職業訓練でインフラエンジニアになれる?メリット、デメリットも解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

ITスクールは通学すると数十万のお金がかかるため、金額が高くて、なかなか手が出せない。そんな方には、ほぼ無料で勉強ができるかつ、条件を満たすと給付金ももらえる職業訓練は、強い味方だと思います。

そのような職業訓練ですが、実際に職業訓練を受けると、インフラエンジニアになれるのでしょうか?メリット、デメリットは何があるのでしょうか?

私は職業訓練校の就職講師経験もありますので、職業訓練からインフラエンジニアになることについて、現実的な話を含めて、説明をできればと思います。
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目次

職業訓練校とは

職業訓練校は、主に国や自治体、また公的機関から職業訓練を受託する民間企業が運営する訓練施設であり、ざっくり大きく分けると、大きく2つあります。

・公共職業訓練(もしくは離職者訓練):主に雇用保険を受給している人向け

・求職者支援訓練:主に雇用保険を受給できない人向け

IT系の公共職業訓練は、やや期間が長いことが多く、3か月から2年で設定されておりますが、6か月か1年くらいの訓練がやや多いかなと思います。

IT系の求職者支援訓練は、やや期間は短めで、2か月から6か月で設定されておりますが、3か月か6か月の訓練が多いかなと思います。

その他「障害者訓練」、「学卒訓練」、「高度職業訓練」などもありますが、基本的には上記の2つがメインと思ってもよいかと思います。

職業訓練のインフラエンジニアのコース例、学べる内容

コースによって、学ぶ内容、学び方、取得できる資格が異なる

インフラエンジニアの職業訓練コースは、ざっくり分けると、大きく2つのコースがあります。

・サーバーエンジニア系の訓練(サーバー、クラウドエンジニアコースなど)

・ネットワークエンジニア系の訓練(ネットワーク、セキュリティエンジニアコースなど)

また上記2つの訓練をあわせて、サーバー・ネットワーク構築を一緒に訓練するコースなどもあり、訓練機関によって得意なコースがあります

コースの内容は、訓練機関によって異なりますし、また訓練のタイミングによってもコースが変わることもありますので、お近くの訓練機関の中でどのようなコースがあるのかを調べるとよいでしょう。

ハローワーク職業訓練検索

また、学び方については、期間は「3か月から6か月のコース」が多く、あわせて「通学型」と「通信型(イーラーニング)」があり、最近はイーラーニングを用いた通信型も少し増えてきたかなと思います。

ただ、コースによっては、学ぶ範囲や、取得できる資格が異なりますので、インフラエンジニアとして就職を考えている場合は、CCNAかLPIC(もしくはLinuC)取得を目指せる訓練校を選んだ方が、間違いなくおすすめです(インフラエンジニアに求められる知識をカバーできる資格取得が、一番よいと思います)。

やはり学ぶ内容や資格は就職に影響しますし、取得できる資格というのは、結構参考にした方がよいと思います(幅が広すぎる基本情報技術者試験や、やさしすぎるITパスポートなどの資格取得の場合は、就職のことを考えると、ベストではないと思います)。

また、資格取得を目指さない訓練校もあります。資格取得を目指さない訓練校は、学習が甘い傾向がありますので、就職のことを考えるのであれば、資格取得を強く求めてくる職業訓練を選ぶ方がおすすめです。

あわせて、CCNAやLPICなどの資格取得については、別記事で

「【断言します】CCNAは転職で非常に有利になる資格です」「LinuC(LPIC)は転職・就職でどれくらい有利?取るべき人と不要な人とは」で説明しております。

またCCNAとLPICで悩んでいる方には、「CCNAとLPICは、どっちを取るべき?需要や難易度等を説明します」で説明しておりますので、興味がある方は、あわせてお読みください。

職業訓練のインフラエンジニアコースは、東京などの大都市が中心

インフラエンジニアの職業訓練が行われているコースは、やはり東京などの大都市が多いですね。

理由は、インフラエンジニアの就業場所自体が、企業本社やデータセンターなどがある場所となるため、職業訓練もインフラエンジニアの就業先(会社の本社が多く存在する大都市)が中心となっています。

ゆえに、大都市圏ではない場合、インフラエンジニアの職業訓練は少ないかも知れません。

職業訓練で学ぶメリット

メリット①:ほぼ無料でインフラ技術を学ぶことができる

やはり職業訓練で学ぶメリットは、「ほぼ無料で学べる」ことが一番でしょう。基本的に受講料は無料であり、必要なお金は教科書代(おおよそ1-2万円が多い)と資格受検費用くらいです。ほぼ無料でインフラ技術を学べるのは大きなメリットといえます。

メリット②:条件を満たすと、給付金が支給される

職業訓練を受ける場合、条件を満たす場合、給付金や手当が支給されます。給付金などの額は、前職の給与額などによって異なりますので、給付金などの額を知りたい、支給対象なのかを知りたい場合には、お住まいの最寄りのハローワークにご相談などをしていただくなどで、給付金について知ることが可能です。

メリット③:ハローワークや職業訓練校のあっせん求人などから、求人を紹介してもらえる

求人を自分で探さなくても、職業訓練校に未経験採用企業が来校したりしますので、求人を紹介してもらうことも可能です(ただし、絶対に求人を紹介してもらえる訳ではなく、自分で求人を探すことを求められることもあります)。

職業訓練で学ぶデメリット

デメリット①:職業訓練で訓練を受けても、インフラエンジニアになれるとは限らない

職業訓練を受講する前の面接など合格して、実際職業訓練を受けても、確実にインフラエンジニアになれるとは限りません

職業訓練の面接選考は、かなり緩いのが実状です。また、訓練の定員が満たされない場合は、ほとんどの方が面接選考に合格する(職業訓練の参加人数で、職業訓練校の収益が変わる)ため、インフラエンジニアとしての就職が難しい方も、実際職業訓練に合格し、訓練を受けたがインフラエンジニアになれない、ということは、非常によくあることです。

デメリット②:給付金対象の条件が厳しく、給付金がもらえないことも多い

給付金をもらうための条件は、正直かなり厳しいといえます。職業訓練の給付金は、もらえたらラッキーと思った方がよく、給付金をあてにして職業訓練を希望すると、生活が苦しくなる可能性もあります。

例えば、ハローワークの職業訓練受講給付金は、下記全てを満たすと、支給の可能性があります。

・本人の収入が8万円/月以下[1]

・世帯全体の収入が25万円/月、なおかつ300万円/年以下[1][2]

・世帯全体の金融資産が300万円以下[2]

・現住地以外に土地や建物を所有していないこと

・全訓練日に出席しているか、やむを得ない事由で欠席があった場合でも支給申請の対象となる訓練機関の8割以上に出席していること[3]

・同世帯の中に同時に給付金を受給して訓練を受けている人がいないこと

・過去3年間に虚偽申請などの不正で、特定の給付金の支給を受けたことがない

引用元:厚生労働省(就職支援・給付金などについて知る) https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/

職業訓練で給付金をもらいたい、給付金がないと生活できないなどの方は、自分自身が「支給対象か、否か」をしっかり確認して受講を目指すことをおすすめします。

デメリット③:訓練校、コースによっては、就職有利な資格取得を目指さない

「就職有利な資格取得」を目指すか、目指さないかは、個人的な意見として、相当大事なポイントであり、インフラエンジニアとしての就職率はもちろん、年収や仕事内容などにも直結します。

また就職率を提示している訓練校も多いですが、就職率は「インフラエンジニアの職業訓練を受けて、インフラエンジニアに就職した率ではありません」(職業訓練校の訓練の請け方、契約形態によって異なりますが、基本的にはエンジニアではない職種での就職も、就職率として算出されております)。

※よくある例としては、「雇用保険適用であれば就職として計算(アルバイトも可」や「3か月以上の雇用が見込まれる場合は就職として計算」などとされる仕組みですので、就職率を参考にしすぎると、失敗してしまうかも知れません。

デメリット④:基本的には、卒業後3か月以内に、転職先に入社をする方向となる

人によっては「訓練校卒業後、3か月以内に入社」というのもネックになるかなと思っています(3か月以内に内定ではありません、入社です)。

職業訓練校は、卒業から3か月以内に入社し、3か月以内に「雇用保険が支払われている状態」となってもらうことで、利益が上がる構造になっています。ゆえに、訓練中に資格が取れなかった場合は、資格を取らずに就職をすすめられることもあり、正直あまりよろしくない就職をすすめる訓練校もあるなと感じています(全部の訓練校がそうではなく、一部です)。

職業訓練を受けて、インフラエンジニアになれるのか?無駄なのか?

職業訓練を受ければ、確実に未経験からインフラエンジニアになれるのかというと、そうではないのが事実だと思っています。

特に私が見てきた限りでは、やはり年齢の壁はとても大きく、20代の方はインフラエンジニアになれる人が多いですが、30代前半だとエンジニアになる人も相応いますが、人によりけり。30代後半からはインフラエンジニアなれない方が大きく増えるかなという印象です(あくまで、正社員のインフラエンジニアとして就職する、という観点です)。

だからといって、職業訓練は無駄なのか?というと、無駄とは思っていません。基本的には離職者でないと受講は難しく、なにかと制限もありますが、ほぼ無料でインフラ技術を学べるので、離職中であり、スクールに通うための費用がない方にとっては、お住まいの近くに職業訓練がタイミングよくあれば、メリットは多いと思っています。

無料でインフラエンジニアになりたい方へ

インフラエンジニアになりたいけど、職業訓練の受講対象ではない(現職中の方など)。スクールに通うお金がないけど、インフラ技術を勉強したいという方に、当社ではインフラを勉強し、インフラエンジニア転職をサポートする「インフラエンジニア特化型リスキリング正社員転職」を無料で提供しておりますので、もしご興味があれば無料相談からご相談をいただければと思います。

また、独学でCCNAを取得してネットワークエンジニアになりたい方は、私どもでもCCNAの無料取得支援&転職支援も行っておりますので、興味があればご相談・ご登録頂けますと幸いです。

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