ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「ネットワークエンジニアって、どんな仕事?」
「サーバーやクラウドとは何が違うの?」
「未経験からでもなれるの?」

そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

ネットワークエンジニアは、インターネットや社内システムを支える「通信の専門家」です。

企業のネットワークを設計・構築し、障害なくデータをやり取りできるようにすることで、私たちが日々利用するサービスを「止めない」仕組みを作っています。

実際、ネットワークエンジニアは20代から着実にスキルと年収を伸ばしやすい職種です。

運用・監視の基礎から経験を積み、構築・設計・クラウド領域へとステップアップすることで、将来的には年収600万〜800万円以上も目指せるキャリアが築けます。

また、AIやクラウドの時代になっても、ネットワークエンジニアの需要は減るどころかさらに拡大しています。

通信・クラウド・セキュリティの知識を掛け合わせることで、クラウドエンジニアやセキュリティエンジニアへのキャリア転換も可能です。

この記事では、仕事内容・スキル・資格・キャリアパス・将来性・向いている人の特徴まで、ネットワークエンジニアという職種の全体像をわかりやすく解説します。

あわせて読みたい:インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説
(インフラ・ネットワーク・サーバーなど各職種の関係を図解で理解)

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

ネットワークエンジニアとは?ITインフラの通信を支える専門職

ネットワークエンジニアとは、インターネットや社内システムをつなぐ「通信の仕組み」を専門に扱うエンジニアです。

サーバーエンジニアやクラウドエンジニアが扱う「サービスそのもの」を動かすためには、まずデータを安全かつ確実に届ける「通信経路」が必要になります。

その仕組みをつくるのが、ネットワークエンジニアの役割です。

社会で求められる役割

企業や社会全体のITサービスは、すべてネットワークが正常に機能して初めて成り立ちます。

もしネットワークが止まれば、ECサイトの決済はできず、リモートワークも不可能になり、動画やSNSも利用できなくなってしまいます。

■ネットワークが必要な理由の例:
ECサイトの決済がスムーズに行えるのは? → ネットワークが安定しているから
リモート勤務が成り立つのは? → VPNやセキュアな通信を設計するネットワークエンジニアがいるから
動画や音楽を、ストレスなく楽しめるのは? → 通信経路を最適化しているから

このように、ネットワークエンジニアは表には出にくいものの、「止まってはいけないインフラ」を守る縁の下の力持ちとして欠かせない存在です。

補足:
ネットワークは目に見えない「裏方の技術」ですが、企業の売上・サービス品質・顧客体験すべてに関わる「縁の下の力持ち」といえます。

インフラエンジニアとの関係と位置づけ

ネットワークエンジニアは、より広い概念であるインフラエンジニアの一部門に位置づけられます。

インフラエンジニアとは、企業のITシステムを動かすための「土台(基盤)」をつくる技術者全般のこと。その中で、ネットワークエンジニアは通信を専門に扱います。

インフラエンジニアには主に次のような職種があります。

職種主な役割
ネットワークエンジニア通信経路(ルータ・スイッチ・FWなど)を設計・構築・運用する
サーバーエンジニアサービスを動かすサーバー(Linux/Windows)を構築・運用する
クラウドエンジニアAWSやAzureなど、クラウド上の基盤を設計・管理する
セキュリティエンジニア攻撃・不正アクセスを防ぐ仕組みを設計する
データベースエンジニア大量のデータを効率的に保存・処理する仕組みを構築する

つまり、ネットワークエンジニアは「ITインフラの通信レイヤーを担うスペシャリスト」です。

他のエンジニアと連携しながら、企業やサービス全体のシステムを支えています。

インフラエンジニアの職種構造(ネットワークエンジニア・サーバーエンジニア・クラウドエンジニアなどの関係図)

この図からも分かるように、ネットワークエンジニアは 通信基盤の専門職 であり、サーバーやクラウド、セキュリティ、データベースを担当する他のエンジニアと協力しながら、ITサービス全体を支えています。

インフラエンジニア全体の関係を、さらに詳しく知りたい方は、以下の関連記事もご覧ください。

→関連記事:インフラエンジニア職種マップ|ネットワーク・サーバー・クラウドの関係を図解

ネットワークエンジニアから広がるキャリアの可能性

ネットワークエンジニアとして基礎を固めると、設計・マネジメント/セキュリティ/クラウド といった複数の方向にキャリアを広げることができます。

現場で通信基盤を理解している人ほど、セキュリティやクラウドといった上流・高付加価値領域でも活躍しやすく、インフラエンジニア全体の中核スキルとして評価されます。

■キャリアパスの例:
・構築経験を活かして、ネットワーク設計やPM職へステップアップ
・通信の安全性を守るセキュリティエンジニアへキャリアチェンジ
・AWSやAzureなど、クラウド環境でのネットワーク設計に挑戦

このようにネットワークの知識は、「ITインフラの基礎」から「次世代インフラの中核」へと発展できる汎用スキルです。

さらに詳しい年収・キャリアパスの流れについては、以下の関連記事でに解説します。

→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス徹底解説|資格・年収・将来性まで

ネットワークエンジニアの仕事内容:4つのステップ(運用・構築・設計・マネジメント)を具体例で解説

ネットワークエンジニアの仕事は、主に 「運用」→「構築」→「設計」→「マネジメント」 の4ステップで進んでいきます。

これは単なる業務区分ではなく、キャリア成長の流れそのものです。

未経験の段階では監視・保守を中心とした運用からスタートし、経験を積むことで構築・設計・マネジメントへとステップアップしていきます。

ここでは、それぞれのステップでの仕事内容・必要スキル・キャリアの広がりを具体的に紹介していきます。

① 運用フェーズ(未経験からの第一歩)

未経験から最初に携わりやすいのが、ネットワークの運用や監視業務です。「ネットワークを止めないこと」が最も重要なミッションとなります。

■主な仕事内容:
・ネットワーク機器(ルータやスイッチ)の稼働状況を監視する
・障害が起きた場合の一次対応(切り分け・報告)
・運用マニュアルに沿った手順書の実行や設定変更

■ポイント:
・未経験からでも始めやすい職種
・夜勤・シフト勤務も多いが、安定したスキルを身につけられる
・CCNA・LPIC-1などの基礎資格が業務理解に直結

多くの現場では監視ツール(Zabbixなど)を使って、24時間体制でネットワークを監視します。トラブルが発生した際はマニュアルに沿って切り分け・報告を行います。

現場での運用経験は、次の「構築」フェーズに進むための貴重な実務経験になります。まずは「止めないネットワーク」を支える現場で基礎を固めましょう。

→関連記事:未経験からネットワークエンジニアになる方法まとめ

② 構築フェーズ(実践スキルを磨く段階)

運用経験を積んだら、次は 構築フェーズ に挑戦します。

ここでは「新しいネットワーク環境を作る」ことが主な仕事です。

■主な仕事内容:
・設計書をもとにルータ・スイッチを設定
・VLAN・ルーティング・VPNなど通信経路の設定
・機器導入後の疎通確認・負荷テスト

■ポイント:
・実機経験を通じて「構築スキル」が身につく
・トラブル対応力・検証スキルが養われる
・CCNAは必須に近い、CCNPレベルの知識があるとプロジェクト配属の幅が広がる

構築では、Cisco機器やJuniper機器など、実際に手を動かす「ハンズオン作業」が多くなります。設計者と協力してネットワークを実際に形にしていく段階です。

具体的には、新規拠点のネットワーク構築、LAN再設計、AWSとのVPN接続など、自分の手でネットワークをつくる実感が得られるフェーズです。

→関連記事:CCNAとは?資格の内容・難易度・勉強法・転職メリットを徹底解説
→関連記事:ネットワークエンジニア資格ロードマップ|未経験から年収アップまで徹底解説

③ 設計フェーズ(上流工程・提案力が問われる段階)

構築経験を積むと、顧客の要件をもとにネットワークを設計する 上流フェーズ に進みます。

ここでは、技術力だけでなく「課題を整理して最適解を提案する力」も求められます。

■主な仕事内容:
・顧客要件のヒアリングと構成設計(L2/L3設計、冗長化など)
・機器選定・構成図・セキュリティポリシーの策定
・チームメンバー・ベンダーとの調整やレビュー

■ポイント:
・コミュニケーション力・提案力が必要
・技術+プロジェクト理解を併せ持つ人材が評価される
・年収600〜900万円クラスも狙えるポジション

設計フェーズでは、Cisco・Juniperなど機器特性に加えて、クラウド(AWS VPCやDirect Connectなど)と連携するケースも増えています。

設計工程は「お客様と技術をつなぐ橋渡し」です。また、ネットワークを設計できる人は市場価値が非常に高いです。

→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパスまとめ

④ マネジメントフェーズ(提案・統括・リーダー職)

最終的なステップは、プロジェクトを統括する マネジメントフェーズ です。

ネットワーク全体の戦略設計からチーム管理までを担うポジションになります。

■主な仕事内容:
・ネットワーク全体のアーキテクチャ設計
・顧客折衝・コスト管理・品質管理
・チームの進行管理・育成・外部調整

■ポイント:
・PM・ネットワークアーキテクトとして活躍
・年収800〜1,000万円以上も可能
・経営視点をもった「戦略的エンジニア」へ成長できる

ここでは、技術力よりも「人・プロジェクトを動かす力」が重視されます。要件定義から設計・構築までを俯瞰できる人材は、SIer・事業会社問わず高く評価されます。

現場中心の技術者から、組織を率いるリーダーになるフェーズであり、またネットワークの知識は、マネジメント職でも活き続けます。

フェーズ別まとめ表

ここまで紹介した4つのステップを、仕事内容・スキル・年収の目安ごとに整理すると、以下のようになります。

ステップ仕事内容スキル/資格年収目安
①運用監視/障害対応/報告CCNA、LPIC-1300〜450万円
②構築機器設定/VPN構築/テストCCNP400〜600万円
③設計要件定義/構成設計/調整CCNP、ネットワークスペシャリスト、調整力600〜900万円
④マネジメント提案/戦略/進行管理PMP、提案力750〜1,000万円

まとめ:キャリアと仕事内容は連動している

ネットワークエンジニアの仕事は、「運用で基礎を固め、構築で技術を磨き、設計で提案力を身につけ、マネジメントで統括する」という 明確な成長ステップ を描ける職種です。

さらに詳しいキャリア・年収の関係は、以下記事が参考になります。

→関連記事:ネットワークエンジニアの年収はいくら?【平均・中央値・年代別・資格別】

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ネットワークエンジニアの年収・キャリアパスを徹底解説【経験別・スキル別】

ネットワークエンジニアは、経験やスキルレベルによって年収が大きく変化します。

同じ職種でも「運用・構築・設計・マネジメント」のどこを担当するかで、企業からの評価も待遇も大きく異なります。

ここでは、フェーズ別の平均年収とキャリアアップの方向性を整理しながら、自分の立ち位置を客観的に把握できるよう解説していきます。

平均年収の相場(経験年数・職種別比較)

ネットワークエンジニアのキャリアは、「運用・保守」からスタートし、経験を積むごとに「構築」、「設計」、「マネジメント」へと進んでいくのが一般的です。

以下は、それぞれのフェーズで求められるスキルと年収の目安をまとめたものです。

フェーズ別の年収目安

フェーズ経験年数目安仕事内容年収目安
運用・保守0〜2年監視/障害対応/報告300〜450万円
構築2〜4年機器設定/VPN構築/テスト400〜600万円
設計4〜7年要件定義/構成設計/調整600〜900万円
マネジメント7年以上提案/戦略/進行管理750〜1,000万円

※上記はあくまで目安であり、企業規模・常駐形態・保有資格によって変動します。

■ポイント:
担当する工程が上がるほど、報酬テーブルが上昇する構造
「構築」フェーズに進んだ段階から、評価と年収が特に伸びやすい
・「設計・マネジメント」へ進むと、技術力に加えて調整力・提案力が求められ、年収レンジは更に上昇

また、ネットワークエンジニアは、スキルを磨くことでキャリアアップの方向を複数選択できます。

以下からは、自分の志向に合ったキャリアを考えるための、3つの代表的な方向性を紹介していきます。

ネットワーク設計・PM職(上流志向)


要件定義や設計・マネジメントを担当。顧客折衝やチーム統括など、リーダーシップが求められます。

年収:700〜900万円前後

→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス徹底解説|資格・年収・将来性まで

セキュリティエンジニア(専門特化志向)


SOC/CSIRTでの監視・分析業務などを中心に、ファイアウォールやIDSなどのセキュリティ技術を活かします。

年収:600〜900万円前後

クラウドエンジニア(時代適応志向)


AWSやAzureなどのクラウド基盤でネットワーク設計を担当。オンプレとクラウドの接続や自動化(IaC)スキルが求められます。

年収:600〜1,000万円以上も可能

→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説

また、働く企業タイプによってもキャリアの方向性は変わります。

SIerでは上流設計やベンダー調整、通信キャリア系では大規模ネットワークの構築・運用、社内SEでは自社インフラの企画・改善が中心です。

より詳しい年収データや、年収を上げる具体的な方法は、以下の記事で解説しています。

→関連記事: ネットワークエンジニアの年収はいくら?【平均・中央値・年代別・資格別】

■キャリアのまとめポイント:
・「上流志向」、「専門特化」、「時代適応」いずれもネットワーク知識は基盤
・セキュリティ・クラウドスキルを掛け合わせると、転職市場で非常に有利
・次のキャリアへ進むには、キャリアの方向性を固めることが重要

キャリアプランに迷ったら、プロがあなたの状況をもとに最短ルートを提案します。

「どのキャリアが自分に合うか分からない」、「今の経験を活かせる道を知りたい」という方は、ぜひ一度プロに相談してみましょう。

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ネットワークエンジニアの将来性と今後の需要:AI・クラウド時代でも必要とされる理由

「AIや自動化が進む中で、ネットワークエンジニアの仕事はなくなるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし結論から言えば、ネットワークエンジニアの需要は、今後も高い状態が続くと考えられます。

理由として、クラウド・セキュリティ・AIといった新技術のすべては、最終的に「ネットワークの仕組みの上で動いている」ためです。

つまり、技術が進化するほどネットワークの設計・運用を担うエンジニアの重要性は増しています。

需要が高まる3つの理由(DX・クラウド普及・セキュリティ)

ネットワークエンジニアの仕事は、IT化が進む今の時代に欠かせません。

特にDX(デジタル化)・クラウド化・セキュリティ対策の3つの動きが重なり、ネットワークの専門知識を持つ人材の価値は高まり続けています。

■需要が高まる理由:
DX(デジタルトランスフォーメーション)によるシステム刷新
 →企業のデジタル化が進み、オンプレミスからクラウド・ハイブリッド構成への移行が加速。そのため、ネットワーク設計・通信経路の最適化スキルを持つエンジニアの需要が増加。
クラウドサービスの普及
 →クラウド基盤を支えるネットワーク技術(VPC・VPN・Direct Connectなど)の理解が不可欠。クラウド導入企業の増加により、クラウドネットワーク構築のスキルが重要視。
セキュリティ対策の重要性
 →サイバー攻撃や情報漏えい対策のため、ゼロトラストやファイアウォール、IDS/IPSといったネットワークセキュリティ技術の重要性が高まっています。

AIや自動化で変わる仕事の一部と残る領域

確かに、AIや自動化によって、監視や障害検知などの単純作業は効率化されています。

ZabbixやAnsible、Terraformといったツールを活用することで、今までより少ない人数で、システムを安定稼働させられるようになってきています。

一方で、完全に自動化できない領域も多く残っています。

例として、トラブルの根本原因分析や、ネットワーク全体の構成設計、複数ベンダーのシステム連携などは、依然として人間の判断力と経験が求められる領域です。

今後は、単純作業ではなく「自動化を設計・管理する側」へシフトすることが、ネットワークエンジニアとしてのキャリア価値を高める鍵となります。

今後求められる新スキル(自動化/クラウド統合/セキュリティ強化)

AIや自動化の時代であっても、ネットワークの専門性を軸に新しいスキルを習得していけば、キャリアの幅はむしろ広がります。

以下は、今後のネットワークエンジニアに求められていくスキルです。

■今後求められるスキル:
自動化スキル(Infrastructure as Code)
 →TerraformやAnsibleなどを使った構成自動化・スクリプト化が一般化。運用効率化だけでなく、構築スピードの向上にも直結します。
クラウド統合スキル
 →オンプレミスとAWS・Azureなどのクラウドを安全かつ効率的に接続する「ハイブリッドネットワーク構成」が主流に。VPC、VPN、Transit Gatewayなどの理解が求められます。
セキュリティ強化スキル
 →ゼロトラストネットワーク、暗号化通信、認証管理、FWルール設計などの知識が求められます。特にSOCやCSIRTなどセキュリティ部門では、ネットワークスキルの高い人材が重宝。

このように、AIや自動化の時代であっても、ネットワークの専門性を軸に新しいスキルを習得していけば、キャリアの幅はむしろ広がります。

将来を見据えて学習を進めたい方は、次の記事も参考にしてみてください。

→関連記事:ネットワークエンジニアの将来性まとめ

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未経験からネットワークエンジニアになる3ステップ【資格→実務→転職】

ここまでで、ネットワークエンジニアの仕事内容や将来性を理解できたと思います。

では、未経験から実際にネットワークエンジニアになるには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか?

結論として、最短ルートは次の3ステップです。

■ネットワークエンジニアになるステップ:
・ステップ1:IT基礎+CCNA資格の取得
・ステップ2:実務経験を積みながら現場に慣れる
・ステップ3:設計・構築フェーズを目指してキャリアアップする

ステップ1:IT基礎+CCNA資格の取得

ネットワークエンジニアを目指す最初のステップは、ITの基礎とネットワークの仕組みを理解することです。

特に、ネットワーク通信を成り立たせる、以下の3つの基礎知識を押さえることが、その後の学習の土台となります。

■ネットワークの基礎知識:
TCP/IP
 →インターネット通信の基盤となるプロトコル。IPアドレスやサブネットマスクの理解などは必須。
ルーティング
 →データを目的地まで届けるための経路選択。静的ルーティングと動的ルーティング(OSPFなど)を理解する必要があります。
・セキュリティ
 →不正アクセスや通信の盗聴を防ぐ仕組み。ファイアウォール、VPN、暗号化といった基本知識は欠かせません。

これらの基礎知識はすべて「CCNA」の学習範囲に含まれており、資格勉強を通じて体系的に学ぶことができます。

そのため、CCNAはネットワークエンジニアを目指す最初の「土台づくり」に最適な資格といえるでしょう。

また、資格の勉強を通じて、ネットワークの全体像を理解しながら実践的な知識を得られるため、独学でも効率よくスキルを積み上げることができます。

さらに、CCNAを取得していることで未経験からの転職時に「基礎理解がある」と評価され、求人の選択肢を広げ、年収アップにもつながりやすくなります。

→関連記事:CCNAの勉強方法まとめ
→関連記事:未経験でもCCNAで転職成功!有利になる理由と年収データ

ステップ2:実務経験を積みながら現場に慣れる

資格を取得したら、次は「現場経験を積む」段階です。

未経験者の場合、最初は運用保守・監視などの業務からスタートするケースが多いですが、 CCNAを取得している場合は、日勤の運用や一部構築補佐といったポジションからスタートできることもあります。

たとえば、ネットワーク機器の監視・障害対応・報告を行うほか、先輩エンジニアのもとでルータやスイッチの設定サポートを経験できる場合もあります。

このフェーズで重要なのは、現場の仕組みを理解し、ネットワーク運用に慣れることです。ここでの経験が、次の「構築」、「設計」へ進む土台となります。

→関連記事:運用監視オペレーターはやめとけ?将来性とキャリアアップロードマップ

ステップ3:設計・構築フェーズを目指してキャリアアップする

実務経験を積んだら、まずは構築フェーズを目指しましょう。

1〜2年の経験で構築に携われるケースもあり、そこでの経験を重ねることで、 将来的には設計やマネジメントといった上流工程へ進むことが可能です。

ただし、現場によってはいつまでも監視・運用中心の業務から抜け出せない、結果年収も上がらないケースもあります。

その場合は、設計・構築フェーズに関われる職場へ転職するのも有効な選択肢です。

転職を通じて環境を変えることで、ネットワーク設計やクラウド構築など、より高度な工程に挑戦できる可能性が広がります。

結果的に、年収アップ・スキルアップ・やりがいの面でもプラスに働くケースが多いです。

→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・キャリアパスを徹底解説

キャリアを前に進めたい方は、まず自分の今の立ち位置を整理し、次に進むための選択肢を明確にしましょう。

スクール・独学・研修の比較

学習手段にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自分の目的・予算・学習スタイルに合わせて選ぶことが大切です。

方法特徴メリットデメリット
独学書籍やUdemy、YouTubeなどを活用コスパが良い・自分のペースで進められる挫折リスクが高い・質問環境がない
スクール講師のサポートを受けながら学べる効率的・質問できる・転職支援付きが多い費用が高め(10〜30万円)
企業研修入社後に研修で学べるケース給与を得ながら学べる・実践的採用のハードルがある・研修内容は企業依存

いずれの方法でも、最初のゴールは「CCNA合格+基礎実務経験」の2点をクリアすることがおすすめです。

ここを越えれば、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを確実にスタートできます。

→関連記事:ネットワークエンジニアになるための勉強法と転職ロードマップ

ネットワークエンジニアに向いている人・向かない人【特徴チェックリスト付き】

ネットワークエンジニアは、単にITスキルがあれば良いわけではなく、性格・考え方・仕事への姿勢も重要です。

以下の図では、向いている人の特徴を「能力・性格・姿勢」の3つの観点でまとめています。

向いている人の特徴(ロジカル/探究心/責任感/慎重)

ネットワークエンジニアに向いている人の特徴(能力・性格・姿勢)

図:ネットワークエンジニアに向いている人の特徴(能力・性格・姿勢)

図のように、ネットワークエンジニアに向いている人は、以下のような傾向があります。

■向いている人:
ITへの好奇心がある: 新しい技術や仕組みを学ぶことが苦にならない
論理思考力がある: 問題の原因を整理しながら、順序立てて対応できる
正確に作業できる: 小さな設定ミスも見逃さない慎重さがある
チームワーク重視: 他部署・ベンダーと協力して仕事を進められる
責任感がある: 「システムを止めない」という使命感を持てる

向かない人の特徴(飽きっぽい・報連相が苦手など)

どんな仕事にも向き・不向きがありますが、ネットワークエンジニアは正確さ・継続力・協調性が求められるため、性格や働き方の傾向によってはギャップを感じる人もいます。

以下では、ネットワークエンジニアとして苦労しやすいタイプを紹介します。

■苦労しやすい人:
飽きっぽい・ルーティンが苦手: 運用や保守業務では、ルーティン作業も多い
報連相が苦手: 障害対応では、チーム内での情報共有スピードが重要
学習を避けたい: 先端分野になるほど技術進化が早く、継続的な学びが欠かせない
夜勤が絶対に嫌: 初期フェーズでは、夜勤やシフト勤務が発生する現場もある

ただし、意識や環境を変えることで十分に克服可能です。

セルフチェックリスト(Yes / No 形式)

以下の質問に「Yes」が多いほど、ネットワークエンジニアに向いている傾向があります。

質問Yes / No
機械や仕組みを理解するのが好きYes / No
問題が起きた時に、冷静に原因を探せるYes / No
ミスを防ぐために、確認を怠らないYes / No
人と話すより、仕組みを整える方が得意Yes / No
変化する技術に興味を持てるYes / No
コツコツ努力を続けることが苦にならないYes / No

Yesが4個以上あれば、ネットワークエンジニアの適性が十分あるといえます。

また半分以下の場合でも、学習や経験を積むことで適性が育つことは多いです。

「やめとけ」と言われる理由と対策

ネット上では「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われることもありますが、その多くは初期の運用フェーズで夜勤やルーティン作業が続くことが理由です。

しかし、これはキャリアの入口に過ぎず、経験を積めば構築・設計・クラウドなどへとステップアップ可能です。

不安を感じる方は、現場の実態やキャリアアップ方法を、以下の記事で詳しく解説しています。

→関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけ?現場の実態とキャリア戦略

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まとめ:ネットワークエンジニアは「縁の下の力持ち」。技術の基盤を支える専門職

ネットワークエンジニアは、ITインフラの中でも「通信の要」を支える存在です。


インターネットが当たり前の時代において、ネットワークの安定稼働は企業活動の生命線です。 そのため、クラウドやAIが普及して確実に需要が残り続ける職種です。

未経験から始める場合も、CCNAなどの資格取得と実務経験の積み上げで、構築・設計・クラウド領域へとステップアップが可能です。

「自分にもできるのか?」、「どんな職場から始めるべきか?」と感じたら、まずはプロに相談してみるのが早道です。

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よくある質問(FAQ)

ここでは、ネットワークエンジニアを目指す方からよく寄せられる質問に回答していきます。

未経験・文系・30代からの挑戦など、実際によくある不安を中心にまとめました。

Q1:30代未経験からでもネットワークエンジニアになれますか?

はい、30代未経験からでも挑戦は可能です。

実際に、30歳を過ぎてから資格を取得し、監視や運用などのポジションで採用される方も増えています。

ただし、20代と比べると企業は「即戦力性」や「学習意欲」をより重視するため、資格(CCNAなど)を通じて基礎力を示すことが大切です。

Q2:文系出身でも問題ありませんか?

全く問題ありません。ネットワークエンジニアは、出身学部よりも論理的思考力と継続学習の姿勢が評価される職種です。

文系出身でも資格を取得してからIT業界へ転職し、設計・構築フェーズで活躍している方は多くいます。

Q3:残業や夜勤は多いですか?

職場やフェーズによって異なります。

監視・運用業務(初期フェーズ)は夜勤やシフト制が多く、残業は比較的少ない傾向です。

一方、構築・設計業務では日勤中心になりますが、納期前などは一時的に忙しくなる場合もあります。

「夜勤を避けたい」、「残業少なめで働きたい」という方は、求人の選び方やキャリアプランで十分に調整可能です。

Q4:資格なしでも採用されますか?

資格なしでもポテンシャル採用の可能性はありますが、年齢が上がるほど資格の有無が、採用可否に直結します。 以下は目安です。

■年齢の目安:
20代前半: 学歴や職歴などが良ければ、ポテンシャル採用されるケースがあります。
20代後半: CCNAなどの資格があると、選べる求人の幅が広がります。
30歳以上: 資格なしでは採用は難しく、CCNAやLPIC-1などの基礎資格はほぼ必須です。

また、PCを使った仕事の経験(事務・営業など)や、顧客・チームとの報連相経験があると、未経験でも業務適性が評価されやすくなります。

Q5:資格を取った後、どんなキャリアが開けますか?

CCNAを取得した後は、運用監視からスタートして、構築や設計へステップアップしていくのが一般的です。

また実務経験を積みながら、セキュリティエンジニアなどの上級職へ進む人も多く、年収アップのチャンスも広がります。

→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス徹底解説|資格・年収・将来性まで

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関連リンク集

■職種全体の理解に役立つ記事:
インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説

ネットワークエンジニアの仕事・キャリア
ネットワークエンジニアのキャリアパスまとめ
ネットワークエンジニアの年収まとめ
ネットワークエンジニアの将来性まとめ
ネットワークエンジニアはやめとけ?理由と実態

■勉強法・スキル・資格
CCNAの勉強法と資格の価値を徹底解説
LPIC-1の勉強法と資格の価値を徹底解説
ネットワークエンジニアに必要な資格一覧
ネットワークエンジニアの勉強法まとめ

転職・適性
未経験からネットワークエンジニアになる方法まとめ
ネットワークエンジニアに向いている人・向かない人まとめ
インフラエンジニア志望動機:未経験でも内定が取れる例文と書き方

■関連職種:
インフラエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性を解説
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この記事を書いた人

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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