インフラエンジニア転職の成功法則|年収・スキル・環境を叶える「商流と役割」戦略

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「もっと年収を上げたい」
「クラウドやAWSなど、モダンな技術に携わりたい」
「夜勤や残業を減らし、働き方を改善させたい」

インフラエンジニアとして、こうした希望を持って転職活動を始める方は多いです。

一方で、いざ求人を探してみると「とにかく数は多い」、しかし「どれが自分にとって最適か、分からない」と迷うことが多いのではないでしょうか。

もちろん、すべての人に当てはまる万能な転職戦略・求人の選び方は存在しません。キャリアの正解は人それぞれです。

しかし、これまで多くのインフラエンジニアの転職を見てきた中で、「納得のいく結果」、「入社後に高い満足度」を感じている人の共通点には、大きな傾向があります。

この記事では、これまで多くのインフラエンジニアを支援してきた視点から、納得のいく転職を実現するための「2つの判断基準」を軸に、失敗しないための戦略を属性別に解説していきます。

目次

インフラエンジニア転職の成功は「商流×役割」が8割|年収・技術・働き方を同時に叶える前提の視点

「年収」、「上流」、「働き方」など、転職を考えるきっかけは人それぞれです。しかし、実はこれらの希望を、全体的に大きく叶えるため共通点もあります。

それは、個別の条件(給与額や福利厚生など)をメインで絞り込むのではなく、「商流」と「役割」という2つの軸で、まず求人を絞り込むことです。

逆に言うと、この2軸を無視して「年収」や「技術名」だけで求人を選びすぎてしまうと、入社後に「思っていた業務と違う」、「給与が全く上がらない」といった後悔につながるリスクが高まります。

①「商流」:あなたの技術がいくらで売れるかを決める

商流とは、プロジェクトにおける「立ち位置(元請け・二次請けなど)」のことです。

あなたが「やりたい技術」をどれだけ磨いても、その技術を売る場所(商流)が低いと、会社の利益率が低いためにあなたの年収は上がりません。

高商流(元請け・自社開発など):
利益率が高く、年収や働き方の改善に直結しやすい。

低商流(三次請け以下など):
現場の裁量が少なく、中間マージンがある。どれだけ努力しても給与や環境が頭打ちになりやすい。

「やりたい技術」に触れる場所を、商流の高い環境にスライドさせる。これが2026年現在の、最も効率的な年収アップの正攻法です。

②「役割」:市場価値(スキルの希少性)を決める

仮に同じ「AWS環境」での仕事でも、その内容が「手順書通りの作業」か、「構成を考える判断」かによって、数年後のあなたの市場価値は別物になります。

作業(オペレーション):
代わりが効きやすく、経験を積んでも年収が伸びにくい。

役割(設計・構築・改善):
「技術力」のみでなく、現場における「判断」も伴う業務です。

設計・構築・改善といった経験(役割)が、転職市場で「高単価で売れる市場価値」につながり、その後に働き方などの「個別希望条件」を手に入れる武器になります。

インフラエンジニアの転職市場の現状【需要は高いが、落とし穴も多い】

現在、インフラエンジニアの求人数は右肩上がりです。クラウド(AWSなど)への移行加速やDX推進などによって、慢性的な人手不足であるため、「転職すること自体」の難易度は決して高くありません。

しかし、安易な転職には大きな「落とし穴」もあります。ここではよくある3つの落とし穴を整理していきます。

①「スキルが伸びない現場」を選ぶと、年収もほぼ伸びない

インフラエンジニアの年収は、「実務で積んだスキルの希少性」に大きく依存します。

そのため、安易に転職先を決めると、以下のような「スキルの停滞」に陥ってしまい、結果として年収が早期に頭打ちになります。

「経験」が「エンジニア経験」として見なされにくい現場:
3年働いても「手順書通りのオペレーション」ばかりしか経験できない現場では、市場価値は1年目から更新されません。

「商流」や「工程」が低いことのリスク:
経験年数が増えたとしても、転職先の商流が低い場合、下流工程に縛られてしまうリスクも多くあります。このケースが長く続きすぎると、上流への挑戦が難しくなっていくことも。

「今より年収が50万円上がるから」と選んだ転職先が、「その後、ほとんど年収が上がらない環境だった」など、これはインフラ転職でよくある失敗パターンの一つです。

②未経験・異業種でも可能だが「入口」を間違えると、選択肢が大きく狭まりやすい

インフラエンジニアは未経験からでも挑戦しやすい職種です。

しかし、「どこでもいいから、とりあえず実務経験を」と焦って、教育体制のないSESや夜勤中心の監視業務に飛び込むと、そこから抜け出せなくなる「キャリアの塩漬け」状態に陥るリスクがあります。

成功する入口:
1〜2年後に「構築」や「クラウド運用」へのステップアップパスが明確な企業。

かなり詰みやすい入口:
3年経っても「手順書通りの操作」しか経験させてもらえない現場。

「内定が出やすい求人」と「将来の年収を上げる求人」は別物である、ことを理解しておく必要があります。

③「大手企業」=「社員数が多い」=「安心」の罠

「社員数が数千人なら安心」、「大手であればキャリアも安泰」という気持ちになり、大手にこだわりたい人も多いです。実際に大手の方が福利厚生はよい傾向です。

しかしこの考え方は、インフラ業界では必ずしも成立しません。例として以下があります。

大手=高商流」とは限らない:
会社の社員数が多くても、請けている案件が「三次請け・四次請け」であれば、あなたが実際に担当するのは商流の最下流にある、代替可能な単純作業かもしれません。

大手アウトソーサーのビジネスモデル:
社員数が多い大手企業の中には、数百人・数千人単位のエンジニアを「運用監視」や「キッティング(PC設定)」などの定型業務に配属することで利益を上げているビジネスモデルが多くあります。

「大手=安心」ではない、「商流の上部にいることが重要」

転職では、社員数の多さに安心するのではなく、今のスキルで狙える商流上部の求人を狙うのが重要です。

つまり、「会社名」や「社員数」、「給与レンジや福利厚生」などを見がちですが、転職で見落とすべきでない所は、その求人が、どの商流で、どんな役割を担うポジションなのかという点です。

これは特に、未経験から中堅エンジニアにとって重要な視点です。

失敗する転職・成功する転職の決定的な違い

いざ転職活動を始めると、「年収を上げたい」、「リモートがいい」、「残業は少なく」、「AWSを触りたい」、「大手が安心」と、叶えたい条件が次々と出てくるものです。

しかし、これら全てを一気に満たそうとすると、かえって転職は失敗へと近づきます。大事なのは、転職で叶えたいことに「優先順位(転職の軸)」を作ることです。

なぜ「転職軸(優先順位)が定まっていない転職」は失敗しやすいのか

多くのエンジニアが陥りやすいのが、「条件の掛け合わせ」による求人の絞りすぎです。絞りすぎることによる主な失敗例は以下です。

企業から選ばれにくい:
年収や働き方などの条件が先行しすぎると、企業側との期待値が嚙み合いにくくなり、結果として、スキルが満たされていてもお見送りになるケースもあります。

「妥協」のポイントを間違える:
優先順位が不明確だと、目先の「リモート可」といった条件のために、肝心な「スキルが伸びない現場(低商流)」を選んでしまうなど、理想の将来とかけ離れた選択につながることもあります。

特に運用保守といった下流工程にとどまっている場合、改善したいことが多くありすぎて「転職軸(優先順位)」が定まりにくくなりがちです。

運用保守から抜け出すための具体的なキャリア改善ルートについては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

→関連記事: 運用保守はやめとけ?底辺と言われる理由と後悔しない判断基準

なぜ「商流・役割を最優先する転職」は成功しやすいのか

一方で、成功する人は「商流や役割」を転職軸の最優先事項に据えることが多くあります。それは、この2つが改善されれば、他の条件は後から付いてくるためです。

条件面が「結果」として付いてくる:
商流が上がれば、会社の利益率が高まり、「年収」も上がり、「働き方(リモートや裁量)」の自由度も増す傾向です。

面接での説得力が鉄板で高まる:
「よりユーザーに近い立ち位置(上位商流)で、より判断業務に近い役割(設計構築)に挑戦し、貢献したい」という軸が固まっている候補者は、企業にとって非常に魅力的な「目的意識のある人材」に映ります。

このように、転職軸を「商流・役割」に置くかどうかが、その後の結果を分ける大きな分岐点となります。

また、インフラエンジニアの年収が、どの工程・どの立ち位置で、どのように変わっていくのかについては、以下の関連記事で具体的な相場感と現実的な上げ方を解説しています。

→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|商流と役割で決まる現実

【属性別】インフラエンジニアが目指すべき転職の方向性

では「商流と役割」という軸を、あなたの現在の状況にどう当てはめるべきでしょうか。ここでは属性を大きく4つに分け、目指すべき転職の方向性を整理していきます。

① 未経験・異業種からのインフラエンジニア転職

未経験・異業種からの転職で最も重要なのは、「最初の入り口選び」です。

転職自体は比較的しやすい職種ですが、教育体制が弱い現場や、監視・オペレーションのみの業務に入ると、数年後に選択肢が狭まるリスクが大きく残ります。

戦略:
最初から年収などの条件を盛り込みすぎず、1〜2年後に「構築」や「クラウド運用」などの上位の役割へ進めるステップアップパスが確立されている企業を狙いましょう。

→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?資格・勉強法・転職ロードマップ

② 30代で評価されるインフラエンジニア転職の考え方

30代の転職では、「これまで何を判断し、どこまで任されてきたか(再現性)」が評価される傾向が強くなります。

これはリーダー業務や設計・構築経験に限った話ではなく、運用保守の立場であっても、障害対応の判断や運用改善など、主体的に関わってきた役割が商流を高めるカギになります。

戦略:
条件改善も重要ですが、「商流や役割を一段引き上げる」ことを最優先にしましょう。すると結果的に待遇なども改善されていきます。

また「30代未経験からの転職」は、20代とは異なる「30代ならではの戦い方」が重要です。詳しくは、以下の関連記事にて説明しています。

→関連記事:30代未経験からインフラエンジニアになれる?年齢別リアルと失敗しない戦略

③ クラウド・AWS領域で評価される転職の考え方

クラウドやAWSは強力な武器になりますが、資格や操作スキルだけでは、高い商流の競争においては勝つことが難しくなります。

戦略:
AWS転職では「触ったことがある」ではなく、設計・構成・改善にどう関わったかを評価軸に置きましょう。商流の高い環境でその役割を担えるかどうかが、年収や裁量の差を生みます。

同じAWS経験でも、商流の低い環境での運用作業と、上位工程での設計・改善では市場評価が大きく異なります。

→関連記事:インフラエンジニアのAWS転職|年収が伸びる人・伸びない人の決定的な違い

④ 経験者が「次の壁」を越えるための転職戦略(キャリアアップ)

「実務経験は積んだものの、年収や裁量が伸び悩んでいる」という中堅層は、スキルの幅を広げるよりも商流を上げる、役割を変えるという視点が効いてきます。

戦略:
技術の深掘りだけでなく、商流を上げる(元請けや自社開発へ)、あるいは役割を変える(設計から要件定義、マネジメントへ)という一歩が、大きなキャリアアップに寄与します。

→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス・ロードマップ|運用から設計・クラウドへ

インフラエンジニアが転職活動で準備すべき3つのこと

インフラエンジニア転職は、事前準備の質で大きく結果が変わります。

特に、商流が上で条件が良い「優良企業」ほど応募者が殺到するため、他の候補者の中に埋もれないために、事前準備で少しでも「差別化」することが重要です。

ここでは、転職活動に進む前に必ず押さえたい3つのポイントを整理していきます。

① キャリアの棚卸し(作業・成果・役割の整理)

まずは今までの経験を「作業・成果・役割」の3軸で棚卸しましょう。

重要なのは、技術やツールを並べることではなく、「どの工程で、どんな判断(役割)を担い、その結果どんな成果につながったか」を言語化して文字に落とすことです。

ここを丁寧に進めると、職務経歴書作成や面接準備がスムーズになり、自分が次に狙うべき商流や役割も明確になりやすくなります。

② 職務経歴書・面接で評価されるポイント

選考で評価されるのは、「経験ある技術」だけではありません。優良企業になるほど「どんな立ち位置で、どこまで任されてきたか(役割や成果)」が評価のポイントです。

成果をアピールする場合は、結果だけでなく、その判断を行った背景もあわせて説明できるかが重要です。

また志望動機も、無理にひねり出して、自分を飾りすぎる必要はありません。 「なぜこの商流・役割に進みたいのか、どんな経験・学習や成果などを活かしたいのか」が一貫していれば評価されます(企業が求めるのは一貫性です)。

→関連記事:【採用視点で説明】インフラエンジニア志望動機:未経験でも内定が取れる例文と書き方

③ 転職エージェントの正しい使い方

転職エージェントは、非公開求人を紹介してもらうだけの存在ではありません。「理想のインフラキャリアの道筋を一緒に作り、選考対策までを支援してくれるサポーター」として利用すべきです。

どの経験を強みとして打ち出すべきか、どの商流・ポジションの求人を狙うべきかなどに迷う場合は、早めにプロの視点も利用することで、無駄な遠回りを避けることができます

特に「スキルや成果・経歴に自信がない」、「自分にあう求人だけを絞って紹介して欲しい」とった不安や希望がある場合は、インフラエンジニア転職に強いエージェントを利用すると効率的です。

→関連記事:インフラエンジニア転職エージェントの選び方|失敗しない環境選びと成功ルート

まとめ|インフラエンジニア転職は「商流と役割」で後悔を防げる

インフラエンジニアの転職において、「AWSやGoogle Cloudなどのクラウド技術に触れたい」、「最新のモダンな環境で成長したい」という技術への好奇心は、キャリア形成において大きな原動力になります。

一方で、「やりたい技術」を、より高い年収と望ましいキャリアで実現するためには、条件や知名度のみでなく、その裏側にある「商流」と「役割」を見極める視点も重要です。これが長期的なキャリア形成に効いてきます。

最後にこの記事のポイントをまとめます。

■この記事の重要ポイントまとめ:
「やりたい技術」は、商流が高い環境で選ぶ:
 →仮に同じクラウド技術でも、商流が上の環境・ポジションを選ぶことで、より上流・より価値の高い経験として積み上がります。
スキルの本質は「役割」:
 →ただの「作業者」に留まらず、最終的に「判断」を任される環境を目指すことが、結果的に技術力を最大化させる最短ルートです。
転職軸の優先順位を決める:
 → 「商流や役割」を軸に据えれば、求人選びも志望動機もシンプル。働き方や年収といった他の条件もすぐに、もしくは後から結果として付いてきます。

転職は、今の不満や不安を改善でき、より希望する環境へステップアップする絶好の機会です。またその成功確度は、準備の質などによって大きく変わります。

もし、今の自分に足りないものが「最新技術の経験」だと思っているのなら、それは少し違います。あなたに今必要なのは、これまでの努力や技術の追求心を「正しく評価される場所」へ繋げるための「戦略」だけかもしれません。

そしてその戦略を、自分一人で見出すことが難しいと感じるなら、インフラエンジニアの転職を専門に支援してきた私たちがお手伝いします。

転職すべきか迷っている方へ

「今の環境でこのまま続けるべきか」
「商流や役割をどう引き上げればいいのか」

インフラエンジニアの転職を専門に支援してきた立場から、
あなたの商流・役割・成果を整理し、
次に取るべき一手を一緒に考えます。

この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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