こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
未経験からインフラエンジニアを目指す方が一番悩むのは「志望動機の作成」です。経験がない場合、志望動機の作成はもっとも難しいことです。
また近年、ネットの情報や、生成AIの発展により、誰にでも当てはまるような一般的な志望動機では、合格が難しくなってきており、求められる志望動機のレベルが上がってきています。
志望動機の例文を見て学ぶのは大事ですが、企業は志望動機に「個性」や「具体性」を求めるようになっています。ゆえに、志望動機には、自分の「個性」や「具体性」などを盛り込む必要が出てきています。
この記事では、志望動機の例文から、あなた個人の個性や具体性の盛り込み方など、志望動機の効果的な作り方を説明していきます。インフラエンジニアの志望動機作成に悩む方は、ぜひ参考にしてください。
未経験インフラエンジニアに求められる志望動機は、どれくらいのレベル?
未経験者の方から「他の人は、どのレベルで志望動機を作っているのか?」、「どのレベルなら合格ラインに達するのか?」という質問をよくいただきます。
未経験者の志望動機では、どの程度のクオリティが求められるのでしょうか?
結論としては、企業ごとに求められる志望動機のクオリティは異なります。また実際に内定を得るには、志望動機だけでなく、過去の経験やスキル、強み、年齢、仕事や学業に向き合ってきた姿勢などの総合評価となります。
そのため、志望動機だけで「合格」が決まることは、あまりありません。
しかし、未経験採用では「志望動機」をもっとも重視することが多く、志望動機の内容が弱いことで、「不合格」になることは非常に多いです。ゆえに、志望動機は時間を掛けて対策することが大事です。
未経験インフラエンジニアの志望動機:合格レベルの例文
志望動機の質を高めるには、志望動機の例文を見ることが一番参考になります。コピペはいけませんが、参考にして、自分なりに大きくアレンジすることは有効です。
まずは、インフラエンジニアの志望動機について、合格レベルと思われる例文を解説していきます。この例文レベルの志望動機であれば、未経験者の中であれば、上位2割に入ることができるでしょう。
また、文系の方や、フリーターの方は、志望動機に悩みやすいため、文系やフリーターの方の志望動機例文もピックアップし、採用担当者の見方も含めて解説していきます。
志望動機の例文:未経験・文系①
兄や友人がITエンジニアとして働いているのを見て、IT業界に興味を持つようになりました。
ITについて調べる中で、私たちの生活や新しい技術、サービスがサーバーやネットワークといったITインフラの上に成り立っていることを知り、インフラの整備が私たちの日常や経済成長を支えていることを再認識しました。
また、この経験から、ITインフラを支えるエンジニアとして働きたいと強く思うようになりました。
まず知識を深めるため、AWSの資格取得を目指し勉強を開始しました。最初は参考書の内容も理解できず、単語を一つ一つ調べるところから始めましたが、2か月でAWS SAAの資格を取得し、その後1ヶ月でLPIC level1の資格も取得しました。
勉強を進める中で、インフラエンジニアになりたいという気持ちが、確信に変わりました。まずはサーバーエンジニアとして設計・構築に携わり、次にネットワークの知識も深め、インフラ全体を支えるエンジニアを目指したいと考えています。
■採用担当者の見方:
エンジニアに興味を持ったきっかけがわかり、エンジニア職を自分で調べる中で「インフラエンジニア」に興味を持った理由もわかります。
また、知識を深めるために、資格の勉強を行っているのも良いですが、資格のAWSとLPICを、短期間で取得していることが非常に良いです。地頭の良さが感じられます。
行動量、勉強量、実績を含めて、120点の内容です。
志望動機の例文:未経験・文系②
IT業界に興味を持ったきっかけは、人の生活を支える仕事であり、手に職がつく仕事でもあったためです。
元々は人の生活を支える仕事がしたい考えから、大学卒業後は公務員を目指していました。
しかし、公務員試験の対策を進めるにつれ、より実力主義で責任ある仕事を任される環境の方が、やりがいを感じ、成長に繋がると思い、公務員試験を止める考えに至りました。
また、元からIT業界への興味はありましたが、文系出身であるため、IT業界での就業を自ら放棄していました。しかし、業界研究をするにつれ、IT業界の魅力に強く惹かれ、年齢的にも最後のチャンスと考え、IT業界に挑戦することを決意しました。
IT業界の中でも、インフラエンジニアという職種は、特定のアプリ開発を中心とする開発側エンジニアと比較して、より広く人々の生活を支える仕事が出来ると考えています。
今日どのような業界においても、サーバーやネットワーク無しでは生活が成り立たないと感じています。
ゆえに社会インフラとして必要不可欠である、インフラエンジニアに興味を持ち、目指す事を決意しました。未経験ではありますが、LPIC101は合格しており、来月にLPIC level1の取得を見込んでいます。
■採用担当者の見方:
公務員を目指していた中で、志望がインフラエンジニアに変わった人の志望動機です。
公務員を志望した理由と、インフラエンジニアを志望している理由が一貫している所が非常によいです。また、開発エンジニアでなくインフラエンジニアの方が良い理由も書かれている所もよいでしょう。
あわせて、実力主義で責任がある仕事など、ITインフラの重要性を理解しており、覚悟感を感じられる所も、よい内容と言えます。
志望動機の例文:未経験・フリーター①
私はもともとネットワークの仕組みに興味があり、正社員としてインフラエンジニアの職を長く続けたいと考えています。
ネットワークへの興味を持つきっかけは、ライブ配信が好きで、リアルタイムの配信がどのように成り立っているのか疑問に感じたことでした。さらに、なぜネットワークが繋がるのかを調べていくうちに、インフラエンジニアという職種を知りました。
日常的に利用しているインターネットやIT技術が、裏で支える人々によって成り立っていると知り、自分もネットワークに関わる仕事に就きたいと思うようになりました。
そこで、ネットワークの知識を身につけるために独学でCCNAの勉強を始め、CCNAを取得しました。学習を通じて、ネットワークの仕組みやセキュリティを理解し、インフラエンジニアの重要性を改めて感じました。
今後もエンジニアとして成長するために、学習意欲を持って業務や自己学習に取り組んでいきます。
■採用担当者の見方:
趣味をきっかけに、ITインフラやインターネットの仕組みに興味を持ったこと。また興味からITインフラについて自分で調べて、インフラエンジニアに興味を持ったことが良いです。
あわせて、インフラエンジニアになりたいと考え、勉強をして、資格を取ったという流れが非常によいです。学習において面白みを感じたこと、楽しいと思ったことまで伝えると、尚よい志望動機でしょう。
志望動機の例文:未経験・フリーター②
パソコンを使ってオンラインゲームをしていた際、サーバが落ち、ゲームをプレイできないことがありました。
どんなにおもしろいゲームが完成しても、ネットワーク・サーバがしっかり運用されてないと、サービスとして成り立たないと考えたことがきっかけで、ITインフラに興味を持ち、ITインフラを勉強してみたいと考え、ITスクールの受講を決めました。
ITスクールを受講し、ITインフラ構築演習でトラブルシューティング、pingなどのやり間違っているところを見つけて修正、直していくのに達成感を感じる事ができました。
また、どこが間違っているのか?不足しているところはあるのか?と問題を探求し解決することに楽しみ・やりがいを覚え、現在ルータ、スイッチを2台ずつ購入し、自宅で構築作業をしています。ぜひインフラエンジニアとして成長していきたいと考えております。
■採用担当者の見方:
趣味のオンラインゲームをきっかけとして、インフラエンジニアに興味を持った方です。興味を持ったきっかけは、趣味のオンラインゲームでも問題ありません。
ただし、趣味のオンラインゲームをきっかけとして述べる場合は、インフラエンジニアになるための学習内容や覚悟感が問われやすいですが、学習内容も十分と言えます。
スクールに通いかつ、問題解決に楽しみを感じて、ルータとスイッチを2台ずつ購入して学んでいることにより、エンジニアになるための本気度や、行動力と探求心が感じられます。
とても評価は高い志望動機でしょう。100点の内容です。
志望動機の例文:仕事でITに関わった経験・理系①
前職のゲームセンター店舗勤務時に、ゲーム機の配線変更等、ごく簡単なネットワーク作業の経験をしました。またPCへの興味もあり、IT分野への転職を志望いたしました。
退職後、職業訓練にてインフラエンジニア養成科にて勉強を始め、インフラの重要性を改めて実感したことで、より専門的で大規模なネットワーク構築を経験したいと思い、社会や企業を支えるインフラエンジニアを志望いたしました。
現在はCCNA取得のみですが、将来的にCCNPなど、より上位資格の取得や、ネットワークだけでなくサーバやクラウドといった幅広いスキルを身に付けたいと考えています。
また、前職で培ったマネジメント能力も活かし、プロジェクトマネージャを目指したいと考えています。そのため現在はLPICレベル1を取得できるよう勉強中です。
■採用担当者の見方:
ゲームセンター勤務時に小規模なネットワーク作業を経験し、インフラエンジニアを志望したという志望理由であり、経験に基づく内容で、一貫性があるため非常によいです。
また、インフラエンジニアになるために、職業訓練に通い、CCNAを取得し、現在LPIC level1も学習中であるため、知識レベルや行動量も十分と言えます。
あわせて「プロジェクトマネージャになりたい」と、将来のキャリアビジョンについても、触れており、評価は高い志望動機となるでしょう。
志望動機の例文:仕事でITに関わった経験・理系②
IT業界への興味は、教員時代に担当していた情報科がきっかけです。
情報科を通して様々な内容を調べていくうちに、生活には欠かせないものとなった情報通信技術の奥深さや大切さを痛感しました。
特に情報通信技術を支えているITインフラに興味があり、将来的には構築・設計ができるインフラエンジニアを目指したいと考えています。
Linuxサーバについての知識やスキルの習得のため、LPIC level1の学習を行い、1ヵ月で取得しました。現在はネットワークの勉強を始め、CCNAの取得に向けた学習に取り組んでいます。
■採用担当者の見方:
学校の先生時代に、情報科も担当したことがきっかけで、インフラエンジニアになりたいと考えた志望動機であり、経験に基づいた考えですので、非常にわかりやすい内容です。
また、LPICの資格も取得しており、資格取得という成果に至っている所が高評価です。
あわせて、CCNAの学習も始めている状況ですので、インフラエンジニアのキャリアを十分に理解していることが分かります。内容はやや薄いですが、高評価の志望動機でしょう。
上記までの志望動機であれば、面接官から高い評価をいただける志望動機と言えるでしょう。
未経験インフラエンジニアの志望動機:内容が薄い例文と、改善すべきポイント
今までは評価が高い志望動機を説明してきましたが、どのレベルだと「もう少し説得力が欲しい志望動機」なのか、わかりにくいでしょう。
ここからは、一般的に「内容が薄い」と言われ、もう少し説得力が欲しい志望動機について、改善ポイントとともに説明していきます。
志望動機の例文:内容が薄いケース①
私がITという分野を調べて行くにつれて特に関心を持ったのが、利用者の快適なインターネット環境を支えるITインフラという分野についてです。
ITについて学んでいくと、現代社会でのITインフラの重要性や奥深さを心から感じる事になり、そのITインフラを構築し、維持している人達に憧れていくようになって行きました。
そして、人々のコミュニケーションや企業の経済活動を支えているインフラを支えたいと思い、この業界での就職を熱望しました。
■改善すべきポイント:
IT業界について調べて、インフラに興味を持ったのはよいことです。しかし「なぜIT業界に興味を持ったのか?」が書かれておらず、全体的に薄い内容になっています。
また、志望動機が「インフラエンジニアへの憧れ」で終わっている所も、もったいないと言えるでしょう。
あこがれで終わらせるのではなく、行動にまで移せると、評価が変わります。行動が全く見えないと、受け身にも見えます。
企業にとって、「あなたを採用するメリット」が見えにくい志望動機とも言えます。
志望動機の例文:内容が薄いケース②
高い専門スキルを身に付け、顧客から必要とされ続けるキャリアを構築したいと考え、インフラエンジニアを志望しております。
IT業界は、やる気次第でどこまでもスキルアップしていける奥深さがあり、様々なスキルが必要な環境に身を置き、技術を高めて行きたいです。
エンジニアは実務未経験ではありますが、未経験である分、どのような困難があっても逃げずに、お客様や課題、納期等と向き合い続け、自己研鑚し続けるエンジニアとして生涯生きていく覚悟はあります。
是非とも貴社やお客様に貢献する機会を頂けますと幸いです。
■改善すべきポイント:
IT業界や、インフラエンジニアに対しての志望度が伝わり、また覚悟感も伝わります。ゆえに、エンジニアの志望動機としては良いです。
今までのキャリアで実績を出している場合は、キャリアにおける実績と照らし合わせて、通過する志望動機とも言えます。
ただし、「エンジニアになるための努力」が見えません。また、「なぜインフラエンジニアなのか?」の説明がないため、面接では大きく深堀りされてしまう志望動機でもあります。
エンジニアの職種が多数ある中で「なぜインフラエンジニアを志望するのか?」を志望動機に追加すると、さらに良い志望動機になるでしょう。
避けるべき!よくある志望動機の失敗事例
志望動機は、書類選考や面接で合否に大きく影響する重要ポイントですが、内容や伝え方を間違えると、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。
ここでは、よくある志望動機の失敗事例と、改善方法を説明していきます。
志望動機の失敗事例①:研修が充実しているため、志望した
志望動機に「研修」を使う人は非常に多いですが、志望動機に「研修」を使う場合、上手く説明ができないと印象が悪くなるため、要注意です。
企業が採用したい未経験インフラエンジニアは、「自走できる人」です。
つまり、自ら学習し、スキルを習得して、勝手に育ってくれるエンジニアです。自ら学習する姿勢が見えず、研修に依存している印象を感じると、大きく不合格に近づきます。
研修制度を志望動機に使う場合は、「自分で計画的に学習は進めていきますが、更にスピーディにステップするために、貴社の研修制度も有効活用したい」程度にとどめておくことが無難と言えます。
志望動機の失敗事例②:業界や職種の理解不足が明らかになる内容
志望動機は、IT業界やインフラエンジニアという職種のことを理解していないと、作成は難しいです。
仕事の理解が不足していると、採用担当者は志望動機ですぐに違和感を感じてしまいます。ゆえに、業界研究・仕事研究不足で不合格になる可能性が大きく高まるでしょう。
そのため、業界や職種の特徴を理解した上で、志望動機を作成しましょう。
■関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容をわかりやすく、具体的に解説
志望動機の失敗事例③:学習意欲が伝わらない
やる気を示すことは重要ですが、やる気だけでは不十分なことが多いです。
例として、「未経験ですが、頑張ります。やる気はあります。」といった内容は、誰しも志望動機に記載がありかつ、誰でも書けてしまうため、本気度が伝わらない典型例と言えます。
学習意欲を伝えるためには、具体的な学習内容や取組みを志望動機に盛り込みましょう。
また、学習に取り組んでいないのであれば、今後どのように学習を進めていくのか?という学習計画を伝えた方が望ましいです。
■関連記事:【初心者必見】効率的に学ぶ!インフラエンジニアの勉強方法と順番
志望動機の失敗事例④:現職(前職)の愚痴が多い
志望動機に現職(前職)の愚痴を含めることも、好ましくありません。
例として「スキルが身につかない」、「評価が不透明」などがありますが、愚痴が多いと、「転職後も、同じ問題が起きる」可能性を感じてしまいます。
志望動機は、ネガティブな内容ではなく、ポジティブな内容が好ましいです。
具体的には「スキルが身につかない」ではなく、「より必要とされるスキルを、実務経験を通じて積んでいきたい」など、ポジティブに変換することが大事です。
志望動機の失敗事例⑤:テンプレート感が強い志望動機
ネット検索などで調べて、マネをしすぎることで、テンプレート感が強い志望動機となっていることも多いです。
誰にでも言えてしまう内容は、テンプレート感が強い志望動機として、他応募者と差別化ができません。間違いなく、他応募者の中で埋もれてしまうでしょう。また嫌われてしまうこともあります。
志望動機は、具体性や体験、自分の考えを盛り込むことが大事です。
インフラエンジニア転職を成功させるには、志望動機が重要
未経験インフラエンジニアの転職では、「志望動機」が非常に重要です。企業が未経験者を採用するにあたり、特に重視するポイントが「志望動機」です。
ゆえに採用担当者が、志望動機に好印象が持てない場合や、納得できない場合、お見送りとするケースは非常に多いです。
仮にインフラエンジニアとして活躍する力があっても、仕事内容の理解や、志望動機の検討不十分にて、ありきたりの内容になってしまい、志望動機で引っかかってしまうこともあります。
志望動機を作る目的
志望動機を作る目的は、面接を受ける会社から評価され、内定を獲得するためです。
ゆえに志望動機は、自分自身が、応募企業やインフラエンジニア職に適していることを、効果的に伝えられる内容がベストです。
志望動機とは、文字上では「志望する動機(働きたい理由)」ですが、単に、働きたい理由を伝えるだけでは、自分が言いたいことだけをアピールすることになりがちです。
このような場合、自己満足に近い志望動機となってしまうため、面接官からみると「納得感がない」、「何かズレている」、「他の応募者の方がよい」と思われてしまうこともあります。
ゆえに、面接官に納得してもらえる志望動機を作るには、「なぜ志望動機を聞かれるのか?」を理解することが重要です。
「なぜ志望動機を聞かれるのか?」を理解することで、面接官が聞きたい質問の意図から逸れないように、志望動機を答えることができます。
志望動機を聞く理由①:どれくらい成長してくれそうか?を判断したい
面接官が志望動機を聞く理由の一つとして、「応募者がどれくらい成長してくれそうか?(どれくらい本気なのか?)を見極めたい」という考えがあります。
未経験採用はポテンシャル採用であり、即戦力採用ではありません。ゆえに、入社後に「どのくらい本気で、仕事やスキルアップに取り組んでくれそうか」や「成長のスピード感はどれくらいになりそうか」を志望動機にても見極めようとしています。
「教えなくても成長する人」や「教えたらどんどん吸収する人」は評価が高いです。また成長スピードが遅くても、「コツコツ頑張ってくれそう」な人も評価されるでしょう。
しかし、「成長速度が遅い」または「コツコツ継続することが苦手そう」と思われてしまうと、採用をしても、入社後に苦しんでしまうため、そのような印象を企業が感じた場合は「選考NGにすべき」と考えます。
この「どれくらい成長してくれそうか」は、志望動機の内容でも判断されますが、話しているあなたの姿勢や雰囲気も含めて判断されることもあります。
志望動機を聞く理由②:長期的に活躍しそうか?を判断したい
志望動機を聞く理由の一つとして、「長期的に活躍してくれそうか?(すぐに辞めなさそうか?)を見極めたい」という考えもあります。
未経験者を育成する場合、採用企業は、お金や労力などの教育コストがかかります。ゆえに、早期に退職となった場合は、今まで使ったお金と時間が無駄になってしまいます。
また、退職が増えると、会社の離職率も高まるため、良い人材の採用がどんどん難しくなってしまい、負のスパイラルになるため、早期退職の可能性を感じた場合には、採用が見送られることが多いです。
仮に「将来活躍しそうな人材」と思われても、入社後1-2年以内に辞めそうな場合は、なかなか人気企業からは採用されにくいでしょう。
未経験インフラエンジニアの志望動機を作成するポイント
志望動機の作り方は、基本的に自由です。「この作り方でないとダメ」というものはありません。しかし評価される志望動機には「型」があります。
ゆえに、評価される志望動機の「型」をマネしながら作っていくことが、評価される志望動機の時短作成に繋がります(ただし、型はマネして良いですが、例文はマネしないでください)。
ここでは未経験インフラエンジニアの志望動機におすすめの型について、作成のポイントを説明していきます。
評価される志望動機の作り方
以下からは、未経験インフラエンジニアの志望動機を作成するために欠かせない、3つのポイントについて詳しく説明していきます。
志望動機作成のポイント①:なぜIT業界を志望するのか?
IT業界を志望する理由は、「どのようなきっかけからITに興味」を持ち、「なぜITエンジニアになりたいと考えたのか」を説明することが大事です。
よくある回答理由として「ITは手に職がつくと思った」、「PCを使った仕事がしたい」などがありますが、それだけではIT業界を志望する理由としては弱いです。
例として、手に職がつく仕事は、ITエンジニア以外もあります。また、PCを使った仕事は、ITエンジニア以外もたくさんあるでしょう。ITエンジニア職種以外でも当てはまる内容は、避けた方が無難です。
ゆえに、IT業界に興味を持った理由は、「自分がITに関わった経験談から作成すること」がベストです。
なぜIT業界を志望するのか?:営業出身者の例
「現職のDXの取組で、営業活動がオンラインになり、効率的になりました。その時に、ITはなくてはならないものだと実感し、強く興味を持ったことがきっかけとなり、そこからIT業界のことを調べだしました」
上記のような内容ですと、自分の経験に基づく内容となります。きっかけとしては薄く見えますが、その後に「IT業界のことを調べだしている」ので、行動が起きています。ゆえに、十分な内容です。
なぜIT業界を志望するのか?:事務出身者の例
「会社の事務作業において、ITにおける自動化が進んだことで、人員の削減がありました。仕事がなくなることにショックはありましたが、一方で、事務作業を自動化したITは、新たな仕事を生み出す影響力があると考え、自分も携わっていきたいと考え、IT業界に興味を持ちました」
上記のような内容ですと、つらい環境から、時代の変化に適応しようとしている姿勢が伝わり、「その選択肢がIT」と考えていることが伝わります。ゆえに、十分な内容です。
このように、一番評価が高いのは、自分自身が「ITについての実体験で、心を動かされたこと」です。心が動かされて、行動に移したという内容まで語ることが出来ればベストです。
ただし、実体験からの作成が難しい場合は、「エンジニアの友人の話を聞いて、興味を持った」などでも問題ありません。
志望動機作成のポイント②:【非常に重要】なぜインフラエンジニアを志望するのか?
志望動機において、様々なITエンジニアの職種がある中で、「なぜインフラエンジニアを志望するのか」を説明できることが非常に重要です。志望動機のもっとも重要なポイントです。
この「なぜインフラエンジニアなのか?」が一番大事であり、もっとも時間を掛けて考えるべき点です。この説明が薄いと「インフラエンジニアでなければいけない理由は?」と突っ込まてしまうこともあります。
よくある回答例として、「手に職がつく仕事」、「将来性が高い仕事」、「社会貢献ができる仕事」などがありますが、このようなインターネットで検索できるような答え方は、志望動機が弱くなりやすい例です。
「なぜインフラエンジニアを志望するのか?」においても、一番説得力が高い伝え方は、実体験からの内容です。
例として、「エンジニアに興味を持って、プログラミングを勉強した所、プログラミングよりも、サーバーやOSの勉強の方が面白みを感じました。ゆえに、インフラ技術を追求したいと考え、インフラエンジニアを志望しています」といった実体験は、強い説得力があります。
これは、インフラエンジニアになるために、勉強という行動をしているかつ、勉強が面白かったという感想まで加えられているため、ITエンジニアに必要とされる「自走力」や、「学習を楽しめる人材」という印象を採用担当者に与えることができ、一番おすすめできる志望動機の作り方です。
ただし、事前に勉強することを避けたい方は、他のITエンジニア(プログラマーなど)と比べて「インフラエンジニアが良い」と考えた本音の気持ちを、体験エピソードとあわせて伝えるとよいでしょう。
例として、「エンジニアに興味を持って、開発の仕事などを調べていたところ、インフラエンジニアという職種を知り、縁の下の力持ちとして、ITサービスを支える仕事という所に強い魅力を感じました。現職の公務員を選んだ理由も、社会のサービスを下支えできると考えたためであり、その一助となれるインフラエンジニアを希望しています」という流れです。
これは、他のエンジニアの仕事も調べる中で、インフラエンジニアが良いと考えた気持ちを説明しておりかつ、現職を選んだ時の就職軸と同じ観点で選んでいるため、体験エピソードとしても十分と言えるでしょう。
志望動機作成のポイント③:【重要】どのように貢献したいのか?
最後に、「どのように貢献していきたいのか?」を説明することで、志望動機の説得力が増します。志望動機に「どのように貢献したいか?」を加えることは重要です。
「どのように貢献したいのか?」がないと、志望動機が「自分がスキルを身につけたいから」のように聞こえてしまい、独りよがりの志望動機に感じてしまいます。
採用担当者が欲しい人材は、「会社や顧客に貢献をしてくれるエンジニア」です。ゆえに、あなたの考えの方向性が「どこに向いているか?(会社や顧客への貢献に向かってくれるか?)」の説明にもなります。
「会社や顧客に貢献したい考え」が弱く、「自分のスキルアップにしか興味がない」といった印象を採用担当者が持ってしまうと、NGになりやすいです。
志望動機は、「なぜIT業界?」、「なぜインフラエンジニア?」、「どう貢献したい?」を繋げるだけ
未経験インフラエンジニアの志望動機は、「なぜIT業界を志望するのか?」、「なぜインフラエンジニアを志望するのか?」、「どのように貢献したいのか?」の答えを繋げると、説得力が高まります。
特に「なぜインフラエンジニアなのか?」に説得力がある場合は、「なぜ?」、「具体的には?」といった、さらなる深堀り質問がないことも多いです。
志望動機と一緒に聞かれる、「インフラエンジニアになるための取組」
インフラエンジニアを志望する際に、面接では志望動機とセットで「インフラエンジニアになるために、どのような取組(勉強)をしてきたか?」を聞かれることが、非常に多くあります。
この「インフラエンジニアになるための取組(勉強)」が聞かれる理由は、応募者がインフラエンジニアになることに対しての本気度や、準備の度合いを確認するためです。
ここでは、具体的に「どのような取組が評価されやすいのか」について、説明していきます。
評価大:資格を取得している
インフラエンジニアを目指すにあたって、資格取得は非常に評価される取組です。インフラエンジニアには、サーバーやネットワーク、クラウドなどの幅広い知識が求められますが、資格を取ることで、知識と意欲を証明することができます。
資格取得を通じて学んだ知識やスキルは、実際の現場でも役立ちます。また企業側にとっても、インフラエンジニアになるための意欲を証明する材料となります。
また、資格取得を目指す過程での学習や、手を動かして学んだ経験が、面接でも具体的な取組として説明しやすく、志望動機に強い説得力を与えてくれます。
■関連記事:【取得順番はこれ!】インフラエンジニアのおすすめ資格を取得順で解説
評価中:勉強をしている
インフラエンジニアを目指す場合、仕事に必要な知識を独学で学んでいることも評価されます。
ゆえに、サーバーやネットワーク、クラウドサービスの概要など、インフラエンジニアに必要な知識を学んでいることも、評価の対象です。
例として、「CCNAの参考書を買って、ネットワーク基礎を本で学んでいる」、「AWSの無料枠を使って、仮想サーバーの立ち上げなどを試している」など、具体的な説明をすると良いです。
ただし、「勉強をしている」という場合は、どんな教材を使って、どんな所まで学んで理解しているかを説明する必要もあります。
また勉強をしている場合は、具体的な質問があることがほとんどです。ネットワークを学んでいるなら、「OSI参照モデルを説明してください」、資格を勉強しているなら「どこまで進んでいますか?」などもあります。
評価小:勉強はしていないが、今後勉強する内容を決めている
現時点で勉強を始めていない場合でも、今後の学習計画を具体的に立てていることは、評価の一助となります。
例として、ネットワークを学ぶために「CCNAの勉強をこれからはじめて、3ヶ月以内に取得する」、「Linuxの操作を学ぶために、LPIC-1を2か月以内に取得する」など、計画的な学習目標があると、前向きに評価されます。
ただし、具体的な行動に移していない場合は、評価は「小」にとどまりやすいです。したがって、「平日は毎日1時間は勉強時間を確保する」など、実行可能な目標もあわせて伝えるとよいでしょう。
また、「今後勉強していく」という場合は、「なぜその分野を学ぶのか?」まで質問されやすいです。サーバーを学ぶなら、「なぜサーバーを学ぶのか?」まで説明できると望ましいです。
評価されず:勉強していない
インフラエンジニアに関する勉強を行っておらず、学習計画も立てていない場合、評価はされません。むしろ、採用担当者に「本気でインフラエンジニアを目指しているのか?」と疑問を抱かせることもあります。
勉強を始めていない理由として、「時間の確保が難しい」、「何から手を付ければいいかがわからない」などの事情があるかも知れませんが、簡単な学習からでも、取り組む姿勢が重要です。
Linuxの操作を触れながら学ぶ、ネットワークの基礎を学習するなど、手軽に始められる方法は多数あります。少なくとも、今後の学習計画を立てることが大事と言えます。
志望動機の納得感がないと、「インフラエンジニアでなければならない理由は?」と聞かれることがある
インフラエンジニアへの志望動機を説明しても、面接官が納得しないことがあります。面接官が納得しない場合によく聞かれる質問として「インフラエンジニアでなければならない理由はありますか?」があります。
この質問があった場合は、志望動機で納得感を与えることができていない典型例です。単に「IT業界に興味、憧れがある」だけに聞こえ、「志望動機が弱い」と思われた結果と言えます。
もし「インフラエンジニアでなければならない理由は?」と聞かれてしまうようであれば、以後の面接からは、志望動機を大きく練り直す必要があるでしょう。
面接で、志望動機を伝えるためのポイント
応募書類で志望動機を上手く書けても、面接の場で上手く伝えられないと、意味がありません。ここでは面接で志望動機を上手く伝えるためのポイントを、解説していきます。
面接で深堀りがある質問を、事前に想定して準備する
志望動機は、作ったら終わりではありません。面接では、採用担当者が更に深堀りする質問を投げかけてくることが多いです。
特に、面接官が更に詳しく知りたいと考えた点や、違和感を感じた点は、深堀りされる可能性が非常に高いでしょう。ゆえに、深堀りをされそうな箇所や、聞かれそうな質問内容を、事前に想定しておくことも大事です。
例として、「なぜ違う仕事でなく、インフラエンジニアなのか?」、「どのような経験から、IT業界に興味を持ったのかを詳しく説明ください」、「5年後のキャリアビジョンは?」など、様々です。
このような深堀りの質問に備えるためには、事前に自分の志望動機を掘り下げて整理しておくことが大切です。
具体的な体験談、体験して思ったことを準備する
志望動機の説得力を高めるためには、今まで述べてきた通り、体験談が一番強いです。また、体験を通じて思ったことを伝えると、興味や熱意が更に伝わりやすくなります。
ネット検索でインフラエンジニアのキャリアや魅力などを調べることも大事ですが、ネット検索で調べた魅力のみを説明しても、面接官は「調べたらわかることじゃない?」と思ってしまうことも多いです。
ゆえに、「Linuxを実際操作して、挙動を試すのが面白かった」、「パケットトレーサでpingが通った時に嬉しかった」など、体験にくわえて、その時に思ったポジティブな感情まで伝えられるとベストです。
上記のように、体験談と、体験して思ったことを伝えることができれば、面接官に強い印象を残すことができます。
なぜ当社を志望するのか?も準備する
インフラエンジニアの面接では、「なぜ他社ではなく、当社を志望するのか?」が聞かれることは、多職種と比べると少ないです。インフラエンジニアは、会社が変わっても、仕事内容は似ているためです。
ゆえに「なぜ当社なのか?」まで質問されることは多くないですが、人気企業への応募時や、新卒の場合は聞かれます。また、採用企業が合否で迷っている場合、「なぜ当社なのか?」の返答次第で、合否を決めようとすることもあります。
そのため、応募企業の特徴やビジョンなどを調べて、「なぜその特徴が魅力に感じるのか?」や「なぜそのビジョンに共感するのか?」などについて準備をしておくとよいでしょう。
その会社のホームページを見て調べることは必須ですが、YoutubeやFacebookなどのSNSで、情報を公開している会社であれば、SNSまで調べておくと、より好印象です(SNSまで調べる応募者は少ないです)。
以上の内容をもとに、あなたが「志望動機を書けそうだ」と感じるようであれば、ここまでの情報のみで志望動機を書き進めて頂いても問題ありません。
一方で、インフラエンジニアの仕事内容や、求められるスキルなどを理解できていないと、志望動機をスムーズに書き進めることは難しいと言えます。
志望動機を書き進めることに自信がない方は、志望動機を書くヒントとして、インフラエンジニアの仕事内容や、求められるスキルなどを説明していきます。
志望動機を作る前に抑えたい:インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、企業のサーバーやネットワークなどの設計、構築、運用を行うエンジニアです。
サーバーやネットワークは、システムやアプリケーションが正常に稼働するための土台になるもので、サーバーなどが安定して稼働することで、企業は業務効率を高めたり、顧客にサービスを提供することが可能となります。
企業のITインフラが適切に構築、運用されていれば、システムトラブルを未然に防ぎ、業務効率を最大化することができます。一方で、トラブル発生時には、適切な対応が求められるため、多様な技術力が必要とされます。
インフラエンジニアの仕事内容とは
インフラエンジニアの仕事内容は、大きく「設計」、「構築」、「運用」という工程に分かれます。
厳密にいうと、もう少し工程は細かいですが、絶対に覚えておくべき工程は「設計」、「構築、「運用」です。ここの理解が不十分だと、仕事研究不足と見なされることが多いでしょう。
インフラエンジニアの仕事内容:設計
インフラの設計は、システムの要件を満たすための構成を計画する工程です。例として、ネットワークの構成や、サーバーの台数やスペック、セキュリティ対策などを、設計段階で検討していきます。
また、その後の業務量の増加にも対応できるように、スケーラビリティを考慮した設計が必要とされます。
インフラエンジニアの仕事内容:構築
設計に基づいて、サーバーやネットワークを機器を実際に設定・構築する工程です。サーバーのOSをインストールしたり、ネットワーク機器のルーティング設定などを行ったりします。
また、現在ではクラウド技術が普及しているため、AWSやAzureを活用した仮想インフラの構築も増えています。
インフラエンジニアの仕事内容:運用
運用や保守は、システムが安定して動くように、維持や定期的なメンテナンスを行う工程です。
例として、古くなったシステムの更新や、セキュリティの強化、新しい技術の導入などを行い、IT環境を常に最新の状態に保つ役割があります。また、障害発生時には、早急に原因を特定し、復旧作業を行います。
また、インフラエンジニアの仕事内容を詳しく知りたい方は、「インフラエンジニアとは?仕事内容をわかりやすく、具体的に解説」をあわせてお読みください。
インフラエンジニアのキャリアパスとは
志望動機を作成するためには、インフラエンジニアのキャリアパスも理解していた方がよいです。インフラエンジニアとしてどのように貢献したいか?は、キャリアパスから発生する可能性もあります。
例として、インフラエンジニアは経験を積むことで、以下のようなキャリアパスを描くことが可能です。
インフラエンジニアのキャリアパス:スペシャリスト
クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアなど、特定の分野に特化したエキスパートを目指していくキャリアパスです。
高度な技術力を活かして、高い専門性を持ったエンジニアとして活躍ができます。
インフラエンジニアのキャリアパス:ゼネラリスト
プロジェクトマネージャやプリセールスなどとして、チームやプロジェクトを管理したり、顧客に提案活動を行うキャリアパスです。
特にプロジェクトマネージャは、IT業界において非常に不足しており、市場価値が高い職種です。
インフラエンジニアのキャリアロードマップ
また、インフラエンジニアの志望動機を作る前に、キャリアパスのみでなく、キャリアロードマップの理解も大事です。
下記図は、インフラエンジニアのキャリアとなります。会社によってキャリアイメージは多少異なりますが、多くの会社は、以下図のキャリアロードマップに沿って従事して欲しいと考えています。
また、インフラエンジニアのキャリアパスを詳しく知りたい方は、「インフラエンジニアはキャリアパスをどう描く?キャリアパスを解説」をあわせてお読みください。
インフラエンジニアの魅力
インフラエンジニアは、企業のITインフラを支える重要な役割があり、多くの魅力があります。
志望動機を作成する際は、その魅力をわかっていることで、志望動機がより具体性を増し、自信をもって伝えることができるようになるでしょう。
ポイントは、インフラエンジニアの魅力を理解し、「自分の経験や目標と結びつけて、伝えること」です。志望動機の説得力を高めるためには、非常に大事な作業です。
ここでは、インフラエンジニアの魅力の一部を説明していきます。
インフラエンジニアの魅力①:高い専門性がある、スキルが陳腐化しにくい
インフラエンジニアが必要とされるスキルは、ネットワークやサーバーの構築運用スキルです。そのスキルは、IT業界全体で必要とされるスキルであり、高い専門性があるため、経験を重ねるほど価値が高まるスキルとなります。
また、インフラ技術の基本スキルである、ネットワークやサーバーの技術は、IT技術が進化しても、根本は変わらないため、スキルが陳腐化しにくい特徴があります。
ゆえに一度身につけると、キャリアの安定感に繋がり、長期的に活躍できる点が魅力です。インフラエンジニアは、時代の変化に左右されにくい職種です。
インフラエンジニアの魅力②:インフラ技術の進化と、高い需要
IT業界では様々な技術が進化し続けていますが、インフラ技術についても、クラウドや仮想化、自動化などが次々に登場しており、それらの新技術を活用する役割が、インフラエンジニアには求められます。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、多くの企業がシステムのクラウド移行やセキュリティ強化を進めているため、クラウドやセキュリティに詳しいインフラエンジニアの需要が、急上昇しています。
技術が進化する中で、最新技術に触れながらスキルを磨き、自分市場価値を高めていけることは、インフラエンジニアの大きな魅力です。
インフラエンジニアの魅力③:システムの根幹を支えるやりがい
インフラエンジニアの大きな魅力の一つは、システムの根幹を支える責任感とやりがいです。
ネットワークやサーバーは、安定して稼働することで、企業が安定して業務を進められるだけでなく、顧客にも価値あるサービスが提供できます。
このような「縁の下の力持ち」としての役割に魅力を感じ、システムの安定稼働を支える仕事に携わりたいという志望動機は、多くの会社で評価されやすい動機の一つです。
ここでは、インフラエンジニアの魅力を一部紹介してきましたが、インフラエンジニアの魅力は多数あるため、一部では「インフラエンジニアは最強」と言われることもあります。
インフラエンジニアの魅力をさらに詳しく知りたい方は、「なぜインフラエンジニアは最強と言われる?最強になれるスキルとは?」をあわせてお読みください。
インフラエンジニアになるための勉強
インフラエンジニアは、特別な資格や知識がないと、なれない訳ではありません。しかし、インフラエンジニアとして仕事ができるようになるには、専門的な知識やスキルが必要です。
また、インフラエンジニアになるための勉強を行っていると、「口だけではなく、行動も伴っている」と見なされ、インフラエンジニアへの本気度が伝わり、志望動機の説得力が大きく高まります。
ゆえい、インフラエンジニアに必要とされる知識やスキルを事前に学び、インフラエンジニアになるための事前準備を行っていることを志望動機で伝えることが、とても大切です。
以下からは、インフラエンジニアになるために、是非とも勉強をおすすめしたい、インフラエンジニアに必須とされる「サーバー」と「ネットワーク」の知識について説明します。
インフラエンジニアになるための勉強:サーバーの知識
インフラエンジニアに必須となる知識の一つがサーバーです。サーバーはネットワークやシステムの中核を担う役割があり、業務で必要となる多くの作業は、サーバー上で行われます。
そのため、まずはサーバーOSである、LinuxやWindows Serverの基本操作に関する知識を学ぶこと(特にLinux)が、非常に重要です。
Linuxでは、コマンドライン操作によって、ユーザーの管理やファイルの操作、アクセス権の設定などのLinux操作スキルが求められます。これは仮想化ソフト(Virtual Boxなど)を使って、自宅サーバー構築の学習も効果的です。
また、Linuxを学ぶにおいて、Linuxの操作の基本から、ネットワークの基礎やセキュリティまで学べる資格はLPIC level1(もしくはLinuC レベル1)であり、LPICを学ぶことでも評価が大きく高まります。
■関連記事:【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
■関連記事:LPIC(LinuC)は転職・就職でどれくらい有利?意味ない人と、取るべき人を解説
インフラエンジニアになるための勉強:ネットワークの知識
インフラエンジニアに必須となる知識のもう一つがネットワークです。ネットワークは、サーバーやデバイス同士をつなぐ土台となるため、ネットワークの知識も欠かせません。
ネットワークでは、まずはOSI参照モデルやTCP/IPといった基本的な概念を理解して、ネットワークの仕組みを学ぶことが重要です。
具体的には、IPアドレスやサブネットマスクなどの役割を理解し、ルーターやスイッチといったネットワーク機器の役割や設定方法についても学ぶことが大事です。
また、ネットワークを学ぶにおいて、これらを体系的に学べることができる資格はCCNAであり、CCNAを学ぶことで、志望動機の説得力を高めることができます。
■関連記事:【断言します】CCNAは転職・就職で非常に有利になる資格です
また、インフラエンジニアになるための勉強法について、詳しく知りたい方は「【初心者必見】効率的に学ぶ!インフラエンジニアの勉強方法と順番」をあわせてお読みください。
インフラエンジニアに役立つ、おすすめ資格
インフラエンジニアには専門知識やスキルが求められますが、資格を取得することで、その知識を客観的に証明することができます。また志望動機にても、資格取得はインフラエンジニアになるための本気度をも証明してくれます。
ここでは、未経験からインフラエンジニアになるために役立つ資格を説明していきます。
おすすめのサーバー系資格:LPIC level1
インフラエンジニアの仕事では、サーバーの運用や管理スキルが必要です。サーバー系を体系的に学ぶためにおすすめの資格は、「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」です。
また、LPIC試験でもっとも易しい「LPIC level1」では、Linuxの基本的なコマンド操作から、コンピューターアーキテクチャ、ネットワークやセキュリティの基礎などを学べ、未経験からインフラ分野に挑戦する際におすすめです。
LPIC level1 | |
試験内容 | サーバー系(Linux) |
認定要件 | 101試験、102試験の両方に合格すること |
試験時間 | 各試験90分 |
出題形式 | 各試験60問 |
出題形式 | CBT方式 |
合格ライン | 約65% |
受験料 | 各試験:16,500円(税込) |
難易度 | ITSSレベル1:★☆☆☆(やさしい) |
おすすめ度 | ★★★★(是非とも取るべき) |
有効期限 | なし(有意性期限は5年) |
公式サイト | https://www.lpi.org/ja/japan/ |
おすすめのネットワーク系資格:CCNA
インフラエンジニアの仕事では、ネットワークの設定や運用についての知識も、非常に重要なスキルの一つです。このネットワーク分野でのおすすめ資格は、「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」です。
CCNAは、ネットワークの入門資格として非常に認知度高く、人気の資格です。CCNAを学ぶことで、ルーティングやスイッチング、セキュリティの基礎などを学べるため、未経験からインフラ分野に挑戦する際におすすめです。
CCNA | |
試験内容 | ネットワーク系 |
認定要件 | CCNA(200-301)に合格すること |
試験時間 | 120分 |
問題数 | 約100問 |
合格ライン | 約75% |
試験形式 | CBT方式 |
受験料 | 46,860円(税込) |
難易度 | ITSSレベル2:★★☆☆(やや易しい) |
おすすめ度 | ★★★★(是非とも取るべき) |
有効期限 | 3年 |
公式サイト | https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html |
■関連記事:【取得順番はこれ!】インフラエンジニアのおすすめ資格を取得順で解説
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インフラエンジニアに向いている人の特徴、適性
インフラエンジニアは、ITインフラを支える重要な役割があるため、この職種に向いている人はいくつかの特徴や適性があります。志望動機を伝える際にも、これらの特徴を、自分に結び付けてアピールすることも効果的です。
向いている人の特徴①:コツコツ学習できる
インフラ技術は日々進化しているため、学び続ける姿勢が求められます。ゆえに「資格取得や独学で、知識を深めている」など、適性として当てはまります。また、志望動機で伝えると効果的な内容です。
また、インフラ知識でなくとも、「昔からコツコツ学んできたこと」や、「大変だったが長く続けてきたこと」といったエピソードは、インフラエンジニアとして活躍する素養をアピールできる材料になります。
向いている人の特徴②:責任感がある
インフラは、企業や社会の活動を支える基盤であり、その重要性を理解していることは大事です。また、重要性を理解することで「責任感を持って、仕事に向き合う」という考え方が重要です。
仕事に対する責任感は、インフラエンジニアに重要であるため、責任をもって仕事に取り組む覚悟感を示すことで、志望動機の説得力が高まります。
向いている人の特徴:論理的思考力
サーバーやネットワークの障害対応では、問題を早期に特定し、効率的に対処する論理的思考力が必要です。
このスキルを活かせることを志望動機に含めると、適性をアピールできます。
また、インフラエンジニアに必要とされる適性を詳しく知りたい方は、「インフラエンジニアに向いている人は、こんな人!特徴や性格を説明」をあわせてお読みください。
さいごに
これまで志望動機の作り方について説明してきましたが、志望動機には「これが正解」というものがありません。
インフラエンジニアに魅力を感じた理由や、特定の企業を選んだ理由は人それぞれです。そのため、「これが完璧な志望動機だ」というものは存在しません。面接官によって、通じる・通じないも様々です。
ですから、自分の本音を企業に伝えてみて、企業の反応の良し悪しを見てから、入社する・しないを検討するのも一つのやり方です。
しかし、「ぜひ内定を取りたい」、「良い印象を残したい」と思うのであれば、「志望動機の基本の型」を使って志望動機を作ってみることをおすすめします(本記事で紹介している型は多くの企業で通用します)。
完璧な志望動機を最初から作るのは難しいものです。まずは30点くらいの内容をとりあえず作ってみる。そして、50点、70点とレベルアップをさせていくことが一番効率的でしょう。
また、志望動機を書いてみて「どうしても作れない」、「自分に足りない部分がある」と感じたら、その足りない部分を補うための行動をしてみるのも大事です。
たとえば、「なぜインフラエンジニアなのか?」がわからないなら、まずはインフラ技術を勉強してみる、という行動に移すのも一つの方法です。回り道のように見えて、逆に近道であることは非常に多いでしょう。
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