こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワークとは?」と検索する方の多くは、ITの基礎を学びたい方や、将来インフラエンジニアを目指している方が多いでしょう。
この記事では、以下を初心者にもわかりやすく解説します。
■この記事でわかること:
・ネットワークの基本的な仕組み
・支える技術(ルーター、IPアドレス、OSI参照モデルなど)
・学んだ知識が資格や転職にどう活きるか
ネットワークは ITインフラの土台です。ここを理解できれば、サーバーやクラウド(AWSなど)の知識へと自然につながり、キャリアの第一歩につながります。
ネットワークを扱う仕事の具体像を知りたい方は、「ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・資格を解説」の記事もご覧ください
ネットワークとは何?
ネットワークとは、一言でいうと、「コンピュータ間で、データを送受信できるように繋げたもの(経路)」です。英語を和訳すると、そのイメージが更につきやすくなります。
ネットワーク(Network)という言葉は、和訳すると「網」や「通信網」です。つまりITにおけるネットワークは、コンピュータ同士がデータをやりとりするための通信網のことです。
つまり、パソコンやスマートフォン、サーバーなどのコンピュータを、ネットワークに接続することで、データのやり取りが可能になります。データのやり取りが可能になることで、動画の視聴やオンラインショッピング、オンラインゲームなど、ITサービスを使った日常生活が送れるようになります。
ネットワークはなぜ使える?ネットワークを支える必要技術
ネットワークは日常生活で利用できて当たり前です。
ネットワークが使えて当たり前の社会ですが、ネットワークがスムーズに使えるのは、様々な技術がネットワークを支えているためです。
ネットワークが正しく機能しないと、通信ができなくなり、意味をなしません。また、安全でないネットワークは個人情報流出やサイバー攻撃のリスクになります。すぐダウンしてしまうネットワークも、使い物にならないでしょう。
ここでは、ネットワークを利用可能にする技術について、どのような目的で、どのように機能しているのかを説明します。

ネットワークを支える技術とは:ルーター、スイッチ
ネットワークを正常に使えるようにするには、ルーターやスイッチが必要不可欠です。ルーターやスイッチが、データを正しい送り先に届ける役割を持っています。
ルーターは、異なるネットワーク同士をつなげる役割があります。ルーターがないと、私たちのPCやスマホは、インターネットに接続できません。
また、スイッチは、同じネットワーク内でデバイス同士をつなげる役割があります。スイッチがあることで、必要なデバイスのみにデータを送ることができます。
ネットワークを支える技術とは:VPN(Virtual Private Network)
インターネット利用時に、安全なネットワーク接続を行う技術として、VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)があります。
インターネット上でデータをやり取りすると、第三者からハッキングされやすく、セキュリティリスクが高くなります。そこでVPN(仮想専用線)を使用すると、データ通信を暗号化でき、インターネット上で安全な通信を行うことができます。いわば、仮想の「専用通信回線」を作り出す技術です。
ネットワークを支える技術とは:ロードバランサ
ネットワークやシステムにかかる負荷を分散し、システムの安定性を高める技術として、ロードバランサ(負荷分散装置)があります。
大規模なウェブサイトでは、多数のユーザーが同時アクセスすることがあり、その結果、1つのサーバーで処理ができないことがあります。するとサーバーが高負荷となり、ダウンするリスクがあり、結果ウェブサイトが利用できないなどのトラブルにつながります。
ロードバランサを使用することで、1台のサーバーにかかる負荷を分散でき、システムを安定して稼働させることができます。
ネットワークを支える技術とは:ファイアーウォール
ネットワークセキュリティを高めるための重要技術として、ファイアーウォールもあります。
インターネット上では、外部からのサイバー攻撃や不正アクセスが常に存在しています。ファイアーウォールはサイバー攻撃などから、ネットワークを守る壁(ウォール)の役割があります。
具体的には、許可をしてしない通信を遮断し、悪意ある攻撃がシステムに侵入するのを防ぎます。サイバー攻撃が増加する現在において、セキュリティ強化のための重要な技術です。
このような技術に支えられ、ネットワークはより安全かつ快適に、利用ができるようになります。
ネットワークって何?簡単に説明すると
ネットワークは「複数のコンピュータやデバイスがつながって、情報をやり取りできる」仕組みのことです。ネットワークがあることで、私たちはウェブサイトや動画を見たり、離れた人とメールやビデオチャットができます。
では、ネットワークはどのように構成され、どのようにデータをやりとりするのでしょうか?
下記からは、ITネットワークを簡単に説明するために、郵便局の仕組みで例えながら、特に重要な「スイッチ」、「ルーター」、「IPアドレス」を説明していきます。



ネットワークは「通信網」と説明しましたが、ネットワークの通信網を郵便局で例えると、「郵便配達網」のような存在です。
・ネットワーク:
郵便局の郵便配達網のようなものです。家と郵便局をつないで、手紙を振分け、宛先に届けるなどの役割があります。
・ルーター:
ルーターは、ネットワークでは郵便局のような役割があります。郵便局が手紙を住所に届けるように、ルーターはネットワーク上のデータを、正しい目的地(IPアドレス)に届けます。
・スイッチ:
スイッチは、郵便局で手紙を振り分ける、振り分け係のような役割です。通信を管理して、正しい送り先にデータを振り分けます。
・IPアドレス:
IPアドレスは、住所のようなものです。郵便局が住所を使って、正確に宛先に届けるように、ネットワーク内のデバイス(機器)も、IPアドレスを使って正確に通信を行います。
郵便局が宛先住所に、間違いなく手紙を届けるように、ネットワークも宛先に、間違いなくデータを届けます。その時に、ルーターやスイッチ、IPアドレスなどが使われます。
ネットワークはなぜ繋がるの?仕組みを簡単に説明すると
ネットワークは「複数のコンピュータを結んで、データの送受信ができるシステム」ですが、ネットワークはどのようにして繋がっていくのでしょうか?
ここからは、ネットワークがつながる仕組みについて、説明していきます。
ネットワークの仕組み①プロトコル(TCP/IP)
ネットワーク上でお互いにデータを送受信する時は、基本的には「異なるコンピュータ同士で、データをやり取りする」ことになります。
異なるコンピュータ同士が通信するには、互いに共通のルールが必要です。もし異なるコンピュータ同士が「異なるルールで」で通信をすると、情報が正しく伝わりません。
この通信のルールを「プロトコル」といいます。



例として、「お互いが日本語」であれば、「おはよう」という言葉のやり取りが成立します。一方で、「日本語とドイツ語」であれば、言葉のやり取りが成立しないでしょう。
データをやり取りする際は、お互いのコンピュータで、同じルールでやり取りをする必要があり、このルールが「プロトコル」です。代表的なネットワークプロトコルには「TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)」があります。
ネットワークの仕組み②:IPアドレス(Internet Protocol Address)
コンピュータ同士でデータをやり取りする時は、「互いのコンピュータの、正確な場所」がわからないと、送受信できません。つまり、「どのコンピュータにデータを送るか」を明確にする必要があります。
「どのコンピュータにデータを送るか」を明確にするために使われるのが、「IPアドレス(Internet Protocol Address)」という固有の番号です。
アドレス(Address)を和訳すると、「住所」や「宛先」となりますが、IPアドレスは「インターネット上の住所」のようなものです。IPアドレスを、郵便の例を使って、説明します。



例えば、郵便で手紙を出す時は「住所(東京都A市B町1-2-3など)」が必要です。住所がないと、正確に届きません。同じように、インターネットでも、「IPアドレス(129.168.0.1など)」がないと、正確に通信ができなくなります。
日頃使っているスマホやPC、またサーバーなど、ネットワークに接続されているコンピュータには、このIPアドレスが割り当てられています。
ネットワークの仕組み③:OSI参照モデル
インターネット上でネットワークを使う場合は、異なるコンピュータやシステム間で通信を行うため、異なるプロトコルや技術が混在し、複雑になっています。
このネットワークの複雑さを、整理してまとめたものが、OSI参照モデル(Open Systems Interconnection Reference Model)です。OSI参照モデルは、複雑なネットワークを、7つの層に分けて分類しています。



上記のように、ネットワーク通信を7つの層に分けることで、各階層ごとの役割が理解しやすくなります。また階層を分けることで、通信トラブル時の問題個所を見つけやすくできます。
ネットワークの種類とは?簡単に説明すると
ネットワークには様々な種類があり、それぞれにおいて役割や特徴が決まっています。ここでは特に覚えて欲しい、主要なネットワークの種類である、「LAN」、「WAN」、「インターネット」の3つを説明します。
ネットワークの種類①:LAN(Local Area Network)
LANはローカルエリアネットワークの略で、直訳すると「地元地域のネットワーク」です。つまり、小さな拠点内(一つの建物、会社、家庭内)で結ばれるネットワークと考えるとよいでしょう。
LANは小さな拠点内でのネットワークのため、ネットワーク機器同士が物理的に近く、高速かつ安定した通信が行えるのが特徴です。
ネットワークの種類②:WAN(Wide Area Network)
LANとよく比較されるのがWANです。WANはワイドエリアネットワークの略で、直訳すると「広い地域のネットワーク」です。つまり、大きなエリア(市や県、国)で、遠くの拠点同士を結ぶネットワークと考えるとよいでしょう。
WANは大きな地域でのネットワークのため、距離が長くなり、通信速度が遅くなる傾向がありますが、離れた場所をつなぐ通信として必要な技術です。
また、LANとWANについては、よく比較されやすい種類ですので、下記に特徴を整理します。
LAN | WAN | |
役割 | 拠点内の機器を接続する | 遠くの拠点のLAN同士を接続する |
構築・管理 | 自分たちで行う | 通信事業者が行う |
初期費用 | 機器代、エンジニアの人件費 | サービスの契約料金 |
継続費用 | エンジニアの人件費 | 通信料金 |
ネットワークの種類③:インターネット
インターネットは、世界中のネットワークが相互に接続されたものであり、最も身近なネットワークと言えるでしょう。
インターネットの特徴としては、「誰でも利用できる」ことです。LANやWANのように「会社の社員だけ、家族だけ」とユーザーが限定されていません。個人や会社、政府など、みんなが使うネットワークです。
インターネットがあることで、ウェブサイトが閲覧でき、動画が視聴でき、電子メールが送受信できます。また、インターネットはISP(インターネットサービスプロバイダ)事業者を通じて、使うことができます。
ネットワーク知識を活かす「次のステップ」
ネットワークの基礎を理解したら、次に考えるべきは「その知識をどう活かすか」です。キャリアの方向性として代表的なのは、以下の3つです。
■ネットワーク知識を活かすステップ:
・インフラエンジニア:
→サーバー、ネットワーク、クラウドなど ITインフラ全般を扱う職種。未経験が最初に目指すケースが多く、キャリアの入口としておすすめです。
・ネットワークエンジニア:
→ルーターやスイッチを中心に、通信インフラを構築・運用する専門職。ネットワークの知識を深めたい人に最適です。
・クラウドエンジニア(AWSなど):
→仮想ネットワーク(VPC)の設計・設定を通じて、クラウド基盤を支える職種。近年ニーズが高まっている人気分野です。
どの道を選んでも、「ネットワーク知識」がこれらの土台となります。代表的な職種について詳しく知りたい方は、以下でまとめています。
→関連記事:インフラエンジニアとは?未経験からわかる仕事内容・年収・キャリアパス
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・向いている人を解説
学習と資格のステップ例
ネットワークを集中的に学んで転職を目指すなら、まずは CCNA(シスコ技術者認定) がおすすめです。
CCNAはネットワークの仕組みを体系的に学べるため、面接で「基礎をしっかり理解している」ことを示せ、採用選考でも評価されやすくなります。
また、ネットワークだけでなくサーバーも含めて幅広く理解したい方は、LPIC-1/LinuC-1 を組み合わせると効果的です。
「CCNAでネットワークを」、「LPICでLinuxサーバーを」それぞれ証明できるため、インフラエンジニア全般を目指すうえで強力な武器になります。
いずれの資格もPing-t や参考書を活用すれば、どちらも2〜3ヶ月の独学で合格可能です。
大切なのは、「資格を取って終わり」ではなく、キャリアの方向性を意識して学ぶことです。
→関連記事:CCNAとは?試験概要・難易度・メリットを解説
→関連記事:LPIC-1とは?試験範囲・メリット・勉強の始め方
【Q&A】未経験者が「ネットワークの次」に迷ったら
最後に、未経験者がよく抱える疑問に答えておきます。
Q1:ネットワークから勉強を始めるのは遠回りですか?
A:遠回りではありません。
クラウドやサーバーの学習も、結局はネットワークの仕組みを理解していなければ進められません。基礎固めはむしろ近道です。
インフラ系エンジニアのキャリアロードマップを知りたい方は、以下記事も参考にしてください。
→関連記事:未経験からネットワークエンジニアへ|失敗しない転職ステップと会社選び
→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?後悔しない学習・資格・転職ステップ
Q2:資格取得と転職活動は、どちらを優先すべきですか?
A:段階的な並行がおすすめです。
未経験の場合、いきなり応募・面接に進むのではなく、まずは 資格学習をメインにしつつ、並行して情報収集やキャリア設計 を進めましょう。
資格取得で武器を作った後に、本格的に応募・面接を始めることで、成功確率が高まります。
※無料キャリア相談では「学習計画」と「転職市場の最新情報」をセットで整理し、最適なタイミングで応募できるようサポートします。
Q3:どの資格ルートが自分に合っているか分かりません。
A:将来のキャリアプランに応じて選ぶのがおすすめです。
■おすすめの資格ルート:
・ネットワークエンジニアとして専門性を高めたい方 → CCNA
・サーバーやクラウドも含め幅広く携わりたい方 → LPIC-1/LinuC-1 や AWS認定資格
・インフラ全般を理解したうえで、最終的にクラウドへ進みたい方 → LPIC/CCNA → AWS SAA の組み合わせ
自分に合った資格ルートは、将来どんなキャリアを築きたいかによって変わります。
→関連記事:インフラエンジニアの資格ロードマップまとめ
判断が難しい場合は、専門家と一緒にキャリアプランを整理するのが最短ルートです。
まとめ:最短ルートを見つけるなら専門家に相談を
ネットワークの基礎を理解した今こそ、キャリアを動かす絶好のタイミングです。
■キャリアの動かし方まとめ:
・最短でネットワークエンジニアを目指すなら → CCNA
・長期的にインフラ全般を踏まえて成長するなら → LPIC-1/CCNA → AWS SAA
どちらの道も正解ですが、最適ルートは「年齢・経験・キャリアゴール」によって異なります。
→あなたにとって最短のルートを知りたいなら、専門家に相談するのが確実です。
今すぐ無料相談を活用し、プロと一緒にキャリアプランを描いていきましょう。
関連リンク集
■勉強・スキル・資格:
・CCNAとは?試験概要・難易度・メリットを解説
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・インフラエンジニアに必要な学習ロードマップ
・インフラエンジニアの資格ロードマップまとめ
■キャリア・転職:
・ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
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