こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
インフラエンジニアを目指していたはずなのに、配属されたのは「ヘルプデスク」。
「やりたかったことと違う」、「このまま数年経ったら、手遅れになる?」。 そんな不安を感じている人は、決して少なくありません。
結論から言うと、ヘルプデスク配属そのものは「失敗」ではありません。 一方で、「インフラに行けるヘルプデスク」と「インフラに行けないヘルプデスク」というリアルな分かれ目が、配属されたタイミングで始まっているのも事実です。
■この記事でわかること:
・なぜインフラ志望でもヘルプデスクになるのか(業界の裏事情)
・今の現場が「インフラにつながるか」を見極める3つの基準
・ヘルプデスクを「助走期間」に変え、現実的に1年で逆転する具体策
「話が違う」と立ち止まり、モヤモヤを抱え込んでしまうのは自然な感情です。 ただ、そのまま何も分からない状態で時間だけが過ぎてしまうのは、少しもったいないと言えます。
今の環境をどう使い倒し、次のステップへ繋げるか。その「出口戦略」を一緒に整理しましょう。
結論|ヘルプデスクは「インフラの入り口」か「足止め」か
結論から言うと、ヘルプデスクはインフラエンジニアの「下位互換」でも、なるための「必須ルート」でもありません。あくまでインフラとは別物の職種です。
一方で、配属される現場の内容と、立ち回り次第で「有効な入り口」にも「長い足止め」にもなります。
ヘルプデスクが「入り口」になる場合
問い合わせ対応や障害の一次切り分けを通じて、IT用語やシステムの裏側(業務フロー)を理解できるため、ITの基礎力を身につけるには有効なポジションです。
ここで「ネットワークの仕組み」や「権限設定の裏側」などを意識して動ける人は、インフラへの転向も可能です。
ヘルプデスクが「足止め」になる場合
一方で以下の状態が続くと、インフラになるハードルが高まってしまうのも事実です。
・配属されたまま「いつか会社がエンジニアにしてくれるだろう」と考え、数年過ごす
・現場のルーチン作業が忙しく、自発的に次のステップ(資格取得など)を考えない
こうした状態は、本人の努力不足ではなく「構造的に抜け道がない」ケースも多く見られます。実際には過去にインフラへ異動した前例が多くない、または明確なルートが用意されていないケースも珍しくありません。
成否を分けるのは、現場に「出口」があるかどうか
最も重要なのは、配属そのものではなく、「その現場に、インフラへ進む道が用意されているか」です。特に重要なのは、以下2点です。
・実務の重なり:業務の中でサーバーやネットワークの設定変更などに触れる余地があるか
・実績:実際にその現場からインフラエンジニアへ昇格した前例があるか、多いか
この2点がそろっていない場合、そこはインフラへの入り口ではなく、「サポート要員としての固定ポジション」になっている可能性があります。
なぜインフラ志望なのに「ヘルプデスク配属」になるのか?
「インフラエンジニア志望」と伝えていたにもかかわらず、配属がヘルプデスクになるケースは、決して少なくありません。
しかし、これが起きる理由はあなたの能力不足ではありません。IT未経験市場の「構造」によって起きています。
未経験市場の一般的ルール:インフラの入り口は「夜勤」にある
未経験向けのインフラ案件の多くは、24時間365日稼働するシステムの「監視・運用」からスタートします。インフラの性質上、障害対応に時間は選べないため、夜勤を含むシフト制が前提となるケースがほとんどです。
ここで「夜勤は避けたい」などという条件が加わると、配属できる純粋なインフラ案件は一気に激減します。
これは評価の問題ではありません。単に「日勤帯だけの未経験インフラ案件」が市場に少ないという物理的な理由です。
「日勤 × 未経験」の受け皿がヘルプデスクだった
「日勤・未経験・IT職」という条件をすべて満たそうとしたとき、最もマッチングしやすいのがヘルプデスクです。
「ワークライフバランスを重視したい」、「女性で生活リズムを崩したくない」、「まずはIT業界に潜り込みたい」といった希望を持つ人にとって、ヘルプデスクは「現実的な着地点」として選ばれがちです。
配属されたこと自体は、未経験IT市場のルールに則った結果であり、これ自体が失敗ではありません。もっとも重要かつ注意すべきなのは、次の「企業側の考え方・方針」です。
企業側の本音:あなたは「育成枠」か「固定要員」か
最も注意すべきは、企業側があなたをどう位置づけているかです。
・育成枠:現場理解やIT基礎を学ばせ、1〜3年後にインフラへ引き上げる前提の配置
・固定要員:深刻な人手不足を埋めるための配置で、長期的なキャリアパスは考えていない
多くの企業は「頑張れば異動できる」と言うものの、重要なのは「実際にヘルプデスクからインフラへ異動した前例があるか(それがレアケースでないか)」です。これがない場合、どれだけ努力してもその場で固定されてしまうリスクがあります。
次からは、あなたが今いる現場が「どちら側」なのか、を判断する基準を整理していきます。
【判別表】そのヘルプデスクは「インフラ」に繋がっているか?
今の現場が「インフラへの入り口」なのか、それとも「ただの足止め」なのでしょうか。今のあなたの環境を、以下の Yes / No でチェックしてみてください。
インフラにつながるか判別する Yes/No チェック表
| チェック項目 | Yes | No |
| ヘルプデスクからインフラへ職種転換した実例が、直近で存在する | 〇 | × |
| 業務の中で、サーバー・ネットワークの設定変更や障害切り分けに関わる機会がある | 〇 | × |
| 周囲の先輩や上司が、インフラ技術(NW/サーバー/クラウド)を理解している | 〇 | × |
| 障害対応時に「原因」を深掘りし、技術的に理解しようとするカルチャーがある | 〇 | × |
| 二次対応や構築チームが、同じ現場(または社内)に存在している | 〇 | × |
| 異動の条件(目安年数や必要資格など)が、具体的に説明されている | 〇 | × |
特に重要なのは、チェック項目の上2つ(太字)です。
自己判断の目安
・Yesが4つ以上:【入り口】になる可能性大
その現場は、インフラエンジニアになる「道」が十分にあります。今の業務を「インフラ視点」でこなしつつ、実績を作れば内部昇進や異動が現実的に狙える環境です。
・Yesが2〜3つ:【グレーゾーン】
道はありますが、かなり「自分から動く」必要があります。ただ待っているだけでは足止めになりやすいため、資格取得を武器にした積極的なアピールが必須です。
・Yesが0〜1つ:【足止め】の可能性大
残念ながら、その現場にいてもインフラのスキルは積み上がりにくいと言わざるを得ません。社内異動に期待しすぎず、「ここでの経験をどう外に売るか」という転職を見据えた出口設計を早めに始めるべきです。
また、ヘルプデスクという職種自体の立ち位置や将来性を整理したい方は、以下の記事も参考になります。
→関連記事:未経験で目指せるヘルプデスクとは?仕事内容・年収・将来性を解説
なぜ「ヘルプデスクはやめとけ」と言われるのか?
ネット上で「ヘルプデスクはやめとけ」という声を目にすることがありますが、これは職種そのものが悪いと言う意味ではありません。「キャリアが停滞しやすい環境」が決して少なくないためです。
■ヘルプデスクがやめとけと言われる理由:
・専門スキルの停滞:業務がマニュアル化され、技術を深める機会が少ない
・年収の天井:定型作業に終始すると、市場価値が上がらず給与が早期に頭打ち
・キャリアパス不明瞭:現場にインフラや開発のチームがいないと、次のキャリアが見えない
一方で、これらはあくまで「環境」の話です。前章で説明したチェックリストで「入り口」と判定された現場であれば、これらのリスクは回避できます。
ヘルプデスクという職種自体の将来性や、「やめとけ」と言われる背景をもう少し整理しておきたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
→関連記事:ヘルプデスクはやめとけ?底辺・きついと言われる理由と抜け出す最短ルート
脱出戦略|ヘルプデスクを「インフラへの助走」に変える
次を考えたときに重要なのは、今の経験を「インフラ向けの武器」へどう変換するかです。
ここではヘルプデスクを足止めで終わらせず、次へ進むための「現実的な戦略」を整理していきます。
資格は「知識」ではなく「脱出用のチケット」
ヘルプデスクの業務経験だけでは、市場から「インフラエンジニア」として評価されにくいのが現実です。そのギャップを埋めるのが資格です。
・不要な資格:
ITパスポート、MOS、ドットコムマスター (サポート職としての評価は上がりますが、インフラへの転向には弱いです)
・狙うべきインフラ資格:
CCNA、LinuC(LPIC) (知識面のみならず、「本気でインフラエンジニアになる」という意思表示になり、エンジニアへのステップがスムーズになります)
「ヘルプデスク実務 + インフラ資格」という組み合わせを作ることで、あなたの市場価値は「未経験」から「有力なポテンシャル層」へ跳ね上がります。
→関連記事:インフラエンジニアのおすすめ資格|一覧・取得順番・難易度を解説
日々の業務を「インフラスキル」に変換する
ヘルプデスクを単なる「窓口」で終わらせるか、インフラへの「助走」に変えるかの分岐は、目の前の課題を「仕組み」で解決しようとする姿勢にあります。
単に問い合わせをこなすのではなく、一歩踏み込んで以下のような「業務改善」を形に残すと、インフラエンジニアの素養が強くアピール可能です(実現に至らなくてもOK、考えていること自体が評価対象です)。
・障害切り分けのフロー化:属人的な判断をなくし、誰でも一次切り分けができる手順を作る
・エスカレーションの最適化:二次保守チームがすぐ調査に移れるよう、必要な情報をテンプレ化する
・再発防止のFAQ作成:同じトラブルが起きないよう、根本的な解決策などをナレッジ化する
これらの行動は、インフラエンジニアの本質である「システムの安定稼働を支え、運用を効率化する」という仕事そのものです。
面接や社内評価の場で、「どんな問い合わせを何件こなしたか」以上に、「現場の課題をどう仕組みで改善したか」を語れる人は、インフラ職への適性が極めて高いと評価されます。
→関連記事:インフラエンジニアの勉強方法と順番|未経験からの独学ロードマップ
社内で頑張り続けるか、外へ出るかの「見極め」
ヘルプデスクから抜け出すルートは基本2つです。どちらを選ぶべきか、早めに決めるのがコツです。
・社内異動を狙う:
インフラ部門が身近にあり、直近1年で異動した「実例」があるなら、半年〜1年を期限に全力でアピールする価値があります。
・転職で抜ける:
もし社内に前例がなく、上司の話もあいまいなら、「1~2年の実務経験 + 資格」を持って外の世界へ出るのが最短ルートです。
最大のチャンスは「仕事に慣れた瞬間」にくる
一番の動くべきタイミングは、実は「今の業務が楽になったとき」です。仕事に慣れた頃は、採用企業から見ても「しっかり学んできた」と見なされるタイミングです。
仕事がこなせるようになり、余裕もできた。なのに、インフラに近づいている実感が一切ない。
この状態になれば、「もう少し頑張ろう」よりも、将来の「出口戦略」を具体的に動かすことで、キャリアの塩漬けを避けることができます。
→関連記事:インフラエンジニア転職の成功法則|年収・スキル・環境を叶える「商流と役割」
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今の職場への不安をスッキリ解消したい方へ
「やめとけ」と言われる本当の理由と、今の環境の見切り方がわかります。
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3年後の「理想の自分」を描きたい方へ
ヘルプデスクを抜けた後の年収や、市場価値を大きく高める進め方説明。
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「明日から何をするか」を明確にしたい方へ
迷わず最短距離で、インフラスキルを身につけるための学習順序を解説。
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まとめ|ヘルプデスク配属は「詰み」ではない。ただし放置は厳禁
インフラエンジニアを目指していた人にとって、ヘルプデスクへの配属は、理想とのギャップに戸惑うかもしれません。
しかし、ここまでお伝えした通り、ヘルプデスク配属=キャリアの失敗ではありません。
ITの基礎力を培いながら、IT現場特有のコミュニケーションを学ぶ期間などと考えれば、それは将来、設計や構築といった上流工程に進んだ際の「強い土台」になります。
ただし、時間は有限です。ヘルプデスク経験が「評価される期間」には、現実的なタイムリミットがあるのも事実です。
「いつかエンジニアになれるだろう」と何も対策をせずに過ごすと、そこは「助走期間」ではなく、抜け出せない「固定ポジション」に変わってしまいます。
・環境を見極めているか?:今の現場にインフラへの「道」は本当にあるか
・武器を手に入れているか?:脱出チケットの「CCNAもしくはLinuCなど」を用意できているか
・思考を変えられているか?:日々の作業を「インフラの仕組み」で考え、改善の思考を持っているか
この3つの戦略を意識するだけで、1年後のあなたの市場価値は大きく高まっているはずです。
自分の「出口戦略」を、インフラに詳しい第三者と整理してみませんか?
「今の現場を信じていいか不安」、「自分のスキルでインフラ転職は現実的なのか」と、一人で悩み続ける必要はありません。
とくに1〜3年目は、最もキャリアの伸び代が大きい時期です。 今のあなたの経験をどう「資産」に変え、最短距離で理想のキャリアへ繋げるか。
自分の「出口戦略」を、インフラ分野に詳しい第三者と一度整理してみませんか?
無理な転職提案は行いませんので、情報収集や現状確認だけでも問題ありません。






