こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「未経験歓迎」と書かれた求人を見て安心して応募・入社したものの、、
実際には 「監視業務しかできない」、「教育がなく放置される」、「夜勤ばかりで勉強できない」 といった状況に陥り、キャリアが思うように進まないケースは少なくありません。
中には、入社したものの 「ITとはかけ離れた仕事」 に配属されてしまう人もいます。
インフラエンジニアは将来性のある職種ですが、求人票の文字だけを信じて転職してしまうと、思わぬ落とし穴にはまって「失敗転職」になってしまうリスクもあります。
そこでこの記事では、未経験者が注意すべき 典型的な失敗パターン を整理し、その 原因と回避法 を分かりやすく解説します。さらに、キャリアを守り成功につなげるための具体的な方法もご紹介します。
この記事を読むことで、転職で後悔しないための判断軸を持ち、安心してインフラエンジニアとしての一歩を踏み出せるはずです。
未経験歓迎求人でよくある「失敗パターン」
「未経験歓迎」と書かれた求人には、思わぬ落とし穴が隠れていることがあります。ここでは、実際によくある失敗パターンを5つ紹介します。
自分の転職が同じ道をたどらないように、事前に理解しておきましょう。
■未経験求人の失敗パターン例:
・監視業務だけでキャリアが止まる
・研修なしで放置される
・夜勤・残業が多く、生活との両立が難しい
・一人常駐で孤立する
・実はIT以外の業務に回される
監視業務だけでキャリアが止まる
インフラエンジニアの登竜門として多いのが「監視オペレーター」の仕事です。
サーバーやネットワークのアラートを確認し、一次切り分けを行うのが主な業務ですが、これだけを数年続けると 「監視しかできない人材」 になってしまいます。
IT業界では、こうした状態を「監視に塩漬け(=監視業務だけに固定され、キャリアが進まないこと)」と呼ぶこともあります。
さらに、監視経験が長い人は「障害対応など目の前の作業には慣れているが、システム全体を俯瞰する視点(=視座)が身についていない」と評価されやすく、採用を見送られるケースもあります。
結果として、「経験年数はあるのに、次のステップに進めない」 という状況に陥りがちです。
あわせて読みたい:監視オペレーターはやめとけ?将来性とキャリアアップロードマップ
研修なしで放置される
「未経験歓迎」と書かれていても、研修や教育体制が整っていない会社も少なくありません。
配属後はOJTと称して、いきなり現場に放り込まれ、右も左も分からないまま仕事を進めざるを得ないケースも珍しくありません。
結果として、知識不足からミスを繰り返して自信を失い、「自分には向いていないのでは」と早期離職につながる人もいます。
また、採用市場では「短期間で辞めた=採用しても、またすぐ辞めそう」と見なされ、教育コストを考えて採用を見送られることもあります。次の転職で不利になることもあるため注意が必要です。
夜勤・残業が多く、生活との両立が難しい
運用や監視の現場では、24時間365日のシステム稼働を支えるために 夜勤やシフト勤務 が多くなりがちです。障害対応が発生すれば深夜や休日に呼び出されることもあります。
夜勤には「勤務中の空き時間を活用して勉強できることがある」というメリットもありますが、一方で 生活リズムが崩れやすく体調を維持するのが難しい という大きなデメリットもあります。
特に結婚や子育てといったライフイベントを迎えると、家庭との両立がしづらく、転職せざるを得なくなる人も少なくありません。働き方と将来のライフプラン を見据えて選ぶことが重要です。
一人常駐で孤立する
未経験からインフラエンジニアを目指す場合、多くの人がSES企業を通じてキャリアをスタートします。
SESだからといって必ず悪いわけではなく、チームで配属されて成長できる環境を用意している会社もあります。
ただし注意したいのは、「一人常駐」 の形態です。入社したばかりなのに顧客先に単独で配属されると、相談できる先輩がいないため、何を聞いていいかも分からず孤立しやすくなります。
特に未経験のうちは、簡単な作業でも不安を感じるため、孤立感や精神的なプレッシャー が大きくなりがちです。
結果として、スキルが伸びないだけでなく、早期離職につながってしまうケースもあります。
そのため、SESを選ぶ場合も 「チームでの配属が多いかどうか」 を確認することが大切です。
実はIT以外の業務に回される
「未経験歓迎」と書かれていたから安心して応募したのに、実際に配属されたのは 家電量販店の販売員や携帯ショップの営業職、電話対応業務、、
「エンジニアとして手に職をつけたい」と思っていたのに、気づけばパソコンすら触らず、ひたすら接客や販売ノルマに追われていた、というケースも稀に存在します。
中には「まずは販売で経験を積みながら、休日に資格を取ってください。合格したらITエンジニア職に配属を検討します」と説明する会社もあります。
しかし実際には、販売業務が忙しくて勉強時間が確保できなかったり、資格を取っても配属変更が叶わなかったりするケースもあり、気づけば年月が経過してしまうリスク があります。
このような環境では当然ながら ITスキルを磨く機会がゼロです。結果として「販売経験しかない」と評価されてしまい、エンジニアとして再出発する際に大きなハンデになります。
求人票の仕事内容と実際のキャリアパスが一致しているか、慎重に確認する必要があります。
なぜ失敗するのか?その原因と落とし穴
未経験からインフラエンジニアを目指す人が転職で失敗してしまう背景には、いくつかの共通した原因があります。
一つは、本人側の準備不足。最低限のIT知識や資格学習をしていないと、現場に配属されても戦力になれず、早期に挫折してしまうリスクがあります。
もう一つは、企業側の体制や求人の出し方。求人票の情報が実態と違っていたり、「未経験歓迎」の幅が広すぎたり、教育環境が整っていないことも少なくありません。
こうした要因が重なることで、「思っていたキャリアと違う」、「スキルが積めない」という失敗につながります。
もちろん、どんな職場でも 理想と現実のギャップは多少あるもの です。夜勤や簡単な運用業務を「修行」として経験することが、後のキャリアに役立つ場合もあります。
ただし、何年も成長機会がないまま放置されたり、ITと無関係の業務に回されたりするのは、単なる修行ではなく キャリア停滞につながる危険信号 です。
ここからは、転職失敗の具体的な原因を整理して見ていきましょう。
個人の「準備不足」も原因になる
「未経験歓迎」、「研修充実」という求人でも、企業は完全にゼロから 「全てを」 教えられるわけではありません。
基本的なIT知識(Linuxのコマンドやネットワークの仕組みなど)を自分で学び、資格取得などで学習意欲を示している人が優先的に採用されます。
事前の学習や準備を怠って入社してしまうと、現場の会話についていけず、業務を任せてもらえません。結果として 「期待したレベルに達していない」と判断され、早期に現場から外されてしまうリスク もあります。
また、入社後の研修段階で基礎知識が足りずに内容についていけず、「自分には向いていないのでは」と感じて挫折する人 も少なくありません。
つまり「未経験歓迎」とはいえ、最低限の学習をしておくことが成功への前提条件 でもあります。
求人票だけでは実態が分からない
未経験者の多くは「未経験歓迎」、「研修あり」といった言葉に安心して応募してしまいます。
しかし、求人票には会社に都合の良いことしか書かれていないケースも多く、企業側も採用したいために、良い部分だけを強調して書くことも少なくありません。
そのため、研修があると書いていても実際は数日で終わったり、配属されるのが求人票の内容と異なる仕事のこともあります。
つまり、「求人票=現場のリアル」ではない ことがあります。ここに最初の落とし穴があります。
「未経験歓迎」の幅が広すぎる
一口に「未経験歓迎」といっても、その意味は企業ごとに大きく異なります。
本気でエンジニア育成に取り組む企業もあれば、一方で
「人手不足だから、誰でもいいから採用したい」 という理由で「未経験歓迎」としている企業もあります。
後者の場合、教育やキャリア支援が十分に用意されていないケースが多く、入社しても「配属して終わり」になってしまうリスクがあります。
結果として、「未経験歓迎を鵜呑みにすると、スキルが積めない職場に入ってしまう」 ことも発生します。
教育・キャリア支援が整っていない会社も多い
インフラエンジニアは人手不足の業界ですが、だからといってすべての企業が教育体制を整えているわけではありません。
特にSESや派遣を中心とした企業では、「とにかく現場に人を送り込めば利益になる」 というビジネスモデルとも言えます。
この場合、教育やキャリア支援にコストをかけず、研修も形だけ。入社してすぐに顧客先に配属され、あとは現場任せという流れになりがちです。
結果として、配属先で孤立したり、監視業務だけでキャリアが止まったりするケースが少なくありません。
つまり、「教育制度があるかどうか」、「キャリア支援を本気でやっているか」 は、未経験者にとって転職先を選ぶうえで最も重要な確認ポイントの一つです。
■関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス徹底解説:未経験から経験者までの成長ロードマップ
失敗を避けるために確認すべきポイント
未経験からインフラエンジニアを目指す際には、求人票の情報だけで判断するのは危険です。入社後に「思っていたのと違った」と後悔しないために、以下チェックリストのポイントを必ず確認しておきましょう。
【事前に確認したい、チェックリスト】
■研修制度の内容と期間:
・「研修あり」と書かれていても、数日座学で終わるケースもあります。
・実機を使ったハンズオンや、OJTのフォロー体制もあるかを確認しましょう。
■配属形態(チームか、一人常駐か):
・入社直後から一人で客先常駐だと、成長が止まりやすくなります。
・チームで配属されるのか、先輩エンジニアと一緒に動けるのかを確認しましょう。
■将来のキャリアパス:
・監視や運用からスタートしても、数年後に構築やクラウドへ進めるのかが重要です。
・面接では「○年後には構築やクラウドに挑戦したいと考えていますが、そのようなキャリアは可能ですか?」と、自分の意欲を示しながら確認すると効果的です。
■夜勤・シフト勤務の有無と体制:
・24時間稼働のシステムでは夜勤がつきものですが、生活リズムとの両立に影響します。
・面接では「夜勤やシフト勤務はどのくらいの割合で経験することになりますか?」と具体的に尋ねると、働き方を前向きにイメージしている姿勢が伝わりながら、実状が確認できます。
■配属先の実態(IT業務か、別業務か):
・「未経験歓迎」なのに販売や営業に回されるケースもあります。
・「最初の配属先は必ずIT業務(インフラ業務)か」を確認しておくと安心です。
ただし、すべての条件を満たす企業は多くありません。大切なのは、自分にとって譲れない条件に優先順位をつけること です。
「研修制度は必須」、「夜勤は経験として1~2年なら受け入れる」など、自分のキャリアプランと照らし合わせて判断すると、後悔のない転職につながります。
もっと詳しくインフラエンジニア全体像を知りたい方は「インフラエンジニアとは?仕事内容・年収・資格ロードマップ」がおすすめです。
■関連記事:挫折しない!未経験インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
■関連記事:未経験インフラエンジニアのおすすめ資格と学習順番
まとめ:「失敗転職」を避けてキャリアを守ろう
ここまで、未経験者が陥りやすい 失敗事例 → その原因 → 回避法 を整理してきました。
求人票の言葉を鵜呑みにしたり、準備不足のまま転職してしまうと、キャリアが停滞してしまうリスクがあります。
もちろん、チェックリストを活用して自分で情報収集することも大切ですが、自分一人で調べられる情報には限界があります。
「研修の実態」、「配属のリアル」、「将来のキャリアパス」などは、求人票や面接だけでは分からないことが多いためです。
そこで有効なのが、転職エージェントの活用 です。内部情報や実際に働いている人の声をもとに、事前にリスクを見極めることができます。
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