こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ITエンジニアはやめとけ」、「未経験は増えすぎて厳しい」
そんな声を見て、不安を感じていませんか?
結論、ITエンジニアという職業そのものが「やめとけ」なのではありません。問題は、未経験者がハマりやすい「入り口」や「職種の選び方」にあります。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由を構造的に整理し、後悔しないための現実的な選択肢を職種別に解説していきます。
■この記事でわかること:
・なぜ「ITエンジニアはやめとけ」と言われるか
・やめとけになりやすい「入り口・職種」の共通点
・後悔しないための現実的な選び方
なぜ「ITエンジニアはやめとけ」という声がこれほど多いのか?
結論から言うと、ITエンジニアという職種そのものが「やめとけ」ではありません。問題は、未経験者が「戦略なし」で参入したときに、後悔しやすい業界構造があることです。
近年では、「ITエンジニアはやめとけ」、「IT業界はきつい」、「未経験は増えすぎ・いらない」といった声を、知恵袋やネット掲示板、SNSで目にする機会が増えています。
その背景には、「未経験参入が増えすぎた」 という現実と、エンジニアになった後に多くの人が直面する「考えていた仕事と違う」という構造的なギャップがあります。
未経験エンジニアが「増えすぎ」、「いらない」と言われる背景
ここ数年、IT業界は慢性的な人手不足により「未経験歓迎」の求人が急増しています。一見チャンスが広がったように見えますが、その裏側では業界の「人材の二極化」という構造問題も進んでいます。
・上流・成長ルート:設計や新技術(クラウド、自動化)に携わり、市場価値が年々上がる人
・下流・停滞ルート:監視・運用・定型作業などに固定され、市場価値が伸びにくい人
多くの未経験者は、参入時に「とりあえず」で選んだ会社の都合で、成長機会の少ない「下流・停滞ルート」のポジションに集中させられてしまいます。
これが「増えすぎ」と言われる実態であり、結果的にITエンジニア職に「使い捨てのように感じてしまう」や「単純労働ではないのか」といったネガティブなイメージもついています。
「IT業界=やめとけ」と感じやすい人の共通点
実際に「やめとけばよかった」と後悔しやすい人には、いくつか共通点があります。
■ITエンジニア=やめとけと感じやすい人の特徴:
・キャリア設計なし:どんなスキルを身につけるかを決めずに業界に入った
・キャリアを会社任せ:会社や配属先に、学習を含めたキャリアを丸投げしてしまった
・最初の選択を軽視:最初の環境選びを「内定が出たから」で決めてしまった
これらは、 「IT業界の評価基準(経験・工程重視)」を知らないまま飛び込んだ結果でもあります。ITエンジニアは、経験年数よりも「どの工程を経験したか」がもっとも重要とされる職種です。
これらを知らないままに参入すると「思っていた仕事と違う」、「成長実感がない」、「この先不安」という気持ちになり、最終的には「ITエンジニア=やめとけ」となります。
しかし逆に言うと、最初からキャリア戦略を持っていれば、同じITエンジニア職でも印象や評価は180度変わることもあります。
やめとけと言われやすい「入り口」と共通する落とし穴
結論、「ITエンジニア職はやめとけ」ではありません。本当のやめとけは「最初に入りやすい入り口」によくある構造的な落とし穴のことです。
未経験者の場合、特に個人の希望(将来のキャリア形成)と、企業側の考え(不足人員を補充)がズレやすいポイントです。結果、成長につながりにくいポジションに固定されるリスクもあります。
働き方の問題(SES・客先常駐)→ 案件ガチャと成長の限界
未経験者の多くが直面するのが、SESや客先常駐(正社員派遣)という働き方です。これはITエンジニアの初期~中期キャリアでは一般的でもあります。
未経験~微経験者に多い落とし穴: 案件ガチャ
案件ガチャでは自身の成長より、「常駐先の都合」や「単価」 が最優先される世界です。良質な現場に配属されれば成長につながりますが、単純作業のみ・残業が多い現場など、成長が見込みにくい案件に当たる可能性もあります。
特に成長しにくい案件に長期間固定されてしまうと、「数年働いたのに市場価値がほぼ高まらない」という可能性もあります。
→関連記事:SESはやめとけ?本当の理由と「成功する人」の特徴|環境で人生が変わる
未経験者が配属されやすい「監視オペレーター」
その中で注意が必要なのが、手順書通りの作業と夜勤がメインの「監視オペレーター業務」です。
ITの基礎は身につきますが、「次のキャリア」への出口戦略がない会社や環境に入ると、転職市場で評価されない経験だけが積み上がってしまうこともあります。
→関連記事:運用監視オペレーターはやめとけ?年収・将来性・脱出ロードマップを解説
職種の問題(IT事務・ヘルプデスク)→ エンジニアへの一歩という落とし穴
IT事務やヘルプデスクは、「ITエンジニアへのステップアップが可能」を謳いながら、実際には技術的な仕事ではなく、事務・調整、問い合わせ対応業務のみで終わるケースも多くあります。
落とし穴:
研修を受ければ早期に対応できる業務も多く、専門的なエンジニアスキルが積み上がりにくい。社外で活かせるスキルが身につかず、その後のキャリア形成・選択肢でつまづく可能性が高めです。
これはエンジニアを目指して入社後、「事務・問い合わせ対応役に固定」され、抜け出せなくなるケースが多く、IT事務やめとけ・ヘルプデスクやめとけと言われるパターンです。
→関連記事:IT事務はやめとけ?スキルがつかない理由と「後悔しないキャリアの選び方」
→関連記事:ヘルプデスクはやめとけ?底辺と言われる理由と抜け出す最短ルートを解説
属性の問題(文系・未経験)
「文系だから」、「未経験だから」という理由で挫折する人の多くは、「エンジニア特有の学習スタイル」や「仕事の本質」とのミスマッチが原因です。
ミスマッチ:
変化する技術を地道に学び続ける自己学習が必要とされます。また案件ガチャと組み合わさると、学習をしても、次の仕事につながりにくいことがあり、結果として燃え尽きてしまうことも。
想像以上の「地味な作業」と「継続」に耐えられず、「自分には向いていない」と感じて早めに離脱してしまう人も多くいます。これが「文系ITはやめとけ」、「未経験エンジニアはやめとけ」と言われる理由です。
→関連記事:文系はITエンジニアやめとけ?向いてないは誤解|後悔しない職種選びと最適ルート
→関連記事:未経験エンジニアはやめとけ?後悔しない選び方と最適ルート
次からは、「職種ごとに見ると、何が問題で、どこで分岐するのか?」を整理していきます。
職種別に見る「やめとけ」と言われる理由と現実
ITエンジニアが「やめとけ」と言われる理由は、職種ごとにタイプが異なります。
職種ごとのやめとけ理由を知ることで、自分が「やめとけタイプ」になるか、「成功タイプ」になるかの「分岐点」を見極めやすくなります。
ネットワークエンジニアはやめとけ? →監視職と設計職、未来の差
未経験者がもっともハマりやすいやめとけは、「監視・運用」に固定され、設計・構築へ進めないまま夜勤だけを繰り返すリスクがあることです。
ここに当てはまると、市場価値が上がらない「ネットワーク要員」となってしまいます。
分岐ポイント:
構築案件を豊富に持つ会社を選び、CCNA→CCNPといった資格で武器を作れば、専門性の高い「高年収エンジニア」の道が開けます。分岐点は「最初の配属」と「自己学習の有無」です。
→関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけ?きつい理由と後悔しないキャリア戦略
サーバーエンジニアはやめとけ? →運用職と構築職、スキルの差
OS(Linux/Windows)の理解が深まらない単純作業や、アカウント管理・ログ確認などの定型業務のみで終わるケースも多いためです。
分岐ポイント:
仮想化、コンテナ、自動化(Ansible等)、クラウドなど、「高需要技術」に関われる現場なら、インフラの大元を支える「最も潰しが効くスキル」が確実に積み上がります。分岐点は 「業務の範囲が広がる環境かどうか」 です。
→関連記事:サーバーエンジニアはやめとけ?きつい理由と続けるためのキャリア戦略
クラウド/AWSエンジニアはやめとけ? →基礎無しは行き詰まる、積み上げの重要性
AWSなどのクラウド人気に惹かれ、ネットワークやOSの基礎がないまま「クラウド専門」を目指すと、そもそも採用・配属が決まらない、また現場の高度な要求(設計・障害対応など)についていけず挫折しやすいためです。
分岐ポイント:
インフラの基礎を固めてから参入すれば、市場価値・年収ともに全職種の中でトップクラスを狙える領域です。分岐点は「 クラウド以前に、インフラ基礎力があるか」 です。
→関連記事:クラウドエンジニアはやめとけ?向いている人・向いていない人を徹底解説
→関連記事:AWSエンジニアはやめとけ?きつい理由・資格の落とし穴とキャリア戦略
運用保守はやめとけ? →作業者と改善者、目指す方向性で異なる
「手順書通りの対応」から抜け出せない環境だと、年数を重ねてもスキルが停滞し、転職市場で評価されなくなるため。特に、改善提案や自動化が評価されにくい環境では、この傾向が顕著です。
分岐ポイント:
障害の原因追及・自動化スクリプト作成などに関われる環境であれば、システム全体を俯瞰できる「土台」となり、構築のみでなく将来的なSREへの足掛かりにもなります。分岐点は「改善への挑戦」です。
→関連記事:運用保守はやめとけ?底辺と言われる理由と抜け出す最短ルート
参考|開発エンジニア(プログラミング)が「やめとけ」と言われる理由
インフラ職以上に 「適性の差」が激しく、論理思考と自走ができないと周りに置いて行かれやすい分野であるため。また、常に新しい言語を学び続ける「終わりのない学習」が苦痛になる人も多いです。
ポイント:
インフラ職に比べると「向き不向き」の壁が高いものの、「自走力」と「適性」がハマれば比較的短期間で大きな市場価値を生みだす可能性も秘めています。インフラが「積み上げ型」に対し、開発は「才能開花型」の側面もあります。
「やめとけ」にならないために|自分に合った職種を見極める3つのステップ
エンジニア選びで後悔するかどうかは、才能や運よりも「キャリアを戦略的に選択する技術」の有無で大きく変わります。
ここでは感覚や雰囲気だけで決めず、失敗を避けるための3ステップを整理していきます。
ステップ0|「ITパスポート」を教材に、向き・不向きを検証してみる
本格的な学習を始める前に、まずはITパスポートの学習範囲を流し見するだけでOKです、ここで資格を取る必要はありません。 目的は、自分がどの分野に「興味」や「拒否反応」があるかを知ることです。
■向き不向きの見分け方例:
・開発系向き:
→アルゴリズムやプログラミングをもっと深く知りたい(=開発・Web系の素養)
・インフラ系向き:
→通信の仕組みやサーバーの構造の理解が進みやすい(=インフラ系の素養)
・マネジメント・戦略向き:
→プロジェクト管理や経営の仕組みが面白そう(=PM・コンサル系の素養)
「自分はコードを書くより、インフラの構造を理解する方がしっくりくる」といった自分なりの感覚を持つだけで、キャリアの納得感は大きく変わります。
ステップ1|「やりたいこと」だけでなく「避けたいストレス」でも比較する
よくある失敗ケースとして「やりたいことだけで仕事を選ぶ」があります。これは間違ってはいませんが「我慢できないストレス要因」も踏まえると、ミスマッチを防ぎやすくなります。
■ITエンジニア特有のストレス例:
・体力・精神的ストレス: 夜勤・シフト制の有無、突発的な障害対応
・学習のストレス: 常に最新技術を追い続けなければならないプレッシャー
・キャリアのストレス: 年収や評価が上がらない、将来につながらない焦り
「自分が耐えられないもの」を排除していくと、長く続けられる職種を見つける近道にもなります。
ステップ2|「3年後のスキルセット」から逆算する
エンジニアの市場価値は「何年やったか」ではなく「何ができるか」で決まります。これからの選択が、3年後の転職市場で「どう評価されるか」を事前にシミュレーションしておくと、修正しやすく失敗しづらくなります。
評価される例:
「Linuxサーバー構築」、「AWS設計」、「Pythonで自動化」
評価されにくい例:
「長年の監視・テストのみ」、「ヘルプデスクの受付対応」
興味がある企業の求人票から「必須経験」を、3年後の自分が満たせているか?で考えると、シミュレーションしやすいです。
ステップ3|一人で決めず、第三者の視点を入れる
未経験者が「求人票の裏側」や「配属のリアル」を見抜くのは非常に難しいのが事実です。
「その会社は本当に次の工程に進ませてくれるか?」
「未経験者の実際の離職率やキャリアパスはどうなっているか?」
「3年後にどんな経験を積めそうか?」
現場を知る第三者の視点を入れるだけで、「やめとけルート」を引くリスクは大きく下がります。
それでも迷う人へ|「やめとけ」と言われにくい現実的な選択肢
それでも「結局、自分に何が合うか分からない」と悩むのは、やめとけリスクを正しく認識できている証拠でもあります。実際、どの職種にも「やめとけ」と言われるリスクは存在します。
一方で、もし失敗を恐れて一歩が踏み出せないなら、「後からキャリアを修正しやすい職種」を選ぶことは最も現実的な進め方です。その筆頭となる職種は「インフラ系エンジニア」です。
インフラ系エンジニアは「キャリアの再設計」が最も効きやすい
インフラ技術(ネットワーク・サーバー・クラウド)はすべてのITシステムの土台です。この分野は、最初の選択が完璧でなくても、後からの軌道修正が行いやすい特徴があります。
これは、扱う技術が特定サービス寄りではなく「IT全体の土台」に近いためです。
横に広げる例:
サーバーを深める → 自然とNWやセキュリティの知識が必要 → クラウドやセキュリティへ
上に上がる例:
運用 → 構築 → 設計/コンサルティングと、経験と資格で確実に上りやすい明確なキャリアパスがある
職種を変える例:
インフラの深い知識は、SRE(Site Reliability Engineering)や開発(DevOps、バックエンド) などの一歩にもつながる
このように「最初の選択が100点満点でなくても、後から大きく軌道修正もできる」のが、インフラ職のメリットです。
未経験・挫折経験者にとって「再スタートのハードル」が低い
インフラ職は開発職に比べ、「積み上げ型」で学習体系が明確です。特に以下のような人に向いています。
■インフラエンジニアで再スタートしやすい人:
・プログラミングで挫折した経験がある
・抽象的に考えるよりも、実機を触る手応え、わかりやすい正解が欲しい
・努力を目に見える形でスキルに繋げたい(資格の評価)
こうしたタイプの方にとって、インフラは「理解 → 実践」という好循環サイクルを回しやすく、着実に市場価値を上げていける分野です。
結論|迷っているなら「潰しが効く道」が最初の一手
最初から「天職」を一発で当てる必要はありません。キャリアで右往左往しながら、興味が持てる・進みたい道が偶然決まるのも、実際よくあるキャリア形成です。
■潰しが効くキャリアの特徴:
・後から方向転換しやすいか? → インフラ知識は、ITでの共通土台
・スキルが無駄にならないか? → インフラは、スキルが基礎理解として長く活かせる
・次の選択肢が広がるか? → インフラは選択肢を狭くしない、システムを俯瞰してみる職種
この3点を満たせる「最初の一手」として、インフラエンジニアは堅実かつ将来性のある選択肢と言えます。
まとめ|「やめとけ」は職種ではない、「戦略なしキャリアはやめとけ」
「ITエンジニアはやめとけ」という言葉に敏感になりすぎる必要はありません。
それは、職種のことではありません。「戦略を持たずにITエンジニアになると、使い捨ての環境にハマることがある」というアラートに過ぎません。一方で、
・どの工程からスタートし、次はどこを目指すのか?
・入社した会社で3年後、どんな「経験や武器」が手に入るのか?
この戦略さえあれば、IT業界は今もなお市場価値を大きく高め、リターンも得られる業界です。
また、少しでも「インフラが現実的かも?」と感じたなら、次は「どんな環境を選ぶか」が重要です。
その具体的なステップや、失敗しない環境の見極め方は、以下の関連記事「インフラエンジニアはやめとけ?」で詳しく解説しています。インフラに興味がある方は、是非参考にしてください。

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