こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
将来就きたい仕事に「ITエンジニア」がランクインし続ける時代になりましたが、IT関連の仕事の中では「ネットワーク」は、わかりにくい仕事の一つでしょう。
近年当たり前のように「ネットワーク」という言葉が使われますが、「ネットワーク」とは具体的に何でしょうか?
この記事では「ネットワーク」とはそもそもどのようなものなのか、ネットワークにはどんな技術があって、なぜ使えるのか?、なぜつながるのか?、なぜ必要なのかを、簡単に解説していきます。
ネットワークとは何?
ネットワークとは、一言でいうと、「コンピュータ間で、データを送受信できるように繋げたもの(経路)」です。英語を和訳すると、そのイメージが更につきやすくなります。
ネットワーク(Network)という言葉は、和訳すると「網」や「通信網」です。つまりITにおけるネットワークは、コンピュータ同士がデータをやりとりするための通信網のことです。
つまり、パソコンやスマートフォン、サーバーなどのコンピュータを、ネットワークに接続することで、データのやり取りが可能になります。データのやり取りが可能になることで、動画の視聴やオンラインショッピング、オンラインゲームなど、ITサービスを使った日常生活が送れるようになります。
ネットワークはなぜ使える?ネットワークを支える必要技術
ネットワークは日常生活で利用できて当たり前です。
ネットワークが使えて当たり前の社会ですが、ネットワークがスムーズに使えるのは、様々な技術がネットワークを支えているためです。
ネットワークが正しく機能しないと、通信ができなくなり、意味をなしません。また、安全でないネットワークは個人情報流出やサイバー攻撃のリスクになります。すぐダウンしてしまうネットワークも、使い物にならないでしょう。
ここでは、ネットワークを利用可能にする技術について、どのような目的で、どのように機能しているのかを説明します。
ネットワークを支える技術とは:ルーター、スイッチ
ネットワークを正常に使えるようにするには、ルーターやスイッチが必要不可欠です。ルーターやスイッチが、データを正しい送り先に届ける役割を持っています。
ルーターは、異なるネットワーク同士をつなげる役割があります。ルーターがないと、私たちのPCやスマホは、インターネットに接続できません。
また、スイッチは、同じネットワーク内でデバイス同士をつなげる役割があります。スイッチがあることで、必要なデバイスのみにデータを送ることができます。
ネットワークを支える技術とは:VPN(Virtual Private Network)
インターネット利用時に、安全なネットワーク接続を行う技術として、VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)があります。
インターネット上でデータをやり取りすると、第三者からハッキングされやすく、セキュリティリスクが高くなります。そこでVPN(仮想専用線)を使用すると、データ通信を暗号化でき、インターネット上で安全な通信を行うことができます。いわば、仮想の「専用通信回線」を作り出す技術です。
ネットワークを支える技術とは:ロードバランサ
ネットワークやシステムにかかる負荷を分散し、システムの安定性を高める技術として、ロードバランサ(負荷分散装置)があります。
大規模なウェブサイトでは、多数のユーザーが同時アクセスすることがあり、その結果、1つのサーバーで処理ができないことがあります。するとサーバーが高負荷となり、ダウンするリスクがあり、結果ウェブサイトが利用できないなどのトラブルにつながります。
ロードバランサを使用することで、1台のサーバーにかかる負荷を分散でき、システムを安定して稼働させることができます。
ネットワークを支える技術とは:ファイアーウォール
ネットワークセキュリティを高めるための重要技術として、ファイアーウォールもあります。
インターネット上では、外部からのサイバー攻撃や不正アクセスが常に存在しています。ファイアーウォールはサイバー攻撃などから、ネットワークを守る壁(ウォール)の役割があります。
具体的には、許可をしてしない通信を遮断し、悪意ある攻撃がシステムに侵入するのを防ぎます。サイバー攻撃が増加する現在において、セキュリティ強化のための重要な技術です。
このような技術に支えられ、ネットワークはより安全かつ快適に、利用ができるようになります。
ネットワークって何?簡単に説明すると
ネットワークは「複数のコンピュータやデバイスがつながって、情報をやり取りできる」仕組みのことです。ネットワークがあることで、私たちはウェブサイトや動画を見たり、離れた人とメールやビデオチャットができます。
では、ネットワークはどのように構成され、どのようにデータをやりとりするのでしょうか?
下記からは、ITネットワークを簡単に説明するために、郵便局の仕組みで例えながら、特に重要な「スイッチ」、「ルーター」、「IPアドレス」を説明していきます。
ネットワークは「通信網」と説明しましたが、ネットワークの通信網を郵便局で例えると、「郵便配達網」のような存在です。
・ネットワーク:
郵便局の郵便配達網のようなものです。家と郵便局をつないで、手紙を振分け、宛先に届けるなどの役割があります。
・ルーター:
ルーターは、ネットワークでは郵便局のような役割があります。郵便局が手紙を住所に届けるように、ルーターはネットワーク上のデータを、正しい目的地(IPアドレス)に届けます。
・スイッチ:
スイッチは、郵便局で手紙を振り分ける、振り分け係のような役割です。通信を管理して、正しい送り先にデータを振り分けます。
・IPアドレス:
IPアドレスは、住所のようなものです。郵便局が住所を使って、正確に宛先に届けるように、ネットワーク内のデバイス(機器)も、IPアドレスを使って正確に通信を行います。
郵便局が宛先住所に、間違いなく手紙を届けるように、ネットワークも宛先に、間違いなくデータを届けます。その時に、ルーターやスイッチ、IPアドレスなどが使われます。
ネットワークはなぜ繋がるの?仕組みを簡単に説明すると
ネットワークは「複数のコンピュータを結んで、データの送受信ができるシステム」ですが、ネットワークはどのようにして繋がっていくのでしょうか?
ここからは、ネットワークがつながる仕組みについて、説明していきます。
ネットワークの仕組み①プロトコル(TCP/IP)
ネットワーク上でお互いにデータを送受信する時は、基本的には「異なるコンピュータ同士で、データをやり取りする」ことになります。
異なるコンピュータ同士が通信するには、互いに共通のルールが必要です。もし異なるコンピュータ同士が「異なるルールで」で通信をすると、情報が正しく伝わりません。
この通信のルールを「プロトコル」といいます。
例として、「お互いが日本語」であれば、「おはよう」という言葉のやり取りが成立します。一方で、「日本語とドイツ語」であれば、言葉のやり取りが成立しないでしょう。
データをやり取りする際は、お互いのコンピュータで、同じルールでやり取りをする必要があり、このルールが「プロトコル」です。代表的なネットワークプロトコルには「TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)」があります。
ネットワークの仕組み②:IPアドレス(Internet Protocol Address)
コンピュータ同士でデータをやり取りする時は、「互いのコンピュータの、正確な場所」がわからないと、送受信できません。つまり、「どのコンピュータにデータを送るか」を明確にする必要があります。
「どのコンピュータにデータを送るか」を明確にするために使われるのが、「IPアドレス(Internet Protocol Address)」という固有の番号です。
アドレス(Address)を和訳すると、「住所」や「宛先」となりますが、IPアドレスは「インターネット上の住所」のようなものです。IPアドレスを、郵便の例を使って、説明します。
例えば、郵便で手紙を出す時は「住所(東京都A市B町1-2-3など)」が必要です。住所がないと、正確に届きません。同じように、インターネットでも、「IPアドレス(129.168.0.1など)」がないと、正確に通信ができなくなります。
日頃使っているスマホやPC、またサーバーなど、ネットワークに接続されているコンピュータには、このIPアドレスが割り当てられています。
ネットワークの仕組み③:OSI参照モデル
インターネット上でネットワークを使う場合は、異なるコンピュータやシステム間で通信を行うため、異なるプロトコルや技術が混在し、複雑になっています。
このネットワークの複雑さを、整理してまとめたものが、OSI参照モデル(Open Systems Interconnection Reference Model)です。OSI参照モデルは、複雑なネットワークを、7つの層に分けて分類しています。
上記のように、ネットワーク通信を7つの層に分けることで、各階層ごとの役割が理解しやすくなります。また階層を分けることで、通信トラブル時の問題個所を見つけやすくできます。
ネットワークの種類とは?簡単に説明すると
ネットワークには様々な種類があり、それぞれにおいて役割や特徴が決まっています。ここでは特に覚えて欲しい、主要なネットワークの種類である、「LAN」、「WAN」、「インターネット」の3つを説明します。
ネットワークの種類①:LAN(Local Area Network)
LANはローカルエリアネットワークの略で、直訳すると「地元地域のネットワーク」です。つまり、小さな拠点内(一つの建物、会社、家庭内)で結ばれるネットワークと考えるとよいでしょう。
LANは小さな拠点内でのネットワークのため、ネットワーク機器同士が物理的に近く、高速かつ安定した通信が行えるのが特徴です。
ネットワークの種類②:WAN(Wide Area Network)
LANとよく比較されるのがWANです。WANはワイドエリアネットワークの略で、直訳すると「広い地域のネットワーク」です。つまり、大きなエリア(市や県、国)で、遠くの拠点同士を結ぶネットワークと考えるとよいでしょう。
WANは大きな地域でのネットワークのため、距離が長くなり、通信速度が遅くなる傾向がありますが、離れた場所をつなぐ通信として必要な技術です。
また、LANとWANについては、よく比較されやすい種類ですので、下記に特徴を整理します。
LAN | WAN | |
役割 | 拠点内の機器を接続する | 遠くの拠点のLAN同士を接続する |
構築・管理 | 自分たちで行う | 通信事業者が行う |
初期費用 | 機器代、エンジニアの人件費 | サービスの契約料金 |
継続費用 | エンジニアの人件費 | 通信料金 |
ネットワークの種類③:インターネット
インターネットは、世界中のネットワークが相互に接続されたものであり、最も身近なネットワークと言えるでしょう。
インターネットの特徴としては、「誰でも利用できる」ことです。LANやWANのように「会社の社員だけ、家族だけ」とユーザーが限定されていません。個人や会社、政府など、みんなが使うネットワークです。
インターネットがあることで、ウェブサイトが閲覧でき、動画が視聴でき、電子メールが送受信できます。また、インターネットはISP(インターネットサービスプロバイダ)事業者を通じて、使うことができます。
ネットワークを扱う、インフラエンジニア・ネットワークエンジニア
ネットワークを扱う仕事に、インフラエンジニアやネットワークエンジニアといったIT技術者の仕事があります。
近年IT需要の急拡大が続いていますが、ITの需要とともに、ITを下支えするインフラエンジニアやネットワークエンジニアの需要も拡大しています。
インフラエンジニアは、IT社会に重要な役割を担っていますが、需要に対して、なり手が少なく、未経験からでも挑戦しやすい職種の一つです。
インフラエンジニア・ネットワークエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアやネットワークエンジニアは、ITインフラの中核となるネットワークなどを中心に、作り、見守る仕事(設計・構築・運用)です。
仕事内容については、具体的に、下記切り分けとなります。
インフラエンジニアやネットワークエンジニアの仕事内容に興味がある方は、下記参考記事をあわせてお読みください。
■参考記事:インフラエンジニアの仕事内容とは、仕事の流れや未経験の仕事などを説明
■参考記事:【解説】ネットワークエンジニアの仕事内容とは?年収・スキルなども説明
インフラエンジニアやネットワークエンジニアに、未経験からなるには
インフラエンジニアやネットワークエンジニアは、人手不足の職種あるため、未経験からでも挑戦しやすい仕事です。また、手に職をつけたい方、専門性をつけて市場価値を高めたい方には、おすすめできる職種です。
もしインフラエンジニアやネットワークエンジニアに興味がある方は、下記の参考記事もあわせてお読みください。
■参考記事:インフラエンジニアになるための勉強方法、順番【未経験、初心者向け】
■参考記事:未経験からインフラエンジニアになるには、未経験可の求人や年収、必要スキル、将来性、転職のポイントなどを解説
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