【難しすぎる?】CCNAの難易度は?試験の内容や合格率とは?

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

CCNAを学習すると、ネットワークエンジニアとして役立つ知識が学べ、取得すると評価にもつながります。

またCCNAは、ITインフラ関連の主要資格であり、多くの人が取得する人気資格と言えます。ネットワークエンジニアを目指す人や、キャリアアップしたい人は、できればCCNAは取得しておきたいものです。

しかし、CCNAは元々から簡単な資格ではありませんでしたが、近年はさらに難易度が上がっていると言われています。

この記事では、現在のCCNAのバージョンである「CCNA(200-301)v1.1」について、難易度や難しさの理由、他資格との難易度比較、勉強方法などを説明していきます。

CCNAに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人はこちら

目次

CCNAとは

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、大手ネットワーク機器ベンダのCisco(シスコ)が提供するネットワーク関連の資格(シスコ技術者認定資格)です。

シスコが認定するネットワーク関連資格は、以下図のように、難易度が4段階に分かれています。難易度が4段階のうち、「CCNAは、2番目にやさしい」アソシエイト資格です。

ただし、難易度がもっともやさしい、エントリーレベルのCCST(Cisco Certified Support Technician)は、評価や知名度などが高くなく、初学者でもシスコ技術者認定を学習するなら、CCNAから始めることが一般的です。

CCNAの試験概要

CCNA試験は、ネットワーク関連の基礎知識を網羅しています。現在のCCNA(200-301)試験において、試験範囲をおおまかに整理すると、以下です。

CCNA 試験範囲 CCNA試験の詳細
1.0 ネットワークの基礎(20%)IPアドレス(IPv4、IPv6)、サブネット、OSI参照モデルなど
2.0 ネットワークアクセス(20%)スイッチング、VLAN、STPなど
3.0 IPコネクティビティ(25%)ルーティングプロトコル、OSPF、スタティックルートなど
4.0 IPサービス(10%)NAT、DHCP、DNSなど
5.0 セキュリティの基礎(15%)アクセスリスト、VPN、ファイアーウォールなど
6.0 自動化とプログラマビリティ(10%)REST API、JSON、SDN、Ansibleなど

上記の詳細については、わかりやすくするために、かなり簡易に記載しています。より詳しい内容を知りたい方は、Cisco公式サイトの「CCNA(200-301)」を確認してください。

また、CCNAの概要について、詳しく知りたい方は、別記事の「CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説」をあわせてお読みください。

CCNAは、年々難易度が上がっている

CCNAは、ネットワークエンジニアの基礎知識を証明する資格ですが、近年「CCNAは、年々難しくなっている」と言われることが増えています。難しくなっている理由は、大きく以下の3点が挙げられます。

■CCNAが難しくなっている理由:
・CCNA(200-301)より、試験範囲が拡大されたため
・旧CCNA(200-125)の出題範囲も、まだ出題されるため
・廃止されていたシミュレーション問題が、復活したため

CCNA(200-301)より、試験範囲が拡大された

昔のCCNA試験は、CCNAの中でも、認定トラックが複数(CCNA R&S、CCNA Security、CCNA Wireless、CCNA Collaboration、CCNA Data Centerなど)ありましたが、複数の認定トラックがCCNA(200-301)に統合されたため、試験範囲が実質的な拡大となっています

特に、追加された項目として、より深いOSPFの知識や、音声・動画といったコラボレーションについての知識、データセンターの運用保守やクラウドに関する知識、ワイヤレスの知識、APIコントローラーやDNAの知識などが、頻出問題になっています。

試験範囲が広がることで、ワイヤレスやクラウド、自動化など、さらに学ぶ必要がある範囲の広がりが、難易度上昇の理由の一つと言えるでしょう。

旧CCNA(200-125)の出題範囲も、まだ出題される

旧CCNA(200-125)から、新CCNA(200-301)に変更されるにあたり、旧CCNAの出題範囲の一部(EIGRPやBGPといった技術要素)が、新CCNA(200-301)の出題範囲から外れました。

試験の大幅アップデートに伴い、出題範囲の一部が範囲対象外となったものの、現在のCCNA(200-301)v1.1においても、現時点でも出題がされている状況です(私の試験時には、BGPは少々、EIGRPは普通に出題されました)。

範囲対象外の技術は、出題頻度が減ってはいると思われるため、重点的に学習をする必要はないと思われますが、概念や特徴は、おさえておく必要があると思われます。

廃止されていたシミュレーション問題が、復活した

CCNA試験は、2020年2月に大幅改正され、CCNA(200-301)になったタイミングで、シミュレーション問題が廃止されましたが、2023年からシミュレーション問題が復活しています

シミュレーション問題では、指定されたタスク通りにルータやスイッチを(仮想的に)設定し、指示通りに正しく動作をさせるスキルが求められます。

例として、ルータの基本設定(ホスト名や、IPアドレスの割り当て)、OSPFの設定やVLANの設定など、トポロジを見ながら、タスクを遂行していく必要があります。

このシミュレーション問題は非常に難しく、参考書を読むだけ、問題集を解くだけでは太刀打ちが難しいです。手を動かしてコマンドを打ちながら、学習していく必要があります。

CCNAは、年々受験料も上がっている

CCNAは、「難易度が上がっている」とよく言われますが、近年受験料も値上がりが続いています。実際に、2025年時点のCCNA受験料は300ドルであり、日本円では「46,860円(税込)」です

受験料が高額でありかつ、不合格時の再受験料は、同じ額の費用がかかるため、2回受験すると10万円近くの出費です。CCNAは初学者向けの試験であるものの、受験料はかなり高額であると言えます。

ベンダー試験は1回受験すると、おおよその傾向がわかりますが、CCNAは1回の受験料が高額であるため、何度も受験が難しいといえます。また、一発合格できないと金銭的負担が大きいです。

CCNAは受験料的に、簡単に2回・3回と受験ができる資格とは言い難く、金額的な観点でも受験ハードルが高い資格とも言えるでしょう。

CCNAの難易度は、どのくらい?

CCNAは、ネットワークの基礎から、一部応用までを問う資格試験であり、一般的に難易度は「初級」や「準初級」とされています。しっかり学習すれば、未経験でも十分に合格が可能な試験です。

しかし、CCNA試験の学習においては、簡単と感じている人は少ないです。むしろ「難しい」、「やや難しい」と考える人が多く、学習には時間と根気が必要です。

CCNAの試験形式

2025年現在のCCNA(200-301)v1.1試験では、以下の形式で出題されます。

■CCNAの試験形式:
・試験時間:120分
・問題数:85問程度(変動有り)
・出題形式:
 -多肢選択問題
 -ドラッグアンドドロップ問題
 -シミュレーション問題

特徴としては、試験時間に対して、問題数が多く、また解答に時間がかかるシミレーション問題も含まれるため、タイムマネジメントをミスすると、全問終わらせられずに、時間切れになりやすいことです。

シミレーション問題は、1問につき10分かかるとすると、3問で30分です。すると、残りの多肢選択式問題や、ドラッグアンドドロップ問題は、1問につき、1分程度で回答をしなければいけません。

1問につき1分といっても、かなり図を読ませて答える問題も多く、質問内容と大事なポイントをすぐ見分けて、回答していく必要があります。

CCNAの合格率は、公式に公表はされていない

CCNA運営元のシスコは、公式に合格率を公表していません。これは、受験者ごとにスキルレベルが異なることや、問題の内容が更新され続けているため、一概に合格率を出すのが難しいためともいえるでしょう。

ただし、一般的には、CCNAの合格率は30%程度とも言われています。ゆえに初級者向け資格と言っても、簡単に合格できる試験ではありません。学習時間をしっかり確保し、腰を据えて勉強しないと、簡単に落ちます。

CCNAの合格点も、公式に公表はされていない

また、以前のCCNAは「合格点:825点」といったように、合格点を公表していましたが、2025年現在のCCNA試験では、合格点も公表されていません。試験後も自分の受験点数がわかりません(セクションごとの正答率のみ、知ることができます)。

ただし、CCNAの合格ラインは、おおよそ正答率70%あれば合格できる印象です。CCNA合格体験記でも、正答率70%の人は合格しておりかつ、私も単純計算で正答率69.9%で合格していました。

一方で、あくまで個人的な推測ですが、CCNAの各セクションの中で、もっとも重要度が高い「IP Connectivity(25%)」は、かなり配分が高い可能性があります。

「IP Connectivity」の問題において、出来が悪いと、正答率70%でも合格できないかも知れません。

CCNA合格に必要な勉強時間

CCNA合格に必要な勉強時間は、個人のネットワーク知識レベルや、効率的な学習の有無などによって大きく変わりますが、一定効率的な学習を行った場合は、以下あたりになるでしょう。

■CCNA合格に必要な勉強時間の目安:
・IT未経験者:勉強時間 200-300時間程度
・IT基礎知識あり(LPICや基本情報取得者など):勉強時間 100-150時間程度
・ネットワーク経験者:勉強時間 50-100時間程度

ネットワーク経験者の必要勉強時間が短いのはあたりまえですが、IT基礎知識あり(LPICや基本情報技術者試験の取得者など)も、比較的短時間で学習が進むでしょう。

例として、LPICはサーバー分野の資格ではあるものの、LPIC level1を取得していれば、OSI参照モデルやTCP/IP、サブネットマスクやCIDRなどといったネットワークの基礎知識などは学んでおりかつ、CLI環境などにも慣れています。

また、既に資格を取得していることで、IT資格学習の効率的なやり方を把握しているため、比較的学習はスムーズに進みやすいでしょう。

一方で、完全なIT未経験(知識ゼロ)の場合は、基礎知識の習得に時間がかかります。また、初めてのIT資格学習の場合は、効率的な学習を行うことが大変であるため、現在のCCNA(200-301)であれば200-300時間は必要でしょう

また、非効率な学習を行ってしまうと、300時間かけてもCCNAに合格できないこともあり、場合によっては400-500時間が必要になることもあります。

CCNAは、IT知識ゼロからでも合格できる難易度でありますが、決して簡単な資格ではありません。相応の覚悟をもって取り組まないと、挫折してしまう可能性は高いと言えます。

CCNAは難しすぎる?難しいと言われる理由

CCNAは、人によっては「難しすぎる」、「合格できる気がしない」と言われることがあります。ここでは、CCNAが難しすぎると言われる理由について、説明します。

■CCNAが、難しすぎると言われる理由:
・試験範囲が広すぎる、専門用語も多い
・シミュレーション問題が難しい
・試験時間が短く、問題数が多い
・公式な過去問がない

試験範囲が広すぎる、専門用語も多い

CCNAの試験範囲は、2020年にCCNA(200-301)に改訂されてから、試験範囲が広がっています

特に、新しいCCNAになって頻出となった、ワイヤレスや、SDNやREST APIなどの自動化分野などにおいても、幅広く学習を行う必要があります

また、CCNA試験では、IT未経験者にとって、なじみがない横文字の専門用語が非常に多いです。例として、デフォルトゲートウェイや、ACL(アクセスコントロールリスト)など、イメージしにくい用語を覚えていくだけでも大変です。

シミュレーション問題が難しすぎる

CCNAは、単なる知識を問う問題のみでなく、実際にコマンドを入力し、設定作業を行うシミュレーション問題も出題されます。このシミュレーション問題が、CCNAを難関にさせている、とも言えます。

例として、以下の図のようなトポロジを見ながら、指定されたタスク(例として、PC-AとPC-Bが通信できるように、ルータAとルータBに、IPv4・IPv6で設定してください、など)を実行していくような問題です。

このシミュレーション問題では、参考書や問題集で対策が難しく、実機やシミュレータなどを使ってコマンドを打ちこみ、手を動かして学習しないと、対処が難しいと言えます。

試験時間が短く、問題数が多い

CCNA試験は、試験時間が120分に対して、問題数が約85問程度出題されます。そのうち対処に時間がかかるシミュレーション問題も数問含まれるため、選択式の問題を1問あたり1分で解くことが推奨されます。

ただし、選択式の問題といっても、CCNA試験は、図を読ませて回答させる問題がかなり多く、例として以下のような問題を、短時間に多数解いていく必要があります。

図の引用元:https://ping-t.com

上記の図と問題を見て、「OSPFのフローティングスタティックの問題だから、AD値を見てみよう」といった風に、早い段階で推測しないと、1分で回答するのは難しいかも知れません。問題を多数解いて、慣れておく必要があります

公式な過去問がない

CCNA提供元のCiscoは、CCNAを含む、すべての認定試験の過去問を、公式に公開していません。ゆえに、CCNA試験は過去問を使った対策が難しく、事前に試験の出題傾向を把握することが難しいです。

公式な過去問が流通していないことも、試験を難しいと感じさせる一つの大きな要因といえます。

一方で、CCNA試験は、信頼ある参考書や問題集などが多数あり、無料のシミュレーションツール(パケットトレーサなど)を使って学習もできます。適切に学習を行えば十分に合格は可能です。

CCNAの難易度は、ITSSレベル2(準初級)

CCNAの難易度は、経済産業省のIT政策実施機関である情報処理推進機構にて、ITSSレベル2に定められています。インフラエンジニアのおすすめ資格について、ITSSレベルで区別すると、下記となります。

■ITSSレベル:
・レベル1(初級):基礎知識を学び始めたレベル
・レベル2(準初級):基本的な技術を習得し、実務で活用できるレベル
・レベル3(中級):実務経験を積み、専門知識を活かせるレベル
・レベル4(上級):高度な技術、マネジメント力を持つレベル

CCNAは、上記のITSSレベルにおいて「レベル2」に該当しています。ネットワークの基礎を理解し、基本的な設定や運用ができるレベルの知識を持つエンジニアとみなされます。

また、ITSSレベル1や、ITSSレベル2のIT資格について、以下が同様な難易度感とみなされています。

ITSSレベル1・LPIC/LinuC level1
・AWS認定 クラウドプラクティショナー
・ITパスポート
ITSSレベル2・CCNA
・LPIC/LinuC level2
・AWS認定 ソリューションアーキテクト アソシエイト
・基本情報技術者試験

CCNAの難易度を、他のIT資格と比較。どれくらい難しい?

CCNAの難易度を理解するために、以下からは、他の主要なIT資格(LPIC、AWS認定、基本情報など)と比較していきます。CCNAを取得するか、他の資格を取得するかで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください

CCNAとLPIC/LinuC-1の難易度比較

CCNAと LPIC(Linux Professional Institute Certification)level1の難易度を比較すると、「CCNAの方が難しい」と考える人が9割だと思います。私もCCNAの方が難しく感じました。

LPIC-1は、Linuxの基本スキルを学ぶ資格であり、試験範囲は広いものの、暗記とコマンド・オプションなどを用いたLinux操作に慣れれば、合格できます。

LPIC-1は、Linuxという、目には見えにくいものを扱うため、学習初期においてはCCNAよりもイメージがしにくいですが、CCNAほどの難易度の高さは感じにくいでしょう。

また、LPIC-1は、試験を前半部分(101試験)と後半部分(102試験)を分けて、別日で受験できることも、実質的な難易度を抑えている要因だと考えます。

■参考記事:【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明

CCNAとAWS認定 クラウドプラクティショナーの難易度比較

CCNAと AWS認定 クラウドプラクティショナーの難易度を比較すると、CCNAの方が圧倒的に難易度が高いでしょう。

AWS認定 クラウドプラクティショナーは、AWSクラウドの基礎を学ぶ初心者向けの資格であり、AWSの基本概念(クラウドのメリットやセキュリティなど)や、AWSサービスを理解する資格であり、CCNAのような実践的な知識は不要です。

必要な勉強時間は、CCNAの方が、5倍程度は必要になるかと思われます。

CCNAとITパスポートの難易度比較

CCNAと ITパスポートの難易度を比較すると、CCNAの方が圧倒的に難易度が高いでしょう。

ITパスポートは、経済産業省が認定する、ITの基礎知識を学ぶ国家資格であり、試験範囲は浅く広いといった特徴があります。どちらかというとエンジニア向けではなく、非エンジニア向けの資格です。

周りの友人を見て、エンジニアではなくても、ITパスポートを取得している人は、時折いるのではないでしょうか?

ITパスポートは、基本的なITリテラシーを証明する資格であるため、学習の難易度はCCNAの方が数倍高いと言えます。

また、ITパスポートの合格率は、近年では約50%前後で推移しています。

CCNAとAWS認定 ソリューションアーキテクト アソシエイト(AWS SAA)の難易度比較

CCNAと AWS SAAの難易度を比較すると、両資格とも、同じ「ITSS レベル2」ではあるものの、個人的にはCCNAの方が難しいと思います。

AWS SAAも試験範囲は広く、AWSの基本概念(リージョン、AZなど)から、仮想サーバ(EC2など)、ストレージ(S3など)、ネットワーク(VPCなど)、DB(RDSなど)、セキュリティ(IAMなど)などを、幅広く学ぶ必要があります。

しかし、AWS SAAは、全ての問題が選択問題のみであり、CCNAの方が試験対策が難しいです。一から両資格を学習するとなると、AWS SAAよりもCCNAの方が、1.5倍は時間がかかる感覚です。

CCNAと基本情報技術者試験の難易度比較

CCNAと 基本情報技術者試験の難易度を比較すると、両資格とも、同じ「ITSSレベル2」です。

基本情報技術者試験はCCNAよりも試験範囲が幅広いため、得意不得意が分かれる可能性があり、また基本情報は学生受験も多いため、受験者層が幅広く、一概に難易度比較は難しいですが、難易度は同等に近いとも言えるでしょう。

ただし、基本情報技術者試験は試験実施日が年に2回(春期、秋期)と決まっているため、いつでも受験が可能なCCNAと比較すると、受験しやすさではCCNAの方がやさしいと言えるでしょう。

また、基本情報技術者試験は、近年の合格率は40%強程度で推移しています。

■参考記事:【おすすめ資格がわかる】インフラエンジニアの資格、難易度一覧

CCNA合格率の高め方、効率的な勉強方法

CCNA試験は前述のとおり、試験範囲が広いため、適切に学習を行わないと、合格まで非常に時間がかかる試験です。ここでは、CCNAを学習したい人に向けて、効率的な勉強方法を説明していきます。

最初は、参考書や動画講座で、基礎を学ぶ

CCNA学習において、効率的に学習するためには、まずはネットワークの基礎について、参考書などを使って学んでいくことが大事です。

ただし、CCNAは試験範囲が非常に広いため、全てを細かく覚えていくと、際限がなくなり、効率が落ちる印象です。むしろ、最初は重要ポイントだけでよいので、しっかりおさえて、全体感を把握していくことが重要です。

重要ポイントを素早くおさえるには、参考書がおすすめです。参考書には重要ポイントが明記されています。しかし、参考書ではわかりにくく、時間をかけて学習を進めたい場合は、動画講座も有効な学習手段です。

参考書を読むだけでなく、問題を解くことが大事

CCNAの学習における、勉強効率が上がらないよくある例として、「参考書が完全に理解できるまで、問題を解かない」というのがあります。問題を解くのが遅れると、学習効率が下がりやすいと言えます。

結局は、問題を解かないと、試験問題は解けるようになりません。結果、試験の出題傾向に対応ができません。CCNA学習は、とにかく問題演習を行い、問題集を使って問題を解き、ひたすらアウトプットしていくことが重要です。

CCNAの学習時間においては、おおよそ6-7割程度の時間は「問題演習」に使うと、試験対策としてスムーズに進みやすくなるでしょう。

■参考記事:【2025】初心者でも合格!CCNAのおすすめ参考書、問題集

シミュレーション問題対策を、しっかり行う

現在のCCNA(200-301)試験では、シミュレーション問題が含まれています。シミュレーション問題は、Cisco機器を設定するスキルが求められるため、実機もしくはパケットトレーサなどで対策を行うのが重要です。

試験まで時間がなければ、Web問題集のPing-tにおける「コマ門プレミアムCCNA(200-301)」と「簡易シミュレータ(Switch、Router)」でも、簡易に対策が可能です。

また、CCNAの具体的な学習やシミュレーション問題対策について、詳しく知りたい方は、別記事の「【初心者、未経験者、独学可】CCNAのおすすめ勉強方法」をあわせてお読みください。

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難易度が高いCCNAは、取るべき?いらない?

CCNAは、ネットワークエンジニアの基礎知識を証明する資格として、非常に有名かつ人気です。しかし、CCNA試験は初級者向けとは言っても、難易度は決して低くはありません

むしろ難易度は相応高く、年々難しくなっています。特に未経験者がCCNAを取得するには、200-300時間程度の学習時間が必要です。特に、仕事や学業と並行して勉強する場合は、負担が大きいとも言えます。

また、CCNAは受験料も高額であり、1回の受験料で46,860円(税込)です。受験料以外にも教材コストも必要となり、あわせて一発合格できなければ、再受験料も再度大きな負担となります。

ゆえに、難易度や勉強時間、受験料のことを考えると、本当に取るべきなのか?と考えてしまう人もいるでしょう。しかし、以下のような人にとっては、CCNAは勉強時間や受験料以上の取得メリットがあるでしょう。

■CCNAを是非とも取るべき人:
・ネットワークエンジニア(もしくはインフラエンジニア)を目指している人
・ITインフラ系の分野で、キャリアアップを目指している人
・ITインフラ系の分野で、年収アップを目指している人
・ITインフラ系の分野で、将来転職を考えている人

ネットワークエンジニア(もしくはインフラエンジニア)を目指している人

CCNAは、ネットワークエンジニアの運転免許証とも言われるほどの知名度があり、ネットワーク関連の仕事に就くなら、CCNAはほぼ必須に近い資格と言えます(ただし、学生の新卒就職では、CCNAは不要です)。

ネットワークエンジニアとしての実務経験がなくても、CCNAを取得することで、「ネットワークの基礎知識があること」、「ネットワークエンジニアになりたい覚悟」が、強くアピールできます。

また、インフラエンジニアであっても、ネットワークの基本知識は求められます。サーバ、OS、ネットワーク、セキュリティは密接な関係であり、CCNAを学ぶことで、インフラエンジニアも目指しやすくなります

ITインフラ系の分野で、キャリアアップを目指している人

ネットワークエンジニアなど、ITインフラ系分野の従事者でキャリアアップを目指す人は多数います。設計構築に携わりたい、日勤の運用に携わりたいなど、キャリアアップを目指す理由は様々です。

一方で、キャリアアップを目指すためには、他候補者と差別化を図り、キャリアアップできる環境を手に入れなければいけません自分自身が、選ばれる状況を作る必要があります

CCNAは、ネットワーク基礎知識の証明となります。また学習することで、実務に直結するスキルも身につき、他候補者と差別化を図ることができます

また、案件配属時においては、「CCNA必須、CCNA保持者歓迎」などの案件も多いため、CCNA取得者は優遇されやすいです。ITインフラ系分野において、CCNAは、キャリアアップの大きな武器となります。

ITインフラ系の分野で、年収アップを目指している人

ITインフラ系の分野で年収アップを目指すには、CCNAなどの資格取得も非常に有効です。

CCNAの資格取得の場合は、資格手当は月5,000~10,000円程度の企業が多いですが、CCNAを取得することで、上流工程にステップアップできる可能性が大きく上がり、上流工程に携わることで年収が大きくアップしやすいです。

ネットワークエンジニアの年収は、「何ができるか(どのレベルのスキルがあるか)」で大枠が決まる傾向があります。具体的な年収モデルは、以下図のようになります。

CCNAを取得することで、上流工程に携わり、上流工程に携わることで、経験・スキルや市場価値を身につけることができ、結果的に、年収を大きく高めていくことができます。

ITインフラ系の分野で、将来転職を考えている人

CCNAは、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして、将来転職を視野に入れている人にとっても、大きく役立つ資格です。

ITインフラ分野では、実務経験が一番評価されるのは事実です。とはいえ、CCNAといったITインフラ系の主要資格取得は、転職活動において、大きな評価対象です。資格取得の有無によって、他候補者と差別化が図れることも多いです。

ITインフラ系の転職活動においては、少々の経験の差であれば、資格取得で逆転できることは、非常によくある話です。

■参考記事:【断言します】CCNAは転職・就職で非常に有利になる資格です

さいごに

CCNAは、ネットワークの初級資格ではあるものの、初心者にとっては決して簡単ではない資格です。しかし、適切な学習を行い、勉強を継続できれば、独学でも十分に可能な資格です。

特に、IT未経験者は200時間以上の学習時間を確保し、模擬問題をたくさん解くこと、さらにパケットトレーサなどを活用し、実践的な練習も行うことが、CCNA取得の大きな力となります。

また、CCNA取得には、多くの学習時間や高額な受験料などのコストがかかりますが、コストを大きく上回るメリットがあり、コストパフォーマンスが優れた資格です。

CCNAを取りたい方は、ぜひ計画的に勉強を行い、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを築いてください。

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