初心者でもわかる!ネットワークの勉強法とおすすめ本・サイトまとめ

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「ネットワークの勉強を始めたいけど、何から手を付けていいのか、わからない」、そんな悩みを抱えていませんか?

ネットワークの知識は、IT業界で働く上では、基礎中の基礎です。とはいえ、「専門用語が多くて、難しい」、「初心者には、ハードルが高い」と感じてしまう人が多いのも、事実です。

この記事では、ネットワークを始めて学ぶ人に向けて、「ネットワークの基本的な仕組み」や「勉強の進め方(ステップ解説)」、「初心者におすすめの本や参考書」、「無料で学べるサイトや動画」をまとめました。

まったくの未経験からでも、ネットワークの基礎を理解できる内容になっていますので、ネットワークの学習を始めたい方は、ぜひ参考にしながら、自分にあった勉強法を見つけてください。

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目次

ネットワークとは?初心者でもわかる基本知識

誰もが持っているスマートフォンやパソコンなど、コンピュータがインターネットにつながり、情報データをやり取りできるのは、「ネットワーク」という仕組みがあるためです。

ネットワークの基本を知ることは、ITを学ぶ上での第一歩とも言えるでしょう。ここでは、初心者の方でも理解しやすいように、ネットワークの定義や種類、身近なネットワークの例を説明します。

ネットワークの定義と種類:LAN、WAN、インターネット

まず、ネットワークとは「複数の機器が、通信によってつながっている状態」を指します。

例えば、家でパソコンとプリンタが無線でつながっている状態や、スマホがWi-Fiルータを通じて、インターネットに接続されている状態も、すべて「ネットワーク」に含まれます。

ネットワークは、主に以下のような種類があります。

LAN(ローカルエリアネットワーク)

「LAN」は、限られた範囲内(例として、家庭・オフィス・学校など)で構築される、小規模なネットワークのことを指します。

Wi-Fiでスマホやパソコンがつながっている家庭のネットワークは、まさにLANの代表例です。通信速度が速く、安定しているのが特徴です。

WAN(ワイドエリアネットワーク)

「WAN」は、より広いエリアをカバーするネットワークです。

たとえばインターネットは、世界中のネットワークをつなぐ超巨大なWANの一例です。LANとLANをつなげて構成するのが、WANの基本的な仕組みです。

インターネット

「インターネット」は、世界中のLANやWANを相互に接続した、最大規模のネットワークです。


私たちが日々使っているGoogle検索、SNS、動画視聴などは、すべてこのインターネット上のサービスを通じて実現されています。

身近なネットワークの例:家庭のWi-Fi・スマホ通信

ネットワークというと難しく感じるかも知れませんが、実は私たちの身の回りにたくさん存在しています。

■身近なネットワークの例:
・家庭のWi-Fi
・スマホのモバイル通信
・コンビニのコピー機や、自動販売機も

スマートフォンやノートパソコンが、家庭用のWi-Fiルータを通じて、インターネットに接続されているのは、まさにLANの典型です。ルータは、プロバイダ(通信会社)と接続しており、そこから世界中のインターネットにつながります。

また、スマホで4Gや5Gのモバイル通信を利用している時も、実は基地局を介したWANを通じて、インターネットにつながっています。モバイル通信は、LANより広域をカバーしますが、通信速度や容量に制限があるのが特徴です。

あわせて、最近のコンビニのコピー機や、一部の自動販売機もネットワークにつながっています。利用データを本部に送ったり、遠隔操作されています。こういった「IoT機器」も、現代のネットワーク社会を支える存在と言えます。

上記のように、ネットワークは私たちの生活に欠かせないインフラと言えます。難しく感じる用語や仕組みも、身近な例から理解していくと、意外にすんなり頭に入っていきます。

■関連記事:ネットワークとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明

ネットワークの勉強は何から始める?

ネットワークの勉強を始めたいと思っても、「どこから手をつければいいのか分からない」と感じる方は多いです。特に初心者のうちは、「用語が難しい」、「全体像が見えない」ことで挫折してしまうケースもあります。

ここでは、ネットワークの勉強をスムーズに進めるための3つのステップをご紹介します。順番通りに進めれば、無理なく基礎を身につけることができるでしょう。

ステップ1:ネットワークの基本用語を理解する

まず最初に取り組むべきなのが、ネットワークに関する基本用語の理解です。専門書やサイトをいきなり読んでも、「ルーターって何?」、「IPアドレスって何?」という状態では、内容が頭に入りません。

専門書やサイトを読みながらでもよいので、わからない基本用語を理解していきましょう。例えば、以下のような基礎用語など、わからない用語を、ひとつずつ意味を調べていくのが効果的です。

■ネットワークの基本用語例:
・IPアドレス:ネットワーク上の「住所」
・ルータ:ネットワークとネットワークをつなぐ機器
・スイッチ:LAN内で機器同士をつなぐ、中継装置
・DNS:ドメインとIPアドレスを変換する仕組み
・サブネット:ネットワークを分割する技術

初心者向けの入門書やWebサイトを活用しながら、分からない単語が出てきたら、まずはすぐ調べる習慣をつけることが大切です。

調べるのは、Google検索で問題ありませんが、初心者におすすめな検索は「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典(通称:わわわ辞典)での検索です。

わわわ辞典では、図解を用いて、わかりにくい内容を、なんとなく分かる状態にしてくれます。ゆえに、まずは、わわわ辞典で調べて、さらに深く知りたい内容をGoogle検索する流れでもよいでしょう。

その中で大事なことは「最初はすべてを完璧に理解しようとしないこと」です。周辺知識がない中で、完璧な理解は難しいため、まずは「何となくこんなもの、だろう」というレベルでOKです。

何度も目にするうちに、徐々に理解が深まっていきます。

ステップ2:図解や動画で全体像をつかむ

基本用語に少し慣れてきたら、次はネットワークの全体像をイメージでつかむステップに進みましょう。

ネットワークの世界は抽象的な概念が多いため、文章だけでは理解しにくい部分があります。そこで役に立つのが、図解や動画です。例えば、以下のような学習方法があります。

■初心者向け、ネットワークの全体像をつかむ学習方法
・Youtubeで解説動画を見る
・図解が豊富な入門書を使う
・興味があれば、Packet Tracerを触ってみる

Youtubeでは、初心者向けにネットワークの仕組みを解説している動画があります。動画で視覚的に学べるため、難しい概念もわかりやすくなるでしょう。おすすめ動画は、後述します。

また、図解が豊富な入門書を使うのも有効です。イラスト付きでネットワークの構造を解説している書籍は、理解を進めるのに役に立ちます。

あわせて、学習が進んだら、Ciscoが提供するシミュレーションツールである「Packet Tracer」を使って、仮想のネットワーク構成を自分で組んでみるのも良い経験になります。

この段階では、「ネットワークとは何をしているのか」、「どんな機器や技術が使われるのか」、「どんな流れで通信が行われるのか」といった全体像をつかむことが目的です。細かな設定や技術的な用語は気にしすぎなくて問題ありません。

ステップ3:基礎がわかったら、資格や実践的な勉強へ

基本用語や仕組みがある程度わかってきたら、次は実践的な学習や資格取得に進むのがおすすめです。理由としては、実務や就職・転職の場面でネットワークの知識を活かしたい場合、「理解しているだけ」では通用しないためです。

初心者が、次のステップとして取り組みやすいのは、以下2点です。

■基礎がわかった後の、おすすめ勉強:
・CCNA資格の学習
・手を動かしてネットワーク構築

これから実践的な学習を行う場合、まず最初におすすめしたいのは、CCNA(Cisco Certified Network Associate)資格の学習です。一番手軽かつ、体系立ててネットワークを学べ、もっともおすすめです。

CCNAは、ネットワークの基本から、実務レベルの知識まで学べる資格であり、世界的にも有名な資格もあります。就職や転職に強い資格であるのも、おすすめの理由です。

また、少し難易度は上がりますが、仮想環境や、古いルータやスイッチを使って、自分でネットワーク構成を組んでみると、理解が深まります。

実践的な学習に入ると、「なぜこの設定が必要なのか」や「どの機器が、何の役割を担っているのか」などが、具体的にわかるようになり、ネットワークの理解が大きく深まると言えます。

■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説

初心者におすすめのネットワーク勉強本、参考書

ネットワークを最初に学ぶ際に、悩みやすいのは、「どの本を選べばよいのか?」ではないでしょうか。

ネットワークに関する本は多数ありますが、内容が難しすぎたり、逆に浅すぎて物足りなかったりと、初心者にとっては、選ぶのが意外と大変です。

ここでは、初心者でも安心しておすすめできる、ネットワーク関連の勉強本を、目的別に説明していきます。

ネットワーク入門に最適な本

ネットワーク入門時には、ネットワーク学習における「土台作り」に最適な本が好ましいでしょう。特に、「専門用語」をじっくり理解できる本がおすすめできます。

以下からは、ネットワーク入門時に最適な本を説明していきます。

3分間ネットワーク基礎講座

Amazon:[改訂新版] 3分間ネットワーク基礎講座

「3分間ネットワーク基礎講座」は、ネットワーク関連の定番学習サイト「3 Minutes Networking」をベースに書籍化された一冊です。

博士とネット君というキャラクターのやり取りを通じて、ネットワークの基本的な仕組みを会話形式でわかりやすく解説してくれます。

専門用語が苦手な初心者でもスラスラ読める構成になっており、ネットワークの基礎を少しでも楽しくかつ、しっかりと学びたい方に適している入門書です。

価格単行本:1,958円(税込)
ページ数288ページ
出版社技術評論社
発売日2010年9月11日

ネットワークエンジニアの教科書

Amazon:改訂3版 ネットワークエンジニアの教科書

「ネットワークエンジニアの教科書」は、これからネットワークエンジニアとして働く人に向けて、仕事内容や必要なスキル、技術の全体像をわかりやすく解説した実務ガイド的な立ち位置です。

ネットワークエンジニアの役割や求められる知識、ルーターやスイッチの基礎、トラブルシューティング、セキュリティ対策まで、現場で求められるポイントを一通りカバーしており仕事の全体像を掴むのに最適な一冊でしょう。

価格単行本:3,971円(税込)
ページ数304ページ
出版社シーアンドアール研究所
発売日2023年4月11日

図解で学べるやさしい参考書

ネットワークの学習は、文字ばかりだと、なかなか頭に入りにくいこともあります。そんな時におすすめなのは、図解が豊富で、視覚的に学べる、理解しやすい参考書です。

図解が豊富な本は、入門書よりもやさしく読めることが多いです。以下からは、図解でわかりやすい参考書を説明していきます。

図解まるわかり ネットワークのしくみ

Amazon:図解まるわかり ネットワークのしくみ

図解丸わかり ネットワークのしくみは、ネットワークの全体像からネットワーク技術、また機器の役割などまで、図解も含めてやさしく説明する参考書です。

ネットワークのイメージがわかなくて困っている人や、ネットワークの全体像を早くつかみたい方に適している教材であり、市販の教材の中では、もっともやさしい部類の一つでしょう。

価格単行本:1,848円(税込)
ページ数224ページ
出版社翔泳社
発売日2018年9月21日

図解でスッキリ!パッとわかるCCNAの授業

Amazon:図解でスッキリ! パッとわかるCCNAの授業

図解でスッキリ!パッとわかるCCNAの授業は、ネットワークの基本中の基本を、やさしくかつ、図で丁寧に説明している本であり、知識ゼロからでもわかりやすく学習することに特化した本です。

ネットワークの入門書を読んで、難しすぎると考え、一度挫折した人に適している本と言えるでしょう。この本を読んだ後に、再度ネットワークの入門書を読むと、理解が深まるでしょう。

価格単行本:2,420円(税込)
ページ数264ページ
出版社翔泳社
発売日2019年5月13日

基礎からCCNAレベルまで対応できる学習書

ネットワークの基礎を一通り理解したら、次に目指したいのは実践力が伴う知識とスキルの習得です。特に、ネットワークエンジニアを目指す人にとって、CCNAは一つの目標にもなるでしょう。

もちろん、学習に自信があるなら、最初からCCNAレベルを学べる教材を使っても問題ありません。

シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 (白本)

Amazon:シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 

CCNA 完全合格テキスト&問題集(白本)は、Cisco技術者認定のネットワーク初級資格であるCCNA(200-301)に完全特化した参考書であり、試験範囲を網羅している有用な参考書です。

知識ゼロから読み進めるのは大変であるものの、知識ゼロからでも学習可能な教材です。これからネットワークエンジニアを目指す人や、仕事上CCNAの知識が求められる人にとって、実践的かつ理解しやすい内容の教材です。

価格単行本:4,268円(税込)
ページ数888ページ
出版社翔泳社
発売日2020年6月24日

徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応(黒本)

Amazon:徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応

徹底攻略Cisco CCNA問題集(黒本)は、CCNA試験対策に特化した問題集であり、合格を目指す人にとって、実践力や試験対策力を鍛えるための問題集と言えます。

この問題集は、CCNAの出題範囲をしっかりカバーしており、800問以上の豊富な問題が掲載されています。また、解説も丁寧でわかりやすく、インプットのみでなく、アウトプットの練習に最適な本です。

価格単行本:3,828円(税込)
ページ数688ページ
出版社インプレス
発売日2021年4月21日

【無料】独学に役立つネットワーク勉強サイト・動画

ネットワークの勉強を始めたいけど、いきなり本での学習はハードルが高いこともあります。ネットワークの専門本は、比較的金額感が高めとも言えます。

そのような時に便利なのが、無料で使える勉強サイトや動画教材です。最近では、ネット上に初心者向けのわかりやすいコンテンツが充実しているため、無料でも学習をかなり進めていくことができます

ここでは、ネットワークの学習に役立つおすすめの勉強サイトと、Youtubeチャンネルを厳選して説明していきます。

無料で使える、おすすめ勉強サイト

CCNAイージス

https://www.infraexpert.com/info/ccnaz7.html

CCNAイージスは、ネットワークエンジニアの入門資格であるCCNAの取得を目指す人のため、無料の学習サイトです。

このサイトは、CCNA試験の全範囲を体系的にカバーしており、難易度の高い内容についても図解を交えながら丁寧に解説されています。内容は簡単ではないですが、頑張れば初心者でも理解を深めることができます

CCNAの学習を独学で進めたい方にとっては、非常に心強い存在であり、無料でここまでわかりやすい解説が揃っているサイトは貴重だと考えます。

特に、「何から始めればいいか分からない」と悩んでいる方には、(理解ができなくてもよいので)まず最初から最後まで読んで欲しい、おすすめの学習リソースです。

3分間ネットワーキング

https://www5e.biglobe.ne.jp/aji/3min

3分間ネットワーキングは、ネットワーク入門本で紹介した「3分間ネットワーク基礎講座」の大元となる、Webサイトです。

3分間ネットワーキングで学習すれば、無料でネットワークの基本を、まんべんなく学ぶことができます。

内容は簡単なようで、やや難しい部分も多いですが、基本を学ぶには非常にすぐれたサイトなので、ぜひ最後まで読み進めてみましょう。特に講座内容の、第0回から第81回までは、一度読了をおすすめします。

【一部無料】Ping-t CCNA

https://mondai.ping-t.com

CCNAの取得を視野に入れ、将来的には有料プランも検討している人には、一番おすすめしたい勉強サイトは「Ping-t」です。

Ping-tは、IT資格に特化した学習サイトで、特にCCNA、LPIC、LinuCなどのインフラ系資格に強みを持っており、CCNA合格を目指すながら、ぜひ利用をすべき勉強サイトと言えます。

大きな特徴は、前半部分が無料で利用できることです。まずは無料で試してみて、「引き続き使うべき」と考えたら、後半の有料コンテンツを購入するとよいでしょう。

Ping-t金額
無料コンテンツ無料
有料コンテンツ(1ヶ月利用)2,640円
有料コンテンツ(2ヶ月利用)3,300円
有料コンテンツ(3ヶ月利用)3,960円

無料で学べる、Youtubeチャンネル

まさるの勉強部屋 CCNA

https://www.youtube.com/@masaru-study

「まさるの勉強部屋」は、YouTubeで展開されている、CCNAを中心としたITインフラ系資格の学習に特化したチャンネルです。

CCNA関連だけでも約170本もの動画が公開されており、試験に頻出する重要なポイントを丁寧かつ分かりやすく解説しています。

また、パケットトレーサーを活用した実践的な説明もあり、特にCCNAを独学で学ぶ方にとって非常に有益な内容となっています。「無料でネットワークとCCNAを学ぶなら、まずチェックすべきチャンネル」だと考えます。

CCNA対策を無料の動画教材で行うなら、「まさるの勉強部屋」だけでも十分に対応可能だと言えるでしょう。

【CCNA 200-301 Complete Course】Jeremy’s IT Lab

https://www.youtube.com/@JeremysITLab

英語に抵抗がなければ、海外のCCNA対策講座もおすすめです。

海外のチャンネルにても、高品質な動画講座が多数存在しており、日本語字幕をつけて視聴すれば、グローバル水準の解説も無料で見ることができます。

こちらのJeremy’s IT Labは、パケットトレーサだけでなく、実際にネットワークの実機が動いている所も見ることができ、英語も使いながらネットワークの学習をしたい方には、一石二鳥とも言えるでしょう。

これらのように、ネットワークの学習は「本」だけではありません。現在では、勉強サイトや動画を使って、無料で質が高い教材を使えるとも言えます。

質が高い教材は多数あるため、自分の学習スタイルにあったコンテンツを組み合わせて、効率よく知識を身につけていくとよいでしょう。

ネットワークの勉強で挫折しないコツ

ネットワークの勉強を始めても、「専門用語が多くて、理解が進まない」や「難しすぎて、続かない」といった悩みは、非常によくおきます

ネットワークの勉強は、「学習初期の壁が高い」と感じられることが多いです。特に独学の場合は、誰にも相談できず、一人で抱え込んで、挫折してしまう人も少なくありません。

ここでは、初心者が無理なくネットワークの勉強を続けるためのコツを、説明していきます。

■ネットワークの勉強で、挫折しないコツ:
・完璧を求めすぎないこと
・アウトプットを重視すること
・一番大事なことは、継続すること
・迷ったら、手を動かすこと

完璧を求めすぎないこと

挫折する人に多い傾向として、「完璧に学習しないと、次に進めないタイプ」があります。ネットワークの初期学習では、完璧は不要です。最初から全てを理解しようとしないことが、とても大切です。

例として、OSI参照モデルやTCP/IP、ルーティングなど、聞きなれない用語ばかりで、最初は「何がわからないかも、わからない」と感じることもあるでしょう。

しかし、そこで「理解できない=自分には向いていない」と考えるのは、もったいないと言えます。最初から完璧に理解できる人は、一部の天才以外は、ほとんどいません

最初から完璧に理解しようとするよりも、1周・2周と周回する方が効率的だったりもします。また周回も苦しいなら、自分が理解できそうな部分から手を付けていくことでもよいでしょう。

すると、「わかったこと」が増えていき、「わかったこと」が積みあがることで、学習のモチベーションが上がっていくでしょう。

アウトプットを重視すること

ネットワークの勉強で、挫折しやすい学習方法のタイプに「インプットだけで終わってしまうこと」があります。本を読んで、動画を見て学習しても、「記憶に残らない」ことは、あるあると言えるでしょう。

記憶に残らない理由は、ほとんどの人が「アウトプットが足りないため」です。学んだことを使う(アウトプットする)ことで、はじめて知識が定着します。

アウトプットの例として、「自分なりにノートや図解を作ってみる」、「模擬問題を解いてみる」、「シミュレータ(Packet Tracer)を使ってみる」、「人に説明してみる」などがあります。

人に説明できるレベルまで落とし込めれば、確実に理解が深まっています。アウトプットは慣れるまで大変ですが、記憶を定着させ、挫折を防ぐ有効な方法です。

一番大事なことは、継続すること

ネットワークに限らず、ITの学習において、もっとも大事なことは、「継続」です。週末に何時間も勉強して、詰め込んでも、1週間経つと忘れてしまうのは、よくあることではないでしょうか。

特にネットワークは、用語や構造の学習が積みあがることで、理解が深まっていくため、毎日少しずつでもよいので、コツコツ継続していくことが効果的です。

例として、「通勤時間は、Ping-tや動画で学習する」、「寝る前に30分だけ学習する」など、勉強の習慣を作ると、1カ月後には大きな差が出ます。また、勉強の習慣が作れると、後がラクです。

継続することがもっとも難しいとも言えます。しかし、毎日少しずつでも、「コツコツ学習を継続すること」が、最強の勉強法とも言えるでしょう。

迷ったら、手を動かすこと

ITの学習中において、迷っている時は、なかなか前に進めません。迷っている時間が長いと、挫折につながりやすいと言えます。そんな時におすすめしたいのは、「迷ったら、手を動かすこと」です。

最初から、完璧に学習をすることや、完璧な学習スタイルを確立するのは、ほとんどの人にとって無理でしょう。完璧を目指して迷うよりも、「とにかく手を動かしてみる」ことが大事です。

例として、問題集を解く、わからない部分をノートにまとめる、シミュレータを触ってみるなど、受け身ではなく、主体的に手を動かしてアウトプットすることが、強くおすすめできます。

わからないことは、後で調べればよいでしょう。学習初期では、勢いも重要です。とにかく手を動かしていれば、効率性は低くても、何かしら前に進んでいきます。その後に、柔軟に、効率性を考えていくとよいでしょう。

ネットワークの知識が活かせるキャリアとは?

ネットワークは専門性が高く、また奥も深いため、学習はとても大変です。ゆえに、「ネットワークの勉強が、どのようなキャリアにつながるのか」を知ることも、学習を継続する上では重要でしょう。

ネットワーク知識は、あらゆるIT分野で活用できる基礎知識ではありますが、ここではネットワーク知識を非常に活かせる代表的なキャリアを説明していきます。

ネットワークエンジニア

ネットワークの知識が、もっとも直接的に活かせる職種は「ネットワークエンジニア」です。ネットワークエンジニアは、企業のネットワーク設計、構築、運用、保守を行い、安定した通信を支える役割です。

特に未経験からネットワークエンジニアを目指す場合は、ネットワークの基礎知識+CCNAがあると、非常に採用がされやすくなり、知識ゼロよりも高条件が見込めます

ネットワークエンジニアは実務経験が重要な職種ですが、仮に実務経験がなくとも、勉強の積み上げもしっかり評価される職種でもあります。

インフラエンジニア

ネットワーク知識を、非常に活かしやすい職種として「インフラエンジニア」もあります。

インフラエンジニアは、主にサーバー、OSの設計、構築、運用、保守を行う仕事ですが、ネットワークとサーバー、OSは密接な関係があり、ネットワークの知識が必須です。

また近年では、物理的なインフラ構築のみでなく、クラウド(AWS、Azureなど)を使用した仮想ネットワークにも対応する必要があり、ネットワークの知識が、より求められるようになっています。

セキュリティエンジニア

ネットワークは、セキュリティと非常に密接な関係があり、ネットワークを学ぶ上で、セキュリティは切り離せません。ゆえに、セキュリティの専門性を高め、セキュリティエンジニアを目指すことも可能です。

例として、ファイアーウォールやVPN、暗号化通信などのセキュリティ技術は、ネットワークの知識が土台となります。ゆえに、ネットワークなどのITインフラも、しっかり理解しておくことが必須です。

ヘルプデスク、ITサポート

IT未経験からでも携わりやすい職種として、ヘルプデスクやITサポートがありますが、これらの職種では、ネットワークの基礎知識が非常に求められます

例として、「Wi-Fiがつながらない」、「プリンターがネットワークに出てこない」などの問い合わせに対応する際、ネットワークの仕組みを理解していると、非常にスムーズです。

また、現場経験を積みながら、ネットワークの学習を進めることで、ネットワークエンジニアへのステップアップも可能です。

さいごに

ネットワークの知識がもっとも活かせる職種は、ネットワークエンジニアです。また、インフラエンジニアや、セキュリティエンジニアにても、ネットワーク知識は必須です。

しかし、それらの職種にとどまらず、ネットワークの知識は、IT業界においてのあらゆる職種で活用ができ、キャリアを広げる大きな力にもなります。

まずは、自分にあった学習スタイルで、ネットワークの基礎を学ぶ所から始めてみましょう。「何から始めていいか、分からない」という方は、まずはこの記事の、おすすめの勉強本やサイトをチェックすることから始めてください。

学びながら、方向性を見つけていくことで、無理なくスキルや知識を身につけることができるでしょう。

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