【勉強体験記】LPIC Level1に1ヶ月弱で初心者が合格した勉強方法

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

本記事は、初心者がLPIC level1を、1ヶ月(100時間)の勉強計画で挑戦し、平日の仕事終わりと、土日に勉強をして合格をした体験記です。

結論としては、1ヶ月弱(94時間)でLPIC level1合格となりましたが、本記事は試験対策に集中するため、実機を使っての学習をしていません(LPIC取得後に、実機を使って勉強しようとして考えていました)。

ゆえに、あまり面白い勉強のやり方ではないかつ、個人的な見解も多く含まれますが、短期間でLPICの合格ができれば、その後の時間をLinuxOSを触って勉強できると思いますし、とにかく最短でLPICを合格したい方、資格取得後に手を動かして勉強したい方の参考になればと思っています。

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目次

筆者の勉強開始時の、LPIC知識レベルは初心者

まず簡単に、受検前の筆者の、LPIC知識レベルを説明します。

  • 文系出身の非エンジニアであり、LPIC出題範囲レベルの知識は、95%なし
  • 昔VirtualBoxでLinuxの仮想環境を作ったことはあったが、コマンドを叩いたことはない
  • レンタルサーバーを借りて、HTML、CSS程度は軽く触っていたので、IT学習には抵抗なし

正直、ほとんど初心者であり、LPICの出題範囲は95%わからない状態からのスタートでした。

知っていた5%は何か?というと、IT転職エージェント経験者なので、クラウドサービスとは(SaaS、PaaS、IaaSの違いなど)や、pingコマンドを知っていたレベルです。

※もちろん、自作PCの経験などもありません。

ただ、知っていた5%の知識が「仮になかった場合(100%わからない状態)」でも、100時間あれば合格できたかな、とも考えています。

筆者(初心者)のLPIC Level1合格までの勉強時間は、1ヶ月弱(94時間)

知識ゼロからLPIC Level1合格までは、100-200時間が目安とも言われますが、私は100時間でガッツリ勉強して、合格できるか?どの程度の点数になるか?に挑戦してみました。

まずざっくりとした勉強計画として、LPIC101を2週間(50時間)、LPIC102を2週間(50時間)の、計100時間で合格しようと考え、結果として下記となりました。

LPIC 101は、勉強時間50時間で、720 / 800点

LPIC101は、2週間かけて、50時間勉強を行い、720点で無事に合格しました。

LPIC101の合格点は500点なので、少々勉強をしすぎたかなと考え、LPIC102は少し省エネモードで、勉強時間を短くしてみました。

LPIC101の具体的な勉強については、別記事の「LPIC101とは、概要から未経験2週間で合格した勉強法までを解説」に記載していますので、興味があればあわせてお読みください。

LPIC 102は、勉強時間44時間で、590 / 800点

LPIC102は、2週間弱かけて、44時間勉強を行い、590点。LPIC102の合格点も500点なので、正直高得点ではないですが、合格できたので、一旦よしとしています。

LPIC102の具体的な勉強については、別記事の「LPIC102とは、概要から未経験2週間弱で合格した勉強法までを解説」に記載していますので、興味があればあわせてお読みください。

結果、私はLPIC101は、50時間勉強で、720点。LPIC102は、44時間勉強で、590点でしたが、あくまで私の場合です(もっと早く結果を出せる人は出せると思いますし、もっと時間がかかることもあるかも知れません)。

LPIC Level1の勉強方法(やったこと)

私が行ったLPIC level1試験の勉強方法は、下記3つのみです(よくわからない点は、インターネットで調べることはしていました)。

正直、下記3つがあれば問題なく合格もできますし、スピーディーに合格できるとも思っています。

    • 参考書:あずき本(Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応)
    • Web問題集(勉強サイト):Ping-t
    • 問題集:スピードマスター(LPICレベル1スピードマスター問題集: Version5.0対応)

■参考書:あずき本(Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応)

■Web問題集(勉強サイト):Ping-t

https://mondai.ping-t.com/g

■問題集:スピードマスター(LPICレベル1スピードマスター問題集: Version5.0対応)

逆にいうと、上記の3つ(特にPing-t)がなければ、100時間弱で合格できなかったと思っています。LPICの学習は、選択肢がたくさんあり、Ping-tだけで合格する人もおりますが、最短で合格をするなら、参考書(あずき本)、Web問題集(Ping-t)、問題集(スピードマスター)の3つだけに絞るというは、個人的にありだと思います。

合格して感じた、早期LPIC合格の勉強方法ポイント

問題集を中心に勉強(参考書は、ほどほどに)

参考書は、最初に読んで学ぶにはとてもよいですが、参考書ばかりを読んで、問題集に手をつけないという状態では、なかなか点数はあがりにくいと思います(インプットばかりでは、非効率です)。

ゆえに、1-2回程度でもいいので、参考書をサクっと読んだら、わからなくても問題集に挑戦し、「問題に慣れる」ことがおすすめです。

正直参考書をあまり理解しない中で、問題集を解くことは、気持ち的なしんどさはあると思います(おそらく、最初は90%の問題が解けない、わからないでしょう)。

ただ、あずき本といった参考書が、試験問題を全て網羅している訳でもないですし、問題集でたくさんの問題を解き、解説を見ることで、広範囲をカバーでき、スピーディーに知識が定着すると思っています(参考書を見てもわからないことが、問題集を解いてわかるようになることは、多いと思います)。

また、問題をたくさん解くことで、「この辺は大事なポイントだ、頻出問題だ」といった所を肌感でわかってきますし、試験レベルに慣れるというのも、とても大事だったと考えています。

実際、参考書を理解できるまで読み続けて、早い段階で問題集に手を出していなかったら、おそらく勉強時間は2倍ぐらい(200時間程)は必要だったんじゃないか、と思っています。

とにかく早く、よくわからなくても「問題集に手をつける」、というのは、気持ち的にしんどいですが、短期合格を目指すにあたっては、間違いないやり方だったと思っています。

Ping-tを繰り返すか、ノートにまとめる

LPIC合格に定評があるWeb問題集のPing-tですが、やはりPing-tを繰り返すことは知識定着には有用だと思っています。

Ping-tは、同じ問題を2回連続で正解すると金メダルになり、とにかく金メダルをたくさん取るというやり方は、王道といえば王道といえると思います。

ただ、Ping-tで全て金メダルにするのは、とても時間がかかりますので、私は大事なポイントをノートにまとめることを、1つのやり方としておすすめしたいと思っています(ノートでなくても、PCのメモ帳やWordなどでも問題ありません)。

私は手を動かさないと覚えが悪い人間なので、手を動かしてメモを取り、自分でノートにまとめることで、知識が早期定着したと考えていて、「ノートに書いてある内容を8-9割覚えていれば、間違いなく合格する」と思えるノートを作れれば、合格は近いと思っています。

※私はLPIC-1対策用に、下記のようなノートを2冊作成しました

ただし、勉強のやり方は「人それぞれの得意なやり方」があるとも思いますので、自分の得意な勉強スタイルでやっていいと考えています。

スピードマスターが5割くらい正答できれば、本試験を受けてもいいと思う

試験直前におすすめしたいのは、問題集の「スピードマスター(通称:白本)」です。

スピードマスターは正直、LPICの本試験問題よりも難しいですので、試験直前の仕上げとして利用するとよいと思います(Ping-tよりも先にスピードマスターに手を出すと、相当つらくなると思っています)。

スピードマスターを勉強すると、LPIC試験の自信をなくすかも知れませんが、5割ほど正答できるなら、本試験を受けてもよいレベルでしょう。

私は、101試験の受検前までは、合格の自信はあまりありませんでしたが、101試験を50時間で受検すると決めていたので、「不合格でも、仕方ない」と考え、自信がない中でテストセンターの予約をして、受検をしましたが、結果としてはよかったと思っています(合格する自信が得られるまで勉強していたら、当初想定の1.5倍以上、おそらく2倍くらいの時間がかかったと思っています)。

私は、スピードマスターは5割くらいしか正答できない中で、LPICの本試験を受検しましたが、LPIC101は720点、LPIC102は590点で合格しましたので、スピードマスターの正答率5割くらいが、合格の目安といえるのかも知れません(ただし、Ping-tをどの程度やり込めたか?によって、多少変動はあると思います)。

LPICは受検費用が高い(101試験、102試験、ともに15,000円)ため、「確実に合格できる自信がないと、受検しない」という方も、そこそこ多いですが、別に不合格でも恥ずかしいことではないですし、何度でも受けれる試験なので、15,000円の出費を投資と割り切れるなら、一定の知識で早めに受検する方が、気持ち的にもラクかなと思います(不合格だったら、自分の現在の知識レベルがわかるだけであり、私は15,000円の出費よりも、気持ちのラクさを取りました)。

勉強で挫折しないためのポイント

LPICの参考書や問題集の中身を、本屋で見てみた、買ってみた、独学をはじめてみた、という中で、「思っていたよりも難しい」と考え、心が折れて挫折する人は結構多いでしょう。

学習は、「はじめた最初(数日間や、1-2週間、また101試験合格まで)」が一番きついです。

よくわからない単語、理解できない文章、問題を解いても全く解けないなど、初心者には心を折る材料がたくさんあると思っていますし、特に101試験は、私にとっては少々つらかったですね(101試験に合格したら気持ちはラクになりますし、102試験の勉強は面白かったです。ただ101試験は、私は結構つらかったです。)。

そのような中で、早く合格するために、挫折しないポイントを説明します。

挫折しないポイント①:最初から「完全に理解しよう」、「完全に覚えよう」と思わないこと

参考書を読んで、「深い理解、暗記」をしなければいけない、と考える人は、「私は要領が悪いんじゃないか?」と思い込み、挫折しやすいかなと思っています(勉強はじめの私がそうでした)。

初心者のおすすめの学習方法としては、「なぜそうなるのか?」を、その都度考えすぎないことと、よくわからなくても「どんどん次に進むこと」がよいと思っています。

そもそも初心者の場合は、最初は「インフラの周辺知識」がありませんので、周辺知識がない中では、最初は「点で覚えていく」必要があります。

覚えていく中で、「点と点がつながって、線になる」瞬間が発生しますので、わからないことがあっても、「今は理解できなくても、後回しでいいかな」と考える方が、圧倒的に早く学習が進むと、振り返って感じています。

最初から「深い理解」や「完璧な暗記」は必要ない、と思い込む方が、学習スピードは早かったと思っています。

挫折しないポイント②:勉強中に「とにかく立ち止まらない」、「振り返りすぎない」

ITインフラの勉強をする時は、とにかく立ち止まらない、振り返って考えすぎないで、前に進めていくことがよいと思っています。

私は「立ち止まって考えたときに、学習効率が悪くなった」と振り返って考えています。

学習中に考えすぎずに、「そういうものなんだ」と割り切って受け止め、覚えていった方が、初期段階の学習は圧倒的に進みやすいと、勉強後に考えています。

インフラは「決まり切ったルールで成り立っている分野」であり、言い換えれば「ルールを学ぶ分野」です。

まずは「ルールをどんどん覚えていく」、「細かなことは気にしない」という姿勢で学び、とにかく次へ進んでいくことが大事だと思っています。

特にLPICは暗記が多い試験なので、細かなことは気にしない。英語学習だったら、基本的な英単語をたくさん覚えた方が、学習が早くすすむようなイメージで、なんとなくでもいいので、どんどん覚えて進めていく、というやり方が、スピーディーに合格するポイントだったと考えています。

挫折しないポイント③:本当に難しい問題は、捨てる勇気があってよい

LPICの試験は、1-2割くらいはどの問題集などにも載っていないような、激ムズな問題があるなと考えています。また、激ムズな問題まで正答しようとすると、正直時間がいくらあっても足りないかなと思っています。

LPICは500点とれば合格の試験ですし、おおよそ2/3正答すればよい試験です。つまり、1/3は間違ってもよいわけです。

私は、本当に難しい問題は、「解けなくてもよい」と考えて捨ててきましたし、その代わりに「絶対にミスをしてはいけない問題を、ミスしない」ように勉強してきました。それでも合格はできましたので、本当に難しい問題は、諦めて捨ててもよいと思っています。

LPIC Level1の勉強でやらなかったこと

LPIC Level1の勉強において、私がやらなかったことは下記です。

・実機を使って、動作確認

・Ping-tのコマ門

・クラムメディア

逆にいうと、上記はやらなくても、問題なく合格はできると思います。

ただし、実機で動作確認をしながら楽しんで学ばないと、あまり面白くはないですし、エンジニアになった後は「実機を触って学ぶ」ことが更に大事ですので、時間がかかってもよければ、「実機を触って勉強」をする方がよろしいかと思っています。

LPIC level1の過去問、頻出問題の例

LPIC level1はどのような問題が出るのか?のイメージがつかない方向けに、過去門、頻出問題の例を記載させていただきます(下記レベルの問題は、頻出レベルかつ、落としてはいけない問題かなと思います)。

問:起動時にカーネルが出力するメッセージをシステム起動後に確認するコマンドを2つ選択してください。

  1. kmesg
  2. systemctl
  3. dmesg
  4. journalctl
  5. lsmod

答え:3.4

解説:dmesgコマンドもしくはjournalctlコマンドを使うと、起動時にメッセージなどを確認できます。kmesgというコマンドはありません。systemctlはsystemdの管理コマンドであり、lsmodはカーネルモジュールの一覧を表示するコマンドです。

もう少し頻出問題に興味があるという方は、別記事の「LPIC level1の頻出過去問、試験問題(コマ門あり)とおすすめ問題集・参考書」に、LPIC101試験、102試験の頻出問題を記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。

LPICは意味ないのか?

インフラ系エンジニアは実務経験が重要であるため、資格の「LPICは意味ない、役に立たない」と言う人もおりますが、実際はどうなのでしょうか?

LPICは理解よりも暗記部分が多い資格であるため、資格を取得しても、スキルが追いついていない事はよくありますので、LPICは「取得しても意味ない、役に立たない」と言われる事も多い資格だと思います。

実際、手を動かしての勉強が好きで、実務にてインフラの設計、構築をスムーズに進められるようなスキルを持つエンジニアであれば、LPICはあまり意味がない(役に立ちにくい)資格であると言えます(資格が無くても、スキルが高いエンジニアは一定多いとも言えます)。

一方で、LPIC取得は下記に有利であることは間違いないと思いますので、下記に興味を持つ方には、LPIC取得はとても意味があり、取得メリットは高いと考えています。

・未経験者の転職・就職に有利

・運用保守、監視オペレーターから、構築へのキャリアアップ、夜勤シフトからの脱却に有利

・結果的に年収も上がりやすい

上記内容について、もう少し詳しく知りたい方は、別記事ですが「LPIC(LinuC)は意味ない?役に立つ?取得メリットとは」や、「運用監視オペレーターは、早めに辞めて転職すべき。将来性は低い。」をあわせてお読みください。

■補足記事:サーバーエンジニアになりたい人におすすめ勉強方法、時間、順番【未経験者向け】

無料でLPICを勉強して、エンジニア転職を考えている方へ

LPICの学習においては、無料のWebサイトなどの勉強教材もありますが、やはり有料の勉強教材と比べると、勉強効率は少し下がり、少々難易度が上がるのも事実かなと思っています。

エンジニアになりたいけど、お金がない。無料でLPICを勉強して、エンジニアになりたい、と考えていらっしゃる方には、「インフラエンジニア特化型リスキリング正社員転職」を、イーラーニング完結(通学不要)で、無料提供しております(経済産業省の事業のため、無料です)。

経済産業省の事業のため、一定の受講資格がありますが、興味がある方は上記URLからお気軽に、ご相談をお申込みいただければと思います。

以上となりますが、本記事が少しでもLPIC勉強中の方の役に立てれば、当方としても幸いです。

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