こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
ネットワークエンジニアは、未経験からでも目指しやすいITエンジニア職として、近年人気が高まっています。しかし、ネットワークは目に見えないため、仕事内容がわかりにくく、イメージがつきにくいとも言えるでしょう。
ここでは、ネットワークエンジニアの仕事内容の詳細から、必要とされるスキル、また年収相場やキャリアパス、将来性、向いている人、未経験からのなり方などを、詳しく説明していきます。
ネットワークエンジニアに興味を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
ネットワークエンジニアの仕事内容とは
ネットワークエンジニアの主な仕事内容は、企業や組織の通信インフラ(ネットワーク)の設計、構築、運用、監視です。
もちろん、勤務する会社や業務内容によって、かかわる仕事は異なりますが、全般的には、ネットワークの安定性や信頼性、効率性を確保するために、さまざまな技術を使い、仕事を行うと考えるとよいでしょう。
ネットワークエンジニアの仕事内容について、要件定義や設計、構築、運用といったフェーズ(工程)から、具体的な内容、必要スキルを整理すると、以下の図のようになります。

また以下からは、ネットワークエンジニアが担当する主な仕事について、詳細を説明していきます。
ネットワークの要件定義
ネットワークエンジニアの仕事は、要件定義から始まります。要件定義では、企業における通信インフラが、どのような目的を持つべきか、どのような機能や性能が求められているかを明確にする工程です。
具体的には、まずビジネスニーズの把握があります。たとえば、オンラインサービスを提供する会社であれば、高い可用性(障害が起きても、利用できるようにすること)や、低遅延が求められやすいでしょう。
また、ネットワークはスケーラビリティ(拡張性)も持つ必要があります。将来的に増加が見込まれるトラフィックなどを考慮し、将来に拡張できるネットワークを考えていく必要もあります。
あわせて、セキュリティ要件の明確化も行います。企業が取り扱う個人情報といった、データの機密性に準じて、どのようなセキュリティ対策を行うべきかを検討していきます。
上記の業務を通じて、お客さまの希望する要件を明確化し、決めていく作業が、ネットワークの要件定義です。要件定義では、コンサルタント的な役割を担います。
ネットワークの基本設計
ネットワークの基本設計は、要件定義に基づいて、実際のネットワーク構成を決めていく仕事です。基本設計では、全体のルールを決めていくと考えるとよいでしょう。
具体的には、ネットワークトポロジの設計があります。ネットワークトポロジの設計は、ネットワーク内の機器やノードを、規模や技術などに応じて、どのように接続すべきかを構造的に決めていくことです。
また、機器選定や配置についても考慮していきます。機器の性能や信頼性、予算などから、要件に適しているネットワーク機器(ルータ、スイッチ、ファイアーウォールなど)を選定し、最適な場所に配置していきます。
あわせて、IPアドレスやセキュリティの設計も行います。IPアドレス設計で、ネットワークの効率性などを高め、セキュリティ対策を組み込むことで、外部からの攻撃や、内部からの不正アクセスを防止していきます。
上記の業務を通じて、ネットワークのトラフィックの流れや拡張性、セキュリティ対策などといったルール作りを行っていきます。この基本設計を経て、ネットワークを構築するための詳細プランを作ります。
ネットワークの構築
設計が終了した後は、構築業務です。ネットワークエンジニアは、実際のネットワーク構築作業を行っていきます。ネットワーク構築は、物理的な機器の設置や、設定、テストまで多岐にわたります。
具体的には、ネットワーク機器の配線や配置があります。ネットワーク機器を設置する場所を決定し、ケーブルの適切な配線を行います。
また、ネットワーク機器の設定も重要な業務です。ここでは、ルータやスイッチ、ファイアーウォールなどの機器に対し、IPアドレスの割り当て、ルーティング設定、セキュリティ設定などを行っていきます。
あわせて、ネットワークが通信できるかをテストすることも大事です。設定完了後に、動作確認を行い、pingなどを使い、ネットワーク全体の接続状態を確認していきます。
上記の業務を通じて、ネットワークを作り上げ、トラフィックが正常に流れているか、冗長化した経路が正しく機能するか、セキュリティ設定が正しく反映されているか、などを行っていくまでが、構築業務です。
ネットワークの運用・保守
ネットワークが構築された後は、ネットワークが常に安定して動作、維持するために、ネットワークの運用や保守を行います。
具体的には、ネットワークの定期的なメンテナンス作業があります。例として、ソフトウェアのアップデート対応、ハードウェアの点検、設定の再確認などを行い、最適な状態で維持をし続けることが必要です。
また、ネットワークのパフォーマンスの最適化も大事です。最適な状況にするために、定期的に分析を行い、必要に応じて帯域幅を変更することや、負荷分散を行うなど、改善策を行っていきます。
運用・保守業務は、上記の業務を通じて、ネットワークが常に安定して使える状態や、定期的な改善を行っていく仕事です。
ネットワークの監視
ネットワークは、土日や夜間であっても止めてはいけないものであるため、パフォーマンスの状況や障害を、24時間365日体制で、ネットワークを監視していく必要もあります。
具体的には、ZabbixやNagiosといった、ネットワークの監視ツールを使って、ネットワークのトラフィックや機器の稼働状況、エラー状態などをモニタリングしていきます。
また、監視では、異常があればアラートが出る仕組みになっているため、アラートが発生した場合は、マニュアル(作業指示書など)通りに対応していくことが必要とされます。
あわせて、マニュアルで対処ができない場合では、上位のエンジニアにエスカレーション(助けを要請)していきます。
ネットワークのトラブルシューティング
ネットワークに問題が起きた時には、ネットワークエンジニアはその原因を特定して、可能な限り早く復旧することが求められます。トラブルシューティングは、エンジニアとしてのスキルが求められる分野です。
トラブルシューティングでは、問題を調査し、まず原因を特定していきます。例として、通信の遅延などトラブルが起きた場合、いつ、何が、どんな状況で、何が発生しているのかを確認しながら、原因を突き止めていきます。
原因が明確になった後は、対策方法を検討し、対策を実施していきます。また、問題の再発防止についても検討し、ネットワーク設定や運用手順などを見直ししていくことが、トラブルシューティングの仕事です。
上記のような仕事を通じて、ネットワークエンジニアは、企業の通信インフラを支えながら、効率的で安全なネットワーク環境を作り、維持していくことが役割です。
■参考記事:ネットワークとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明
ネットワークエンジニアに必要なスキル、知識とは
ネットワークエンジニアは、通信インフラ(ネットワーク)を作り上げ、安定して運用することが仕事です。ゆえに、ネットワークの構築や運用を行うために、必要となる技術スキルや知識が求められます。
また、ネットワークエンジニアに必要とされる技術スキルや知識は幅広いため、ここでは必要とされる主要スキルや知識を説明していきます。
■ネットワークエンジニアに必要なスキル、知識:
・ネットワークの基礎知識
・ネットワーク機器の設定、管理スキル
・トラブルシューティングスキル
・セキュリティの知識
ネットワークの基礎知識
ネットワークエンジニアとして、まず必要とされるのは、ネットワークの基本的な知識です。ネットワークの専門用語から、ネットワークの動作の仕方などを理解することが、基本となります。
具体的には、プロトコルの理解があります。例として、TCP/IPやHTTP、DNS、DHCPなど、主要となるネットワークのプロトコルや、その役割を理解することが必要です。
また、IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の深い理解も重要です。ネットワーク内で通信を行うには、IPアドレスは重要な役割があり、効率的にIPアドレスを管理するサブネットも大事です。
あわせて、OSI参照モデル(Open Systems Interconnection)も、ネットワークの仕組みを理解するための基礎です。OSI参照モデルにて、ネットワークを使ってデータがどのように処理されるかを理解できます。
ネットワーク機器の設定、管理スキル
ネットワークエンジニアは、さまざまなネットワーク機器の設定や管理を行うため、設定スキルや管理スキルも重要です。
具体的には、ネットワークに必須の機器である、ルータやスイッチが挙げられます。ルータは、異なるネットワーク間の通信に必要であり、スイッチはネットワーク内のデバイス同士の通信に使います。
ルータやスイッチといったネットワーク機器を設定、管理するためには、VLAN(仮想LAN)やルーティングプロトコル(OSPF、RIP、BGP)などの理解が必要となります。
また、ネットワークのセキュリティを守るために、不正アクセスを防ぐファイアーウォールの設定も重要です。その他、アクセス制御リスト(ACL)や、仮想プライベートネットワーク(VPN)なども重要なスキルです。
トラブルシューティングスキル
ネットワークエンジニアには、ネットワークのトラブルシューティングスキルも重要です。通信の遅延や障害時には、原因を特定し、対策を行うトラブルシューティング力が求められます。
具体的には、問題が発生した場合に、さまざまな要因(機器の故障や設定ミスなど)から、その原因について順を追って特定し、効率的な修正方法を考える必要があるため、問題解決の論理思考力が必要です。
また、トラブルシューティングのためには、pingや、traceroute、netstatといったネットワークコマンドや、wiresharkといったツールを使って、遅延やパケットロスなどを調べるため、コマンドやツールを使うスキルも重要です。
セキュリティの知識
ネットワークエンジニアにとって、ネットワークセキュリティの知識も非常に重要です。サイバー攻撃やデータ漏洩などのリスクを防ぐネットワークセキュリティを担保するのも、ネットワークエンジニアの仕事です。
具体的には、侵入検知システム(IDS)や、侵入防止システム(IPS)の設定や運用などを行い、ネットワーク内で発生する異常をモニタリングし、すぐに対応できるようにすることも重要です。
また、ネットワークセキュリティを強化するためには、暗号化や認証なども重要です。暗号化技術(SSL/TLSなど)や、認証技術(RADIUSなど)も理解して、通信を安全にしていくスキルが必要です。
上記のように、ネットワークエンジニアに必要なスキル・知識は幅広いですが、ネットワークエンジニアは幅広いスキルや知識を使って、さまざまな問題に対処する能力が求められます。
上記のような主要スキルを磨きながら、最新の技術にも対応できるようにすることで、ネットワークエンジニアとして一歩ずつキャリアアップができるでしょう。
■関連記事:初心者でもわかる!ネットワークの勉強法とおすすめ本・サイトまとめ
ネットワークエンジニアに必要な資格とは
ネットワークエンジニアにもっとも重要とされるものは、経験やスキルです。しかし、経験がない時に必要とされるのは、資格や、資格取得を通じて学んだ知識です。
ネットワークエンジニアは、資格が非常に評価されやすい職種であるため、資格取得はキャリアアップや年収アップ、転職時に強い武器となります。ここではネットワークの資格について、説明していきます。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格一覧
最初に、ネットワークエンジニアにおすすめの資格を説明していきます。以下の図は、おすすめ資格と、その難易度の一覧です。



上記図の資格は、ネットワークエンジニアにおすすめできる資格です。特に赤星印や、赤線の資格は、ニーズが高い知識・技術を身につけることができ、転職やキャリアアップでも武器となる資格です。
あわせて、特におすすめの資格について、以下から詳細を説明していきます。
ネットワークエンジニアに、特におすすめの資格
CCNA(Cisco Certified Network Associate)



ネットワークエンジニアにとって、もっとも基本的であり、重要な資格と言えるのは、CCNA(Cisco Certified Network Associate)です。
CCNAは、世界最大手ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズ社が提供する、ネットワーク関連の資格であり、ネットワークの基礎を学ぶための主要資格と言えます。
具体的には、ルータやスイッチなどの機器設定方法や、IPアドレスの設定・管理、ネットワークのトラブルシューティング、基本的なセキュリティなどが学べ、基本を体系的に学習できると言えます。
CCNAは、ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートする前、もしくはスタートした直後に、ぜひとも取得したい資格です。
CCNA | |
認定元 | シスコシステムズ |
受験料 | 46,860円(税込) |
難易度 | ITSSレベル2(難易度★★☆☆☆) |
試験日 | いつでも受験可能 |
■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説
CCNP(Cisco Certified Network Professional)Enterprise



CCNPは、CCNAの上位資格であり、より専門的なネットワーク技術を学ぶための資格と言えます。
CCNPを取得することで、より複雑なネットワーク設計や運用に携わることができ、ネットワークエンジニアとしてのキャリアアップに繋がっていきます。
CCNPでは、CCNAよりも高度なルーティング技術(OSPFのみならず、EIGRP、BGPなど)や、高度なセキュリティ技術、トラブルシューティングなどを学習でき、上流工程にチャレンジするための武器にもなります。
CCNP Enterprise | |
認定元 | シスコシステムズ |
受験料 | 350-401 ENCOR(コア試験):62,480円(税込) 300-410 ENARSI(コンセントレーション試験):46,860円(税込) |
難易度 | ITSSレベル3(難易度★★★☆☆) |
試験日 | いつでも受験可能 |
ネットワークスペシャリスト試験(国家資格)



https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html
ネットワークエンジニアとしての専門性を、さらに高めたい上級者におすすめできる資格は、ネットワークスペシャリスト試験です。
この資格は、情報処理推進機構が実施する、高度情報処理技術者試験の一つであり、ネットワーク分野に特化した唯一の国家資格です。
ネットワークスペシャリスト試験は、難易度は高いものの、企業からの評価も非常に高く、上級のネットワークエンジニアを目指す人は、チャレンジをおすすめする資格です。
ネットワークスペシャリスト試験 | |
認定元 | 情報処理推進機構(国家資格) |
受験料 | 7,500円(税込) |
難易度 | ITSSレベル4(難易度★★★★☆) |
試験日 | 年1回(春) |
また、その他のネットワークエンジニアのおすすめ資格を詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説」をあわせてお読みください。
ネットワークエンジニアの年収はどれくらい?
キャリアを選択する際や、キャリアプランを立てる上では、具体的な年収相場や、年収の上げ方を理解することは重要です。また、「ネットワークエンジニアは、どれくらい稼げるのか?」も気になる所でしょう。
ネットワークエンジニアの年収は、仕事内容、経験・スキル、勤務する会社、などによって大きく変動しますが、ここでは具体的な年収相場や、年収アップの要因などを説明していきます。
ネットワークエンジニアの年収相場
ネットワークエンジニアの平均年収は、経験年数やスキルレベルによって異なりますが、経験年数で言うと、以下のような傾向があります。
経験年数 | 年収の目安 |
---|---|
未経験レベル(1-2年) | 約250万〜400万円 |
中堅レベル(3-5年) | 約300万〜600万円 |
リーダーレベル(5年以降) | 約500万〜800万円 |
マネージャークラス | 約800万〜1000万円以上 |
新卒や未経験者の場合、ネットワークエンジニアの年収は250~400万円程度が一般的です。この時期はインフラの基礎を学ぶタイミングであり、自己研鑽に励みながら実務経験を積む事で、早期に年収が上がる可能性があります。
また、経験3~5年の時期は、それまでのスキル習得や経験の積み具合、また資格取得有無によって、大きく年収が開いていくタイミングです。年収相場は、300~600万円程度まで開きが出るでしょう。
経験3~5年時にては、1年目と仕事内容がほぼ変わらない人から、設計・構築やリーダーの仕事を遂行している人まで、さまざまです。
経験5年以降になると、プロジェクトリーダーの役割を担う人が多くなり、年収は500~800万円程度が相場となります。
特に、高い専門知識や、豊富な実務経験を持つエンジニアは、上流工程やマネジメント主体になっていくことも多く、さらに大規模のプロジェクトに関わっていくことで、年収が大きく増加していきます。
ネットワークエンジニアの年収アップの要因
ネットワークエンジニアが年収を上げていくためには、さまざまな要因が影響しますが、非常に大きな要因となるのが「工程」です。
要件定義や設計、構築、運用といった工程(フェーズ)において、「どの工程を1人称で遂行できるか?」で、年収が大きく変動します。
ネットワークエンジニアの年収アップ要因となる、工程別の具体的なモデル年収は、以下が相場です。



ネットワークの運用工程では、一定の技術力も求められますが、オペレーション業務も多いため、ネットワーク知識のみでも参画ができます。運用工程の年収相場は、300~450万円程度となります。
一方で、ネットワーク構築工程に進むと、専門的な技術力が求められ、年収相場が400~550万円程度まで上がります。また、構築工程を経験した後は、年収アップのスピード感が増します。
次に、基本設計工程までできるようになると、技術力とともに、さまざまなケースをこなした経験値から、提案力、調整力などといったスキルまで求められるようになり、年収が450~750万円程度まで上がります。
上記のように、ネットワークエンジニアの年収を高めていくには、設計や構築といった上流工程に携わることが大きな要因となります。
また、ネットワークエンジニアの年収について、さらに詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアの年収は?稼げるの?給与の上げ方も徹底解説」を、あわせてお読みください。
ネットワークエンジニアに向いている人とは
ネットワークエンジニアは、通信インフラを設計、構築、運用、監視する技術系専門職です。技術系専門職であるため、特定の能力や性格を持つ人が向きやすいと言えます。
以下は、ネットワークエンジニアに向いている人の性格・特徴です。以下図に当てはまる人は、ネットワークエンジニアに向いている可能性がある、と言えるでしょう。



ここでは、「どのような人がネットワークエンジニアに向いているのか?」について、かいつまんで説明をしていきます。
ITへの好奇心、向上心がある人
ネットワークエンジニアの仕事は専門性が深いため、学ぶことが多いです。また、新しい技術についても学び続ける必要があるため、ITに対しての好奇心や、学び続ける向上心・意欲がある人が向いています。
例として、ソフトウェアでネットワークやWANを制御する、SDN(Software Defined Network)やSD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)など、最新技術を取り入れていく姿勢が求められます。
ゆえに、技術の進歩に敏感であり、新しい技術に挑戦することに面白さを感じれる人は、ネットワークエンジニアに非常に向いていると言えます。
慎重、ストレス耐性がある人
ネットワークエンジニアの仕事は、非常に細かな作業も含まれます。例として、機器の設定など、細かなミスが大きな問題につながることもあり、慎重かつ丁寧に作業ができる人が向いています。
また、ネットワークの障害発生時には、迅速に対応し、障害から復旧させることも求められます。このような緊急事態では、時間との戦いとなり、プレッシャーがかかる中で作業を進めていく必要もあります。
これらのように、慎重に、正確な作業ができる人や、プレッシャーやストレスがかかる状態で、冷静に作業ができる人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えます。
チームワークを重視できる人
ネットワークエンジニアは、単独で作業をすることもありますが、チームで協力して仕事を進めることも多い職種です。
例として、大規模なネットワーク構築、運用、障害対応などでは、他のエンジニアや、他の部門と連携を取ることも多く、チームワークを大切にし、協調性を持って仕事を進められる人は、向いていると言えます。
上記のような性格や特徴を持つ人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。もちろん、完全に向いているとは言えなくても、努力で身につけていくこともできます。
■関連記事:ネットワークエンジニアに向いている人の特徴は?未経験でも大丈夫?
ネットワークエンジニアの将来性は?
ネットワークエンジニアは、昔から長い間安定した需要がありましたが、現在でも需要は高く、今後についても高い将来性が見込まれます。
ここでは、ネットワークエンジニアに将来性があると言える理由・根拠について、説明をしていきます。
■ネットワークエンジニアに将来性がある理由:
・ITインフラの拡大と複雑化
・セキュリティの重要性の高まり
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化
ITインフラの拡大と複雑化
近年では、ITサービスなどの利用増加によって、企業のITインフラは急速に拡大しています。また、ITインフラの拡大に伴い、インフラの複雑性も高まり続けており、引き続きこの状況は見込まれ続けるでしょう。
例として、ネットワークの仮想化、クラウドの普及、IoTやAIの活用などが進む中、ネットワークの構造がより複雑になっており、それに対応できる人材が圧倒的に不足している状況があります。
このようなITインフラの拡大に伴う、複雑なネットワークにも対応できるネットワークエンジニアの需要が高まっています。
セキュリティの重要性の高まり
現在の企業にとって、セキュリティ対策は重要課題の一つです。サイバー攻撃や情報漏洩、データの不正アクセスなどが増えている中、セキュリティ対策の最前線となるネットワークセキュリティの重要度は高まり続けています。
ネットワークのセキュリティを強化するファイアーウォールや、VPN、ゼロトラストセキュリティといった技術を適用し、運用することは、ネットワークエンジニアの仕事の一部です。
また、ネットワークエンジニアは、アクセス制御や認証、通信の暗号化など、セキュリティ対策を強化する責任もあり、セキュリティに強みを持つネットワークエンジニアの将来性は、高いと言えるでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を使って、ビジネスやサービス価値を変革することです。DXはどんどん加速化していますが、ネットワークはDXを推進する基盤です。
例として、IoT(モノのインターネット)によって、多くのデバイスがネットワークに接続され、データをリアルタイムで収集・分析することが可能となり、また求められてもいます。
あわせて、クラウドサービスやVPN、SD-WANなどといった技術を活用する会社も増え、これらの技術を組み込むスキルが、ネットワークエンジニアに求められてきています。
上記の理由により、有名な大企業でも、「スキルが高いネットワークエンジニアであれば、多数採用したい」と考える会社も増えており、ネットワークエンジニアは、需要と将来性が見込める職種です。
以上から、ネットワークエンジニアの将来性は非常に高いと言えるでしょう。ITインフラの拡大と複雑化、セキュリティの重要性の高まり、DXの加速は、ネットワークエンジニアの需要を後押ししています。
このように、今後必要となる、将来性高いスキルを身につけたネットワークエンジニアは、これから更に活躍の場が増えていくでしょう。
■関連記事:ネットワークエンジニアの将来性とは?需要が高まるスキルも解説
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違い
ネットワークエンジニアに非常に近しい職種として、インフラエンジニアがあります。
IT業界において、「ネットワークエンジニア」と「インフラエンジニア」は、どちらも企業の情報システムを支える職種ではあるものの、その業務内容や専門分野には、明確な違いがあります。
ここでは、ネットワークエンジニアと、インフラエンジニアの違いについて、説明していきます。
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの、仕事内容の違い
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いにおいて、もっとも理解すべき内容は、担当する仕事の範囲と、役割が異なることです。具体的には、以下の図のようになります。



上記図のように、ネットワークエンジニアとインフラエンジニアは、仕事内容(担当する領域)が異なります。
ネットワークエンジニアは、主に「ネットワークの設計・構築・運用を行うエンジニア」のことを指します。
一方で、インフラエンジニアは、「インフラ全般(ネットワーク、サーバー、OS、ストレージ、仮想化、クラウドなど)の設計・構築・運用を行うエンジニア」のことを指します。
■未経験者は、まず以下のように覚えよう:
・ネットワークエンジニア:ネットワーク領域に特化した専門職
・インフラエンジニア:インフラ全般(ネットワーク、サーバー、OS、ストレージ、仮想化基盤、クラウドなど)を扱う技術職
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアは、密接に関連している
ネットワークエンジニアとインフラエンジニアは、担当する分野が異なるため、必要となるスキルも異なります。しかし、ネットワークとインフラエンジニアの仕事は、密接に関連しています。
例えば、インフラエンジニアが管理するサーバーが、ネットワーク上で適切に通信を行えるよう、ネットワークエンジニアがトラフィックの最適化やセキュリティ対策を行うなど、両者は切り離せない存在です。
また、ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いについて、さらに詳しく知りたい方は、別記事の「【徹底比較】ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いとは?」をあわせてお読みください。
ネットワークエンジニアの仕事は楽しいのか?
インターネットやクラウドサービスが当たり前となっている現在において、その裏側では、ネットワークエンジニアが縁の下の力持ちとして活躍しています。
しかし、その中で「ネットワークエンジニアの仕事は、楽しいのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
そもそも、楽しいと感じるポイントも、人によってはさまざまですが、ここでは、ネットワークエンジニアの仕事において、よくある楽しさや魅力について説明していきます。
■ネットワークエンジニアの仕事の楽しさ:
・問題解決の楽しさ
・インフラを支える責任感
・常に学び続ける環境と、成長
・働く環境とキャリアパス
問題解決の楽しさ
ネットワークエンジニアの仕事において、大きな魅力の一つは、問題解決の機会に関わることが多いことです。
例として、ネットワーク障害やトラフィックの問題、接続の不具合など、さまざまな技術的問題に関わりますが、これらを解決して満足を得られる人も多いです。
具体的には、企業の重要なサービスがネットワーク障害でダウンした場合、その原因を特定し、復旧させる役割は非常に重要です。問題が解決した時に「アドレナリンが出る」という人もいます。
インフラを支える責任感
IT/DXが進展する現在において、ネットワークは、電気や水道といった社会インフラと比較しても、同レベルと言えるほど重要な役割があります。
そのネットワークが正常に動いていることで、多くの人の仕事や生活が支えられていることを実感できるのも、大きなやりがいと言えます。
常に学び続ける環境と、成長
ネットワーク技術は、日々進化しているため、ネットワークエンジニアは常に新しい技術を学び、適応していく必要があります。例として、SDN、SD-WAN、5G、IPv6など、学ぶことは尽きないと言えます。
このように、常に学び続ける環境は、エンジニアとしての成長を実感できると言えます。好奇心が強く、学ぶことが好きな人、飽きないように学び続けたい人などにとって、成長の環境があると言えます。
また、資格取得などを通じて、自分の知識や評価が向上していくことや、スキルアップにつながっていくことにモチベーションを感じる人もいます。
働く環境とキャリアパス
ネットワークエンジニアは、企業のITインフラを支える重要な役割を持つため、その仕事の価値は高いです。そのため、ネットワークエンジニアは、努力次第で高い給与や、安定した職場環境を得られやすい職種です。
また、ネットワークエンジニアとしてスキルアップを続けると、人材不足の職種であるため、転職でも引く手あまたの存在になれます。またセキュリティエンジニアやPMなど、さまざまなキャリアを描くこともできます。
上記のように、ネットワークエンジニアにはさまざまな魅力があり、楽しさがあります。
一方で、仕事であるため、大変なことや、きついこともあります。ネット掲示板などでは、「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われることもあります。
以下からは、ネットワークエンジニアがきついと思われることや、デメリットについて、あわせて説明していきます。
ネットワークエンジニアはやめとけ?知っておくべきデメリット
ネットワークエンジニアは、ITインフラの根幹を支える重要な役割があり、需要も高く、将来性も高い職種です。一方で、すべての職種で言えることでもありますが、大変な面やデメリットもあります。
「ネットワークエンジニアになりたいけど、本当に大丈夫?」、「今の仕事を続けるべきか、迷っている」という人に向けて、ここでは、ネットワークエンジニアのデメリットを説明していきます。



スキル習得が難しい
ネットワークエンジニアが必要とされる知識はとても多く、また知識をスキルに変換するのも非常に大変です。特に、ネットワーク構築までたどりつくまでに、人によっては多大な学習時間が必要になります。
また、ネットワーク技術は日々進化しているため、新しい技術を習得し続ける必要もあります。新しい技術を身につけることにも、時間や労力がかかるため、ネットワークエンジニアは学び続ける意欲が求められます。
技術に対して興味がある人、また向上心がある人、コツコツ学習できる人であれば問題ありませんが、新しい技術を学び続けることが負担に感じる人にとっては、大きなデメリットになる可能性があります。
夜勤シフトやトラブル対応
ネットワークエンジニアの仕事において、知識やスキルが十分でない初期では、監視を任されることが多いでしょう。監視業務では、24時間365日対応する必要があるため、夜勤シフトがあります。
夜勤シフトは、スキルアップとステップアップで抜け出すことができますが、抜け出すにはスキルや知識の習得が必要です。また、勤務する会社によっては、転職しないと監視業務から抜け出せないこともあります。
あわせて、ネットワークの障害は予期しにくいことが多く、トラブルが発生した場合は、勤務時間外にも対応しなければいけないこともあります。
また、ネットワークの障害は、迅速な復旧対応が求められるため、障害の影響の大きさによっては、ストレスやプレッシャーを強く感じる場合もあります。
年収が上がりにくい
ネットワークエンジニアは実力主義の世界です。ゆえに、「スキルアップ=年収アップ」となるため、スキルや経験を積まないと、年収はなかなか上がりません。
そのため、ただ経験年数のみを積んでも、年収は非常に上がりにくい実状があります。
スキル習得や資格取得など、エンジニアとして活躍するために努力を惜しまない場合は、年収は上がりやすい職種であるものの、逆にスキル習得を怠ると、昇給や待遇改善の機会が少ない職種でもあります。
■関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけと言われる理由9選、実態と対処法
未経験からネットワークエンジニアに転職するには
ネットワークエンジニアは、需要に対して人材が不足しているため、未経験からでも目指しやすい職種です。
特に、ネットワーク監視の仕事であれば、若手であれば、知識ゼロからでも挑戦しやすいでしょう。しかし、知識ゼロで転職をすると、エンジニアではなくオペレーターになってしまうことがよくあります。
ここでは、未経験からネットワークエンジニアに転職するために、より適切かつおすすめのステップを説明していきます。
■未経験からネットワークエンジニアになる、おすすめのステップ:
・ステップ1:ネットワークエンジニアの仕事内容を理解する
・ステップ2:ネットワークの基礎知識を学ぶ
・ステップ3:評価される資格を取得する
・ステップ4:志望動機を作成し、転職活動を行う
ステップ1:ネットワークエンジニアの仕事内容を理解する
まず、ネットワークエンジニアの仕事内容を理解することが重要です。採用担当から「ネットワークエンジニアの仕事を勘違いしている」と思われると、内定につながりません。
特に理解をすべき内容は、ネットワークの「設計」、「構築」、「運用」、「監視」という4つの工程の仕事内容です。これらの4つの工程は、確実におさえておきましょう。
設計、構築、運用、監視といった工程について、よく覚えていない場合は、本記事の最初に記載していますので、再度読み返してみてください。
ステップ2:ネットワークの基礎知識を学ぶ
次に、ネットワーク関連の基礎知識を身につけることが大事です。ネットワークの基礎知識を抑えることで、実際の研修や仕事でつまづきにくくなり、また選考でも通過しやすくなります。
また、学ぶべき内容は、少なくともTCP/IPのプロトコルやOSI参照モデル、IPアドレスとサブネット、ネットワーク機器(ルータ、スイッチ、ファイアーウォールなど)あたりは抑えるべきでしょう。
ステップ3:評価される資格を取得する
ネットワークエンジニアを未経験で目指す場合、評価される資格を取得することは、非常に重要かつ有効な手段です。
資格を取ることで、採用担当者に知識レベルを証明できかつ、エンジニアになりたい強い意思や覚悟を示すこともでき、転職における強い武器となります。
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、もっとも適切な資格は、CCNAです。CCNAで学ぶ知識が、もっともネットワークエンジニアの仕事に直結します。
ステップ4:志望動機を作成し、転職活動を行う
ネットワークの学習や、資格取得を行った後には、ネットワークエンジニアの志望動機を作成し、転職活動を行っていきます。
最初に行うことは、履歴書と職務経歴書を作成することですが、未経験者でもこれまで学んだネットワークの学習内容や、取得した資格をしっかりアピールすることが大事です。履歴書や職務経歴書に記載していきましょう。
また、「なぜネットワークエンジニアを志望するのか?」という志望動機を、履歴書や職務経歴書にしっかり記載することが非常に重要です。未経験転職の成功の鍵は、志望動機です。
履歴書や職務経歴書を作成し終えたら、実際に求人情報を探し、応募をしてみましょう。
また、当社のような転職エージェントを利用するのも一つの手です。転職エージェントは、無料で未経験者向けの求人を紹介してくれかつ、面接対策や職務経歴書作成のサポートをしてくれます。
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さいごに
ネットワークエンジニアは、企業や組織の通信インフラを支える重要な職種です。仕事内容も、ネットワークの設計、構築、運用、セキュリティ対策など、多岐にわたります。
また、近年ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウド技術の進展により、ネットワークエンジニアの役割がますます重要になっていますが、エンジニアの数は、大きく不足している状況です。
ゆえに、未経験からでもネットワークエンジニアは目指しやすく、知識や経験を積むことで、キャリアアップも実現しやすい職種です。
ネットワークエンジニアという専門職に興味を持ち、技術職として活躍していきたい方は、ぜひ挑戦してみてください。
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