こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「AWSエンジニアになるには、どの資格を取るべき?」
「資格は本当に必要なの?実務経験があれば十分では?」
「難易度や勉強時間、年収アップにどれくらい影響するの?」
このような疑問を抱えている方は、決して少なくありません。
結論から言えば、AWS資格はキャリアのスタートや転職活動で「非常に強力な武器」になります。
特にキャリア初期~クラウド未経験の方にとっては「スキルの証明」として企業に評価されやすく、年収や転職成功などに直結します。
一方で、資格だけでは不十分なこともあり、実務スキルやハンズオン学習との掛け合わせが大事です。
この記事では、以下を徹底解説していきます。
■この記事でわかること:
・AWS資格は本当に必要か?「意味ない」と言われる理由と真実
・最新12種類の資格と、廃止・統合された資格まとめ(2025年対応)
・初心者におすすめの資格と、最短ルート(CLF→SAA→SAP)
・資格ごとの難易度・勉強時間・費用早見表
・資格取得がキャリア・年収に与える実際の効果
「AWS資格をどの順番で取ればよいか」や「資格をどうキャリアに活かすか」が明確になる内容です。
最新の資格体系・難易度・勉強時間の目安まで整理しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
なお「AWSエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。資格だけでなく、仕事内容・年収・将来性などをまとめています。
→ AWSエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ
AWS資格は本当に必要?「資格だけでは意味ない」は本当か
AWSエンジニアを目指すうえで、「資格は本当に必要なのか?」、「実務経験さえあれば十分では?」と迷う方は多いでしょう。
確かに、SNSや現場の声では「資格だけあっても意味がない」といった意見を目にすることもあります。
では実際のところ、AWS資格はどのように評価されているのでしょうか。
資格はいらないと言われる理由(現場の実務主義)
現場では「資格=即戦力」とは限らないため、「実務が大事」という考え方も根強くあります。
特にAWS案件では、構築や運用のトラブル対応・自動化など、実際に手を動かして得る経験値が最も重視されるのが現実です。
資格試験では、主にサービスの仕様や用語、最適な構成を学べ、実務に直結するのも事実です。
一方で、その他の実務で必要とされる「トラブルシューティング力」など、資格知識と実務スキルにはギャップがあるため、「現場経験がないと即戦力ではない」と判断されるケースもあります。
つまり資格取得のみで満足してしまうと、「資格はあるけど、応用力が不足」と見なされてしまう可能性があります。
それでも資格が評価される3つの理由(基礎知識・配属・転職)
一方で、AWS資格はキャリア初期や転職活動の「入口」で強い武器になります。
特に以下の3点で明確な強みを持ち合わせています。
■AWS資格が評価される理由:
・基礎知識の証明になる
→AWSの基本構成やセキュリティ・コスト設計を理解していることを客観的に示せます。
・キャリアアップの起点になる
→資格をきっかけにAWS案件にアサインされやすくなり、そこから実務経験→上位資格へと成長できる再現性の高いルートが作れます。
・転職市場での評価が高い
→求人票では「AWS認定資格保持者歓迎」といった記載は多く、企業がスクリーニングの指標として活用しています。
【結論】資格だけでは不十分だが、資格を取ること自体に大きな価値がある
AWS資格は、単なる試験ではなく、「学ぶ姿勢」と「基礎理解力」を示す大切な証明書です。
確かに、資格を取っただけで現場で即戦力になれるわけではありません。しかし、学習を継続し、資格という形で知識を体系化したその努力は、確実に評価されます。
特にクラウド分野では、「学び続けられる姿勢を持つ人」ほどキャリアアップを実現しやすい環境です。
AWS認定を取得することで、基礎概念を体系的に理解し、その後の実務や構築・自動化・設計といった応用スキルを吸収しやすくなります。
つまり、資格はゴールではなく、「キャリアを前に進める最初のブースト」です。資格取得を通じて得た知識は、今後のプロジェクト参加や転職活動で必ず武器になります。
資格を取ることを軽く見る必要はまったくありません。むしろ資格を取る行動力こそが、AWSエンジニアとしての成長の第一歩です。
【2025年】AWS資格の全12種類と体系図
AWS認定資格は、クラウドの基礎を学ぶ入門レベルから、設計・運用・開発・データ・セキュリティ・AIまで幅広い分野をカバーしています。
2025年現在、AWS資格は全12種類+新設中1種類(ベータ)の体系で構成されています。
また、2026年にかけてAI/機械学習系資格の再編(新設・廃止)が予定されており、最新情報の確認が重要です。
なお、各資格の「対象者」はAWS公式の推奨レベルをもとにしていますが、実際には未経験やキャリア初期の段階から挑戦して合格する方も多くいます。
そのため、あくまで「目安」として参考にし、自分の目的や現状スキルに合わせて選ぶようにしましょう。
AWS公式サイトでは試験ガイドや学習リソースも公開されているので、必ず受験前に確認しましょう。
→ 参考:AWS認定公式サイト(https://aws.amazon.com/jp/certification/)
AWS認定資格の構成(4レベル体系)
AWS資格は、主に以下の4つのレベルに分類されています。
| レベル | 位置付け | 主な対象 | 資格例 |
| Foundational(基礎) | AWSの全体像を理解する入門資格 | IT未経験者・非エンジニア職 | CLF/AIF |
| Associate(アソシエイト) | 実務で使う設計・開発・運用スキルを問う中級資格 | 初〜中級エンジニア | SAA/SOA/DVA/DEA/MLE |
| Professional(プロフェッショナル) | 上流設計・自動化など高度スキルを問う上級資格 | 中級〜上級エンジニア | SAP/DOP/GAI(新設ベータ) |
| Specialty(スペシャリティ) | 特定分野の専門知識を問う高難易度資格 | 経験者・スペシャリスト層 | SCS/ANS/MLS |
基礎レベル(CLF/AIF)
AWSの全体像を理解するための入門資格であり、IT未経験者や非エンジニアでも挑戦できるレベルです。
| 資格名 | 略称 | 対象者 | 特徴 |
| クラウドプラクティショナー | CLF | IT未経験者、営業職、マネージャーなど | AWSクラウドの基本的な概念、用語、セキュリティ、請求に関する知識証明 |
| AIプラクティショナー | AIF | データ分析、AI/MLに関心のある初心者 | AWS上のデータ・AI/MLの基本的な概念理解 |
アソシエイトレベル(SAA/SOA/DVA/DEA/MLE)
AWSエンジニアを目指す上で最も重要なレベルです。この階層の資格が、クラウドキャリアの中心的な指標になります。
| 資格名 | 略称 | 対象者 | 特徴 |
| ソリューションアーキテクト | SAA | 1年程度のAWS設計経験を持つ人(推奨) | AWSを使ったソリューションの設計と運用能力の証明。最も人気かつ評価される代表資格 |
| クラウドオプスエンジニア(旧SysOps) | SOA | 運用・監視・セキュリティに特化したい人 | AWS環境の運用、監視、セキュリティ維持能力の証明 |
| デベロッパー | DVA | クラウドネイティブなアプリケーション開発経験を持つ人 | AWSサービスを利用したアプリケーション開発能力の証明 |
| データエンジニア | DEA | データ基盤・ETL設計に関わる人 | AWS上でデータワークフローを設計・実装・監視する能力の証明 |
| 機械学習エンジニア | MLE | AI・機械学習プロジェクトに関わる人 | AWSのMLサービスを用いたソリューション開発能力の証明 |
プロフェッショナルレベル(SAP/DOP)
AWSの高度な設計・自動化・AI実装スキルを証明する上級資格です。
また2025年より「Generative AI Developer – Professional」が追加され、AI分野のプロフェッショナル層が拡充されています。
| 資格名 | 略称 | 対象者 | 特徴 |
| ソリューションアーキテクト | SAP | 2年以上のAWS設計経験を持つ上級者 | 大規模・複雑なAWS環境の設計・最適化スキルを証明 |
| DevOpsエンジニア | DOP | 継続的デリバリー・自動化経験を持つ上級者 | CI/CDパイプライン構築や自動化運用スキルを証明 |
| Generative AI Developer(ベータ版) | ‐(新設) | Amazon BedrockなどAWS AIサービスを用いた開発者 | 生成AIモデルの構築・デプロイ・最適化スキルを証明。(2025年11月ベータ開始) |
スペシャリティレベル(Specialty)
特定分野に特化した専門資格であり、セキュリティやネットワークの高度領域をカバーします。一方で、「Machine Learning – Specialty(MLS)」は2026年3月に廃止予定です。
| 資格名 | 略称 | 対象者 | 特徴 |
| セキュリティ | SCS | セキュリティ設計・運用担当者 | AWSセキュリティ設計と運用に関する高度な知識を証明 |
| アドバンストネットワーキング | ANS | ネットワーク設計・最適化担当者 | AWSとオンプレ環境を組み合わせた複雑なネットワーク設計能力を証明 |
| Machine Learning(2026年廃止予定) | MLS | 機械学習スペシャリスト | AI/ML領域の上級資格。2026年3月31日をもって廃止予定。 |
【最新情報】AI/ML資格の廃止・再編(2025〜2026)
AWSはAI/ML分野を刷新し、以下のような構成に移行しています。
| レベル | 体系 | 状況 |
| 基礎 | AIプラクティショナー(AIF) | 現行 |
| アソシエイト | Machine Learning Engineer(MLE) | 現行 |
| プロフェッショナル | Generative AI Developer | 新設(ベータ) |
| スペシャリティ | Machine Learning – Specialty(MLS) | 廃止予定(2026年3月) |
まとめ
現在のAWS資格は 12種類+新設ベータ1種であり、AI・データ系資格が大幅に刷新中です。
古い教材・情報では対応できない範囲があるため、最新版の体系で学習を進めるのが安全です。最新情報はAWS公式サイトで随時確認しましょう。
→ 参考:AWS認定公式サイト
【初心者向け】AWS資格の選び方とおすすめ取得順
AWS資格はレベルが複数あり、どの資格から取るべきか迷う方は多いでしょう。
特に「SAA(ソリューションアーキテクト)」と「CLF(クラウドプラクティショナー)」のどちらを先に取るかで、学習効率などが変わります。
ここでは、目的別に最適なルートをわかりやすく整理していきます。
まず取るべきは「SAA」か「CLF」か?
インフラ知識によっておすすめが変わりますが、転職・キャリアアップを目的とするならSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)から始めるのが最短ルートです。
■CLFとSAAの違い:
・CLF(クラウドプラクティショナー):基礎用語やサービス概要を理解する入門資格。
→ IT未経験者や「まず全体像をつかみたい」方に適しています。
・SAA(ソリューションアーキテクト) :設計・構築スキルを体系的に学べる資格。
→ 転職市場で最も評価され、AWSエンジニアの登竜門的ポジションです。
ただし、じっくり基本からAWS学んでいきたい方はCLF→SAAの順番がおすすめです。
■目安:
・IT未経験/じっくり学びたい経験者 → CLFから
・インフラ/開発経験あり → SAAから
・学習コストを短縮したい場合 → CLFを飛ばしてSAAからでもOK
【標準ルート】CLF → SAA → SAP の王道ステップ(初心者向け)
AWSをじっくり学びたい方におすすめの、着実に成長できる王道ルートです。
| ステップ | 資格 | 習得内容 | 取得後のイメージ |
| ステップ1 | CLF(基礎) | クラウド・AWSの全体像 | AWSの理解を深め、基礎固めに最適 |
| ステップ2 | SAA(中級) | 設計・運用・セキュリティ設計 | 転職・社内評価に直結 |
| ステップ3 | SAP(上級) | 大規模アーキテクチャ設計 | 上流工程・設計リーダー層へ |
CLFで土台を築いた上で、SAA→SAPとステップアップするのが最も失敗しにくいルートです。
【最短ルート】SAA → SAP の効率ステップ(経験者向け)
すでにIT業界の基礎知識がある方や、短期間でキャリアアップを狙いたい方には、SAA → SAP の2段階ルートがおすすめです。
■SAAとSAPの違い:
・SAA:AWSエンジニアの登竜門。転職・アサインで最も評価される資格。
・SAP:設計力・最適化スキルを証明し、年収600〜800万円層に近づく。
このルートは「最短で成果を出したい経験者」に最も向いており、学習時間も短縮しやすい効率的ステップです。
【IT経験者向け】SAA → SOA or DVA(運用/開発志向)
SAAを取得した後は、キャリアの方向性に応じて「運用」または「開発」のルートを選ぶことも多く、AWSエンジニアの一般的なキャリアパスとなっています。
プロフェッショナルレベル(SAP/DOP)に進む前に、アソシエイトレベルの他資格で専門性を深めるステップとしても有効です。
| 志向性 | 推奨ルート | 学べる内容 |
| 運用・SRE志向 | SAA → SOA | IaC(Infrastructure as Code)や監視・自動化などの実践スキルを強化。SREやDevOps職への発展につながる。 |
| 開発・DevOps志向 | SAA → DVA | Lambda/DynamoDBなど、開発者が扱うサービスの知識とCI/CDパイプライン構築スキルを強化。 |
【データ・AI志向】AIF → DEA or MLE のルート
近年需要が急拡大しているデータ分析・AI/機械学習分野に進みたい場合は、以下のルートがおすすめです。
ルート例:
AIF(AIプラクティショナー/基礎) → DEA(データエンジニア アソシエイト) または MLE(機械学習エンジニア アソシエイト)
これらの資格では、AWS環境上でのデータの収集・加工・分析・機械学習モデルの構築とデプロイに関する専門知識を身につけられます。
クラウドエンジニアからデータ・AI領域にキャリアを広げたい方に最適です。
よくある失敗パターンと対策まとめ(順番ミス・過学習)
AWS資格学習では、つまずきやすいポイントがいくつかあります。以下の3つを意識して進めるだけで、効率と定着率が変わり、つまづきにくくなります。
| 失敗パターン | 例 | 対策 |
| 順番ミス | SAAの前にSOAやDVAに挑戦し、全体像が見えず挫折。 | SAAで設計の基礎を固めてから、SOAやDVAに進む。 |
| 過学習 | CLFに時間をかけすぎて、SAAに着手できない。 | CLFは2週間〜1ヶ月で完了。 時間の多くをSAA学習に投資する。 |
| 知識偏重 | 試験には受かるが、実機操作経験がなく実務で活かせない。 | AWS Free Tierでハンズオン練習。 資格学習と並行して実践力をつける。 |
自分に合うAWS資格ルートを最短で知りたい方へ
「CLFから取るべき? それともSAAから?」そんな疑問をプロが診断。
AWS資格の順番とキャリア設計を、無料でアドバイスしています。
AWS資格の難易度・勉強時間・費用まとめ
AWS資格は、レベルによって学習時間や難易度に大きな差があります。
ここでは主要資格をレベル別に整理し、「どれくらい勉強すれば合格できるのか」、「どれから挑戦すべきか」が一目でわかるようにまとめました。
【入門資格】CLF:50〜80時間で合格可能
AWSを初めて学ぶ方は、CLF(クラウドプラクティショナー)から始めると、基本から学べ効率性が高まりやすくなります。
CLFではAWSの全体像や主要サービス、セキュリティ、請求などの基礎を幅広く学べます。IT未経験者でも50〜80時間の学習で合格可能で、クラウド理解の入口として最適です。
■学習のコツ:
・市販の教科書やPing-tを使い、問題演習を繰り返して用語を定着させる
・サービス名の暗記だけでなく「どんな場面で使うか」を意識すると、その後につながる。
【中級資格】SAA/SOA/DVA:150〜200時間が目安
AWSエンジニアを目指すなら、まずはSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)を目指すのがおすすめです。
SAAは設計・構築スキルを体系的に学べる、AWS資格の登竜門的存在です。また求人票でも評価が高く、転職・キャリアアップに直結する資格です。
■アソシエイト(中級)資格:
・SAA:最も人気・評価が高い資格。設計・構築スキルを体系的に学べ、転職でも有利。
・SOA:運用・監視・自動化を中心とした資格。SREやDevOps志向の人に最適。
・DVA:開発者向けの中級資格。Lambda/DynamoDBなどの活用スキルを学べる
合格には150〜200時間程度の学習が必要で、平日1〜2時間+休日5時間のペースで約2〜3ヶ月が目安です。
【上級資格】SAP/DOP:実務+400時間レベル
プロフェッショナルレベルは、実務経験を前提としており、複数のサービスを組み合わせた複雑な設計、コスト、セキュリティのバランスをなどが学べます。
■プロフェッショナル(上級)資格:
・SAP:大規模・複雑な環境を設計するスキルを証明。
・DOP:CI/CDパイプライン構築やログ監視、自動化スキルなどを証明。
AWSのプロフェッショナル資格は、AWS実務経験2年以上が推奨とされています。
SAA取得後に早めに挑戦するケースも増えていますが、学習時間は試験対策とハンズオンを兼ねて400時間程度が目安です。
資格別難易度マップ
主要なAWS認定資格について、難易度、学習時間、費用を一覧で比較し、表でまとめました。
※以下はあくまで一般的な目安であり、実際の学習時間や難易度はIT経験・学習スタイルによって変動します。
| 資格名 | レベル | 難易度 | 勉強時間目安 | 試験費用 | おすすめ度 |
| CLF | 基礎 | ★☆☆☆☆ | 約50h | 16,500円 | 初心者向け・AWS入門に最適 |
| SAA | 中級 | ★★★☆☆ | 約180h | 22,000円 | 転職定番・まず目指すべき資格 |
| SOA | 中級 | ★★★★☆ | 約200h | 22,000円 | 運用・自動化スキルを強化 |
| DVA | 中級 | ★★★☆☆ | 約180h | 22,000円 | 開発志向エンジニアに最適 |
| SAP | 上級 | ★★★★★ | 約400h | 44,000円 | 設計上級者・キャリア上位層 |
| SCS | スペシャリティ | ★★★★☆ | 約250h | 44,000円 | セキュリティ専門職に人気 |
AWS資格を軸にキャリアを築くうえで、「これから伸びる分野」を知ることも重要です。
AIやクラウドの発展によって、エンジニアの働き方・求められるスキルも大きく変わっています。以下の関連記事では、主要職種ごとに将来性を詳しく解説しています。
関連記事:AI・自動化時代に強いキャリアを築くために
→関連記事:インフラエンジニアの将来性はある?AI時代の需要・キャリアを徹底解説
→関連記事:クラウドエンジニアの将来性|AI時代に求められるスキルとは
→関連記事:AWSエンジニアの将来性|今後も需要が続く理由を解説
AWS資格取得で広がるキャリアと年収レンジ
AWS資格は「転職での評価」や「年収アップ」に直結するケースが多く、特にSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)はその効果が最も顕著です。
ここでは、資格取得がどのようにキャリアの広がりや収入向上につながるかを具体的に見ていきましょう。
資格取得で開ける3つのキャリアステップ(運用→構築→設計)
AWS資格取得を通じて、キャリアは段階的にステップアップしていきます。
以下のように整理すると、どの資格がどのフェーズで役立つかが明確になります。
| ステップ | 学習内容 | キャリアの方向性 |
| ステップ1:運用・監視フェーズ | CLFやSOAでAWS環境の基礎理解・運用知識を習得 | クラウド運用・監視オペレーションに活用可能 |
| ステップ2:構築・自動化フェーズ | SAAやDVAで設計・開発・IaC(Infrastructure as Code)を学習 | AWS構築・クラウド移行・自動化プロジェクトへの参画が可能 |
| ステップ3:設計・アーキテクチャフェーズ | SAP(プロフェッショナル)で大規模設計・最適化スキルを獲得 | 要件定義・設計リード・クラウドアーキテクト職へ発展 |
資格はあくまで「入口」ですが、取得をきっかけに現場での役割や任される範囲が広がるのが最大の魅力です。
資格レベル別の年収相場【中堅層〜上級層】
AWS資格はキャリアの進行に応じて、収入レンジにも明確な差が出ます。
以下の表は、主要資格に基づくスキルレベルの平均年収レンジの目安です。
| 資格レベル | 資格例 | 想定ポジション | 想定年収目安 |
| 基礎 | CLF | 運用補助・初級エンジニア | 約350〜450万円 |
| 中級 | SAA/SOA/DVA | 構築・自動化・設計補助 | 約450〜600万円 |
| 上級 | SAP/DOP | 設計・上流工程・チームリード | 約600〜800万円 |
| 専門 | SCS/ANSなど | セキュリティ・ネットワーク特化 | 約700〜900万円 |
※上記は転職市場の求人データ(doda・レバテックキャリア)などをもとにした一般的な相場であり、実務経験や企業規模により上下します。
AWS資格は単なるスキル証明ではなく、報酬レンジを引き上げる実質的な要素としても機能します。
AWS資格が転職・評価・報酬で評価される理由
AWS資格が評価される背景には、クラウド需要の急拡大があります。
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やシステム移行の加速により、AWSを扱える人材の供給が圧倒的に不足しているのが現状です。
この「人材需給のギャップ」が、AWS資格の価値を高めています。
理由1:即戦力不足により「資格保持者」も採用優先枠に
DX推進やクラウド移行を進める企業では、AWS実務経験者が慢性的に不足しています。
そのため、採用現場では「AWS資格を持っている=基礎知識と学習意欲がある」と判断され、即戦力に次ぐ優先採用層として扱われるケースも増えています。
求人票でも「AWS認定資格保持者歓迎」、「資格手当あり」と記載される例が多く、SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)はとくに転職・社内評価・アサイン判断の「共通指標」として利用されています。
理由2:資格手当や評価制度に反映される企業が増加
AWS資格を取得すると、評価加点・資格手当・報奨金制度の対象になる企業も少なくありません。また会社全体でAWS資格取得を推奨・支援する動きが増えてきています。
また、一般企業でも資格取得支援制度や報奨金支給など、資格が報酬・評価に直結する仕組みが広がっています。
「学習姿勢が評価される」、「報酬アップにつながる」という実利的なメリットが、資格を取るモチベーションにもなっています。
他クラウド資格との比較(Azure/Google Cloud)
国内のクラウド市場では、AWS・Azure・Google Cloudの3社が主要プレイヤーとして高いシェアを占めています。
特にMM総研の調査によると、「情報系システムに利用するクラウド」に限ってはAWSが78.6%と最も多く、次いでAzure(29.2%)、GCP(16.9%)と続いており、AWSスキルを持つ人材の需要が依然として高いことがわかります。
※出典:MM総研「クラウドサービス利用動向調査(2022年)」
このように、AWS資格は国内のクラウド案件や転職市場で「最も評価されやすい資格」といえます。一方で、AzureやGoogle Cloud(GCP)も企業導入が拡大しており、複数クラウドを扱える「マルチクラウド人材」の価値も上昇しています。
| クラウド | 代表資格 | 主な特徴 | 難易度感 |
| AWS | SAA/SAP | 導入企業・求人数ともに最多。実務・転職評価が最も高い。 | 中〜高 |
| Azure | AZ-104/AZ-305 | Microsoft製品との連携に強く、企業システム領域で導入増。 | 中〜高 |
| Google Cloud | ACE/PCA | データ分析・AI/機械学習領域に強み。 | 中〜高 |
■ポイント:
・AWS資格は「汎用性」と「転職市場での評価」で圧倒的に優位。
・Azureは大企業や社内SE系で有効。
・GCPはAI・データ分析職に人気。
AWS資格を基軸に、AzureやGCPを掛け合わせて学ぶことで、マルチクラウド構築・SRE・アーキテクトなど上位職へのキャリア拡張が狙えます。
\ 資格を「キャリアの武器」に変えるなら! /
AWS資格を取ったら、次は「どう活かすか」が重要です。
資格を活かして構築・設計・アーキテクト職へ進みたい方には、
インフラ専門のキャリアアドバイザーが最短ルートを提案します。
※オンライン面談OK・在職中の方も歓迎
AWS資格はスキル証明としての価値に加え、クラウド・AI時代の高年収領域へ進むための実践的なステップでもあります。
以下の関連記事では、資格を活かして収入・キャリアを伸ばすための具体的な年収レンジを解説しています。
関連記事:AI時代に価値が高まる職種の年収相場
→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|工程別・年代別に1000万円を狙う戦略
→関連記事:クラウドエンジニアの年収まとめ|AWS・Azure時代の市場価値とは
→関連記事:AWSエンジニアの年収相場と上げ方|資格・経験別レンジと脱SES戦略
資格を取った後に伸ばす力:AWSを実務で活かす3つのコツ
AWS資格を取得できた時点で、すでに大きな一歩を踏み出しています。
多くの方が学習を始めても、全員が合格する訳ではありません。合格までたどり着いたその努力と継続力は、間違いなくエンジニアとしての強みになります。
一方で、「資格は取ったけれど、どう活かせばいいのか分からない」「実務経験がなくて不安」という声もよく聞かれます。
ここからは、資格を「現場で使える力」に変える3つのステップを紹介していきます。
資格を「実務力」に変えるための次のステップ
AWS資格で得た知識は、業務理解を深めるうえで大きな武器になります。ただし、資格内容はあくまで「理論」が中心であり、実務ではその知識をどう応用できるかが重要です。
例として現場では、以下のようなスキルもその後求められていきます。
■現場で求められるスキルの例:
・障害発生時の原因調査や復旧対応
・セキュリティ設計やコスト最適化の実装
・IaC(Terraform/CloudFormation)による自動化構築
・他チームとの設計レビューやドキュメント作成
これらは、資格で得た知識をベースに「手を動かす」ことで身につくスキルです。
焦る必要はありません。まずは自分のペースで、AWS環境を触ってみることから始めましょう。
ハンズオンで「使える知識」に変える
AWSの学習内容を定着させるには、実際に操作してみるのが一番です。
AWSには無料利用枠(Free Tier)が用意されており、個人でも安全に試せます。
■ おすすめ実践ステップ:
・AWS Free TierでEC2やS3を操作してみる
・VPCを構築してネットワークの基礎を体感
・Skill Builderのハンズオン演習で基礎を定着
こうした「手を動かす学習」を通じて、資格の知識が「実務で使える理解」に変わります。
少しずつでも自分の手で環境を構築してみることが、AWSエンジニアへの確実な一歩です。
資格をキャリアの武器に変える3ステップ(資格→実務→行動)
資格を取った後は、「学ぶ → 使う → 行動する」の3段階を意識すると、スキルが自然と定着します。
| ステップ | 行動 | 目的・効果 |
| ステップ1:資格を取得 | CLF/SAAなどで基礎を体系的に習得 | AWSスキルの客観的証明を得る |
| ステップ2:手を動かして学ぶ | Free Tierやハンズオンで構築体験 | 実務に近い感覚でスキルを磨く |
| ステップ3:キャリアで活かす行動 | 現業務で活かす・プロジェクト異動・転職などで活用 | スキルを「評価」や「実績」に転換 |
こうした流れを意識して行動することで、資格が「合格証」から「キャリアを広げる武器」に変わります。
\ 資格を「キャリアの武器」に変えたい方へ /
「AWS資格は取ったけれど、この先どう活かせばいいか分からない」
そんな方に向けて、インフラ専門のキャリアアドバイザーが
あなたの資格・スキルに合わせた最短キャリアプランと学習ロードマップを無料で提案します。
※オンライン面談OK・在職中の方も歓迎です。
ここまででAWS資格の体系や勉強法、キャリア活用まで解説してきましたが、最後によくある質問をまとめました。
よくある質問
AWS資格に関してよく寄せられる質問を、最新の情報(2025年版)に基づいてまとめました。初めて挑戦する方も、学習やキャリア設計の参考にしてみてください。
Q1:AWS資格は廃止されたものはありますか?
はい、一部資格が廃止・再編されています。
特に「データアナリティクス – スペシャリティ(DAS)」は2024年4月に廃止され、内容は「データエンジニア – アソシエイト(DEA)」や他資格に引き継がれました。
また「Machine Learning – Specialty(MLS)」は2026年3月31日で廃止予定です。代替資格として「Generative AI Developer – Professional(ベータ版)」が新設され、AI・機械学習分野の再編が進行中です。
Q2:初心者はどの資格から取るべきですか?
完全未経験者の方は、「クラウドプラクティショナー(CLF)」から始めるのがおすすめです。AWSの全体像を理解し、用語や概念を体系的に学べる入門資格です。
ただし、転職やキャリアアップを目的とする場合は、「ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)」から直接挑戦しても問題ありません。
IT知識がある方や効率を重視する方には、CLFを飛ばしてSAAを目指すルートも一般的です。
Q3:AWS資格の順番は?CLF→SAAが王道?
はい。王道ルートは 「CLF → SAA → SAP」 です。
CLFで基礎を理解し、SAAで設計・構築スキルを身につけ、SAPで上級設計力を証明できます。
ただし、IT経験者や短期で成果を出したい方は「SAA → SAP」の2段階ルートでも問題ありません。AWSは再受験もしやすいため、自分のキャリアフェーズに合わせて柔軟に選びましょう。
Q4:AWS資格の難易度が高いのはどれですか?
最も難易度が高いのは 「ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP)」 です。
試験範囲が広く、複雑なアーキテクチャ設計・運用最適化を問われるため、実務経験+400時間以上の学習が目安です。
また、「DevOpsエンジニア(DOP)」や「セキュリティ(SCS)」も上級者向けの内容で、試験準備に200〜300時間が必要です。
Q5:資格だけで転職できますか?
資格はそれだけでも評価されますが、実務経験がない場合は、実務につながる学習やハンズオン経験を求められるケースもあります。
特にAWSでは、実際に環境を触って理解しているかも重視されやすいため、資格の勉強とあわせて、AWS無料利用枠(Free Tier)などで手を動かしてみることをおすすめします。
資格を取得したこと自体が大きな前進なので、あとはその知識を少しずつ「使える形」にしていけば十分です。
なお、AWS資格を検討している方の中には、「LPICやCCNAとどちらを先に取るべき?」と迷う方も多いでしょう。
以下の関連記事では、それぞれの資格の難易度・順番・活かせる仕事を比較し、最適なスタートルートを紹介しています。
→関連記事:LPIC・CCNA・AWSどれから取る?最適資格ロードマップ
また、インフラ系資格の難易度・順番をすべてまとめて比較するなら、以下の関連記事をご覧ください。
→関連記事:インフラエンジニアのおすすめ資格一覧|取得順番・難易度を徹底解説
まとめ:AWS資格を「キャリアアップの武器」に変える戦略
AWS資格は、取った瞬間に終わりではなく、キャリアを切り開くためのスタートラインです。
資格を通じて得た知識は、構築・設計・自動化・AIといったさまざまな領域に応用できます。大切なのは、「資格を取ったあとにどう活かすか」を考えながら、一歩ずつ行動することです。
AWSエンジニアとしてステップアップするためには、次の流れを意識しましょう。
| ステップ | 内容 | ゴール |
| ステップ1 | AWS資格で基礎知識を体系的に習得 | クラウド理解・転職準備 |
| ステップ2 | Free TierやSkill Builderで実務体験を積む | 現場で使えるスキルの定着 |
| ステップ3 | プロジェクト参加・転職・資格更新など行動する | キャリアの実績化・年収アップ |
AWS資格は、努力を「見える形」にできる非常に価値の高い資格です。焦らず、一歩ずつ前進していきましょう。
\ AWS資格を「キャリアアップの武器」に変えたい方へ /
「資格は取れたけれど、実務でどう活かせばいいのか分からない」
そんな方に向けて、インフラ専門のキャリアアドバイザーが
あなたの資格・スキルに合わせた最適なキャリア設計と学習ステップを無料で提案します。
※オンライン面談OK・在職中の方も歓迎です。
またAWS資格の他にも、インフラ・サーバー・ネットワークなど、職種別におすすめ資格をまとめた記事も用意しています。
クラウド以外の選択肢も含めて、全体像を整理したい方は、以下関連記事を参考にしてください。
■関連記事:インフラ・クラウド資格の全体像を整理
→関連記事:インフラエンジニアに資格は必要?おすすめ資格と取得順番・難易度を徹底解説
→関連記事:サーバーエンジニアの資格一覧&ロードマップ|順番・難易度・キャリア戦略
→関連記事:ネットワークエンジニアの資格一覧とロードマップ|難易度・順番・キャリア戦略
→関連記事:クラウドエンジニア資格の順番と難易度|AWS・Azure・GCP初心者向け一覧
またAWS資格を軸にキャリアを築くなら、どんな職種でスキルを活かせるかを知っておくのも大切です。
以下の関連記事では、AWSスキルを活かせる主要職種の仕事内容とキャリアパスなどをまとめてを紹介しています。
■関連記事:インフラエンジニア主要職種まとめ
→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を徹底解説
→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスまとめ
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスまとめ
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・将来性を解説
→関連記事:AWSエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスを解説
■関連記事:あわせて読みたい
→関連記事:クラウドエンジニア資格一覧|AWS・Azure・Google Cloudの違いと難易度比較
→関連記事:AWSエンジニアの勉強方法まとめ
→関連記事:AWSエンジニアの年収相場と上げ方|資格・経験別レンジと脱SES戦略






