AWSエンジニアはやめとけ?資格の落とし穴と後悔しないキャリア戦略

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「AWSエンジニアはやめとけ」、、そんな言葉を聞いたことはありませんか?

実際、AWSの資格を取ったのに「思っていた仕事に就けない」、「結局、運用や監視ばかりでキャリアが伸びない」と悩む人は少なくありません。

なぜなら、AWSエンジニアには以下のような落とし穴があるためです。

■AWSエンジニアのありがち落とし穴:
・資格を取っても、実務に直結しにくい
・案件の多くが運用寄りで、構築経験が積みにくい
・サービスのアップデートが早すぎて、勉強してもすぐに陳腐化する
・資格取得後に燃え尽きてしまい、次のステップへ進めない

こうした現実を知らずに「AWSエンジニアなら安泰」と思い込んでしまうと、あなたの貴重な時間とキャリアを無駄にし、取り返しがつかなくなるリスクさえあります。

だからこそ、、後悔する前に、この記事で 「正しいキャリア戦略」 を手に入れてください。

ここでは、AWSエンジニアを目指す上での落とし穴と回避方法、そしてキャリアを伸ばすための具体策を解説していきます。

なお「AWSエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。やめとけの理由だけでなく、仕事内容・年収・将来性などをまとめています。

AWSエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

なぜ「AWSエンジニアはやめとけ」と言われるのか?

AWSエンジニアを目指したものの、「資格を取ったのに、仕事に結びつかない」、「思った以上に運用ばかりで、キャリアが停滞した」と感じる人は少なくありません。

こうした声が積み重なり、「AWSエンジニアはやめとけ」とも言われることがあります。

ここでは、失敗してしまう人に共通する落とし穴を具体的に見ていきましょう。

■AWSエンジニアが「やめとけ」と言われる理由:
・資格だけで仕事に直結しないから
・AWS案件は人気が高く、競争率が激しいから
・マルチクラウド・ハイブリッド対応が増え、AWSだけでは不十分だから
・働き方のギャップ(構築より運用寄りが多い現実)
・勉強の範囲が広すぎ、すぐに陳腐化するから

資格だけで仕事に直結しないから

AWS認定資格は基礎知識を証明するうえで有効ですが、資格を持っているだけでは「即戦力」とは見なされにくいのが現実です。

とくに未経験から資格だけで応募すると、「運用・監視」など入口レベルの案件に限定されるケースが多くあります。AWS資格があれば「構築・設計に直結する」わけではありません。

結果として「せっかく資格を取ったのに、理想の仕事ができない」という不満につながることもあります。

→資格だけで足りない理由や、次に学ぶべき内容は「AWSエンジニアの資格まとめ」の記事で詳しく解説しています。

AWS案件は人気が高く、競争率が激しいから

AWSは国内クラウド市場でシェアNo.1です。求人も豊富ですが、その分応募者も多く、競争は激化しています。

特に未経験者やキャリア浅めの人材は、経験豊富なエンジニアと同じ土俵に立たされ、「応募しても通らない」、「受かっても条件が厳しい案件ばかり」という状況に陥ることもあります。

その現実を知らずに飛び込むと、「AWSは人気すぎて、結局稼げない」という印象だけ残ることもあります。

マルチクラウド・ハイブリッド対応が増え、AWSだけでは不十分だから

かつては「AWSさえできれば十分」と言われていましたが、近年はAzureやGCPといった他クラウドとの併用(マルチクラウド)や、オンプレとクラウドの組み合わせ(ハイブリッド環境)が増えています。

そのため、AWS一本では対応できない場面も多く、「AWSしかできない=案件が限られる」というリスクにつながります。

「AWS特化だけでは食えない」と言われることがあるのは、こうした背景も要因です。

働き方のギャップ(構築より運用寄りが多い現実)

「最新のAWSを使ってシステムを構築したい」と思っていたのに、実際に任されるのは運用や保守が大半というケースは珍しくありません。

なぜなら、構築や設計といった上流フェーズは 経験豊富なエンジニアに優先的に回されるからです。

理想と現実の差が大きく、「ただのオペレーター作業しかできない」、「キャリアが積み上がらない」と感じて、やめたくなる人もいます。

勉強の範囲が広すぎ、すぐに陳腐化するから

AWSには200以上のサービスがあり、さらに定期的に短スパンでアップデートが行われています。

そのため、「勉強してもすぐに古くなる」、「キャッチアップが追いつかない」と感じやすく、モチベーションを失ってしまうケースも少なくありません。

特に未経験者にとっては「どこから学べばいいか分からない」、「覚えても陳腐化する」という二重の壁となり、結果として「やめとけ」と言われる理由にもなっています。

AWS資格の落とし穴【SAAだけでは不十分?】

AWSの資格は「取れば道が開ける」と思われがちですが、資格取得だけに依存すると、時間もお金も無駄にしてしまうリスクもあります。

特に人気のSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)は多くの人が挑戦しますが、実際には資格を取っただけでは、理想の仕事や年収アップにつながらないこともあります。

ここでは、資格取得者が陥りやすい典型的な落とし穴を、具体的に解説していきます。

SAAを取っても「運用案件止まり」の現実

AWSの中級資格として人気の「SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)」ですが、取得したからといって、すぐに設計や構築の案件に入れるわけではありません

実際には「SAAを持っているけれど、実務経験がない人」は、運用監視などの補助業務に回されるケースも多いです。

「せっかく勉強して合格したのに、やることはシステム監視だけ」という状況に直面し、モチベーションを失う人も少なくありません。

CLF・SAAで満足してしまう人も多い

AWS資格の入口であるCLF(クラウドプラクティショナー)やSAAを取得したことで安心してしまい、学習を止めてしまう人も多いのが現実です。

その結果、資格の知識が薄れてしまい、「履歴書には書けるけど、即戦力にならない」という中途半端な状態で止まることがあります。

「資格を取ったのに、転職や年収アップに直結しない」という声が出る背景には、この「途中で止まる」パターンが大きく関わっています。

採用企業は「資格+経験」を求めている

求人票を見ると、「AWS資格保持者歓迎」と書かれているものは多いですが、実際の採用基準では「資格+実務経験」が前提になっています。

つまり、資格だけでは「足切りラインを越える」程度にしかならないこともあります。採用担当者は「実際に、AWS環境を構築・運用した経験があるか」を重視しています。

このギャップを理解せずに資格取得だけで転職を急ぐと、「応募しても通らない」現実に直面して挫折してしまうこともあるでしょう。

資格取得をゴールにしてしまう「燃え尽き症候群」

AWS資格は範囲が広いため、取得までに数ヶ月の努力が必要です。

その過程で全力を出し切り、「合格=ゴール」になってしまう人が多いのも問題です。

資格取得後に勉強をやめ、実務経験を積む行動に移さないため、「資格はあるけど、仕事では何もできない」状態に陥るケースもあります。

燃え尽き、目標を見失ってしまった結果、キャリアが止まり「結局AWSなんて意味なかった」と感じてしまう人もいます。

AWSエンジニアを目指すメリット:引き続き高い需要と年収の可能性

ここまで見てきたように、AWSエンジニアには多くの落とし穴や、厳しい現実も存在します。

しかし、それでもなお 「AWSスキルを持つ人材の需要は、非常に高い」 のが事実です。

適切な経験の積み方やスキルの広げ方を意識すれば、年収アップやキャリアの選択肢を大きく広げられる可能性があります。

ここからは、AWSエンジニアを目指すことで得られるメリットを整理していきます。

需要は依然として高く、求人は豊富

クラウド市場は年々拡大を続けており、その中心にあるのがAWSです。

実際に求人を見ても、AWSスキルを求める案件は多数存在し、経験者であれば高い確率で活躍の場を得られるのが現実です。

「やめとけ」と言われる一方で、AWSスキルの需要は依然として安定して高く、挑戦する価値は十分にあります。

→関連記事:クラウドエンジニアの将来性・需要は?なくならない理由

スキルを広げれば年収アップが狙える

AWSスキル単体では年収の伸びは限定的ですが、インフラ基礎(Linux/ネットワーク)やマルチクラウド、セキュリティ、自動化スキルを組み合わせれば市場価値は一気に高まります。

特に、クラウド移行や最適化に関わるエンジニアは評価が高く、年収700〜800万円以上を目指す道も十分に開けます

つまり、AWSスキルは「武器の一つ」となり、「キャリアアップの軸」とすることも可能です。

→関連記事:AWSエンジニアの年収相場|未経験から資格・経験別に徹底解説

フリーランスやSREなどキャリアの可能性

AWSを起点にキャリアを広げれば、SRE(Site Reliability Engineer)やクラウドアーキテクト、さらにはフリーランス独立といった多様な道が見えてきます。

特にフリーランス案件では、AWSに加えてIaC(Terraform、CloudFormation)やコンテナ(Docker、Kubernetes)スキルを持つ人材は高単価で取引されるケースも多く、年収1,000万円を超える可能性もあります。

「やめとけ」と言われるAWSエンジニアですが、正しい戦略でスキルを伸ばせば、むしろ大きなキャリアの可能性が広がっていきます。

リモート勤務や柔軟な働き方が可能

AWSエンジニアは、リモートワークと非常に相性の良い職種の一つです。

インフラがクラウド上に構築されるため、物理サーバーのようなオンサイト作業が少なく、場所を選ばずに働ける求人が多くあります

また、IaC(Infrastructure as Code)やセキュリティのスキルを身につければ、地方在住でも都市部の高単価フルリモート案件に挑戦できるなど、働き方の自由度は格段に広がります。

実務経験とスキルが揃えば、単なる「在宅勤務」以上に、キャリアと年収の両立を実現できる職種と言えるでしょう。

→ただし、フルリモートは即戦力レベルの経験が求められるケースが多いため、未経験者は最初に現場経験を積むことが重要です。

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AWSエンジニアへの具体的なキャリア戦略・おすすめ求人を転職のプロと相談する

やめとけではなく「こうすれば活躍できる」

AWSエンジニアは厳しい面もありますが、正しい戦略をとれば大きなチャンスをつかめる職種です。

ここからは、AWSエンジニアとしてキャリアを築くための、具体的なアプローチ法を紹介していきます。

AWS特化より、インフラ基礎+マルチクラウド視点を持つ

「AWSだけできればいい」という考え方は、キャリアを狭めてしまいます。

Linux・ネットワーク・セキュリティといったインフラ基礎を押さえたうえで、AzureやGCPにも触れることが重要です。

マルチクラウド視点を持てば、案件の選択肢が広がり「AWSしかできない」リスクを回避できます。

マルチクラウドも踏まえたクラウドエンジニアについて、詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。

→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
→関連記事:クラウドエンジニア勉強法ロードマップ|

運用経験を「構築」へ繋げる具体的な戦略

未経験からいきなり構築に入るのは難しいため、まずは運用の経験を積むのが現実的です。

ただし、そこで満足してしまうと「オペレーター止まり」でキャリアが止まってしまいます。

日々の運用業務で、改善提案や自動化の工夫を実績化しておけば、「構築案件を任せられる人材」として次のステップに進みやすくなります。

→関連記事:AWSの勉強方法まとめ|未経験からエンジニアを目指すロードマップ
→関連記事:AWSエンジニアに必要な資格は?選び方・難易度・年収への影響を徹底解説

キャリアを見直したい方へ

「そろそろ構築にステップアップしたい」
「運用どまりを避けたい」

転職を含めてキャリアを再設計されたい方は、プロとキャリア相談するのもおすすめです。

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未経験者はまずインフラ基礎から

未経験者が最初にやるべきは、AWS資格よりもインフラ基礎の理解です。

Linuxの基本操作、ネットワークの仕組み、仮想化やサーバー構築を理解していれば、AWS学習の吸収力が大きく変わります。

「基礎を固める → AWSに挑戦する」という順序を守れば、キャリアの安定性が増し、転職市場でも評価されやすくなります。

インフラ基礎は、インフラエンジニアでの学習で学べます。インフラ基礎やインフラエンジニアについて知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。

→関連記事:未経験インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
→関連記事:インフラエンジニアとは?未経験からわかる仕事内容・年収・キャリアパス

SRE/セキュリティなど専門領域に伸ばす

AWSスキルを基盤にして、SRE(Site Reliability Engineering)、セキュリティ、IaC、コンテナ技術など専門性を高めれば、キャリアの可能性はさらに広がります。

単なる「AWSが使える人」から「AWSを活かしてシステム全体を改善できる人材」になれば、市場価値も年収も大きく高まります。

長期的には「AWSをどう活用するか」という視点を持つことが、安定して活躍するためのカギとなります。

→関連記事:未経験からAWSエンジニアになるには?必要スキル・資格・転職ロードマップ

まとめ:AWSエンジニアを目指すなら「戦略」が必要

AWSエンジニアは需要が高く将来性のある職種ですが、資格だけでは仕事につながらない・運用止まりでキャリアが伸びない・勉強がすぐ陳腐化するといった落とし穴も多く存在します。

そのため、安易に「資格を取れば安泰」と考えてしまうと、貴重な時間とキャリアを無駄にし、後悔する可能性もあります。

しかし、正しい順序で基礎を学び、経験を積みながらキャリアを広げれば、AWSスキルは高い年収・リモート勤務・自由な働き方を実現できる武器になります。

大切なのは「資格直行」ではなく、自分に合った戦略を描くことです。独学や資格取得だけで迷子になってしまう前に、専門家と一緒にロードマップを作ることが成功の近道です。

資格直行は狭き門、基礎+経験を積み上げよう

AWS資格だけでなく、Linux・ネットワークといった基礎や現場経験を積むことで、本当の実力が身につきます。

AWS一本ではなくキャリアの広がりを意識する

AWS特化だけにこだわらず、マルチクラウドや自動化・セキュリティへ広げることで、市場価値を安定的に高められます。

迷ったら専門家に相談してロードマップを描こう

独学や資格取得だけで行き詰まる人は多いです。

キャリアの専門家に相談し、自分に合ったロードマップを描くことが、遠回りを避ける近道になります。

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この記事を書いた人

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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