LPIC(LinuC)が意味ないと言われる5つの理由、メリットや、取るべき人を解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

LPIC(LinuC)は、有名な資格ですが、取得しても意味ないと言われることがあります。そのため資格を取るべきか悩む人や、学習に二の足を踏む人も少なくないでしょう。

実際、以下のような疑問を持つ方も多いでしょう。

「LPICは取っても意味ないと聞いたけど、なぜ?」

「LPICの取得メリットはあるの?本当に評価される資格なの?」

「私はLPICを取るべきなのか、それとも不要なのか?」

まず結論から言うと、インフラエンジニアでも、LPICを取るべき人と、いらない人がいます。資格が評価されやすいインフラエンジニアの職種でも、LPICが必要でないこともあるため、自分のキャリアや目的に応じて判断が必要です。

この記事では、LPICが「意味ない」と言われる5つの理由や、取得するメリットやデメリット、さらに取るべき人といらない人の違いについて説明していきます。LPICを取得する、しないを判断するための参考としてください。

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目次

LPIC(LinuC)は取っても意味ない、と言われる5つの理由

「LPIC(LinuC)を取得しても、意味ない」と言われる理由は、主に以下の5つです。

■LPIC(LinuC)が意味ないと言われる理由:
・資格よりも、実務経験が重要であるため
・取得後、すぐ年収アップする資格ではないため
・実践的スキルを身につける資格ではないため
・実務でLinux環境を使わない場合

・他の資格でも代用可能であるため

LPICが意味ないと言われる理由①:資格よりも、実務経験が重要であるため

インフラエンジニアでは、資格の有無よりも、実務経験の有無が重視されます。特にインフラの設計構築の経験の有無が、最も重要です。

LPIC-1、LPIC-2レベルの知識は、インフラ構築の実務経験者であれば、既に習得している場合が多いため、資格取得は必須とされません。つまり、経験豊富なエンジニアには、LPICは不要です。

実際に、LPICの資格を持っていなくても、インフラ構築に従事している人は多く、転職市場でも資格だけで、実務経験者との競争に勝つことは難しいです。

LPICが意味ないと言われる理由②:取得後、すぐ年収アップする資格ではないため

LPICはLinux操作の知識を証明する資格ですが、取得したからといって、すぐ年収アップが期待できる訳ではありません。

資格手当を支給する会社もありますが、LPIC-1では月3,000-5,000円、LPIC-2では月5,000-10,000円程度が一般的です。

大幅な年収アップを望むのであれば、実務経験と実績を積み上げることが必要です。資格だけで大幅な年収アップを期待するのは難しいです。

LPICが意味ないと言われる理由③:実践的スキルを身につける資格ではないため

LPICはLinuxの基礎知識を体系的に学べる資格ですが、実際の現場で求められる「実践的なスキル」は資格で得られません。

エンジニアに求められるのは、実際にLinux環境で操作を行う、実践的なスキルです。実践的なスキルは、手を動かし続け、多様なケースに対応する経験によって得られます。

資格取得だけでは、現場で必要なスキルを十分に身につけることができないため、LPICは「意味がない」と言われることがあります。

LPICが意味ないと言われる理由④:実務でLinux環境を使わない場合

Linuxを使わない現場にいるエンジニアは、LPICは意味ないと言えるでしょう。

Linuxが多く利用される環境であれば、LPICは有効です。しかし、Windows環境がメインの企業やプロジェクトでは、LPICを活かす機会が限られます。Linuxを使わない環境では、LPICを持っていても、評価はされにくいでしょう。

LPICが意味ないと言われる理由⑤:他の資格でも代用可能のため

Linuxの資格はLPIC(LinuC)だけではありません。Red Hat社が提供する「Red Hat認定資格(RHCSAなど)」もあれば、LPICと同様のベンダー中立資格である「CompTIA Linux+」もあります。

また、インフラエンジニアとして必要な知識を、「基本情報技術者試験」、「応用情報技術者試験」と「マイクロソフト認定資格(Azure 104など)」などで代用できるケースもあります

さらに勤める会社によっては、LPICよりも「基本情報技術者試験」、「応用情報技術者試験」や「マイクロソフト認定資格」の方が優先度が高いこともあります。

既に他の資格(特に応用情報技術者試験)を持っている場合は、LPICの必要性は低いです。

【補足】LPICは廃止されるから、意味ない?

「LPICは廃止されるから、意味ない」誤解もありますが、これは事実ではなく、LPICは廃止されていません

LPICは、LPI-japanからの試験提供が終了しましたが、LPIの日本支部から引き続き提供されています。今後も国際基準の資格として継続されるため、安心してよいでしょう。

【まとめ】LPICが不要な人の特徴

LPICを取得しても意味がない人を、大きくまとめると、以下となります。

■LPICが不要な人の特徴
・既にインフラ構築の経験が豊富で、即戦力のスキルを持っている人
・Linuxを使わない、Windows環境で仕事をしている人

・応用情報技術者試験や、Azure 104などの他資格を既に取得している人

上記のような方は、LPICを取得しても、メリットを感じにくいでしょう。

またあわせて、一般的に考えられる、LPIC取得のデメリットも説明していきます。

事前に知っておきたい、LPIC(LinuC)取得のデメリット

LPICはインフラエンジニアにとって有名な資格ですが、取得にはいくつかのデメリットもあります。ここでは、事前に知っておくべき4つのデメリットを、まとめて説明します。

■LPIC取得のデメリット:
・取得までの勉強時間、労力が必要
・受験費用が高く、有意性
期限がある
・企業によって評価が異なる

LPICのみだと、競争力は高くない

LPIC取得のデメリット①:取得までの勉強時間、労力が必要

LPICは幅広いLinuxに関する知識が問われる資格です。ゆえに、合格するまでには多くの勉強時間と労力が必要です。もっとも難易度が低いLPIC-1でも、しっかりとした対策と、十分な勉強時間が求められます。

以下は、LPIC-1の難易度や、未経験者が必要とする勉強時間や合格率のの目安です。

LPIC Level1
難易度ITSSレベル1(初級)
未経験者の勉強時間100-150時間程度、1-3カ月程度が目安
合格率非公開(一般論では50-60%程度と想定)

特に働きながらの学習は、日常業務との両立が難しく、勉強時間の確保に苦労することが多いです。資格を取るために、相応の勉強時間と労力が求められるのは、デメリットとして考慮するポイントです。

LPIC取得のデメリット②:受験費用が高く、有意性期限がある

LPICを受験すると、一定の費用がかかります。例として、LPIC-1とLPIC-2の受験料などは下記の通りです

 LPIC level1 LPIC level2
認定要件101試験、102試験の両方に合格すること201試験、202試験の両方に合格すること
受験料101試験:16,500円(税込)
102試験:16,500円(税込)
201試験:19,800円(税込)
202試験:19,800円(税込)
受験資格なしLPIC level1を取得済みであること
有効期間なし(有意性期限は5年)なし(有意性期限は5年)

LPIC-1とLPIC-2を取得するには、受験料が合計72,600円(税込)が必要になります。また、試験に落ちてしまったら、再度受験料がかかるため、一度で合格できない場合は、更に金銭的な負担があります。

会社が資格取得をサポートしてくれることもありますが、自己負担の場合は大きな負担になることもあります。

さらに、LPICには有効期間はないですが、「有意性期限(5年)」があります。取得から5年以内に上位資格を取得しないと、有意期間が切れてしまうため、資格維持にも定期的な勉強が必要になります。

LPIC取得のデメリット③:企業によって評価が異なる

LPICはLinuxに特化した資格であり、Linuxを使用する現場では高く評価されますが、すべての企業で必ず評価されるわけではありません。

特に、Windows環境がメインの企業では、Linuxの知識を活かす場が少なく、LPICよりも「マイクロソフト認定資格」が重視されることがあります。

また、老舗のSIerなどでは、LPICよりも「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」といった国家資格を評価する会社もあります。企業や現場のニーズに応じて、LPIC以外の資格が有利なこともあるため、資格選びは注意が必要です。

LPICは多方面から評価をもらいやすい資格ですが、完全万能な資格ではありません

LPIC取得のデメリット④:LPICのみだと、競争力は高くない

LPICは人気の資格であり、初学者でも取得しやすいことから、多くのエンジニアが既に取得しています。ゆえに、LPICのみでは、高い競争力は得ることは難しいです。特にLPIC-1だけでは、他のエンジニアとの差別化が図りにくいです。

競争力を高めるためにはLPICとあわせて、その他の資格やスキルを習得することが大事です。例えばネットワーク関連の「CCNA」やクラウド関連の「AWS認定資格」などと組み合わせることで、市場価値を高めることができます。

ここまではLPICの取得デメリットを説明してきましたが、以下からは、LPICの取得メリットと、LPICをおすすめできる「LPICを取得すべき人」を説明していきます。

LPIC(LinuC)は意味がある!LPICを取得するメリット

一方で、LPICはLinux技術者にとって価値がある資格でもあります。ここからは、LPICを取得することで得られる、具体的なメリットを説明していきます。

■LPICを取得するメリット:
・LinuxOSの操作を中心としたインフラ管理知識が、体系的に身につく
・Linuxの知識レベルを、客観的に証明できる

・キャリアアップや年収アップの足掛かりとなる
・就職・転職活動で、評価対象となる
・AWS環境でも、LPICの知識は役立つ

LPICを取得するメリット①:LinuxOSの操作を中心としたインフラ管理知識が、体系的に身につく

LPICの最大のメリットは、Linuxの操作や管理の知識を、体系的に習得できることです。

Linuxは多くのインフラ管理で用いられるOS(オペレーティングシステム)で、現場ではLinuxの基本操作から高度な管理技術まで、幅広く求められます。

そのため、資格取得で体系的な学習を行うことで、Linuxシステムの全体像を理解することができます。また、体系的に学習を行うことで、現場での実践的なスキル習得や実務での応用がスムーズになります。

LPICを取得するメリット②:Linuxの知識レベルを、客観的に証明できる

エンジニアとしての技術スキルを、客観的に証明することは、簡単ではありません。

特にインフラ業界ではスキルの見える化が難しいため、資格の重要性が高くなります。ゆえにインフラエンジニアは、客観的にスキル証明ができる資格が重視されます。

LPICは国際的に認知されたLinux技術者向けの資格です。LPICを取得することで、Linuxに関する知識と技術力をスムーズに証明できます。

特に、Linuxが広く採用されている日本市場では、LPICはエンジニアとしての信頼性を高める有力な手段となります。

LPICを取得するメリット③:キャリアアップや年収アップの足掛かりとなる

LPICを取得しても、すぐに大幅な年収アップにはなりません。すぐ年収が上がる場合は資格手当の支給です。資格手当は、LPIC-1が月3,000-5,000円程度、LPIC-2は月5,000-10,000円程度が一般的であり、年収が大きく上がる訳ではありません。

しかし、LPICを取得することで、スキルが身につく仕事に就くチャンスが大きく高まります。エンジニアは実務経験が最重要視であり、「スキルアップ=年収アップ」です。

LPIC-1を取得すると、サーバー構築に携わるチャンスが増えます。またLPIC-2を取得すると、サーバー構築に関わる可能性が大きく高まります。

インフラエンジニアは構築経験を積んだタイミングから、年収アップが大きく加速化します。LPICはキャリアアップや、年収アップの足掛かりとして大きな役割を担ってくれます。

LPICを取得するメリット④:就職・転職活動で、評価対象となる

LPICは、就職や転職活動でもアドバンテージになります。

Linuxは企業のサーバーやインフラで幅広く使われているため、Linuxスキルを持つエンジニアは、多くの会社で需要があります。

LPICは、Linuxのスキルを客観的に証明する資格のため、Linuxスキルの保有を書面上でもスムーズに証明でき、転職活動でも評価対象になります。

特に、未経験からのエンジニア就職・転職や、運用監視オペレータからの脱却転職に、非常に役立ちます

また、LPICの転職活動における有利度については、「LPIC(LinuC)は転職・就職でどれくらい有利?意味ない人と、取るべき人を解説」に詳しく記載しています。

※参考記事:運用監視オペレーターは、早めに辞めて転職すべき。将来性は低い

LPICを取得するメリット⑤:AWS環境でも、LPICの知識は役立つ

クラウド技術の普及により、多くの企業がAWSなどのクラウドプラットフォームを利用しています。特にAWSは、エンジニアにとって魅力的なキャリアの選択肢と言えるでしょう。

LPICで学ぶLinuxの知識は、AWS環境で非常に有用です。例えば、AWSのEC2(仮想サーバー)ではAmazon Linux 2がよく利用され、またコマンドライン操作やシェルスクリプトを使った自動化のスキルも必要です。

これらはLPICの学習範囲であるため、資格取得を通じて学習ができます。

このように、LPICの知識はクラウド環境でも活用できるため、AWS関連の仕事でも役立つでしょう。

取る意味がある!LPIC(LinuC)を取るべき人はこんな人!

LPICはLinux技術者向けの資格として定評があります。特に以下のような方には、LPICは非常に有効です。

■LPICを取るべき人は、こんな人!
・未経験者やキャリアチェンジで、インフラエンジニアを目指す人
・運用監視や夜勤オペレーターから脱却、設計構築にキャリアアップをしたい人

・転職でステップアップ、年収アップを目指す人

LPICを取るべき人①:未経験者やキャリアチェンジで、インフラエンジニアを目指す人

まず第一にLPICを取るべき人は、インフラエンジニアを目指す未経験者です。未経験者にとって、LPICは「Linuxサーバーの基本知識を持っている」ことを証明する、重要な手段です。

LPICを取ると「勉強中」ではなく、実際学んだことを資格という成果で示すことができ、他の応募者と差別化が図れます。また、資格取得で「やる気」や「熱意」を企業にアピールでき、志望動機に説得力を持たせることができます

さらに、未経験採用を行っている企業の中には、LPIC(LinuC)やCCNAの取得を必須としている会社も多いです。LPICを取ることで、未経験からの転職がスムーズに進むでしょう。

LPICを取るべき人②:運用監視や夜勤オペレーターから脱却、設計構築にキャリアアップをしたい人

運用監視オペレーターやヘルプデスクの仕事から、インフラ構築や運用業務へのキャリアアップを目指す人にとっても、LPICは非常に有効です。

キャリアアップにおいて重要なのは、「やりたい仕事をやるために、どんな知識を習得し、どんな努力を重ねたか?)」です。LPIC取得で、Linuxの知識と努力を証明できます。

また、インフラ構築プロジェクトは、LPIC取得者の優遇は多く、取得することに意味があります。LPICによって、サーバー構築業務に携わるチャンスが大きく高まります

あわせて、夜勤シフトから日勤の業務に移行したい場合にも、LPICは役立ちます。資格を持たないと、運用監視から抜け出せないことがありますが、LPIC取得によって日勤や構築への道が開けていきます。

LPICを取るべき人③:転職で、ステップアップを目指す人

LPICを取得しても、仕事内容や年収に変化がない場合もあります。例えば、運用保守の専門会社で働いている場合、資格を取っても、仕事や年収が変わらないこともあります。

一方で、LPICを取得すると、より高度な仕事にチャレンジする準備が整います。転職活動においては、直近でLPICを取得している応募者に、採用企業は魅力を感じやすいです。

転職を視野に入れたいタイミングの方は、アピールポイントづくりとして資格取得もよいでしょう。LPICは次のキャリアの足掛かりとなり、転職活動を有利に進めるポイントとなります。

LPICを取るべき人④:転職で、年収アップを目指す人

LPICは取得しただけで、すぐ大幅な年収アップに繋がる訳ではありません。資格手当の支給があったとしても、年収は微増でしょう。

しかし、LPICは転職市場での評価を上げることに繋がります。

LPICが応募条件となる企業や、インフラ構築エンジニアとしてステップアップできるポジションに挑戦できるため、結果的に、転職で年収が大きく上がるチャンスが生まれます。

【補足】スキルアップと年収アップの関連性

インフラエンジニアにとって、「スキル」と「年収」の関連性は非常に高いです。スキルを向上させると、年収も上げることが可能です。一方で、スキルの向上がなければ、年齢を重ねても、年収はあまり変わらないことが多いです。

スキルアップを続けることで、長期的に安定したキャリアと年収を実現することができます

以下の図は、インフラエンジニアのスキルと年収の関係性です。世の中で言われる「インフラエンジニアの平均年収」よりも、下記の図の方が正確性が高いと考えています。

LPICとLinuC、どちらを取るべき?

LPICとLinuCは、どちらもLinuxのスキルを証明する資格であり、試験内容や難易度、評価、受験料はほぼ同じです。

そのため、どちらの資格を取得しても、キャリアアップに役立ちますし、企業からの評価にも大きな違いはありません

ただし、LPICとLinuCには、いくつかの異なる点があります。どちらか一つを取ればよい資格ですので、資格選びに迷った際は、自分のキャリア目標にあわせて、それぞれの特徴を考慮して選ぶとよいです。

以下が、LPICとLinuCの主な違いです。

■LPICだけの特徴:
・最高峰の資格は、LPIC level3(ITSSレベル3)

・知名度が非常に高い
・試験の運営歴が長いため、信頼性が高い
・対象がグローバルで、国際標準の資格

■LinuCだけの特徴:
・最高峰の資格は、LinuC システムアーキテクト(ITSSレベル不明、3-4程度になると推定)
・日本市場に特化した資格
・学ぶ内容は、LPICに比べて仮想化環境が少し多い

上記特徴から、自分のキャリア目標にあわせてLPICかLinuCを選んでください。

また、LPICとLinuC違いなどを詳しく知りたい方は、「LPIC とLinuC、どっちを取るべきかがわかる! 違いを徹底比較、解説」をあわせてお読みください。

LPIC-1合格後に取得したい、おすすめ資格

LPIC合格後に、次に目指す資格を考えることは、スキルアップと、キャリアの選択肢を広げる上で非常に重要です。

LPIC-1は、Linuxの基礎資格として評価されますが、ITインフラの世界は広範囲です。特定の技術にとどまるよりも、他の関連分野の技術も習得し続けることで、さらにキャリアアップのチャンスが生まれます

まず、インフラエンジニアにおすすめの資格は、下記画像です。難易度別に特に赤枠、赤星のマークがついている資格は、キャリアの選択肢を大きく広げる資格です。取得して損はありません。

また、以下からは、LPIC-1取得後に、是非とも取得をおすすめしたい資格を3つ紹介します。

LPIC-1合格後に取得したい資格①:CCNA(Cisco Certified Network Associate

LPIC-1取得後に、インフラエンジニアとしてさらにスキルを磨きたい場合は、次に目指す資格として「CCNA」は非常に有効です。

CCNAは、ネットワークの基礎技術を幅広くカバーする資格であり、サーバー分野だけでなく、ネットワーク分野にも強みを持つための、理想的な資格です。

「CCNAはネットワークエンジニア向けでは?」と思われがちですが、サーバーやインフラエンジニアも、ネットワーク技術の基礎を理解することが重要です。

ネットワークはサーバー運用やトラブルシューティングに密接に関わります。また、ネットワーク基礎は、どの環境でも応用ができるため、実務で役立ち、キャリアパスを広げる役割として、非常に有効です。

LPIC-1でLinuxの基礎を学んだ後に、CCNAでネットワークの基礎を学ぶことで、インフラ全体の仕組みをより理解できるようになり、キャリアの幅を広げることができます。

LPIC-1合格後に取得したい資格②:LPIC-2(LPIC level2)

次に、LPIC-1の上位資格である、「LPIC-2」も非常におすすめです。LPIC-2は、さらに実践的かつ高度なLinuxサーバーの知識を学ぶことができ、LPIC-1の次のステップとして最適です。

LPIC-2を取得することで、インフラエンジニアとしてより高度なプロジェクトに参加できる可能性が高まります。

また、LPIC-1だけを持つ人と差別化ができ、上流の業務や技術力が求められる仕事に携わりやすくなります

さらに、LPIC-2は大規模インフラ構築プロジェクトやクラウド環境に参画する足掛かりとしても有効であり、AWSや他の資格と組み合わせることで、市場価値が上がるでしょう。

インフラ、サーバーエンジニアであれば、LPICは「LPIC-2まで取得する」ことを強くおすすめします。

LPIC-1合格後に取得したい資格③:AWS SAA(AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト)

クラウド技術に強みを持ちたい場合、LPIC取得後は、特に「AWS SAA」がおすすめです。

AWSはクラウドサービスの中で、最もシェアが高く、クラウドインフラの標準になっていると言えます。AWS SAAを取得すると、AWSの基本的なアーキテクチャやサービスの設計・運用知識を身につけることができます。

またAWSの多くのサービスはLinuxをベースとしているため、LPICで習得した知識が役に立ちます。例えば、EC2やEBS、S3といったAWSサービスでは、Linuxのコマンドライン操作やシェルスクリプトのスキルが必要とされます。

クラウド環境がシェア大きく伸ばしている現在において、AWS SAAはインフラエンジニアとしてキャリアアップに是非とも欲しい資格です。また、LPICを学んだ後のAWSは、相性がよい資格と言えます。

LPIC-1合格後に取得したい資格:まとめ

LPIC-1取得後の、次の資格として、「CCNA」、「LPIC-2」、「AWS SAA」は、どれも非常に有効な選択肢です。

これらの資格を取得することで、インフラエンジニアとしてのスキルを広げ、より高度な業務に挑戦できるようになります。「CCNA」、「LPIC-2」、「AWS SAA」は、全部取得することがおすすめです。

また、おすすめ資格については、「サーバーエンジニアがとるべき資格はこれ!転職、年収アップに必須です」に詳しく記載しています。

LPICに意味がある!LPICが役立つ職種

LPICはLinuxスキルを証明する資格であるため、特にインフラやサーバー関連の職種で大きく役立ちます。以下からは、LPIC取得が特に役立つ職種について説明していきます。

LPICが役立つ職種①:インフラエンジニア、サーバーエンジニア

当たり前ですが、最もLPICが役立つ職種は、インフラエンジニアやサーバーエンジニアです。

企業内のサーバーやデータセンター、クラウドサービスの基盤として、Linuxサーバーは主流であり、Linuxサーバーの操作・管理スキルは必須です。

Linuxサーバー扱うことが多いインフラエンジニアやサーバーエンジニアにとって、LPICは非常に役立つと言えます。

LPICが役立つ職種②:クラウドエンジニア

AWSなど、クラウドサービスの多くは、Linuxを基盤にしています。ゆえにクラウドエンジニアとしてクラウド環境を設計、運用する際には、Linuxの操作や管理スキルは必須と言えます。

Linuxを学び、LPICを取得することで、クラウドエンジニアとしての仕事に役立つでしょう。

特にAWS環境ではLinuxコマンドの操作が多く必要となるため、LPICで学んだ知識が直接活用できます。

LPICが役立つ職種③:ネットワークエンジニア

ネットワークとサーバーは密接に関わっています。ネットワークエンジニアもサーバーと関わる機会は多々あります。

特にルーターやファイアーウォールなど、多くのネットワーク機器がLinuxベースで動作していますので、ネットワークエンジニアにとっても、Linuxの基本知識は重要です。

LPIC-1までの知識を持っていれば、ネットワークエンジニアとしてのキャリアにプラスの効果があります。

LPICが役立つ職種④:セキュリティエンジニア

Linuxは多くのサーバーやネットワーク機器の基盤として使われているため、セキュリティエンジニアにもLinuxの知識が欠かせません

LPICでは、アクセス権限の管理やユーザー認証、ファイルシステムのセキュリティ設定など、セキュリティに関わる重要な項目を学ぶことができます。

また、セキュリティエンジニアには、システムの安全性を確保するために、Linux環境における脆弱性の理解や対策スキルも求められます。

LPICが役立つ職種⑤:DevOpsエンジニア

DevOpsエンジニアは、開発(Development)と運用(Operations)をつなぐ役割を担いますが、多くのDevOps環境はLinux上で構築されています。

特にLPICで学べる、シェルスクリプトやプロセス管理、ファイルシステムなどは、DevOpsで必要となる知識であり、LPIC取得はDevOpsエンジニアになるための足掛かりの一歩目となるでしょう。

LPICが役立つ職種:まとめ

LPICが特に役立つ職種として、インフラエンジニア、サーバーエンジニア、クラウドエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア、DevOpsエンジニアが挙げられます。

これらの職種では、Linuxの知識が重要であり、LPICの資格取得が有効となります。

また次からは、LPICの難易度や勉強方法についても詳しく解説していきます。

資格を取得するためにどれくらいの時間や労力が必要かを知り、「努力が報われるのか?」という不安を解消しましょう。

LPICの難易度とは

LPICは、3つの認定レベルに分かれています。それぞれのレベルは、学ぶ範囲と技術的なスキルに応じて異なり、段階的に難易度が上がっていきます。

LPICの難易度:3つの認定レベル

■LPICの3つの認定レベル:
・LPIC-1(初級者向け):
Linuxの基本的な操作や管理をカバーしており、ITSS(ITスキル標準)ではレベル1です。これからLinuxを学び始める人や、基本的なインフラ管理を行う人に適しています。

・LPIC-2(中級者向け):
より高度なLinuxの管理やインフラ管理を学ぶもので、ITSSのレベル2です。LPIC-1取得後に受験ができます。構築エンジニアを目指す人、構築業務を行う人に適しています。

・LPIC-3(プロフェッショナル向け):
Linuxの専門的な知識を証明する最高レベルの資格で、ITSSのレベル3です。設計や構築、トラブルシューティングを含む実務レベルでの深い知識が問われます。

LPICについて更に詳しく知りたい方は「【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明」をお読みください。

また、経済産業省のIPA(情報処理推進機構)が定めるITSS(ITスキル標準)で、LPICの難易度を説明します。

ITSS(ITスキル標準)に基づく、LPICの難易度

 難易度
LPIC level1ITSSレベル1(エントリーレベル)初級
LPIC level2ITSSレベル2(エントリーレベル)準初級
LPIC level3ITSSレベル3(ミドルレベル)中級

LPICの各レベルの難易度について、さらに詳しく知りたい方は「【徹底解説】LPICの難易度は?レベル別で、他のIT資格と比較解説」をあわせてお読みください。

LPICを取りたい方へ:LPICの勉強方法

LPICはLinuxの専門資格ですが、LPIC-1は未経験者でも独学で十分に取得できる難易度です。ただし、試験範囲が広く、覚える内容も多いため、効率的な学習を行うことが大切です。

以下に、効率よく学習するためにおすすめの勉強方法を紹介します。以下3つの参考書・問題集があれば十分です。

効率がよいLPIC-1の勉強方法

■効率がよい勉強方法:
・参考書:Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応

試験範囲に沿った内容で解説されています。Linuxの基礎から試験対策まで網羅されており、初学者の参考書はこの1冊で十分です。

・問題集:Ping-t

オンライン上でLPICの問題演習ができる、WEB問題集です。LPIC-1の問題は約1,200問掲載されており、解説が丁寧です。LPIC学習では、一番時間を使うべき問題集です。

・問題集:LPICレベル1スピードマスター問題集: Version5.0対応

本試験の問題形式に特化している問題集です。LPIC-1の問題は約500問あり、時間を掛けずにポイントを押さえることができます。最後の追い込み学習に最適な問題集です。

効果的なLPIC-1の学習手順

効果的なLPIC-1の学習手順①:参考書で基本を押さえる

まずはLinux教科書で基本を押さえます。ただし、参考書に時間を掛け過ぎる必要はありません。まずは2回流し読みをしながら、目を通すことを目標としてみましょう。

問題集でアウトプット練習と復習を行うことが、知識定着の近道です。

効果的なLPIC-1の学習手順②:Ping-t問題集でアウトプット練習と復習

Ping-tを使用し、実際の問題を解いていきます。一番時間を掛ける工程は、このPing-tを利用したアウトプット練習と復習です。

最初は解説を読むだけでも構いません。ここで資格勉強時間の6割以上を使ってもよいでしょう。

実際に問題を解くことでアウトプットを行い、復習を進めることで、中盤以降に知識が急速に身についていきます。

効果的なLPIC-1の学習手順③:スピードマスター問題集で、最後の追い込み

最後は、スピードマスター問題集を使用し、本試験レベルの問題に慣れていきます。スピードマスター問題集は難易度が高いですが、的中率も高いため、最後の追い込み学習に最適です。

これらのの参考書と問題集を活用すれば、独学でも十分にLPIC合格が可能です。また上記手順で学習を進めると、勉強効率は上がりやすいでしょう。

また、具体的な勉強法の手順は、「【独学でも合格!】LPIC level1の効率的な勉強方法、参考書、勉強時間などを説明」に記載していますので、あわせてお読みください。

LPICは、人によっては非常に意味がある資格!

LPICは全てのエンジニアに意味がある資格ではありません。ただし、人によっては非常に価値がある資格となるでしょう。

最後のまとめとなりますが、下記特徴に当てはまる方は、LPICを取得して損はありません。むしろ大きな意味をもたらす資格となるでしょう。

■LPICを取るべき人は、こんな人!
・未経験者やキャリアチェンジで、インフラエンジニアを目指す人
・運用監視や夜勤オペレーターから脱却、設計構築にキャリアアップをしたい人

・転職でステップアップ、年収アップをしたい人

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