こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
ITエンジニアのキャリアを考える中で、「インフラエンジニアと開発エンジニア、どっちを選ぶべきか?」に悩む人が増えています。
「どっちに興味があるのか」、「どっちの方が年収が高いのか、将来性があるのか」、「どっちの方が向いているのか」などがわからないから、「そもそも具体的な仕事内容」がわからないまで、さまざまです。
この記事では、どっちを選ぶべきかの参考になるよう、インフラエンジニアと開発エンジニアの仕事内容や年収、将来性の違いから、向き不向き、興味の方向性の見つけ方などを説明していきます。
インフラと開発、「どっちがいいか?」を、迷う人が増えている
ITエンジニアのキャリアを考える中で、多くの人が悩む問題として、「インフラ」と「開発」、どちらの職種を選ぶかという問題があります。
実際に、SNSや掲示板、転職相談の場でも、「どっちが向いているのか、わからない」、「どちらを選べばよいのか?」という声が、年々増えています。
その背景には、IT業界を取り巻く環境の急速な変化があると言えるでしょう。
クラウドの普及により、インフラの重要性や注目度が大きく高まり、AWSやAzureといったクラウドサービスを使える、スキルが高いインフラエンジニアは、現在引く手あまたです。
一方で、アプリケーションやサービス開発の需要も加速しており、Web系やSaaS開発などを行える、スキルが高い開発エンジニアの需要も、高まっています。
つまり、どちらも需要があり、どちらのキャリアも市場価値が高まっているため、「インフラ」と「開発」で迷う人が多いと言えるでしょう。
インフラエンジニアと開発エンジニアで悩む理由
インフラと開発で迷う人は、「仕事内容の違いがわからない」、「年収や将来性の差はある?」、「自分に向いているのはどっち?」という観点で悩む人が多いです。
しかし、この「どっちがいい?」という問いには、単純な答えはありません。
年収や将来性といった客観的な情報も大事ではあるものの、適性や興味、働き方の希望、長期的なキャリアビジョンなども含め、さまざまな情報と自分の考えを、総合的に判断する必要があるでしょう。
以下からは、どちらの方が自分にあっているかを判断していくために、インフラと開発の違いについて解説をしていきます。
インフラと開発の、仕事内容の違い
インフラエンジニアも開発エンジニアも、どちらもIT業界において欠かせない職種です。しかし、その仕事内容には、明確な違いがあります。ここでは、仕事内容の違いを説明していきます。
インフラエンジニアの仕事内容・役割
インフラエンジニアの主な役割は、企業やサービスのITインフラを整備し、システムが安定して稼働し続けるよう構築・運用することです。
具体的には、サーバーやネットワークの構築・運用、データベースのチューニング、クラウドサービス(AWSやAzureなど)の管理、障害発生時のトラブル対応などがあります。
近年では、物理サーバーから仮想環境、そしてクラウド環境へと移行が進んでおり、より柔軟で拡張性が高いインフラの構築が求められています。
また、インフラエンジニアは、「システムを止めないこと」がミッションです。問題が発生した時の原因特定や、障害の復旧が重要なスキルです。
くわえて、セキュリティの知識も必要不可欠です。サイバー攻撃や不正アクセスを防ぐための、ファイアーウォールやアクセス制御、監視体制の構築なども重要な役割の一つです。
■関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容をわかりやすく、具体的に解説
開発エンジニアの仕事内容
一方で、開発エンジニアの主な役割は、業務システム、Webサービス、スマホアプリなどといった、ソフトウェアやアプリケーションの開発を行うことです。
具体的には、顧客の要望を整理する要件定義から始まり、システム構成の設計、実際にプログラムを書く開発、品質を確保するテスト、そしてリリース後の運用保守などがあります。
また、プログラミングにおいては、プログラミング言語(Java、Python、JavaScript、Ruby、PHPなど)やフレームワークを使い、フロントエンドやバックエンドの開発を行うのが仕事です。
その上で、MySQLやPostgreSQLなどのデータベース設計、APIの設計や実装、テスト自動化など、実務で求められるスキルは多岐に渡ります。
インフラと開発の、必要スキルの違い
インフラエンジニアと開発エンジニアでは、仕事内容が大きく違うため、求められるスキルも異なります。
例として、インフラエンジニアは、Linuxを中心としたOSの操作スキル、TCP/IPやルーティングなどのネットワーク知識、クラウド環境(AWSやAzure)の理解が求められます。
くわえて、インフラ構成の自動化(IaC)や、可用性(システムが常に利用できる状況であること)、セキュリティなどについての知識が必須です。
一方で、開発エンジニアは、JavaやPythonなどのプログラミング言語の理解、フレームワークの活用スキル、データベース設計、API開発、UI/UX設計などのスキルが問われます。
くわえて、CI/CDによる開発、チームでのコード管理(Gitなど)も求められやすいスキルです。
インフラと開発において、求められる主要スキルの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
インフラエンジニア | 開発エンジニア | |
主要スキル | OS(Linux/Windows)、ネットワーク(TCP/IP、ルーティング)、クラウド | プログラミング言語(Java、Python、JavaScriptなど)オブジェクト指向、アルゴリズム |
プログラミング | あれば尚可 | 必須 |
主要資格 | CCNA、LPIC/LinuC、AWS認定 | 基本情報技術者試験、応用情報技術者試験 |
資格の評価 | 強く評価されやすい | やや評価される |
インフラと開発の、年収の違い
職種やキャリアを考える場合には、期待できる年収面も重要な判断材料と言えるでしょう。ここでは、インフラエンジニアと開発エンジニアの、年収傾向や違いを説明していきます。
インフラエンジニアと開発エンジニアの、平均年収比較
転職サイトのdodaによるデータでは、インフラエンジニアの平均年収は454万円、開発エンジニア(SE・プログラマ)の平均年収は425万円と、インフラエンジニアの方がやや高い傾向でした。
職種 | 平均年収 | 特徴 |
ITエンジニア全体 | 452万円 | |
インフラエンジニア(インフラ) | 454万円 | 実力主義・スキルで評価 |
SE・プログラマ(開発) | 425万円 | 実力主義、スキルで評価 |
ただし、この平均年収は、あくまで全体平均です。年収は、インフラも開発も、個人のスキルや担当フェーズによって大きく変動します。
例として、クラウドインフラ(AWSやAzure)や、セキュリティ分野に強みを持つインフラエンジニアであれば、700万円以上も十分に狙えます。
また開発においても同様に、フルスタックエンジニアやテックリードといった開発の上位ポジションであれば、開発側も年収800万以上は十分に狙えると言えます。
インフラエンジニアと開発エンジニアの、年齢別、平均年収比較
「将来的に、どれくらいの年収が一般的なのか?」という観点も、キャリアを考える上で、気になるポイントと言えるでしょう。また、将来の収入を予測する上でも、重要な視点とも言えるでしょう。
以下は、転職サイトのdodaが算出する、インフラと開発の、年齢別平均年収の比較です。あくまで一般的な年齢層ごとの年収比較であるため、実際はスキルレベルや企業規模、勤務地などで大きく変動があります。
年齢別 | サーバーエンジニア(インフラ)平均年収 | SE・プログラマ(開発)平均年収 |
20代 | 405万円 | 382万円 |
30代 | 520万円 | 489万円 |
40代 | 643万円 | 567万円 |
50代以上 | 672万円 | 593万円 |
上記のdoda算出の平均年収では、若手のうちは、インフラエンジニアの方が少々年収が高く、経験を積んだベテラン層になるにつれて、インフラの方が高年収になりやすい傾向が見て取れます。
20代といった若手のタイミングでは、インフラエンジニアの方が、スキルが少なくとも携わりやすい仕事があるためや、人によって夜勤が発生するため、インフラの方が年収が少々高い場合があるでしょう。
また、若手の開発エンジニアにおいては、経験するプログラミング言語によって、年収や市場価値がかなり変わります。市場の需要に応じたプログラミング言語を経験できれば、年収は上がりやすくなります。
30代近くになると、インフラも開発も、成果主義の傾向が非常に強くなり、実力や成果に応じて、年収が上がっていきます。テクニカルスキルが求められていくと言えます。
ただし、開発の方は、30代においてはテクニカルスキルのみならず、マネジメントや業務知識などを求められる傾向が、インフラよりも強くなります。
ゆえに、テクニカルスキル一本で進んでいく場合、開発の方が年収の伸びにおいて、頭打ちになりやすいこともあります。開発職は、マネジメントや業務知識なども含めて、適応ができるかが年収アップの鍵になるでしょう。
■関連記事:インフラエンジニアの年収はいくら?年齢・経験別の相場、年収の上げ方
インフラと開発の、キャリアパスの違い
インフラエンジニアも、開発エンジニアも、どちらの職種も専門性が高く、需要が引き続き見込まれる職種ですが、ステップアップの方向性や、キャリアの選択肢には違いがあります。
以下からは、両職種のキャリアパスについて、説明していきます。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアのキャリアは、一般的には「運用保守(もしくは監視)」からスタートします。ここでは、システムの維持業務から、障害対応、手順書に沿ったオペレーション業務を担当します。
その後、経験を積んで、「構築」や「設計」といった上流工程にステップアップし、最終的にはプロジェクト管理や、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、SRE(Site Reliability Engineer)などを目指すことができます。
■関連記事:インフラエンジニアはキャリアパスをどう描く?キャリアパスを解説
開発エンジニアのキャリアパス
一方、開発エンジニアのキャリアは、一般的には「プログラミング(もしくはテスト)」からスタートします。ここでは、プログラミング言語やフレームワークの習得を目指して、実装工程を担当します。
その後には「詳細設計」、また経験を積んで「基本設計」、プロジェクトリーダーといった上流工程にステップアップし、最終的には「要件定義」やプロジェクト管理、テックリードなどを目指すことができます。
インフラと開発のキャリアパスまとめ
インフラエンジニアと開発エンジニアのキャリアパスの違いを、簡単にまとめると以下になります。
インフラエンジニア | 開発エンジニア | |
初級 | 運用保守(もしくは監視) | 開発(もしくはテスト) |
中級 | 設計、構築、クラウド導入 | 設計、リーダー |
上級 | クラウドアーキテクト、セキュリティエンジニア、プロジェクト管理、SRE | プロジェクト管理、ITコンサルタント、テックリード |
上記のように、インフラと開発では、キャリアパスが大きく異なっていますが、両職種とも成長分野があり、需要が高いスキルを身につけていくことで、将来性を高めていくことができます。
以下からは、インフラエンジニアと開発エンジニアの、需要や将来性について、説明をしていきます。
インフラと開発の、需要・将来性の違い
2025年現在では、ITエンジニアの転職市場においては、引き続き活況の状況です。特に、インフラエンジニアと開発エンジニアの需要は高く、高水準とも言えます。
これらは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やクラウドの普及に伴い、企業のIT投資が増えているためであり、引き続きインフラ・開発の両職種ともに、採用ニーズが高まり続けています。
以下からは、インフラと開発エンジニアの需要や将来性について、現状や将来どのように変化していくのかなどを説明をしていきます。
インフラエンジニアの需要・将来性
インフラエンジニアは、企業のシステム基盤を支えるのが役割です。インフラは目に見えにくいため、イメージがつきにくい所がありますが、システムを安定的に使えるようにするには欠かせない役割があります。
特に近年では、インフラに伴うクラウド技術やセキュリティの需要が増えているため、インフラエンジニアの重要性も高まり続けています。
一方で、Ansibleといった自動化(IaC)の影響で、手作業での設定業務は減少傾向もあり、コマンドだけ操作できるインフラエンジニアや、オペレーションのみのエンジニアは、将来のリスクもあります。
将来性が高いインフラ分野としては、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニア、自動化やDevOpsなどがあり、今後のIT業界において必要不可欠な存在になると言えるでしょう。
■関連記事:インフラエンジニアの将来性は?AI時代に必要とされるキャリアとは
開発エンジニアの需要・将来性
開発エンジニアは、ソフトウェアやアプリケーションを設計・開発するのが役割です。近年では、ビジネスやテクノロジーの進化に伴い、新しいアプリケーションやサービスが次々と生まれています。
また近年では、業務システムからWebシステム、モバイルアプリといった開発案件は、引き続き需要が高く、伸びも顕著と言えます。
一方で、需要の高いスキルの入れ替わりや、ローコードやノーコード、AIツールの普及により、プログラミングスキルのみならず、要件定義やアーキテクチャ設計スキルなどを取り入れないと、将来のリスクもあります。
将来性が高い開発分野としては、クラウドネイティブアプリ開発、AI/MLエンジニア、組み込みソフト(IoT)などがあり、こちらも今後のIT業界において、必要不可欠な存在と言えます。
インフラと開発、どちらも将来性は高い
インフラエンジニアは、システム基盤を支え、クラウドやセキュリティ技術などに強みを持つことで、高い将来性を確保できると言えます。
また、開発エンジニアも、新しいシステムやサービスを作り上げるために、常に最新の技術に対応していくことで、こちらも高い将来性を確保できると言えます。
どちらの分野も将来性が高く、需要も拡大しているため、自分の興味や向き不向き、得意分野で勝負していくことが大事と言えるでしょう。
未経験で選ぶなら、インフラと開発、どっち?
インフラエンジニアも開発エンジニアも、どちらも未経験からスタートすることができます。ただし、特徴や、未経験からなるためのハードルや、必要学習量などは、違いがあります。
ここでは、キャリアの選び方の視点と、未経験者に最適な考え方について、深堀していきます。
自分にあったキャリアの考え方
未経験で新たな職種を選ぶ場合は、さまざまな要素を考えることが大切です。感覚で決めることも時には大事ですが、さまざまな視点から考えた中で解を出すと、納得感が高くなるでしょう。
以下からは、インフラと開発で悩んだ場合に、まず考えたいことを説明していきます。
■インフラと開発で悩む場合、まず考えたいこと:
・興味が持てる分野は、どっち?
・自分の強み、適性が活かせるのは、どっち?
・学習時間、学習コストが現実的なのは、どっち?
・職場環境や働き方があっているのは、どっち?
まず第一優先にしたいのは、「自分の興味が持てる分野はどっちか?」です。長く続けるキャリアになるため、自分が本当に興味を持てる分野を考えることが重要です。
次に、「自分の強みや適性を考えること」です。今までの人生経験の中で、自然に身についた強みや、やっていて苦にならないことについて、どちらの職種が活かせるか?を検討するとよいでしょう。
また、「学習時間、学習コストが現実的なのか?」も大事なポイントでしょう。未経験からインフラを目指すなら「インフラ関連の資格取得」、開発なら「プログラミングなどを学び、ポートフォリオの作成」が一般的です。
もちろん、何を学ぶのか?「インフラだったら、サーバー?ネットワーク?」、「開発だったら、Python?Java?」などによって、必要時間は大きく変わりますが、開発の方がおおよそ3倍は時間がかかるかも知れません。
また、職場環境や働き方も大事なポイントです。リモートワークの可能性や、勤務時間の柔軟性、ワークライフバランスや勤務地など、自分の理想とマッチするかも確認するとよいでしょう。
あわせて、以下にて「インフラ」と「開発」の違いを視覚的に整理しましたので、以下を見ながら、自分の志向を整理するとよいでしょう。
インフラエンジニア | 開発エンジニア | |
興味の方向性 | ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティに興味がある | アプリ、Webサービスを作りたい、ユーザー体験を改善したい |
活かせる適性 | 慎重さ、安定志向、協調性、冷静さ | ものづくりが好き、粘り強さ、想像力 |
学習内容 | Linuxやネットワーク知識が中心 | プログラミング言語、フレームワーク、アルゴリズム |
学習時間 | やや短期間(100~300時間) | やや長期間(300~1000時間) |
就業難易度 | やや難易度低め(★★☆☆☆) | やや難易度高め(★★★★☆) |
働き方の特徴 | 監視は夜勤シフト勤務あり、勤務地は都市部に集中、クラウド・上流はリモートワークあり | 勤務地はやや都市部に集中(地方もあり)、案件に応じてリモートワークあり |
働く人の特徴 | 男性がかなり多い、協調性がある人がとても多い | 男性が多め、様々なタイプの人が働く |
上記のように「興味」、「適性」、「学習時間」、「働き方」などの観点で、自分の志向を見つめなおすことで、自分にあった職種が明確になりやすいでしょう。
それでも迷う時は、学んでから決める
インフラも開発も、どちらにも特徴や魅力があり、決めきれないという人もいるでしょう。決めきれない時には、「両方を、少しずつ学んでみる」ことを強くおすすめします。
たとえば、インフラであれば「Linux、もしくはクラウド環境の構築(AWSの無料枠を利用)」と、開発であれば「簡単なプログラム作成(Pythonなど)」をそれぞれ学んでみるとよいでしょう。
実際に手を動かして学んでみると、自分が「どちらの方に楽しさを感じるか」、「どちらの方が学習を続けられそうか」、「どちらの方が向いていると感じるのか」、を体感できます。
実際に、「手を動かして学んでみるのは、ハードルが高い」と感じるかも知れません。初学者向けの低価格教材でも、購入すると、お金がかかってしまうこともあるでしょう。
しかし、まずは自己投資のつもりでチャレンジしてみることが大切です。手を動かしてみることで、意外な適性や興味が見えることもあります。また逆に、適性や興味を感じないこともあります。
UdemyやYoutube、Progateなど、初学者向けの無料・低価格教材は豊富にあるため、まずは自己投資のつもりで、時間とお金を投資すると、自分自身の適性や興味が見えてくるでしょう。
実際に、学んでみてから、自分の適性や興味の有無を判断する人は、多いです。
■関連記事:インフラエンジニアに向いている人は、こんな人!特徴や性格を説明
未経験者向け:インフラと開発の勉強教材
興味や適性を考えるにあたり、「何を使って学習するか」も重要なポイントです。ここでは、インフラと開発エンジニアを目指すにあたり、まず簡単に学べる、おすすめの学習教材を説明します。
インフラエンジニアの学習教材
インフラ系においては、Linuxもしくはネットワークの理解から始めるのが一般的かつおすすめです。ここでは、Linuxやネットワークを学べる無料教材を説明します。
3分間ネットワーキング



https://www5e.biglobe.ne.jp/aji/3min
3分間ネットワーキングは、無料でネットワークの基本を、まんべんなく学ぶことができる、非常に有名かつ有用なサイトです。
博士と助手が会話形式で、難しいネットワークを、やさしい言葉で説明してくれるため、未経験者が無料でネットワークの基本を学ぶ目的においては、非常に適しているといえるサイトです。
Youtube Linux Professional Institute 日本支部 LPI



https://www.youtube.com/@linuxprofessionalinstitute906
Linuxを手元で動かして学ぶなら、動画が学びやすいです。そのような時に役に立つYouTubeチャンネルが、LPIC試験の運営元が提供するLPI日本支部の公式チャンネルです。
LPI日本支部の公式チャンネルでは、自宅で行うLinuxサーバーの構築など、基礎から応用まで動画を見ながら、手を動かして学ぶことができます。
開発エンジニアの学習教材
開発系においては、Progateやドットインストールなどにて、実際にコードを手で書き写し、まずは文法やコードの構造を理解するやり方がおすすめです。
Progate
Progateは、プログラミングの基礎を学べるイーラーニングサイトです。HTML/CSSからJavaScript、Pythonまで学ぶことができ、まずはプログラミングに触れてみたい初心者に最適な勉強サイトです。
まずは無料部分のみでもよいので、プログラミングコードに慣れる意味でも、一度活用してみるとよいでしょう。
ドットインストール



ドットインストールは、3分動画で学べるプログラミング学習サイトであり、幅広い言語やツールを学習することが可能です。
3分以内の動画で、手軽にプログラミングを学べるため、隙間時間に少しずつ学びたい人にも適している勉強サイトと言えます。
未経験者が最初に学ぶなら、上記のうち興味を持てた内容から学んでみるとよいでしょう。インフラと開発、どちらの分野に進むにしても、「学びやすさ」と「継続のしやすさ」が大事です。
どちらを学習しても、未経験であれば「どちらも難しい」と感じることが多いでしょう。難しいと感じなければ、それだけで向いているとも言えるでしょう。
しかし「難しい」と感じるのが一般的ですので、まずは自分自身が興味を持てる内容かつ、無理なく続けられそうな分野や教材を、自分で見つけてみましょう。
■関連記事:【初心者必見】効率的に学ぶ!インフラエンジニアの勉強方法と順番
インフラと開発を学んだ後の判断基準
インフラと開発を学んだ場合、どちらに進むべきかはっきりすることは多いですが、それでも、どちらに進むべきかがわからないという人もいるでしょう。
ここでは、学習をした後で、引き続きどちらに進むべきか悩んだ場合の判断基準として、特におすすめしたい視点を3つ説明します。
■インフラと開発、両方学んだ後の判断基準:
・どちらの方に、楽しさを感じるか
・どちらの方が、学習を続けられそうか
・どちらの方が、向いていると感じるのか
どちらの方に、楽しさを感じるか
インフラも開発も、技術を習得しながら、課題解決に日々取り組んでいく必要があります。そのために、単純な義務感や目的意識だけで続けるのは大変です。大元に「楽しさや充実感」が感じられる方がよいです。
インフラに触れながら学習している時に、知識やスキルが積みあがる楽しさや、pingが通る喜びなどを感じるなら、インフラエンジニアに向いているかも知れません。
一方で、コードを書いている時や、アプリ・Webサービスが形になっていく過程に喜びを感じるなら、開発の方が向いている可能性が高いでしょう。
楽しさを感じるポイントは、人それぞれです。自分が、「もっと知りたい」、「もっと作りたい」と自然に思える作業に注目して、どちらの職種の方が近いかを検討すると良いでしょう。
ただし、全ての人が、最初から楽しさを感じられる訳ではありません。楽しさよりも、辛さの方が上回ることは、大いにあるでしょう。その場合は、以下の「継続性」といった観点に注目してみましょう。
どちらの方が、学習を続けられそうか
エンジニアのキャリアは、学習を継続することが必要です。どちらのキャリアを選んでも、スキルを継続して学び、身につけていく必要があります。ただし、学習内容や、学んだことが活かせる期間などは異なります。
インフラエンジニアの場合は、学習すべき分野は幅広いです。ネットワーク(TCP/IP、ルーティングなど)、サーバ(Linuxなど)、仮想化技術、クラウド、セキュリティなど、広範囲な知識が必要です。
また、資格取得(CCNA、LPIC、AWS認定など)がキャリアアップに直結しやすい傾向もあります。あわせて、インフラは習得した技術が、長く使えるというメリットがあります。
一方で、開発エンジニアの場合は、プログラミング言語やフレームワークの習得が中心となります。JavaScript、Python、Javaなどの言語や、Reactなどのフレームワークを学ぶ必要があります。
また、開発言語は、技術の移り変わりが非常に早く、数年で変化していくことも珍しくはありません。ゆえに、最新スキルをキャッチアップする必要もあり、学習のペースも早いと言えます(特定分野に特化し、絞ることも可能)。
上記のような特徴の違いはあるものの、スキルを継続して学び、身につけていく必要性があるのは、インフラも開発も同じです。ゆえに、自分が「学習を続けられる分野を選択すべき」と言えるでしょう。
どちらの方が、向いていると感じるのか
最後は、「向き・不向き」という直感を大事にすることも重要です。向き・不向きを大事にする人は、かなり多い印象です。
「やりたいこと」と「得意なこと」は、常に合致する訳ではありません。無理に苦手な分野に進んでしまうと、ついていくことにも辛さを感じて、挫折の原因になることもあります。
例として、インフラエンジニアに向いている人は、細かな作業が得意、慎重な性格、協調性がある、安定性や信頼性を重視できるタイプなどがあります。
一方で、開発エンジニアに向いている人は、ものづくりが好き、プログラミングが好き、試行錯誤を楽しめる、粘り強くバグに向き合えるタイプなどがあります。
もし両方を学んだ中で、「あまり苦にならない」、「やっていて、しっくりくる」と思える分野があれば、それは大きな判断材料です。やってみて感じた感覚は、納得感も高いため、とても重要な基準となります。
上記のように、学習を通して「楽しさ」、「継続性」、「適性」という3つの視点から自分を見つめなおすことが、もっとも確かであり、納得感を感じる判断軸となるでしょう。
インフラと開発、キャリアチェンジはできるの?
IT業界において、エンジニアとしてキャリアを積んだ後、キャリアチェンジを考える人は少なくありません。「インフラから開発」、逆に「開発からインフラ」のキャリアチェンジの可能性について、知りたい人は多いでしょう。
ここでは、「インフラエンジニア」と「開発エンジニア」のキャリアチェンジについて、説明をしていきます。
インフラから開発エンジニアへのキャリアチェンジは可能か?
インフラエンジニアから開発エンジニアへのキャリアチェンジは、結論から言うと、可能です。これは開発希望者がIT業界に就業して、インフラエンジニア配属になった人によくあるキャリアチェンジ理由と言えるでしょう。
インフラエンジニアの仕事では、サーバーやネットワーク、クラウド環境などの構築や運用を行いますが、この経験は、バックエンドの開発などにおいて、役立つ知識となります。
例として、AWSやDockerなどで開発をする場合、インフラエンジニアで培ったAWSやDockerなどの知識があると、対処が行いやすく、親和性がある分野とも言えます。
ただし、インフラから開発へのキャリアチェンジは、簡単なものではありません。インフラの経験があっても、開発エンジニアとしては経験者とは見なされません。未経験・微経験者と見なされます。
ゆえに少なくとも、PythonやRubyなどの言語を学んだ中で、キャリアチェンジを行う必要があると言えます。
開発からインフラエンジニアへのキャリアチェンジは可能か?
開発エンジニアからインフラエンジニアへのキャリアチェンジも、可能です。これはインフラの重要性や、クラウドへの志向、プログラミングが不向きと考えた人によくあるキャリアチェンジ理由と言えるでしょう。
近年ではインフラエンジニアも、コードでインフラを管理することが増えているため、コーディングに慣れている開発エンジニアは、インフラ自動化(Infrastructure as Code)などの分野で戦力になりやすいと言えます。
ただし、開発からインフラエンジニアへのキャリアチェンジも、事前準備が必要です。まずLinuxやネットワークの基礎知識を押さえることが重要であり、その後クラウドや自動化ツールを習得し、活躍するのが一般的です。
ゆえに、「インフラから開発」、また「開発からインフラ」のキャリアチェンジは、可能ではあるものの、キャリアチェンジのための知識・スキル習得といった準備が基本的には必要です。
インフラと開発を両方経験するメリット
インフラと開発を両方経験することは、決して簡単なことではありません。片方だけでも学ぶことは多い中、両方を学んでいくことになるため、難易度は大きく高まります。
一方で、インフラと開発の両方を経験することは、大きなメリットもあります。
まず、システム全体を把握するスキルが身につきます。開発者が気づきにくいインフラ側の制約や、インフラエンジニアが想定しにくいアプリケーションの要件などを理解できるため、設計や実装の精度を高めることができます。
また、DevOpsや、SRE(Site Reliability Engineering)といった、急成長中の分野において、インフラと開発の両方の知識・経験を持つ人が重宝されており、結果としてキャリアの選択肢を広げ、市場価値向上につながります。
くわえて、将来的にCTOやテックリードなどを目指す場合にも、インフラと開発の両方を経験することが強みとなります。インフラからアプリまで経験することで、ビジネスを支える戦略立案や設計分野で求められると言えます。
ゆえに、「インフラから開発」また「開発からインフラ」へのキャリアチェンジは、単なる職種変更にとどまらず、エンジニアとしての市場価値を高め、より柔軟性高いキャリア設計を実現する武器にもなります。
さいごに
インフラエンジニアと開発エンジニアは、それぞれにメリットがあり、どちらも将来性が高い職種です。どちらを選ぶかは、まずは「興味」、「継続性」、「適性」、「学習時間」、「働き方」などで検討しましょう。
また、一番のおすすめは「実際に学習してみること」です。学習をしてみることで、自分の興味や適性などが早期に実感でき、判断できるでしょう。
ただし、インフラも開発も、簡単には知識やスキルはつきません。時には、他の人の勉強スピードの早さを知り、焦ることや不安になることもあるでしょう。
しかし、自分の勉強の速度が遅くとも、向いていない訳ではありません。コツコツ学習する「継続性」があれば、少しずつ学習も効率的になり、知識やスキルも積みあがっていくでしょう。
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