クラウドエンジニアの年収は高い?【年代別・資格別・働き方別に徹底解説】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「クラウドエンジニアは稼げる」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際にクラウド需要は右肩上がりで伸び続けており、求人市場でも「高年収が狙える職種」として注目されています。

しかし同時に、働き方やスキル、所属する企業規模によって年収の差が非常に大きいのも事実です。

また「未経験から本当に稼げるのか?」、「資格は収入に直結するのか?」、「1000万円は現実的なのか?」など、不安や疑問を抱える方も少なくありません。

この記事では、最新データをもとにクラウドエンジニアの年収を解説していきます。

また年代別・資格別・働き方別の相場を整理しながら、さらに「やめとけ」と言われるリスクや、1000万を狙うためのロードマップも紹介します。

最後には、キャリア相談を通じて自分に合った年収アップの方法を見つけるためのヒントもお伝えしますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

なお「クラウドエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。年収だけでなく、仕事内容・資格・将来性などをまとめています。

クラウドエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ

また「未経験からでも高年収を狙えるのか?」といった疑問は人それぞれです。

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この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

クラウドエンジニアの年収は高い?平均年収は?

クラウドエンジニアの平均年収は、求人統計データでは およそ580万円前後 とされ、ITエンジニア全体と比べても高めの水準です。

実際のレンジは 400万円台から700万円台以上 と幅広く、経験年数・スキル・企業規模によって大きく変動します。

以下では、公的統計や求人データをもとに、より詳しくクラウドエンジニアの年収相場を見ていきます。

厚労省・求人データから見る平均・中央値

クラウドエンジニアの年収を把握する際には、公的な統計データ民間求人データ の両方を参照することが重要です。

まず、厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト(Job-Tag)」には「クラウドエンジニア」の統計は存在しません。

しかし、クラウドエンジニア近い職種として システムエンジニア(基盤システム) の統計データが参考になります。

厚労省Job-Tag システムエンジニア基盤系の賃金統計

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト Job-Tag システムエンジニア(基盤システム)

このデータによると、以下となっており、IT基盤を扱うエンジニアの収入水準が比較的高いことが分かります。

■【厚生労働省データ】システムエンジニア(基盤システム)の年収:
平均年収:752.6万円
平均年齢:41.4歳
労働時間:158時間/月

ただし、クラウド専任ではなく、オンプレ含む基盤系SE全般の数字である点に注意が必要です。

一方で、最新の求人情報を集計している 求人ボックス によれば、クラウドエンジニアの平均年収は580万円 という結果が出ています(2025年4月時点)。

出典:求人ボックス クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料

このように、公的統計と民間データには差がありますが、以下のように整理できます。

■統計データの整理:
Job-Tag(基盤SE):経験豊富な層を含むため、平均が高め(750万円前後)。
求人ボックス(クラウド専任求人):実際の募集ベースの水準を反映し、580万円程度が相場。

つまり、クラウド対応可能レベルであれば500万円台、経験を積めば700万円台も狙える というのが現実的なレンジといえるでしょう。

インフラエンジニア/アプリエンジニアとの比較

同じITエンジニア職種の中でも、クラウドエンジニアは比較的高い年収水準を維持しています。

職種平均年収(相場観)
クラウドエンジニア550万〜650万円
SE/プログラマ450万〜550万円
サーバー・ネットワークエンジニア450万〜550万円
インフラ運用・保守エンジニア350万〜450万円

※各種調査データ(求人ボックス・doda・Job-Tag 等)を基に編集

クラウドエンジニアは、AWSやAzureなど最新クラウド技術の習熟度が給与に直結するため、他のIT職種よりも高い水準になりやすい職種です。

特にクラウド移行やDX案件の需要が拡大しており、希少性の高さが年収を押し上げています。

なお、クラウドエンジニアはインフラエンジニアの一部に位置づけられる職種です。

【まとめ】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、キャリアパスを解説

クラウドエンジニアの市場価値が高い理由

クラウドエンジニアの年収水準が高い背景には、以下の要因があります。

■クラウドエンジニアの年収が高めの理由:
DX推進・クラウド移行が加速
 →企業がオンプレからクラウドへの移行を急いでいる
人材不足
 →クラウド経験者は供給不足で、特にAWS・Azureの有資格者は争奪戦状態
業務インパクトの大きさ
 →クラウド基盤は事業の根幹を支えるため、責任範囲が大きく評価も高い

これらの要因から、クラウドエンジニアは「需要に対して、人材が圧倒的に足りていない職種」とされ、今後も高水準の年収を維持することが見込まれています。

年代別の年収相場

クラウドエンジニアの年収は、経験年数や担当する役割によって大きく変わります。

ここでは「20代」、「30代」、「40代以降」のキャリア段階ごとに、相場感とステップアップのポイントを整理します。※首都圏の相場を想定

20代:基礎固めとスキル習得期

キャリアの入口としては、システム運用保守などの業務からスタートするケースが一般的です。

■20代の年収相場:
年収相場:350万〜500万円
主な役割:サーバー監視、障害対応、構築、検証作業
ステップアップのポイント:AWS認定(CLF/SAA)、Linux(LPIC/LinuC)、ネットワーク(CCNA)といった基礎資格を取得し、学習姿勢をアピールすること。

20代年収においては、勤める会社によっても大きく変わります。年収帯が高水準な大手SIerなどの場合は、500万を超える場合も多くあります。

またスキル習得期のタイミングでは、QiitaやGitHubなどでアウトプットも積むと差別化にもつながります。

未経験からクラウドエンジニアを目指すステップについては、以下で詳しく解説しています。

→関連記事:未経験からクラウドエンジニアになるには?ロードマップ

30代:キャリアの分かれ道と突破条件

経験が増え、専門性を深めるかリーダーとして役割を広げるかの分かれ道に立ちます。

■30代の年収相場:
年収相場:500万〜700万円
主な役割:設計・構築フェーズを主導、チームリーダーとして案件を進行
ステップアップのポイント:IaC(Terraform、CloudFormation)やコンテナ(Docker、 Kubernetes)の実務経験が評価されやすい。転職市場では、実績を客観的に示せる資格や成果物が強力な武器。

40代以降:マネジメントか高度専門職へ

この段階では、技術力に加えて「組織やプロジェクト全体をどう動かせるか」が問われます。

■40代の年収相場:
年収相場:800万〜1,200万円
主なキャリアパス
 →マネジメント職:プロジェクト責任者や部門マネージャーとして予算・人材管理を担う
 →高度専門職(アーキテクト/コンサルタント):クラウド設計の最上流やIT戦略立案をリードする
ステップアップのポイント:AWS上位資格(SAPなど)に加え、提案力や顧客折衝力が必須。技術に強みを残すか、経営視点を伸ばすかは個人の志向と市場ニーズ次第

このように年齢を重ねるにつれ、クラウドエンジニアに求められるのは「基礎スキル → 実務経験 → 提案・マネジメント力」へとシフトしていきます。

単なる資格取得だけではなく、現場経験や実績の積み重ね が年収アップの大きな分岐点となります。

スキル・資格別の年収水準

クラウドエンジニアの年収は、実務経験に加えて 保有資格が証明するスキルレベル に左右されるケースが多くあります。

ただし注意すべきは、資格だけで年収が大幅に上がることは少ない という点です。

実務で活かせるスキルに落とし込み、必要に応じて 転職を挟むことで市場価値を適正に評価してもらう ことが、年収アップの現実的なルートになります。

AWS認定資格と年収の相関

■AWS資格と年収:
CLF(クラウドプラクティショナー)
 →入門資格。直接の年収効果は限定的だが、未経験者の転職で学習意欲の証明となる。
SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)
 →最も評価される基礎資格。実務経験と組み合わせで 500万〜700万円台 を目指せる。ただし、同じ会社に在籍し続けても待遇が変わらない場合もあるため、転職を挟むことで評価が上がるケースが一般的
SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)
 →設計リーダー層で求められる難関資格。700万〜1,000万円台 の求人に直結するが、評価されるのは「資格+設計リーダー経験や顧客折衝力」が揃った場合。

Azure・GCP資格保持者の評価

AzureやGPCも、人気があるクラウドプラットフォームです。

■Azure・GCP資格と年収:
Azure(AZ-104, AZ-305)
 →Microsoft製品と親和性、特に設計資格は即戦力評価。600万〜800万円台 の求人で有利。
GCP(Associate/Professional)
 →AI・データ分析分野に強み。Professional Cloud Architect は外資系で高評価を得やすく、800万超 のオファーもあり。

ただし、Azureは求人も一定数あるが、GCPは案件数が限られるため、転職のタイミングや企業選びが重要とも言えます。

年収アップに直結しやすいクラウド資格の詳細は、以下の記事でまとめています。

→関連記事:クラウドエンジニアに必要な資格一覧と取得順番

LPIC/CCNAなど基礎資格の組み合わせ効果

Linuxサーバーの深い理解は、クラウドインフラを扱う上での強固な土台となります。また、ネットワークの基本を体系的に理解していることも必要です。

■基礎資格との組み合わせ:
LPIC/LinuC(Linux技術者認定)
 →クラウド実務の土台。AWS SAAと組み合わせることで、サーバー構築スキルを示せる。
CCNA(ネットワーク資格)
 →VPCなどクラウドネットワーク理解に直結。AWS資格と併せて「クラウド+NW」人材として差別化できる。
年収例
 →「AWS SAA × LPIC-1 × CCNA」 → 年収 500万〜600万円台 を狙える水準。
 →「AWS SAP × LPIC-2以上」 → アーキテクト職で 700万〜1,000万円 も可能。

ただし、これらの資格も 実務経験と転職活動を通じて初めて年収アップにつながる のが現実です。

しかし、年収アップの第一歩としては、資格取得は分かりやすいスタートラインです。

→関連記事:AWS SAAの勉強法はこちら
→関連記事:LPIC-1の勉強法はこちら
→関連記事:CCNAの勉強法はこちら

働き方別の年収比較の目安

クラウドエンジニアの年収は、スキルや経験だけでなく、働き方や企業形態でも大きく差が出ます。代表的な4パターンをまとめました。(※数値は目安)

働き方年収の目安特徴
SES・客先常駐400〜600万円実務経験を積みやすいが、昇給は緩やか。スキルがつけば転職で上振れ可能。
自社開発・事業会社550〜800万円安定+裁量あり。IaCや自動化スキルが評価されやすい。
コンサル/大手SIer700〜1,200万円上流工程+提案力が必要。資格+ビジネススキルで高収入も狙える。
フリーランス月70〜120万円(年収800〜1,500万円超)高単価だが営業・契約リスクあり。設計・移行・セキュリティ等で単価上昇。

※補足:事業会社の年収上振れ

大手テック企業やスタートアップのマネージャー層では、ストックオプションや業績連動ボーナスにより、さらに高年収を狙える可能性もあります。

「裁量が広い=責任も大きい」ため難易度は高めですが、その分リターンも期待できます。

※補足:フリーランス案件の単価幅

フリーランス案件の単価は、運用メイン(月60~70万程度)から、大規模な設計・移行案件(月100万超)まで幅広く存在します。

スキルや経験によって報酬が大きく変動するため、「どの案件を狙えるか」を見極めることが重要です。

また、「SESから大手SIer、事業会社へ」といったキャリア選択は、人によって最適解が異なります。

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クラウドエンジニアはやめとけ?年収面の注意点

クラウドエンジニアは将来性のある職種ですが、「思ったより年収が上がらない」、「環境がブラックだった」という声もあります。

ここでは、注意すべき代表的なポイントを整理していきます。

SESで低単価案件に固定されるリスク

SES企業に所属して客先常駐をする場合、案件単価や会社のマージンに左右されやすく、年収が400〜500万円台程度で頭打ちになるケースも少なくありません。

特に「運用保守中心の案件」に長く固定されると、スキルが伸びにくく、転職市場で評価されにくいリスクがあります。

ただし、クラウド未経験者が最初の1〜2年で基礎を固める場としては有効です。重要なのは、3年目以降は構築・設計にシフトする意識を持つことです。

→対策:設計・構築フェーズの案件を意識的に選ぶ、定期的にキャリアの棚卸しをしてステップアップのタイミング(3年目安)を逃さないこと。

資格だけで実務力が伴わないと伸びない現実

AWSやAzureの資格を取っても、「資格はあるけど実務経験がない」状態では高年収につながりにくいのが実情です。

求人では「資格+実務経験セット」で評価されることが多く、転職や昇給で有利に働くには、構築・運用フェーズを経験していることが必須です。

→対策:資格学習と並行して検証環境で手を動かす、小規模案件でもよいので構築経験を積む。

残業過多・ブラック環境を避けるための求人選び

クラウド案件は需要が高い一方で、大規模移行やリリース直前には残業が多くなりやすい傾向があります。

また、一部のSESや下請け構造の強い企業では、納期をコントロールできず「ブラック環境」に陥ることもあります。

■残業過多、ブラック環境を避ける対策:
・面接で「残業時間の実績」や「直請け比率」を確認する
・口コミサイトやエージェント経由で情報を集める
直請けや自社開発案件を優先する(理由:要件定義やスケジュールに自社が関わるため、無理な納期になりにくい。働き方の裁量も確保しやすい)

上記のように、クラウドエンジニアは、働き方や環境によっては「年収が伸びない」、「残業が多い」といったリスクがあるのは事実です。

しかし、これはあくまで SESで低単価案件に固定される/資格だけで実務経験が不足している/下請け構造の強い企業を選んでしまう といったケースに偏っています。

一方で、プライム案件などで設計・構築を経験し、スキルを積み上げていけば、年収700〜1,000万円以上も十分に狙える職種です。

ただし、高収入を実現するには専門性と実務経験が欠かせず、難易度は決して低くありません。だからこそ、キャリアの早期から正しい選択をすることが大切です。

重要なのは「最初のキャリアをどう選ぶか」、「何年目でステップアップするか」を意識して行動することです。

正しい求人選びとキャリア戦略さえあれば、クラウドエンジニアはむしろ将来性が高く、長く活躍できる職種といえるでしょう。

とはいえ、以下のような不安を感じる方へ

「SESで止まってしまうのが不安、、」
「ブラック環境を避けたい、、」

そんな悩みを解消するために、あなたに合ったキャリアパスを一緒に考えます。キャリアに不安を抱える方は、お気軽にご相談してみてください。

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年収アップを狙うキャリアロードマップ

クラウドエンジニアの年収は、「どのフェーズを担当するか」「どのような価値を提供できるか」 によって大きく変わります。

ここでは、未経験から実績を積み、段階的に年収を高めていくためのキャリアパスを解説します。

ステップ1:運用・保守フェーズ(年収相場:350万〜500万円)

未経験からクラウドエンジニアを目指す場合、最初のキャリアの入口は 運用保守業務 になるケースが多く見られます。

■運用・保守フェーズ:
業務内容
 →サーバー監視、障害対応、バッチ処理など。地味にも思える業務ですが、クラウドインフラの安定稼働や障害対応の基礎を学ぶ重要な機会です。
年収の目安
 →350万〜500万円程度。企業規模や地域によって幅があります。
次のステップ
 →基礎を固めながら、構築スキルや資格学習(Linux、ネットワーク、AWS基礎)に取り組むことがキャリアアップのカギです。

→関連記事:【未経験から目指す】クラウドエンジニアへの勉強ロードマップ

ステップ2:構築・設計フェーズ(年収相場:500万〜800万円)

運用経験を土台に、自ら環境を設計・構築できるエンジニアにステップアップすると、年収は大きく向上します。

■必須スキル:
構築スキル
 →AWSやAzureでの実環境構築(ハンズオン学習や検証環境での経験も有効)
資格
 →AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)は、知識の体系化と転職時の強力なアピール材料
基礎知識
 →オンプレミス環境の知識(Linux、ネットワーク)はクラウド理解の土台として重要

年収の目安としては、構築担当が500~600万、設計(小〜中規模案件の非機能要件設計までを含む)は600~800万程度です。

設計に進むと、コスト・セキュリティ・パフォーマンスを含めた非機能要件を考慮し、全体最適を設計できることが評価されます。

ステップ3:アーキテクト・リードフェーズ(年収相場:700万〜1,000万円)

要件定義や基本設計を主導し、チームを率いる立場になると、年収はさらに上がります。

■評価されるスキル:
・設計力:
 →コスト最適化・セキュリティ強化・可用性設計などを含めたアーキテクチャ提案
・資格:
 →AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)は、この水準の代表資格
・マネジメント力:
 →顧客の要望を技術要件に翻訳し、開発チームを牽引するリーダーシップ

年収の目安として、大手SIerやクラウドベンダーでの大規模プロジェクトのアーキテクチャ設計・リードの場合は、 700万〜1,000万円 が現実的なレンジです。

「資格があれば到達する」わけではなく、リード経験や顧客折衝の実績 が必須条件です。

ステップ4:コンサルタント・マネージャー/フリーランス(年収相場:800万〜1,200万円)

最終ステップでは、技術力に加えて ビジネス視点や経営視点 を持ち、より高い価値を提供できるかが問われます。

■キャリアパスの例:
コンサルタント/マネージャー以上
 →外資系コンサルや大手SIerで、IT戦略立案や大規模プロジェクトを指揮
フリーランス
 →高単価の設計・コンサル案件を受注し、独立。月単価80万〜100万円超の案件を安定的にこなせれば、年収1,000万円以上も可能

■必要なスキル:
・AWS SAPなど上位資格を基盤とした高度な提案力
・プロジェクトを率いるマネジメント・リーダーシップ
・(フリーランスの場合)自身のブランド力や営業力など

このフェーズでは「資格+経験+管理」の三位一体が揃って初めて、1,000万超えを狙える現実味がでてきます。

まとめ:高年収を実現するために

年収1,000万円を超えるクラウドエンジニアになるには、資格だけでなく「技術力」、「実績」、「ビジネス力」をバランスよく磨くことが不可欠です。

■1000万を達成する条件:
・技術の深堀り:AWS SAPなど上位資格の取得
・実績の積み重ね:大規模案件での設計・移行プロジェクト経験
・ビジネススキル:課題解決型の提案力
・マネジメント力:チームやプロジェクトを率いた経験
・役職・ポジション:大手SIerやコンサル会社でのマネージャ~シニアマネージャ以上など

クラウドエンジニアのキャリアは一本道ではありませんが、正しいステップを踏めば年収アップのチャンスは誰にでも開かれています。

大手企業と中小企業の年収の違い

クラウドエンジニアの年収は、企業規模や働き方によって大きく変わります。

多くの人はまずSESからキャリアをスタートし、その後に大手SIerや中小・ベンチャーを経て、大手事業会社へとステップアップしていくのが一般的です。

ここでは、それぞれの特徴と年収目安を整理していきます。

年収比較表(難易度順)

以下の「難易度順」は、クラウドエンジニアとしての 入社のしやすさ(求められる経験値) を基準にしています。

一般的には、入社難易度の低い企業で経験を積み、より難易度の高い企業へとステップアップしていくのが、年収アップの現実的なルートです。

働き方・企業規模年収レンジ(目安)特徴・評価されるスキル
SES(客先常駐)400〜600万円案件単価+マージンで給与が決まる。未経験の入口に多い。運用保守で止まると伸び悩みやすい。
大手SIer500〜800万円年功序列的で昇給は緩やか。資格手当や研修は充実。特定分野に特化しやすく、調整・管理業務のウエイトが多め。
中小・ベンチャー400〜700万円裁量が広く、設計〜運用まで幅広く携われる。IaCや新技術導入もチャンス多。福利厚生や安定性は弱め。ストックオプションで上振れする可能性あり。
大手事業会社(Web・テック系)600〜1,000万円以上成果主義で昇給スピードが速い。IaC、自動化、クラウドコスト最適化などモダンなスキルが高評価。ボーナスで上振れする可能性あり。

SES企業(客先常駐)の位置づけと年収相場

SESは未経験から実務経験を積む入口として選ばれることが多く、年収は400〜600万円程度が目安です。

■SES企業の特徴と年収:
・案件単価とマージンで給与が決まるため、昇給は緩やか
・運用保守案件に固定されると、スキルが伸びにくい
・優良SES企業なら、構築や設計案件にステップアップできる

キャリア戦略としては、最初の1〜2年で基礎を固め、3年目以降は構築・設計へシフトできる環境を選ぶことが重要です。

大手SIerの給与レンジと昇給スピード

大手SIerの年収は500〜800万円程度が目安。安定性と研修制度が整っている反面、昇給スピードは緩やかです。

■大手SIerの特徴と年収:
プロジェクト規模が大きいため、調整や管理の比重が多い
・年功序列的な評価制度が残っている
・分業体制が強く、特定分野に特化しやすい

キャリア戦略としては、安定志向やマネジメント志向の人に適しています。一方で「手を動かして技術を磨きたい人」には不向きな場合もあります。

中小・ベンチャーの裁量とスキル成長の速さ

中小・ベンチャー企業の年収は400〜700万円程度が目安。規模が小さい分、裁量が大きくスキル成長は速いです。

■中小・ベンチャーの特徴と年収:
・設計〜運用まで幅広く担当できる(手を動かせることが最重要)
・新しいクラウドサービス導入やIaC活用のチャンスが多い
・福利厚生や安定性は弱く、経営基盤次第で収入が不安定になるリスクも

中小・ベンチャーは、若手未経験がいきなり入社するのは難しいケースが多く、中堅層以上で「技術裁量を広げたい」、「CTO・CIOなどを目指したい」人向けです。

数年の経験を積んだうえで転職すれば、スキルを一気に伸ばしつつキャリアの幅を広げられます。

大手事業会社(Web・テック系)の給与レンジと評価

Web系やテック系事業会社では、600〜1,000万円以上を狙えるケースもあります。

■大手事業会社の特徴と年収:
・成果主義が強く、裁量と評価次第で昇給が早い
IaC、自動化、クラウドコスト最適化などモダンなスキルが特に評価される
・成果責任が大きく、プレッシャーも強い

大手事業会社は、高度なスキルを持ち、成果で評価されたい人向けです。プレッシャーを跳ね返せれば大幅な年収アップも可能。

キャリア選択まとめ(王道ルート)

クラウドエンジニアとしてのキャリアアップは、以下のようなステップが王道といえます。

■クラウドエンジニアのキャリアアップ:
1. SESで実務経験を積む(運用保守→構築へシフト)
2. 大手SIerで安定+大規模案件の経験を得る
3. 中小ベンチャー or 大手事業会社でキャリアを伸ばす
 →中小ベンチャー:幅広い裁量を持ち、短期間でスキルを加速
 →大手事業会社(Web・テック系):成果主義の環境で高収入+裁量を狙う

このルートを意識すれば、「SESで終わらず、段階的にステップアップする」キャリア設計が可能になり、スキルと年収を両立できる現実的な道筋となります。

キャリア構築に不安がある方へ

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クラウドエンジニアの将来性と収入トレンド

クラウドエンジニアは今後も高い需要が見込まれる職種です。特にAIやDXの進展に伴い、インフラのクラウド移行と運用最適化はあらゆる業界で不可欠になっています。

ここでは、将来性と収入トレンドを左右するポイントを整理していきます。

AI・DX時代におけるクラウドスキルの需要

生成AIやデータ分析基盤、IoTなどの先端領域は、すべてクラウド基盤を前提にしています。

企業はオンプレミスからクラウドへの移行を急速に進めており、クラウドエンジニアの役割はさらに拡大しています。

■需要と収入のトレンド:
AI導入の基盤
 →大規模言語モデルや機械学習を動かす環境はAWS・Azure・GCPに依存
DX推進
 →クラウドを活用した業務効率化・データ統合のニーズが高い
収入トレンド
 →AI・データ系プロジェクトを支えられるクラウドスキルは、年収上振れ要因として評価

今後は「クラウド × AI」、「クラウド × データ分析」人材が高待遇で採用されやすくなるでしょう。

セキュリティ・SRE分野へのキャリア拡張で年収UP

クラウド人材の中でも、セキュリティとSRE(Site Reliability Engineering)は特に高単価を狙える領域です。

■セキュリティ・SREと収入のトレンド:
クラウドセキュリティ
 →ゼロトラストやコンテナセキュリティなどの専門性は希少で、需要が高騰
SRE
 →大規模サービスを安定稼働させるスキル(IaC、自動化、監視、パフォーマンス改善)は、事業会社や大規模Webサービスで高評価
収入トレンド
 →これらの分野に特化すると、年収800〜1,200万円超も十分に狙える

「クラウド基盤+セキュリティ」、「クラウド基盤+SRE」のようにキャリアを拡張することが、収入アップの近道です。

今後10年でクラウド人材が不足し続ける背景

経済産業省の試算によると、2030年にはIT人材が最大79万人不足すると予測されています。特にクラウド領域はその中心で、以下の要因が重なっています。

■クラウド人材不足の背景:
・DX推進によるクラウド移行需要の拡大
・マルチクラウド・ハイブリッドクラウド化で求められるスキルの複雑化
・セキュリティやコスト最適化などの専門性不足
・若手エンジニアの育成スピードが需要に追いついていない

このように、クラウドエンジニアは今後10年にわたり需要が続く、将来性の高い職種です。

特にAIやセキュリティ、SRE分野と組み合わせれば、年収800〜1,000万円以上を狙える可能性も十分にあります。

→詳しくは、クラウドエンジニアの将来性と需要の展望 にて解説しています

よくある質問(FAQ)

ここではクラウドエンジニアの年収について、よくある質問をまとめました。

Q1:未経験からでも高年収を狙える?

未経験からいきなり高年収は難しいですが、実務経験を積みながら資格を取得し、設計・構築に携われるようになれば年収アップは十分可能です。

最初はSESで400〜500万円程度からスタートする人が多いですが、3〜5年でクラウド設計・SRE・セキュリティにスキルを広げることで、年収700〜1,000万円が狙えるキャリアパスも見えてきます。

Q2:高年収エンジニアの平均年齢は?

企業の規模や役割によりますが、年収800万円を超える設計・リード層は30代前半〜40代前半が中心です。

特にWeb系の大手事業会社では、成果主義の評価が強いため、20代後半で高収入に到達するケースもあります。

→年齢に関わらず「設計・構築経験+マネジメントやSRE・セキュリティの専門性」が評価されるため、早い段階でキャリア戦略を意識することが重要です。

Q3:AWSとAzure、どちらが稼げる?

国内ではAWSの案件数が最も多く、フリーランス単価・転職市場の年収水準ともにAWSがやや有利です。

ただし、大手企業や官公庁系ではAzure採用も拡大しており、Azureエンジニアは競合が少ない分、専門性を評価されて高年収につながるケースもあります。

→結論として、案件数で稼ぎやすいのはAWS、希少性で強みを発揮しやすいのはAzureです。両方扱えると市場価値がさらに高まります。

Q4:フリーランスと正社員、どちらが得?

稼ぎを最大化したいならフリーランス、安定を重視するなら正社員という選択になります。

■フリーランスと正社員:
フリーランス
 →月単価70〜120万円以上も可能。大規模移行や設計案件なら年収1,000万円超えも現実的。ただし社会保険・営業・税務管理は自己責任。案件継続性も課題。
正社員
 →年収は500〜800万円程度が中心。福利厚生や安定収入があるため長期的な安心感が強み。

「正社員→フリーランス」、「フリーランス→正社員」のように、キャリアの途中で切り替える人もいます。

Q5:資格手当はどれくらい?

企業によって差がありますが、月5,000円〜3万円程度の手当が多く、合格一時金(5万〜20万円)を支給する企業もあります。

ただし「資格を持っている=自動的に高収入」ではありません。特にクラウドエンジニアは、実務経験とセットで評価されてこそ昇給につながる点には注意が必要です。

上記のような一般的な質問の他にも、「自分の年齢や経験に合った最適なキャリアステップ」や「高年収に直結する案件の選び方」といった個別の疑問は多いものです。

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まとめ:クラウドエンジニアは年収と将来性の両立が可能な職種

クラウドエンジニアは、SESからキャリアをスタートしても、経験を積みながら大手SIer、その後 事業会社や先端領域(SRE・セキュリティ・AI基盤) に進むことで、年収700〜1,000万円以上を狙える現実的な職種です。

一方で、運用保守に固定される・ブラック環境に入ってしまう・資格だけで実務が伴わない、といったリスクもあるため、正しい環境選びとキャリア戦略が欠かせません。

→将来性は非常に高い分、どの企業・案件を選ぶかで「年収が上がるか停滞するか」が大きく分かれる職種といえます。

「SESで止まってしまわないか不安、、」
「AWSとAzure、どちらを選ぶべきか迷う、、」
「今の環境で年収を上げられるのか知りたい、、」

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この記事を書いた人

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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