来性のあるキャリアへ進むことも可能です。
■関連記事:【未経験でも安心】インフラエンジニア転職の始め方、仕事内容、おすすめ企業、学習ロードマップ
この記事では、ネットワーク監視の仕事内容や「きつい」と言われる理由、その実態と乗り越え方、さらにキャリアパスや年収の現実までを徹底解説します。
「今後の働き方や転職をどう考えるべきか」を一緒に整理していきましょう。
ネットワーク監視の仕事内容と役割
企業や社会インフラを支えるITシステムが停止すると、ビジネスや生活に大きな影響が出てしまいます。だからこそ、ネットワーク監視はシステムの安定稼働に欠かせない重要な仕事です。
ネットワーク監視は、システムが安定して動作しているかを常時チェックし、トラブルをいち早く検知・対応していきます。
特に 監視オペレーター は、アラートの確認や一次対応を通じてシステムの安全を守る最前線に立っています。
ここでは、ネットワーク監視の具体的な仕事内容や、未経験からでも始めやすい理由、必要となるスキルについて解説していきます。
ネットワーク監視オペレーターの具体的な業務内容
ネットワーク監視の仕事は、主に ネットワーク機器の稼働状況をチェックし、異常が発生した際に初期対応を行う業務 です。具体的な業務内容は、以下です。
■ネットワーク監視の主な業務内容:
・監視ツールによるアラート確認:
→Zabbix、Nagios、Datadogなどの監視ツールを使い、機器の稼働状況や通信の状態をリアルタイムで監視します。
・障害の一次対応:
→アラートが出た場合、手順書に従ってログを確認し、簡単なリブートやサービス再起動を行います。状況によっては、上位のエンジニアへエスカレーションします。
・稼働レポートの作成:
→システム稼働率や障害件数などを記録し、日報・週報としてまとめる業務も担当します。
・問い合わせ対応:
→社内ユーザーや顧客からの「ネットがつながらない」、「サーバーにアクセスできない」といった一次問い合わせを受け付けるケースもあります。
上記のように、監視業務は、単純なヘルプデスク対応にとどまりません。問い合わせ内容を正確にヒアリングし、ログや監視ツールを確認しながら障害の切り分けを行う一次対応も重要な役割です。
このように、監視オペレーターは システムの安定稼働を守る最前線の役割 を担っており、トラブルの早期発見に欠かせない存在です。
未経験から始めやすい理由と必要スキル
ネットワーク監視の仕事は、IT業界の中でも 未経験から挑戦しやすい職種 とされています。その理由は以下の通りです。
■未経験から始めやすい理由:
・マニュアル化された業務が多い:
→障害対応は基本的に「手順書通りに実施 → できなければ上位にエスカレーション」という流れなので、ITの知識が浅くても業務を進められます。
・専門的なプログラミング知識は不要:
→コードを書く必要はほとんどなく、基本的なPC操作スキルがあれば業務に対応可能です。
・24時間稼働環境で人員需要が多い:
→システムは夜間も稼働し続けるため、常に監視人員が必要です。そのため未経験者でも採用されやすい傾向があります。
一方で、業務を続けるうちに ITの基礎知識 が求められます。特に以下のスキルは身につけておくと安心です。
■監視業務の必要スキル:
・ネットワークの基礎(IPアドレス、DNS、Pingなど)
・Linuxの基本コマンド操作(ログ確認やサービス起動・停止)
・ITパスポートなどの入門資格知識
つまり、ネットワーク監視は「IT業界に入るための入り口」として位置づけられ、将来的にインフラエンジニアやクラウドエンジニアへステップアップするための 土台作りの仕事 と言えます。
ネットワーク監視が「やばい・きつい」と言われる理由
ネットワーク監視は未経験から入りやすい仕事として知られていますが、現場で働く人の声を聞くと「やばい」、「きつい」と言われる理由も存在します。
ここでは、よく挙げられる4つの実態を整理していきます。
■やばい・きついと言われる理由:
・夜勤やシフト勤務が多く生活リズムが崩れる
・単純作業が中心でスキルが身につきにくい
・年収が上がりにくい → キャリア停滞の不安
・将来性がないと言われる
【実態】夜勤やシフト勤務が多く生活リズムが崩れる
ネットワーク監視は24時間365日システムを止められないため、夜勤やシフト勤務が基本 です。そのため、以下が発生する傾向があります。
■夜勤やシフト勤務のきついこと:
・日勤・夜勤の交代制により、生活リズムが不規則になりやすい
・睡眠不足や体調不良が長期的に積み重なるリスクがある
・友人や家族との時間が合わず、私生活の両立が難しい
特に未経験で入社した方は「思ったより体がつらい」と感じやすく、離職理由の上位に入ります。
実際に夜勤シフトを繰り返すことで「生活リズムを保つのが難しい」、「体調を崩しやすくなった」という声が多く挙がります。
【本音】単純作業が中心で、スキルが身につきにくい
監視オペレーターの業務は、アラート確認や一次対応といった マニュアル通りの作業が中心 です。
■単純作業のつらいこと:
・「監視ツールのアラート確認 → 手順書対応 → エスカレーション」の繰り返し
・業務の幅が狭く、学びの機会が少ない
・「自分はこのまま成長できるのか?」という不安につながる
もちろん、障害切り分けや報告スキルなどは身につきますが、「構築」や「設計」といった上流工程に直結するスキルは得にくいのが現実です。
実際に単純作業を繰り返すことで「これ以上スキルが積みあがらなくて不安」、「何のためにエンジニアになったのかがわからなくなった」という声もあります。
【現実】年収が上がりにくい → キャリア停滞の不安
ネットワーク監視の平均年収は 300万〜400万円程度 が目安とされ、インフラエンジニアやクラウドエンジニアと比べると低めです。
■年収とキャリアの不安:
・昇給幅が小さく、長く続けても給与が大きく伸びにくい
・キャリアパスを考えないと「年収の頭打ち」に直面する
・20代後半〜30代前半で「このままでいいのか」と悩む人が多い
そのため、キャリアアップを前提に働くことが重要です。
実際に年収が上がらないことで「生活が楽にならない」、「友人のエンジニアと年収差がついていくのがつらい」という声もあります。
【不安】将来性がないと言われる背景
「ネットワーク監視は将来性がない」と言われるのは、自動化の進展が背景にあります。
■将来を不安視する背景:
・ZabbixやDatadogなど、AIによる自動監視・障害検知が普及
・障害対応も自動リカバリ化が進んでおり、人の介入が減少傾向
・「監視だけを続けるキャリア」では、需要が先細りする可能性がある
そのため、監視経験を活かして インフラ運用・クラウド・セキュリティ分野へステップアップする道 は今も強く求められています。
実際に「今後の将来がイメージできない」、「焦りや危機感ばかり感じてしまう」という声もあります。
きつい・やばいを乗り越えるための、3つの工夫
ネットワーク監視の仕事は「体力的にも精神的にもきつい」と言われる一方で、工夫次第で前向きに続けながらキャリアにつなげていくことができます。
ここでは、現場で働く人が実践している乗り越え方を紹介します。
■きつい・やばいを乗り越える3つの工夫:
・メンタルを保つためのセルフケア・働き方改善
・資格学習でスキルアップしながら働く
・転職を見据えたキャリア形成
メンタルを保つためのセルフケア・働き方改善
夜勤やシフト勤務の不規則さは大きな負担になります。現場では、次のようなセルフケアや工夫も、よく行われています。
■メンタルを保つためのセルフケア、働き方改善:
・夜勤前後に 睡眠時間を固定するルールを設ける
・カフェインに頼りすぎず、仮眠やストレッチで体を調整する
・休憩中に目や首をリフレッシュし、モニター疲れを防ぐ
・上司に相談し、できる範囲でシフトの希望を出す
「体を壊さないこと」がキャリア継続の第一歩です。自分なりのリズムを見つけることが大切です。
資格学習でスキルアップしながら働く方法
「単純作業ばかりで成長できない」という悩みを解消する一番の方法は、資格学習を並行すること です。
■資格学習でスキルアップ:
・LPIC/LinuC(Linux資格):
→Linuxコマンド操作の基礎が身につき、運用から構築へステップアップしやすい
・CCNA(Cisco資格):
→ネットワーク全般の知識が整理でき、監視からネットワークエンジニアへの道を開ける
・AWS認定クラウドプラクティショナー:
→クラウド知識を早期に学び、将来のキャリア選択肢を広げられる
実際、監視業務はアラートや障害対応のスキマ時間が発生しやすく、勉強に充てやすい職場もあります。
資格勉強を習慣化すれば「働きながら成長している実感」を得やすく、モチベーション維持につながります。
■関連記事:【初心者、未経験者、独学可】CCNAのおすすめ勉強方法
■関連記事:【保存版】LPIC Level 1 合格へのロードマップ、勉強法・おすすめ教材
転職を見据えたキャリア形成の考え方
監視業務を続ける中で「このままでいいのか」と不安になる人は多いですが、最初から次のステップを意識して働くことが重要です。
■転職を見据えたキャリア形成:
・「運用監視 → インフラエンジニア → クラウド/セキュリティ分野」といったロードマップを描いておく
・1〜2年目で資格取得、3年目で構築業務に携わるなどの目標を持つ
・転職サイトやエージェントの求人を定期的にチェックして、市場感覚を把握する
「監視から抜け出せない不安」を抱えるよりも、「監視はキャリアの入り口」と割り切って次のステップを準備しておく方が、精神的にも安定します。
【キャリアパス】ネットワーク監視から次のステップへ
ネットワーク監視の仕事は「IT業界の入り口」としての役割が大きく、ここで経験を積んだ後にキャリアを広げていく人は多くいます。
実際、資格取得やスキル習得を重ねることで、監視からインフラエンジニア、さらにはクラウドやセキュリティ分野へとステップアップする道が開けます。
ここでは代表的なキャリアパスを紹介していきます。
LPIC・CCNA取得でインフラエンジニアへ
監視から一番多いステップアップ先が インフラエンジニア(サーバー・ネットワーク運用構築) です。
■インフラエンジニアへのステップアップ:
・LPIC/LinuC を取得することでLinuxサーバーの操作や構築に携われる
・CCNA を取得すればネットワークの基礎スキルが証明でき、ルーター・スイッチの設定業務に参加できる
監視経験は「障害検知・切り分け」、「運用現場の知識」として評価されやすいです。そのため、資格と組み合わせることで、構築案件に挑戦しやすくなります。
■関連記事:【未経験でも安心】インフラエンジニア転職の始め方、仕事内容、おすすめ企業、学習ロードマップ
クラウドスキルを身につけて、将来的にAWSエンジニアへ
近年はシステムがクラウドへ移行しているため、クラウドの基礎知識を早めに身につけておくことは大きな強みになります。
■将来は、クラウドエンジニアにステップアップ:
・AWS認定資格(クラウドプラクティショナー、SAAなど)は、クラウドの全体像を体系的に学べる
・監視で得た「障害検知」、「稼働率管理」の経験は、クラウド運用監視や運用設計にも活かせる
・将来的に構築・移行プロジェクトに関わるチャンスがあれば、クラウド資格を持っていることで挑戦しやすくなる
もちろん、監視業務からいきなりAWSエンジニアになるのは、非常にハードルが高いです。
しかし「監視経験+クラウド資格」という組み合わせは、将来クラウド関連の案件に関わる際の土台 となり、市場価値を少しずつ高めていけるルートです。
特に最初の一歩としては、AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)をおすすめします。
CLFは、クラウドの基本概念やサービス全体を広く学べる内容で、IT未経験者や監視オペレーターの方でも取り組みやすく、次に進むための一歩目にもなります。
■関連記事:【未経験から目指す】クラウドエンジニアへの勉強ロードマップとおすすめ資格
セキュリティやSREなど、専門職への発展可能性
監視オペレーターから、いきなりセキュリティエンジニアやSREになるのは難易度が高いです。
しかし、監視業務を通じて培った 「障害検知」、「ログ監視」、「システム安定稼働への考え方」 は、これらの専門職につながる大切なポイントとなります。
■セキュリティエンジニア:
→監視で培ったログ分析や不正アクセス検知の視点は、セキュリティ分野に活かせます。将来的にセキュリティ資格(CompTIA Security+、情報処理安全確保支援士など)を学ぶことで道が開けます。
■SRE(Site Reliability Engineer):
→SREはクラウドや自動化スキルが必須ですが、監視業務で得た「システムの稼働を維持する視点」は共通しています。インフラやクラウドの経験を積んだ後に挑戦できるキャリアです。
つまり、セキュリティやSREは「監視の延長線上にすぐある仕事」ではありませんが、監視経験を土台に段階的にスキルを積めば、到達可能なキャリアの選択肢 です。
ネットワーク監視の年収と将来性
ネットワーク監視の仕事は、IT業界の入り口として未経験から挑戦しやすい反面、年収水準はエンジニア職の中では比較的低めです。
そのため「監視のままでキャリアを続けた場合」と「スキルを磨いてインフラやクラウドに進んだ場合」では、収入にも大きな差が生まれます。
ここでは、求人サイトや公的データをもとにした平均年収の実態と、キャリアを積み上げた際のモデル年収例をあわせて紹介し、将来的なキャリアの展望を整理していきます。
ネットワーク監視の平均年収と上限の目安
監視オペレーターの段階の年収は、300万円台後半が目安です。そのまま続けても給与は大きく伸びにくいのが実情です。
求人サイトの公開データでも、監視を含むインフラ運用・保守系の職種は、エンジニア職の中ではやや抑えめの水準です。
一方で、ネットワークエンジニアやシステムエンジニア(基盤)にステップアップすると、年収は向上する傾向です。実際の求人データとしては、以下となります。
■実際の求人データ:
・doda:インフラ運用・監視・保守の平均年収は、378万円
・マイナビ転職:ネットワークエンジニアの平均年収は、684万9000円
・厚生労働省(job-tag):システムエンジニア(基盤システム)の平均年収は、752,6万円
インフラ・クラウドエンジニアとの年収比較
一方で、前述の通り、インフラやクラウド分野にステップアップすれば、年収は大きく伸びる傾向です。
当社で整理したキャリア段階ごとのモデル年収例を見ても、その差は明らかです。

■インフラ・ネットワークエンジニアのモデル年収:
・監視・テクニカルサポート:240万〜400万円
・運用:300万〜450万円
・詳細設計・構築:400万〜550万円
・基本設計:450万〜750万円
・要件定義:650万〜1,200万円
このように、監視 → 運用 → 構築→ 設計 → 要件定義 とキャリアを進めるにつれて、年収水準は大きく変わっていきます。
■関連記事:インフラエンジニアの年収はいくら?年齢・経験別の相場、年収の上げ方
今後の需要と、キャリア市場の見通し
ネットワーク監視はシステムを守るうえで欠かせない仕事であり、今後も一定の需要は見込まれます。
ただし、監視そのものは自動化の影響を受けやすいため、監視だけに依存するキャリアはリスクがあります。
一方で、クラウド・セキュリティ・SREといった専門分野は今後も市場価値が高まり続ける見通しです。監視業務の経験に加えて 資格(CCNA、LPIC/LinuC、AWS認定など)を取得し、構築や設計に進めば、年収も将来性も大きく向上 していくでしょう。
まずはネットワーク監視を入口に経験を積みつつ、資格学習でキャリアアップを狙うのが最も現実的なステップです。
LPICやCCNA、AWS認定などを取得していけば、運用から構築・設計、さらにはクラウドやセキュリティ分野へと道が広がり、年収・キャリアの伸び幅も大きくなります。
「このままでいいのか」と悩んでいる方は、今すぐ小さな一歩(資格学習やキャリア相談)を始めること が、将来の大きなキャリアチェンジにつながります。
インフラ専門の転職エージェントにキャリア・転職相談をしてみる
【結論】ネットワーク監視からキャリアアップ・転職を考えるなら
ネットワーク監視はIT業界に未経験から入りやすい仕事ですが、そのままでは年収もスキルも頭打ちになりやすい のが現実です。
しかし、資格取得やキャリア設計を意識して取り組めば、インフラ・クラウド・セキュリティなど需要の高い分野へ進める大きなチャンス があります。
ここでは「今できること」と「これからの選択肢」を整理します。
今すぐできるキャリアチェンジの第一歩
キャリアアップの第一歩は、「学習を始める」ことと、「情報収集を始める」こと です。
■キャリアチェンジの第一歩:
・CCNAやLPICなど、基礎資格の学習を少しずつ進める
・転職サイトで求人を検索し、市場の年収や求められるスキルを把握する
・同じ業界で活躍している人のキャリア事例を調べ、将来像をイメージする
「監視から抜け出せないのでは?」という不安を抱くよりも、小さな行動を今から始めることが大切 です。
独学とスクールのメリット・デメリット
キャリアアップを目指す学習方法には「独学」と「スクール」の2つの選択肢があります。
■独学のメリット・デメリット:
・メリット:費用を抑えられる/自分のペースで進められる
・デメリット:途中で挫折しやすい/学習範囲が偏ることがある
■スクールのメリット・デメリット:
・メリット:体系的に学べる/講師やメンターに質問できる/転職サポートが付く場合も多い
・デメリット:費用がかかる/スケジュールに縛られる
どちらを選ぶにしても、「監視で働きながら、資格学習を続ける」 という姿勢がキャリア形成の鍵となります。
プロのキャリアアドバイザーに無料相談してみよう
もし「自分にはどの資格から始めるべきか」、「本当に監視から抜け出せるのか」と不安を感じているなら、キャリアアドバイザーへの無料相談も有効です。
■キャリア相談のメリット:
・客観的に自分の強み・弱みを整理できる
・最新の求人動向や、未経験から転職しやすい案件を知れる
・独学では見えにくい「最短ルート」を提案してもらえる
キャリア相談は「転職するか決める」ためではなく、今の自分の立ち位置を確認するための手段と考えると、気軽に利用しやすくなります。
漠然とした不安を解消するために、いますぐ行動しよう