インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違い|未経験はどっち?年収・将来性を徹底比較【2026】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違いは何?
未経験ならどっちから目指すべきか?
年収や将来性に差はある?

よく比較される2つの職種ですが、本質的な違いは「職種や技術の優劣」ではありません。価値の出し方やキャリアの積み上げ方に違いがあります。

この記事では、仕事内容・年収構造・キャリアパスを整理しながら、未経験が「再現性高く成長できるキャリアステップ」を解説していきます。

自分はどの順番で進むべきか、構造から理解していきましょう。

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

【結論】未経験は原則「インフラ」から。ただし環境により例外あり

未経験からクラウドエンジニアを目指すなら、結論、最初は「インフラエンジニア」から始めるのが最も再現性が高く、王道です。

ただし、目指す企業のタイプや、自身の学習状況などによっては、一部「クラウド直行」も可能です。まずはこの「構造」を正しく整理していきましょう。

なぜ未経験には「インフラ」が推奨されるのか?

理由は、インフラ基礎スキルを体系的に積み上げることで、活躍の再現性が高くなるためです。

未経験者の最大の壁は「クラウド資格の学習難易度」ではありません。OS(Linux)やNW、セキュリティなどのインフラ知識がないと「抽象度の高いクラウドの世界では、何もできなくなってしまう」ことです。

クラウドはクリックでサーバーを立てられますが、その裏側では以下のような「インフラの基礎」が利用されています。

・OS、ミドルウェア(サーバー)
・IPアドレス、DNS、ルーティング、セキュリティグループ(ネットワークの基礎)

これらの土台を理解せずに資格だけを取得しても、現場でトラブルが起きた際、「なぜ動かないのか?」という根本原因が理解できません。

クラウドは物理インフラが仮想化に置き換わっただけで、ネットワークやOSの原理そのものは変わりません。だからこそ、インフラの基礎を理解している人ほどクラウドの理解も速く、市場からも強く求められます。

企業構造で見る「どっちが入りやすいか」

あなたが目指す企業のタイプによって、採用の「構造」が全く異なります。

①SIer型企業 → インフラ経由が基本

日本のIT市場の多くは、SIer(システムインテグレーター)・SES構造 です。この場合は「未経験→運用監視→構築→設計/クラウド」というステップアップが王道です。

つまり、インフラから入る前提の教育モデル になっています。

Web系企業・CIer→ クラウド直行の可能性あり

自社サービス企業、CIer(クラウドインテグレーター)などでは、最初から AWS・GCP中心の環境 というケースがあります。

しかし、クラウド直行は「簡単」ではありません。「要求水準が高い代わりに、最短距離で成長できる」という世界です。Linux、NW基礎、Git「どっちが上か」ではなく、「どの順番で積み上げるか」が、将来の年収と市場価値を決めます。、Docker、IaCなどを一定レベルで自走できることが「クラウド直行」の最低条件となっている傾向です。

補足:新卒・スタートアップは例外枠

「新卒採用で育成枠がある」場合や「創業初期で何でも屋ポジション」といった環境では、クラウド中心でキャリアが始まるケースもあります。ただしこれは 市場の主流ではない 点に注意が必要です。

結論:あなたの目的に合わせて選ぶ

「今の自分の準備状況と、入社後にどうなりたいか」という観点で選びましょう。

・【再現性 高】安定して着実にステップアップしたい → インフラから
・【難易度 高】爆速成長をしたい → クラウド直行も視野に

少しでも迷うようなら、再現性が確実に高い「インフラから」進めると、環境が変わっても通用する基礎を持て、つまづきを最小限にしながら、市場価値も安定させることができます。

「どっちが上か」ではなく、「どの順番で積み上げるか」が、将来の年収や市場価値を決めます。

【比較一覧】インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違い

インフラとクラウドの違いは「どちらが上か」ではなく、「どのレイヤーを担当するか」の違いです。

インフラ vs クラウド 比較一覧(2026年版)

比較項目インフラエンジニアクラウドエンジニア
担当範囲サーバー・ネットワーク・オンプレ機器AWS・GCP・Azureなどクラウド基盤
主な環境データセンター、社内サーバー、物理機器パブリッククラウド環境
抽象度物理寄り(ハード中心)論理寄り(ソフト中心)
未経験難易度比較的入りやすい高い(基礎力前提)
年収レンジ350万〜700万前後450万〜900万超
働き方上流ほどリモートが増えるリモートが多い
工程範囲運用→構築→設計設計→自動化→最適化
商流傾向SIer・SES多めWeb系・自社・CIerも多い
将来性安定・需要継続高成長・市場拡大中
必要資格CCNA、LPIC/LinuCなどAWS SAA、GCP、Terraformなど

「抽象度」の違いを理解する

ここで注目して欲しいのは、「抽象度」の違いです。

インフラエンジニア:
物理的な「機器」や「配線」といった、ITの土台に触れます。「実体」があるため、機器を触りながら概念を学べるのが利点です。

クラウドエンジニア:
物理的なハードウェアを意識せず、コードやAPIを通じてインフラを構築・管理します。そのため、「プログラミング的な思考」や「自動化」への適性も強く求められます。

未経験が注意すべき「落とし穴」

多くの未経験者は「年収」や「リモート可」などの条件でクラウドを志望しがちですが、「クラウド=高年収=勉強が楽」というわけではありません。

クラウドエンジニアは、インフラの基礎知識に加えて、豊富なサービス(EC2やVPC、RDSなど)やツール(IaCやコンテナ技術など)を使いこなす必要もあります。

インフラの土台がないままクラウドに飛び込むと、応用が利かず「運用作業から抜け出せない」というキャリアの落とし穴も少なくありません。

だからこそ、まずはインフラという「土台」で実務経験を積み、そこからクラウドへステップアップするのが、最も王道であり、結果的に市場価値を高く保てるキャリア戦略と言えます。

それぞれの職種そのものを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を解説

仕事内容の違いを工程で整理する

インフラとクラウドの違いは、「物理か仮想か」だけではありません。同じ「設計・構築・運用」という工程でも、扱う「抽象度」や「価値の出し方」が異なる傾向です。

① 設計フェーズ:何を前提に設計するか

インフラは「制約の中で最適化」、クラウドは「可変性を前提に設計」と捉えるとよいでしょう。

インフラエンジニア
物理的な機器(ラック配置、回線、機器の性能)と向き合い、決められた制約の中で、壊れない最適解」を組み立てます。

クラウドエンジニア
スケーラビリティなどを重視します。「将来的な負荷の変化を前提に、コードで柔軟に拡張できるか」という論理設計や、「障害が起きても自動復旧できる構成」を前提に設計する点も特徴です。

② 構築フェーズ:手で作るか、コードで作るか

インフラは「構築作業の正確性」重視、クラウドは「構築プロセスの自動化」も含まれます。

インフラエンジニア
OSやミドルウェアを一つひとつ設定します。正確性が求められる領域です。

クラウドエンジニア
TerraformやCloudFormationといった「IaC(Infrastructure as Code)」を使い、環境をコードで定義します。再現性や高速化などに価値あり。

③ 運用・自動化フェーズ:守るか、最適化するか

インフラは「安定重視」、クラウドは「最適化」も含まれる傾向です。

インフラエンジニア
監視、障害対応、定期メンテナンスが中心。安定稼働を守ることが最重要。

クラウドエンジニア
コスト最適化やパフォーマンス改善、自動化ツールの導入などまで担うことが増え、「運用負荷を減らし、自動で動く仕組みを作るか」という攻めの運用も求められます。

重要なポイント:インフラとクラウドは「地続き」

インフラとクラウドは完全なる別職種ではありません。クラウドはインフラの一部であり、「地続き」があります。

クラウドへの基本キャリアパス: オンプレ基礎 → 仮想化 → クラウド → 自動化 → SRE

だからこそ、インフラの基礎がある人ほどクラウドでも伸びやすく、逆に基礎がないと、クラウドサービスの使い方を覚えるだけの作業者で止まりやすくなります。

結論として、未経験が選ぶべきなのは「どっちが上か」ではなく、「どの工程から積み上げれば、自分の市場価値が最大化されるか」という戦略視点です。

年収が変わる理由は「職種名」ではなく「構造」

「クラウドの方が年収が高い」とよく言われます。実際に年収の差が数百万つくケースは少なくありません。しかしこの年収差は、職種名ではなく、働く環境や付加価値といった「構造」から生まれます。

この構造を理解せずに、ただ「クラウド案件」に飛び込んでも、期待していた「年収アップ」は得られません。商流が深く、運用中心のクラウド案件に入れば、年収はインフラと変わらないことは珍しくありません。

ここでは年収を大きく左右する「3つの変数」を整理していきます。

① 商流:どの位置にいるか(元請けか、下請けか)

IT業界には多重下請け構造が存在します。元請けに近いほど単価は高く、下請けになるほど中間マージンが発生し、給与の取り分は減ります。

インフラ系
構造の深い「二次・三次請け」で採用や配属されるケースが多く、単価が抑えられがちです。

クラウド系
クラウド案件は、自社サービス企業や内製化企業など「商流が浅い」環境が多く、結果として個人の報酬が高くなりやすい傾向です。

つまり、クラウドだから高いわけでなく、商流が浅い構造にいることが多いから、年収が高く見えることも多いです。

② 工程:どの領域を担当しているか

「運用・監視」に特化しているのか、「設計・構築・改善」まで手がけるのか。この工程の差は年収に直結します。

運用・監視
「決められた手順を守ること」が重要。「守りの分野」で裁量が小さいため、年収は伸び悩む傾向です。

設計・自動化
ビジネスの利益に直結する「攻めの分野」にも該当するため、企業が多額の報酬を支払うと言えます。

年収を決めるのは、「何を触っているか」より「どの工程を担当しているか」です。

③ 自動化スキル:付加価値の源泉

ここも重要です。クラウド領域で年収が高い理由は、単にクラウドサービスを使えるからではありません。

クラウド領域では、IaCやCI/CDといった自動化スキルによって、「少人数で大規模環境を安定稼働させる仕組み」を作れるためです。

この「自動化=コスト削減+生産性向上」というわかりやすい価値を提供できる人材だからこそ、高い報酬が得られます。

結論:年収を上げるための「キャリアの掛け算」

年収は「商流×工程×自動化スキル 」といったキャリアの掛け算が大きく影響します。

つまり、単に「クラウドエンジニア」という肩書きを得るだけでなく、「上流工程を任され、自動化を武器に、商流の浅い企業へ移動する」ことが、年収を最大化するロードマップです。

ゆえに未経験者が考えるべきことは「インフラかクラウドか」という二択ではなく「今の自分の状況から、どうやって高年収構造へ移行するか」というキャリア戦略です。

インフラエンジニアからの具体的な年収の上げ方については、以下記事が参考になります。

→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|商流と役割で決まる現実

未経験はどっちから目指す?再現性で考えるキャリア戦略

結論は、「再現性の高いキャリア」を選ぶならインフラからです。 しかし、すでに一定の学習準備などが整っているなら「クラウド直行」も不可能ではありません。

ただし重要なのは、「どちらが上か」ではありません。自分がどっちから入ると、再現性高く成長できるかです。

① いきなり「クラウド直行」は本当に可能?

可能ですが、再現性は高くありません。特にWeb系やCIerでクラウド直行を目指す場合、独学レベルでの基礎理解だけでは足りないことが多いのが実情です。

採用側が評価するのは、以下のレベルなどを踏まえた「自走力」です。

「動くもの」を作った経験: Webアプリケーションをクラウド上にデプロイし、動作させている
トラブルシューティング力: エラーに対し「自力で解決した記録」をブログやGitHubに残している
Infrastructure as Code (IaC) : Terraformなどで環境を構築した経験など

実際、未経験からクラウド直行で採用される人の多くは、ポートフォリオや個人検証環境を持っています。それでもなお、インフラ経験者が集まり、競争倍率も高いため不採用になるケースは珍しくありません。

つまり、クラウド直行は「努力量」よりも「競争構造」と戦うルートです。

② 最も再現性が高い「王道ルート」

一方で、多くの未経験者にとって現実的なのは、「インフラ→クラウドエンジニア」という積み上げ型の王道ルートです。

■未経験からクラウドへの王道ルート:
インフラ基礎(運用・監視):現場のインフラでトラブルシューティングの経験を積む
構築フェーズ:設計・構築に携わり、オンプレ/仮想環境の全体像をつかむ
クラウド設計+自動化:インフラ経験を武器に、クラウド設計や自動化(IaC/CI/CD)へ

この順番なら、土台となる「インフラの知見」があるため、どんな環境でも求められるエンジニアになれます。遠回りに見えて、結果的に最短になるケースが多いのがこのルートです。

土台がある分、クラウドへの理解速度が速くなり、結果的に上流へ到達するスピードも安定し、商流・工程・自動化といった「年収を高める構造」にも自然に乗りやすいのが強みです。

キャリアパスは対立ではない、「連続」している

インフラとクラウドは、別物の職種ではありません。キャリアは「地続き」しています。

多くのエンジニアは、「インフラ基礎→構築・設計→クラウド→自動化・SRE」というキャリアパスをたどります。

「インフラ」から始めて「クラウド」で専門性を高める。この王道キャリアの概要については、以下記事を参考にしてください。

→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス|運用から設計・クラウドへ

自分のルートを選ぶために

着実に実力を積み上げたい方:
まずはインフラの基礎固めからスタートしましょう。 ロードマップは以下記事が参考になります。

→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?失敗しないロードマップと企業選び

学習済みかつクラウド現場を狙いたい方:
クラウド特化のロードマップを参考にしましょう。

→関連記事:クラウドエンジニアへのロードマップ|未経験からの転職手順と5ステップ解説

迷ったら、再現性の高いルートから始める。これが未経験者の最適解です。

【自己診断】あなたはどっち向き?適性チェックリスト

ここまで読んでも「結局、自分はどっちがよいの?」と迷っている方もいるかもしれません。最後に、あなたの適性や価値観に合わせて、どちらのスタートが向いているか判断してみましょう。

向いている人の特徴まとめ

項目インフラ向きクラウド向き
成長スタイル積み上げ型積み上げ+加速型
技術志向原理理解・土台重視自動化・効率化重視
働き方安定志向変化志向
キャリア初期再現性重視競争前提
学習の特徴基礎を深く理解する基礎+サービスを広く横断
リスク許容度低〜中中〜高

適性はあくまで傾向です。最終的に重要なのは、「どの順番で土台を積み上げるか」です。クラウドも結局はインフラの延長線上です。

また、そもそもインフラ系のエンジニアに向いているのか?に不安がある方は、以下記事が参考になります。

→関連記事:インフラエンジニアに向いている人の特徴|未経験でも適性が分かる診断付き

まとめ|インフラかクラウドかではなく「順番」で考える

インフラエンジニアとクラウドエンジニアに「優劣」関係はありません。実際の違いは「価値の出し方」や「競争構造」などです。また両職種のキャリアは地続きであり「連続」しています。

ゆえに未経験者にとって重要なのは、どちらが上かではなく、どの順番でレイヤーを上げるかです。

再現性を重視するならインフラから。準備が整っているならクラウド直行も選択肢と言えます。

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→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス|運用から設計・クラウドへ

どちらを選ぶにしても、最初の環境選びでキャリアの伸び方は大きく変わります。もし迷っているなら、まずは「1社目」の選び方を整理することから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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