サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いは?どっちがよい?年収、需要など

Pocket

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、「インフラエンジニア」として一括りにされることも多い職種ですが、両職種の違いは何でしょうか?

サーバーエンジニアもネットワークエンジニアも、ITインフラを構築管理する仕事であり、初見では線引きが難しいかも知れませんが、サーバーとネットワークは、仕事として切り分けられていることが多く、仕事内容や求められるスキルなど、違いも多数あります

本記事ではサーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いを知りたい、どっちがよいのかを知りたい、と考える方に対して、仕事内容や年収、需要や求められるスキルなど、様々な観点から説明していきます。

この記事を書いた人はこちら

目次

サーバーとネットワークの違い

サーバーとネットワークは、両方ともITインフラを支える技術であり、またサーバーとネットワークは、切っては切り離せない関係があります。

ただサーバーとネットワークをわかりやすく説明するために、ここではサーバーとネットワークの違いについて、説明していきます。

サーバーとは、ユーザーの要求を処理して返す、コンピュータのこと

サーバーは、ユーザーのデバイス(PCなど)にサービスを提供するコンピュータのことです。例えば、入力したデータに対して、処理結果を素早く返したり、データ収集・分析をしたりすることができます。

具体例として、オンラインショッピングを行う際には、商品ページの閲覧において、webサーバーのファイルから閲覧し、注文を行うには、データベースサーバーが商品情報や注文履歴などを管理します。

■サーバーの役割:
・データの保存や管理
・アプリケーションやソフトウェアの実行環境の提供
・セキュリティ(ユーザー認証、アクセス制御)など

ネットワークとは、コンピュータ間でデータを送受信できるように、つなげたもの

ネットワークは、コンピュータ同士がデータをやりとりできるようにつなげた経路です。

例えば、パソコンやスマートフォンなどのコンピュータ(端末)をつないで、情報のやりとりをすることができます。具体例として、オンラインショッピングを行う際には、商品情報や、コミュニケーションのやり取りなどといった情報発信・受信は、ネットワークを通じてやり取りを行うことができます。

■ネットワークの役割:
・データ通信経路の提供
・リソースの共有(ネットワークを通じて、アプリケーションやファイルなどが使用可能)
・セキュリティ(暗号化、ファイアーウォール)など

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの仕事内容

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの仕事内容の違いは、簡単に分けると下記です。

・サーバーエンジニア:サーバーの設計、構築、運用保守を専門とするエンジニア
・ネットワークエンジニア:ネットワークの設計、構築、運用監視を専門とするエンジニア

上記図では、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアを総称して「インフラエンジニア」になっていますが、サーバーエンジニアのことを「インフラエンジニア」と呼ぶこともあります。会社や人によって職種の定義は異なりますが、初学者の場合は、おおよそ上記図だと考えていただいて問題ないと思います。

サーバーエンジニアの仕事内容

サーバーエンジニアは、主にサーバー、OSの設計・構築・運用を行いますが、単純にサーバーといっても、扱う技術範囲が広いのが、サーバーエンジニアの仕事の特徴といえます。

LinuxやWindows ServerといったサーバーOSから、Webサーバー、DBサーバー、アプリケーションサーバーといったミドルウェアも扱いますし、物理サーバーやストレージといったハードウェアも扱います。また場合によってはAWSやAzureといったクラウドサービスや、コンテナ、自動化などについても扱い、それぞれに求められるスキルや技術知識が異なるといえます。

求められるスキルや技術知識が幅広いかつ、ITインフラの中では新しい技術が出てきやすい領域でもありますので、幅広い分野を学びながら、興味がある領域を自分で見つけて、興味がある領域や、先端技術などに強みをつけていくというキャリアになるでしょう。

ネットワークと比べると、サーバー分野は幅広く、新しい分野に挑戦しやすいこともあり、ネットワークエンジニアよりも若い人が多めかと思います。

サーバーエンジニアの仕事内容を詳しく知りたい方は、別記事の「サーバーエンジニアとはどんな仕事内容?わかりやすく解説」をあわせてお読みください。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアは、主にネットワークの設計・構築・運用を行いますが、サーバーエンジニアと比べるとネットワークエンジニアは、扱う技術範囲が狭いのが仕事の特徴といえるでしょう。

基本的にはルーター、スイッチ、ファイアーウォールといったネットワーク機器を扱いますが、まずはOSI参照モデルでいう、L2(レイヤ2:データリンク層)、L3(レイヤ3:ネットワーク層)という分野を基本的に扱うことが多く、その後にL4以上の分野も扱っていくというキャリアになるでしょう。

サーバーと比べると、ネットワークエンジニアは、領域が深いため、より一つの分野に尖りを持たせる職人的な部分が多く、サーバーエンジニアよりも年配の方がやや多いかと思います。

あわせて読みたい
【解説】ネットワークエンジニアの仕事内容とは?年収・スキルなども説明 こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。 IT業界の成長で、ネットワークエンジニアを目指す未経験者も増えていますが、ネットワークエン...

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアに役立つ、おすすめ資格

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアになるために、必須資格はありません。しかし資格取得をすることで、スキルアップや年収アップのチャンスが格段に増えるのも事実です。ここでは役立つおすすめの資格を記載します。

サーバーエンジニアに役立つ、おすすめ資格

Linux技術者認定 LPIC/LinuC 1,2,3
・AWS認定 SAA、SAP
・Cisco技術者認定 CCNA

サーバーエンジニアにおすすめの資格①:Linux技術者認定 LPIC/LinuC 1,2,3

サーバーエンジニアに一番おすすめ資格としては、市場シェアが高く、サーバーエンジニアとして強く求められやすいLinuxサーバーについての知識を学べるLinux技術者認定(LPIC/LinuC)です。

LPICもしくはLinuCを取得することで、Linuxサーバーにおける運用保守や構築などに対する知識レベルを証明することができます。

また、LPICやLinuCは、level1からlevel3までありますが、LPIC/LinuC level1は初級資格であり、未経験独学でも十分に取得可能な資格でありかつ、取得パフォーマンスも高い資格ですので、非常におすすめできる資格となります。

LPICとLinuCは、両方ともLinux技術者認定資格であり、出題範囲はほぼ同じ、難易度や受験料も同じ、評価も全く同じですので、どちらを取得しても問題ありません

ただ、LPICは全世界共通の資格であり、LinuCは日本のみ資格ですので、迷うようであればLPICの取得でよろしいかと思います。

サーバーエンジニアにおすすめの資格②:AWS認定 SAA、SAP

サーバーエンジニアに次点で、おすすめ資格としてはAWSクラウド系の資格である、AWS認定のSAA(Solutions Architect – Associate)とSAP(Solutions Architect – Professional)です。

サーバーエンジニアに求められる知識・スキルとしてクラウドがあり、クラウドサービスの中でも市場シェアが高いAWSを学べる資格となります。

AWS SAAを取得することで、AWS構築運用の基礎知識レベル(アソシエイトレベル)を証明することができます(AWS SAPは、AWS SAAの上位資格です)

また、AWS SAAは準初級資格であり、未経験独学だと、学習はやや難しいですが、取得可能な資格でありかつ、取得パフォーマンスも高い資格ですので、こちらもおすすめできる資格となります。

AWS認定の一番初級資格は、AWSクラウドプラクティショナーですが、クラウドプラクティショナーは、やや非エンジニア向けの資格でもあり、AWS SAAと比べるとコストパフォーマンスは下がります。

ゆえに、AWSクラウドプラクティショナーのみの資格でとどまるのではなく、AWS SAAまで取得する。もしくは最初からAWS SAAを取得する流れがおすすめです。

サーバーエンジニアにおすすめの資格③:Cisco技術者認定 CCNA

サーバーエンジニアにおすすめの資格として、ネットワーク系資格のCCNAもあります。

サーバーエンジニアの仕事は、ネットワークの基礎知識も必要となりますので、ネットワークを学べるCCNA(Cisco Certified Network Associate)も非常に有効です。

CCNAは、準初級資格であり、こちらも未経験独学だと、学習はやや難しいですが、取得可能な資格でありかつ、取得パフォーマンスも高い資格です。

また、サーバーエンジニアになるためのおすすめ資格など、詳細は別記事ですが「サーバーエンジニアがとるべき資格はこれ!転職、年収アップに必須です」に記載しておりますので、興味があればあわせてお読みください。

ネットワークエンジニアに役立つ、おすすめ資格

Cisco技術者認定 CCNA、CCNP
・Linux技術者認定 LPIC/LinuC 1,2
・国家資格 ネットワークスペシャリスト、安全情報確保支援士

ネットワークエンジニアにおすすめの資格①:Cisco技術者認定 CCNA、CCNP

ネットワークエンジニアに一番おすすめ資格できるとしては、ネットワークに関する知識を専門的に学べる、ネットワーク機器会社のシスコシステムズが提供するベンダー資格のCCNAとCCNPです。

CCNA(Cisco Certified Network Associate)を取得することで、ネットワークに関する基礎知識の証明ができ、CCNP(Cisco Certified Network Professional)はCCNAの更なる上位資格であり、Cisco技術者認定の中では中位レベルの資格となります。

また、CCNAは準初級資格であり、未経験独学でも十分に取得可能な資格でありかつ、取得パフォーマンスも非常に高い資格であり、ネットワークエンジニアであればCCNAは是非とも取得しておきたい、非常におすすめできる資格となります。

また、ネットワークエンジニアとして生きていくのであれば、上位資格のCCNPまで取得する方がおすすめです。

ネットワークエンジニアにおすすめの資格②: Linux技術者認定 LPIC/LinuC 1,2

サーバーエンジニアと同様、ネットワークエンジニアにもおすすめできる資格として、Linux技術者認定があります。

LPICもしくはLinuCを取得することで、Linuxサーバーにおける運用保守や構築などに対する知識レベルを証明することができ、ネットワークと切り離せない分野のサーバー、OS領域を学ぶことができます。

ネットワークエンジニアであってもLPIC/LinuCのlevel1の取得は、是非ともおすすめしたい(level2は、可能であれば取得をおすすめしたい)資格です。

ネットワークエンジニアにおすすめの資格③:国家資格 ネットワークスペシャリスト、安全確保支援士

少々難易度が高い資格ではありますが、ネットワークエンジニアにおすすめしたい資格として、国家資格のネットワークスペシャリスト、情報処理安全確保支援士の資格があります。

ネットワークスペシャリストは、ネットワークシステムに対する要求を分析し、要件定義、設計、構築、運用ができる技術知識を証明でき、また情報処理安全確保支援士は情報セキュリティ対策についての企画、立案、実施、改善などができる専門知識を証明できる資格です。

ネットワークスペシャリストも、情報処理安全確保支援士も、中級以上クラスの資格レベルですが、ネットワークエンジニアに必要とされるネットワークやセキュリティの技術知識を証明できますので、3年程度のネットワークエンジニア経験を積んだ後に、是非とも取得をおすすめしたい資格となります。

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの需要・将来性の違い

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアに需要や将来性に違いはあるのでしょうか?

結論としては、サーバーエンジニアもネットワークエンジニアも、需要が高く、将来性も高い職業といえます。

現在IT業界は慢性的なエンジニア不足の状況であり、将来は更なるエンジニア不足になる見込みが出ています。サーバーエンジニアやネットワークエンジニアも同様、IT/DXを下支えするエンジニアとして、引き続き需要も見込まれ、将来性高いエンジニアであると考えてよいでしょう。

ただし、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの役割特性や、業界の変化に基づいた将来性については、一部異なる点もありますので、下記にて説明します。

サーバーエンジニアの将来性

サーバーエンジニアの将来性は、クラウドコンピューティングの発展とともに、オンプレミスからクラウドサービスの移行が進み、クラウドの台頭とともに進化しているといえます。

サーバーエンジニアは、オンプレミスのみでなく、クラウドや自動化、コンテナ化からDevOps(Development and Operations)といった新たな知識やスキルの習得が求められる時代となっており、先端技術を使用しながら、インフラ構築や管理、最適化についての専門知識や経験を持つ方の将来性は非常に高くなっているといえるでしょう。

サーバーエンジニアの将来性や需要などについては、別記事ですが「サーバーエンジニアの将来、将来性が高いキャリアパスを解説」に記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアの将来性も、セキュリティの重要性やネットワーク技術の高度化進化に伴い、あわせて将来性も進化しているといえます。

ネットワークエンジニアは、L2やL3といった基本的な所のみでなくL4以上のネットワーク、ネットワークセキュリティやSDN(Software Defined Networking)といった深い知識やスキルの習得が求められる時代となっており、非常に難易度が高い分野でありますが、ネットワークの設定管理が機器からソフトウェアへのシフトに伴う専門知識や経験を持つ方の将来性は非常に高くなっているといえるでしょう。

Pocket

目次