こんにちは、インフラ・クラウドエンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「クラウドの勉強は何から始めればいい?」
「未経験でも独学可能?」
クラウドエンジニアの学習は、Linux・ネットワーク・AWS・Azure・資格など学ぶことが多く、何から手をつけるべきか迷いやすい分野です。
結論としては、未経験者はLinux・ネットワークなどのインフラ基礎を押さえながら、クラウドの基本を学び、AWSやAzureなどを実際に触っていくのがおすすめです。
この記事では、クラウドエンジニアを目指す人向けに、何から勉強すべきか、学習の順番、資格、独学におすすめの教材・学習サイト、ハンズオンまで解説していきます。
また、未経験からの転職手順やキャリア形成まで含めた全体像は、「未経験からクラウドエンジニアになるには?」で詳しく解説しています。
【結論】クラウドの勉強は何から?おすすめの学習順
クラウドエンジニアの勉強は、AWSなどのクラウドだけを学ぶのではなく、Linux・ネットワークなどのインフラ基礎もあわせて身につけることが重要です。
ここでは、未経験からでも着実に学習が進みやすい、おすすめの5ステップを解説します。
■未経験からのおすすめクラウド学習ステップ:
・ステップ1:Linux・ネットワークなどインフラの基礎を学ぶ
・ステップ2:クラウドの基本概念を理解する
・ステップ3:クラウドサービスを実際に操作する
・ステップ4:資格学習で知識を体系化する
・ステップ5:ハンズオンを増やし、実務につながるスキルへ広げる
ただし、上記の順番で必ず進めないといけないわけではありません。特に「クラウドの基本概念」、「クラウドの操作」、「資格学習」は、並行して進めたり、順番が前後しても問題ありません。
大きな方向性として、「インフラ基礎 → クラウドを理解・操作する → より実務的なスキル(構築・設定)」の順番だと、学習でつまずきにくく、必要な知識・スキルをバランスよく身につけやすくなります。
クラウドエンジニア勉強法|未経験からのおすすめ5ステップ
ここからは、先ほど紹介した5つの学習ステップについて、具体的な勉強の進め方例を解説します。
ステップ1:【土台】インフラ基礎を学ぶ(Linux/ネットワーク)
クラウドを理解するうえでも、Linuxやネットワークなどのインフラ基礎は重要です。
例としてAWSでは、EC2を扱う際にはLinux OS、VPCを理解するにはIPアドレスやルーティングなどの知識が必要になります。そのため、クラウドサービスの使い方だけを覚えるよりも、基礎から学んだ方が理解しやすくなります。
■最初に学びたいインフラ基礎:
・Linuxの基本操作:ファイル操作、権限、プロセス、ログなど
・ネットワーク基礎:IPアドレス、DNS、HTTP/HTTPS、ルーティングなど
・セキュリティの基礎:SSH、ファイアウォール、アクセス制御など
ただし、未経験者が最初からすべてを完璧にする必要はありません。クラウド学習を進めながら、分からない部分をLinuxやネットワークまで戻って学ぶ進め方でも問題ありません。
インフラ基礎の勉強方法については、「インフラエンジニアの勉強方法と順番」で詳しく解説しています。
ステップ2:【基礎】クラウドの基本概念を理解する
インフラ基礎とあわせて、「そもそもクラウドとは何か」という基本概念を理解していきます。
ここではサービス名を暗記するより、まずは以下のようなクラウドの基本的な考え方を押さえることが重要です。
■クラウドの基本概念:
・クラウドの基本:オンプレミスとの違い、IaaS・PaaS・SaaS
・設計の基本:可用性・冗長化、スケーラビリティ、リージョン・AZ
・コストの基本:従量課金などの料金体系
例として、オンプレミスでは物理サーバーを調達・設置する必要がありますが、クラウドでは必要なリソースを必要なときに利用できます。
こうした違いを理解しておくと、AWSやAzureを学習した際に「なぜこのサービスを使うのか」を理解しやすくなります。
ステップ3:【実践】クラウドサービスを実際に触る
基本概念を学んだら、AWS・Azure・Google Cloudから、まず1つを選んで実際に操作してみましょう(最初から複数のクラウドを同時に覚える必要はありません)。
特にこだわりがなければ、教材や資格、ハンズオン環境が充実しているAWSから始めるのがおすすめです。
■AWSで最初に触りたい主要サービス例:
IAM(権限)/VPC(ネットワーク)/EC2(サーバー)/S3(ストレージ)/RDS(データベース)
ここで「IAMで権限を設定する」、「EC2を起動する」、「VPCを作る」、といった操作を経験すると、ステップ1で学んだLinux・ネットワークの知識とクラウドがつながっていきます。
AWSの具体的な学び方については、「AWSの勉強方法まとめ|未経験からエンジニアを目指すロードマップ」で詳しく解説しています。
ステップ4:【知識の体系化】クラウド資格を学習する
資格を学習して知識を体系化する方法もおすすめです。例として、AWSならCLFやSAA、AzureならAZ-900などを学習することで、独学では抜けやすい分野も含めて幅広く学ぶことができます。
一方で注意したいのが、資格取得そのものをゴールにしないことです。
資格は知識を整理・証明する手段として有効ですが、資格に合格しただけでクラウドの実務ができるようになるわけではありません。学習した内容を実際に操作しながら確認することも重要です。
ステップ5:【実務につなげる】ハンズオン学習を増やす
クラウドの基本操作や資格学習などを行ったら、複数のサービスを組み合わせた、より実践的なハンズオンへ進みます。
■ハンズオン学習例:
・構築:VPC上にEC2・RDSなどを組み合わせて環境を作る
・設定:IAMでアクセス権限を設定し、CloudWatchで監視する
余裕があれば、構成図を作って「なぜこの構成にしたのか」まで整理すると、より理解が深まります。さらに学習が進んだら、TerraformなどのIaCや自動化にも触れてみるとよいでしょう。
ただし、未経験者が最初から高度な設計やIaCまで習得する必要はありません。まずは基礎を理解し、クラウドを実際に操作できる状態を目指しながら、一段ずつ学習範囲を広げていくことが重要です。
クラウドエンジニアの勉強に資格は必要?おすすめの取得順
クラウドエンジニアになるために資格は必須ではありません。
しかし未経験から勉強する場合、知識を体系的に学び、その知識を客観的に示す手段として資格は有効です。転職エージェントの観点でも、資格取得はおすすめしています。
代表的なクラウド資格と取得順の目安は、以下です。
| クラウド | 入門資格 | 次に目指す資格 |
| AWS | Cloud Practitioner(CLF) | Solutions Architect – Associate(SAA) |
| Azure | Azure Fundamentals(AZ-900) | Azure Administrator Associate(AZ-104) |
| Google Cloud | Cloud Digital Leader(CDL) | Associate Cloud Engineer(ACE) |
例として、AWSなら「CLF → SAA」が分かりやすいルートですが、すでにITインフラやAWSの基礎知識があれば、SAAから目指す選択肢もあります。
クラウド資格の詳しい比較や難易度、取得順については、「クラウドエンジニア資格おすすめ一覧」で解説しています。
独学するなら|おすすめの本・学習サイト・ハンズオン
クラウドは独学でも十分に勉強できます。
おすすめは、「本・オンライン教材で学ぶ」+「実際にクラウドを触る」を組み合わせる方法です。自分に合った教材を1つ決め、ハンズオンと並行して進めていきましょう。
本・書籍|クラウドの全体像を理解する
クラウドを初めて勉強する場合は、入門書を使って全体像を理解する方法があります。
| 書籍名 | レベル | 特徴 |
| この一冊で全部わかるクラウドの基本 | 入門 | クラウドの基本概念を図解で学べる入門書。未経験者向け。 |
| 試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー | 初級 | AWS公式試験範囲をカバー。資格対策にも活用可能。 |
| Microsoft Azure入門ガイド | 初級 | Microsoft公式サービスを中心にAzureの仕組みを理解できる。 |
| クラウドエンジニアの教科書 | 初級~中級 | 3大クラウドAWS/Azure/GCPの基本、概要を解説。 |
例として、クラウド全般を学ぶなら「この一冊で全部わかるクラウドの基本」、AWSを学ぶならAWS資格の入門書など、目的に合わせて1冊選べば十分です。
学習サイト・動画|AWS・Azureを体系的に学ぶ
オンラインで学びたい場合は、動画教材や各クラウドの公式学習サービスを利用できます。代表的なサービスには、Udemy、AWS Skill Builder、Microsoft Learnなどがあります。
■クラウド学習用オンライン教材:
・Udemy:AWS・Azureなどの動画講座が豊富
・Ping-t:資格学習用のサービス(クラウドはAWSのみ)
・AWS Skill Builder:AWS公式の学習サービス
・Microsoft Learn:Azureなどを学べるMicrosoft公式サービス
動画中心で学びたい人はUdemy、公式教材で学びたい人はAWS Skill BuilderやMicrosoft Learnなど、自分が続けやすい教材を選ぶことが重要です。
ハンズオン|実際にクラウドを触って覚える
クラウド学習で最も重要なのは「実際に触ってみること」です。AWSもAzureも無料枠が用意されているので、積極的に活用してみましょう。
■ハンズオン環境:
・AWS 無料利用枠:AWSの主要サービスが最大12ヶ月間無料プランで利用可能
・Azure無料枠:期間限定のクレジット枠(200ドル)や、12ヶ月分の無料枠が利用可能
学習したサービスを自分で作成・設定してみることで、「知っている」から「操作できる」へ理解を深められます。
ただし、利用の仕方によっては無料枠でも料金が発生し、思わぬ課金(課金事故)につながることもあります。不要な課金を防ぐには、課金アラートの設定や不要なリソースの停止・削除も行うことが重要です。
クラウドの勉強は難しい?挫折しやすい3つのポイント
クラウドは未経験・独学でも学習できますが、勉強範囲が広く、簡単とは言えません。
特に難しいと感じやすいのが、「学習範囲が広い」、「用語・概念が多い」、「設定しても動かない」という3つの壁です。
① 学習範囲が広く、何から勉強すればよいか迷いやすい
クラウドでは、AWSやAzureの操作だけでなく、Linux・ネットワーク・データベース・セキュリティ・監視など、幅広い知識が関係します。
そのため、未経験者が最初からすべてを学ぼうとすると、学習範囲が広がりすぎて挫折しやすくなります。
ゆえに、最初から完璧を目指さず、Linux・ネットワークなどの基礎から始め、クラウドの主要サービス、ハンズオンへと段階的に広げていくことが重要です。
② 用語や概念が多く、イメージしにくい
クラウドでは、VPC・IAM・リージョン・AZ・セキュリティグループなど、初心者には馴染みのない用語が多く登場します。
用語だけを暗記すると混乱しやすいため、構成図を見たり、実際の管理画面を操作したりしながら「何のために使うのか」を理解するのがおすすめです。
例えばVPCであれば、単に意味を覚えるだけでなく、実際にサブネットなどを設定すると、ネットワークとの関係を理解しやすくなります。
③ 設定しても動かず、原因を特定できない
クラウドを実際に触り始めると、所々で詰まることは少なくありません。例として、「EC2インスタンスに接続できない」といった問題に遭遇します。
この原因はセキュリティグループやルートテーブルなどさまざまであり、基礎知識がないと「どこを確認、どう対処すればよいのか」が分かりません。
ここで操作手順だけを覚えるのではなく、エラーの原因を調べながらLinuxやネットワークの基礎まで戻って理解することも、クラウド学習の一部と考えるとよいでしょう。
クラウドの勉強はどこまでやればいい?基礎固めの目安
クラウドをどこまで勉強すべきかは、現在の実務経験や目指す仕事などによって異なります。例として、IT未経験者と、すでにサーバーの運用・構築経験がある人では、求められる学習レベルは変わります。
そのため一律の基準はありませんが、クラウド未経験者が基礎を固めるうえでは、以下が学習レベルの一つの目安になります。
■クラウド学習の一つの目安:
・Linux・ネットワークなどの基礎を理解している
・クラウド上でサーバーやネットワークなどの基本的な作成・設定ができる
・アソシエイトレベルの資格を取得している(例:AWS SAA)
ここまで学習したら、次は「さらに勉強する」だけでなく、実務経験につなげていく視点も重要です。
資格やハンズオンで身につけた知識は実務経験そのものにはなりませんが、インフラ運用・構築やクラウド関連業務など、実際の仕事で経験を積むための土台になります。
クラウドエンジニアとして実務経験を積んだ後のキャリアについては、「クラウドエンジニアのキャリアパス」で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. クラウドの勉強は何から始めればよいですか?
まずはLinux・ネットワークなどのインフラ基礎を学びながら、クラウドの基本概念を理解することをおすすめします。
その後、AWSやAzureなどから1つを選び、実際の操作 → 資格学習 → ハンズオンと学習範囲を広げていくと理解しやすくなります。
Q2. AWSとAzureはどちらから勉強するべきですか?
仕事で利用するクラウドが分かっている場合は、それに合わせて選ぶのがおすすめです。特に決まっていなければ、教材・資格・ハンズオン環境が充実しているAWSから学び始めるのも一つです。
最初からAWS・Azureの両方を学ぶ必要はなく、まず1つに絞って基礎を身につけるとよいでしょう。
Q3. クラウドの勉強にはどれくらい時間がかかりますか?
必要な勉強時間は、現在のIT経験や目指すレベルによって大きく異なります。
IT未経験者の場合はLinux・ネットワークなどの基礎から学ぶ必要がありますが、すでにインフラ経験がある人はイメージもつきやすく、時間短縮が可能と言えます。
そのため、単純な学習時間よりも、「基礎理解 → クラウド操作 → 資格・ハンズオン」まで段階的に進められているかを目安にするとよいでしょう。
Q4. クラウドエンジニアになるにはプログラミングも勉強すべきですか?
最初からPythonなどのプログラミングを優先する必要はありません。未経験者であれば、まずLinux・ネットワーク・クラウドなどの基礎を身につけることをおすすめします。
そのうえで、運用作業の自動化やIaCなど、必要な場面に応じてBash・Python・Terraformなどへ学習範囲を広げるとよいでしょう。
→関連記事:クラウドエンジニアにプログラミングは必要?おすすめ言語と学ぶ順番
まとめ:クラウドの勉強は基礎から段階的に進めよう
クラウドエンジニアを目指すなら、AWSやAzureだけを学ぶのではなく、Linux・ネットワークなどのインフラ基礎から段階的に学ぶことが重要です。
大きな方向性としては、「インフラ基礎 → クラウドを学ぶ・触る → 資格・ハンズオンで理解を深める → 実務経験につなげる」と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、学習の順番は完全固定ではありません。現在のIT経験に合わせて、クラウド操作と資格学習を並行したり、分からない部分を基礎に戻って学んだりしながら進めていきましょう。
また、クラウドエンジニアを目指しているものの、「今の経験からどう実務につなげればよいか」などで迷っている方は、インフラ・クラウド専門のキャリア相談もご活用ください。






